セカンドファーストバースデー ( No.2 ) |
- 日時: 2012/06/10 22:39
- 名前: 何処 ID:bphS6_wayug
- 【セカンドファーストバースデー】
このジオフロントで私を弐号機パイロットと呼称する人間は唯一人しかいない。 つまり、私を呼び止めたのは、何故かあのエコヒイキ女だった。 そう、この白いプラグスーツを着用した赤い瞳の女こそ、何故かあたしより早くエヴァンゲリオンパイロットに任ぜられた…ムカつく事に…ファーストチルドレン・綾波レイだ。
わざとらしくあら、あんたが声を掛けて来るなんて珍しい事もあったものね等と答えながら観察。
…こいつアンダー細いからカップのでかさが映えるのよね…あたしより小さいのに…やっぱムカつく。
で、何か用?ファーストと問いかける声は我ながら刺々しいと思う。
…ま、流石に『エコヒイキ』と以前の様に直接は呼ばなくなったけど。私も丸くなったものだ。
するとエコ…ファーストは私に聞きたい事があるのと答えた。
…ええと…何て言ったかしら…
そう!晴天のヘキレキって奴よ!この女がアタシに話し掛けて来るってだけでも驚きなのに『聞きたい事があるの』ですって!?
へー?続けて珍しい事が起こるものねーと内心の驚愕を誤魔化しながら台詞を紡ぐ。 …一寸は反応しなさいよ… 又ムカついたのでからかい半分にファーストチルドレンたるあんたに知らない事なんか有ったんだと台詞を続けた。 これで少しは反応するかと期待してたのだが相変わらずの…と、と、と…惚けだっけ?惚けた無表情。 半ば呆れながらあたしがあんたに質問される様な事になるとは思わなかったわと嘆息混じり実感たっぷりに告げた。
…これだけ言われても無反応なつまらない女に嫌悪を抱きながら一体何が聞きたいのか聴いて…私は絶句した。
…誕生日って嬉しいのかって聞かれてもねえ…
間抜けな表情で思わず…は?と一言。
そんな私の様子を気にも留めず彼女は語る。人は誕生日を祝うものだと聞いたのだと。 誕生日とは、生まれた事を感謝する日だと聞いたと語る彼女にあ?え、えぇまぁそうねと曖昧に答えると… 何て言い出したと思う? ならば、誕生日とは嬉しい物なの?ですって! …え?よ!え?の一言!他に台詞なんか出やしないわよ全く! こいつは何を言い出すの!誕生日が嬉しいの?ってどう言う意味よ!?!! 混乱する私に気付かずに、だとすれば私も人の誕生日をお祝いしてあげるべきなのかしら?と話し続ける彼女に思わずスターップ!
こ…こいつ間違い無く馬鹿だわ、それも馬鹿シンジとタメな位相当な馬鹿。そう確信して罵倒しようとこいつの顔を… …何?!な顔晒してるのよっ!あ、あんたちゃんと表情出せるじゃな…て、それはどうでも良いわ…と、とにかく事実確認を…
ええっと…ちょーっとファーストぉ!ファーストチルドレン綾波レイっ!と馬鹿女を呼ぶ。きょとんとした顔の女は瞼をパチクリ赤い瞳で私を見詰めて…
…な、何よか、可愛いじゃないのよ…
こ、こほん!と内心で咳払いをして事実確認をする。 あ、あんたまさか自分の誕生日知らないとか祝って貰った事無いとか言わないでしょうね!!と思わず台詞を咬みながら裏返った大声のソプラノで問う私。
大声出て当然でしょ!?だってこいつエコヒイキなのよ!エコヒイキがエコヒイキの癖にエコヒイキらしからぬエコ…いやいや落ち着けあたし。
とにかく!事実は確認しなければ…こめかみに浮かぶ血管を感じながら詰め寄るあたしに気圧された様に何時もの調子でボソボソと、誕生日は3/31、祝って貰ったわと答える女。 その答えに何故か安堵して、私はなんだ有るんじゃないと軽口を叩き…今回初めて。と続けて答えたこいつの声に硬直した。
…絶…句…
フリーズの文字通りに凍り付いた私の顔を覗き込むこいつはその表情に疑問符を浮かべていて。
…そして時は動き出す…
…初め…て?とやっとの思いで捻り出した台詞はやっぱり上ずって震えてて。
ええ。碇君に。と答えるこいつはやっぱりきょとんとしていて。
WILL…あ、つ、つい英語が。え、ええと…も、もう一回聴いてみよう。
本当に?と問うあたし、本当に。と答えるこいつ…木霊でしょうか?と心の中の逃避願望が呟く。無視〃
ん〜えぇと…と生返事をしながら脳内記憶情報を整理… …ふと浮かんだ疑問が思わず口に出る。 ええと…あんた確かアタシと同学年だった…わよね?と聞かずもがなな事実確認。 やっぱり疑問符を表情に張り付けた女が首を傾けたままにええと答える。 貴女と同じクラスだから当然同学年…ってそんな事判ってるわよこの馬鹿女っっ!
