桜花姫 ( No.25 ) |
- 日時: 2021/08/17 09:38
- 名前: 月影桜花姫
- 第二部
第一話
斬首
世界樹の霊魂巨神木との死闘から半年後の天地歴四千二十年十二月中旬…。太平神国に安寧秩序が到来したものの近頃東国の中心街では何者かによって頭首を斬首される連続殺人事件が多発したのである。殺人事件の発生に町民達は畏怖する。真夜中に二人の鎮守府常備軍の邏卒が東国の中心街を夜番したのである。 「折角平穏が戻ったのに…殺人事件が三件も連続的に発生するなんて物騒だな…」 「恐らく匪賊の仕業だろうが…斬首するなんて随分悪質だよな…」 殺害された被害者達は三人とも頭首を斬首された状態であり翌朝には斬首された頭部と遺体が事件現場で発見される。すると小柄の邏卒がブルブルと寒気を感じる。 「こんな真夜中に人殺しなんかと出くわしたくないぜ…勘弁しろよな…」 「東国の武士団である俺達が人殺しに畏怖して如何する?こんな小事件で畏怖しちまったら俺達は世間様の笑い者だぜ…」 「今回も月影桜花姫様の出番だよな…彼女だったら百人力?千人力だろうし…」 邏卒が口走った月影桜花姫の一言に大柄の邏卒が苛立ち始める。 「桜花姫…桜花姫って…毎回不寝番の桜花姫に頼りっ放しだと東国の武士団は不必要だって村人達から造反されちまうよ!好い加減武士団の上役達も内部を改革させないと形骸化しちまうぞ…」 近年では不寝番の最上級妖女…。月影桜花姫の悪霊征伐により東国武士団の権威が失墜したのである。東国武士団の形骸化と他力本願が問題視され武士団内部からも改革派が出現…。武士団全体の再構築が公言されたのである。 「相手が匪賊だけなら俺達でも対処出来るかも知れないが…神出鬼没の悪霊なんて俺達では頑張っても如何にも出来ないだろ…」 「相手が悪霊だったらな…」 彼等が雑談中…。 「ん?」 東国と北国に国境に直結する両国橋より番傘を所持した赤色の着物姿の女性がポツンと佇立した様子であり天空の満月を眺望する。 「一体誰だろう?」 「こんな真夜中に女人が一人で何を…」 彼等は恐る恐る両国橋へと移動するなり…。番傘の女性の背後に近寄ったのである。女性は小柄の背丈であるが非常に美的の雰囲気であり頭髪には寒椿の髪装飾が確認出来る。 「真夜中だぞ…近頃は斬首事件で物騒だしこんな真夜中にあんたみたいな小町娘が一人で出歩くのは危険だぜ!即刻家屋敷に戻りやがれ!」 大柄の邏卒は強気の態度で女性に命令する。大柄の邏卒は強気であったが女性は無反応であり見向きすらしなかったのである。 「此奴…」 (畜生が…無視しやがって!) 大柄の邏卒は女性の態度に苛立ったのかピリピリする。すると小柄の邏卒が恐る恐る…。 「失礼なのですが…貴女様みたいな美人さんがこんな真夜中に一人で出歩かれたら人攫いに遭遇するかも知れませんし…即刻家屋敷に戻られませんか?」 小柄の邏卒が物静かに発言するも女性は反応しない。 「此奴…聾者っぽいな…」 「彼女は雛人形みたいだな…私達の問い掛けには反応しないし…」 (不吉だな…) ゾッとした小柄の邏卒は女性の雰囲気に畏怖したのか恐る恐る後退りしたのである。 「貴様…こんな小町娘に畏怖するなんて♪余程の小心者だな♪」 大柄の邏卒は女性の背後へと移動するなり…。 「外見だけなら可愛らしい雰囲気だな♪素顔は別嬪かな?」 小柄の邏卒はビクビクした様子で大柄の邏卒に制止する。 「女人に手出しするなよ!任務は如何する!?」 制止する小柄の邏卒に大柄の邏卒は強気で反論したのである。 「任務なんて後回しだよ♪後回し♪」 「後回しって…」 大柄の邏卒の無責任さに呆れ果てる。 「真夜中だし…人目は貴様だけだからな♪」 大柄の邏卒はムラムラした様子で赤面するなり…。 「小町娘の姉ちゃんよ♪俺と一緒に夜遊びしないか?」 小柄の邏卒は膠着したのである。 (一体如何すれば…) 困惑した直後…。女性が背後を直視したのである。 「えっ?」 女性は半透明の血紅色の瞳孔であり無表情で大柄の邏卒を凝視する。 「素顔も別嬪だな♪」 大柄の邏卒が微笑した直後…。大柄の邏卒の喉元から血液が流れ出る。 「えっ?流血だと?」 大柄の邏卒は恐る恐る喉元に接触する。 「如何して流血した?」 すると直後…。 「えっ?」 大柄の邏卒の頭首がポロッと橋板に落下したのである。 「ひっ!」 (一体何が!?) 小柄の邏卒は極度の恐怖心により恐る恐る後退り…。一目散に逃走したのである。翌朝…。東国と北国の国境に直結する両国橋にて斬首された大柄の邏卒の遺体が発見される。当日の真昼…。最上級妖女の月影桜花姫は久方振りに東国の三蔵郎の寺院へと訪問したのである。 