[820] キリ番1111
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- 日時: 2021/08/04 20:56
- 名前: 史燕
- キリ番1111
Written by 史燕
キリ番。 キリのいい番号。 インターネットサイトの訪問者や掲示板のスレッド番号などに使われる表現。 キリ番に該当した閲覧者は、それを記念して作品を作成する義務が発生する。 この義務を怠ると、「キリ番踏み逃げ」という大罪を犯した咎により、贖罪に努める義務が発生する場合が多い。
「綾波、何見てるの?」
パソコンのディスプレイを眺める綾波に、僕は声をかけた。
「『綾波レイの幸せ』っていうサイトを見てたら、キリ番? なんていう言葉が出てきて……」 「ふーん、この史燕って人が『踏んじゃった』って言っている部分か」 「そうなの、セカンドインパクト以前から続く風習らしくて」 「それはすごいね」
初めて耳にした風習だけど、それなりに歴史があるらしい。 その後も興味深そうにディスプレイを覗き込む彼女は、僕が入室してから一度も顔を向けようとしない。 そんあな彼女に大いなる不満と少しばかりのいたずら心が芽生えた僕は、そっと背後から手を回し、彼女の胸元で腕を組んだ。 そして、強すぎないよう加減をしながら、両腕に力を込めて、椅子ごと彼女を抱き寄せる。
驚いて言葉が出ない彼女に追い打ちをかけるように、そっと耳もとでささやいた。
「キリ番なら僕も今日踏んだよ」
「えっ?」
なんのことかわからないという様子の彼女に、気にしていたのは僕だけだったと気付きちょっとショックを受ける。 だから淡々と、少しだけ咎めるニュアンスも込めつつ、僕の大切な貴女に対して宣言。
「僕たちが出逢ってから、今日が1111日目だから」
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