!どー言う事よっ!もう反射的に声を上げる私。 あんたエコヒイキなんでしょ!エコヒイキがエコヒイキの癖に何で誕生日祝って貰えないのよ!と本音全開に喚き散らす!
そんなあたしの様子に相当驚いたのだろう、汗を額に滲ませ台詞を噛みながら弐号機パイロットと私の名を呼ぶ馬鹿女が、何故怒ってるのと私に問い返す。
その様子が更に私を苛立たせて、あたしは思わずあんたこそ何で怒ってないのよ!と… …何であたしこんなに怒ってるのかしら?
※※※
全くこの女と言い馬鹿シンジといい… 聞き出してみれば要は馬鹿シンジに人生で初めて誕生日を祝って貰ったこのお馬鹿な女がお礼をしたいって事じゃない。 …ま、この女も只のエコヒイキってだけじゃ無くて色々訳有りって事は解った…詳しくは聞かなかったけど。 ま、言いたくなれば言うでしょうし私も人のプライバシーに無闇に首を突っ込む気も暇も無いから、それは別にどうでも良い。
それより馬鹿シンジだ!
馬鹿シンジは如何にも馬鹿らしく自分の誕生日を誰にも言ってなかったのだ!しかももう何日も前に過ぎてたなんて全く馬鹿シンジがあっ! お蔭で私は散財する羽目に…え?何でって? あのねえ…あたしはこの馬鹿シンジの誕生日も馬鹿女の誕生日も知らなかったのよ! こんなイベントを私抜きで行うなんて許せる筈無いじゃない!! しかしミサトもミサトだ、同居者の誕生日位覚えてなさいよ!仮にもあんた保護者じゃない! 飾り付けをしながら文句を言う私に下を向いて指先をテーブルに捏ね回しながら仮にもってとかブチブチ呟く年増、全く…片付けしてるペンペンの方が未だ使えるわね… お喋りする暇に手を動かせと言うと、のそのそテーブルを拭きだしながらシンジ君に手伝って貰えればと又言う牛女に主賓達に手伝わせるながさつ女!とつい怒鳴る。
全ての準備が出来て部屋に押し込めた二人を呼び出すまで一時間で済んだのは奇跡だと思うわ。
そして私達は3ヶ月遅れと数日遅れの合同誕生日会を開催した。馬鹿シンジは涙ぐむし馬鹿女は笑うし牛女は酔っ払うし…あ、これはいつもか。
ま、そんなこんなでお祝いをした。
…で、あたしも馬鹿女を素直に見習って馬鹿シンジに聞いたの。あ、シンジ。一つ聞きたいんだけどって。 …ヘキレキってどう言う意味か教えてって。
うん、判らないなら聞けばいいのよね。
《ドレミファロンド》 http://www.youtube.com/watch?v=bphS6_wayug&sns=em
…だからミサト、あたしはシンジにヘキレキって何か聞いたの!性癖じゃないってば!馬鹿シンジの性癖聞いてどうすんのよ!
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