「三蔵郎様♪」 「桜花姫様でしたか♪久方振りですな♪本日は如何されましたか?」 三蔵郎は久方振りの桜花姫の訪問に大喜びする。 「勿論暇潰しよ♪」 「承知しました♪折角ですし昼食でも如何でしょうか?」 「昼食ですって♪空腹だから頂戴するわね♪」 三蔵郎は桜花姫に客室へと案内したのである。 「早速食事を用意しますので…」 三蔵郎は客室から退室する。 「霊魂巨神木の事件は無事に解決したけれど…悪霊が出現しないと面白くないわね…」 半年前に発生した霊魂巨神木の事件は無事に解決したが…。 「毎日が退屈だわ…」 平和が到来すると非常に退屈なのか普通の日常生活が憂鬱に感じられる。 「今後如何しましょう…」 すると三蔵郎が恐る恐る客室へと戻ったのである。 「桜花姫♪」 「三蔵郎様…食事は何かしら?」 「本日の昼食は天丼ですよ♪」 三蔵郎が用意した食事は美味しそうな天丼であり桜花姫は頬張りたくなる。 「天丼なのね♪美味しそうだわ♪」 海老天を頬張る直前…。何者かが寺院の客室へと乱入したのである。 「失礼します!」 突然の出来事に桜花姫と三蔵郎は驚愕する。 「きゃっ!」 「うわっ!」 「突然何事よ!?」 客室へと乱入した人物とは小柄の邏卒である。 「誰かと思いきや…鎮守府の駐在員さんでしょうか?」 「如何して鎮守府の駐在員さんが三蔵郎様の寺院なんかに?」 小柄の邏卒は桜花姫を直視するなり…。 「ひっ!悪霊!?」 「なっ!」 邏卒の悪霊発言に桜花姫はムッとする。 「失礼しちゃうわね!地上界の女神様である私に悪霊ですって!」 失言した邏卒を睥睨するなり…。 「命知らずのあんたは招き猫に変化しなさい♪」 すると小柄の邏卒は桜花姫の変化の妖術によって招き猫に変化させられる。 「えっ!?駐在員さんが招き猫に!?」 三蔵郎は一瞬で招き猫に変化した邏卒を直視すると驚愕したのである。 「私の天道眼は変化の妖術で多種多様の物体を別物に変化させられるのよ♪悪霊は勿論…人間だって無条件に変化させられるからね♪」 すると三蔵郎は恐る恐る桜花姫に…。 「ですが桜花姫様…遣り過ぎでは?彼を元通りには戻せないのでしょうか?」 「勿論戻せるわよ♪」 変化の妖術を解除…。妖術で招き猫に変化させられた邏卒は元通りの人間の姿形に戻ったのである。 「元通りに戻れた…」 小柄の邏卒はホッとする。 「反省しなさいね♪」 桜花姫は笑顔で発言したのである。すると邏卒はビクビクした様子で恐る恐る…。 「失礼しました…桜花姫様…」 桜花姫に謝罪したのである。 「気にしないで♪金輪際地上界の女神様である私に悪霊なんて失言したら今度こそ桜餅に変化させてあんたを食い殺しちゃうからね♪」 邏卒は勿論…。 (桜花姫様…) 三蔵郎も苦笑いする。 「ですが突然如何されたのですか?重役である東国武士団の駐在員さんがこんな寺院に訪問されるなんて…事件でも発生したのでしょうか?」 「昨夜の出来事なのですが…」 邏卒は昨夜の出来事は勿論…。昨今に頻発した連続斬首事件を洗い浚い告白したのである。 「真夜中の連続斬首事件ですか…一大事ですね…」 「昨夜に遭遇した小町娘によって私の仲間が殺されましたからね…」 (小町娘?) 小町娘の一言に桜花姫が反応する。 「駐在員さんの仲間は小町娘に殺されたの?」 桜花姫が質問すると邏卒は恐る恐る…。 「彼女は妖術らしき摩訶不思議の効力で…私の仲間の頭首を斬首されたのです…被害者達は全員共通して頭首を斬撃された状態でしたからね…」 「ひょっとして妖女の仕業かしら?」 「妖女ですと?」 三蔵郎と邏卒は桜花姫の妖女の一言に反応したのである。 「真犯人が妖女なのかは現段階では断定は出来ないけれど…彼女の特徴とかは?」 桜花姫の質問に邏卒は恐る恐る返答する。 「私が遭遇した小町娘の特徴ですか…特徴であれば赤色の着物姿でしたね…頭髪には寒椿の髪装飾…右手には番傘でした…」 「赤色の着物姿…寒椿の髪装飾…番傘ね…」 桜花姫は一瞬沈黙したのである。 「桜花姫様…如何されましたか?」 「ひょっとすると今回の連続斬首事件も…悪霊の仕業かも知れないわ…」 「悪霊ですと!?」 三蔵郎と邏卒は悪霊の一言に反応する。 「ひょっとすると【椿女郎】って名前の小町娘の悪霊の仕業よ…」 「椿女郎ですと?椿女郎とは一体何者なのでしょうか?」 「椿女郎はね…」 椿女郎とは戦乱時代に極悪非道の荒武者によって頭部を斬首された村娘の亡霊である。外見のみなら容姿端麗の小町娘であるが…。霊力は非常に強力であり彼女の瞳孔を直視した人間は彼女の霊力により頭首を斬首される。今現在でも成仏出来ずに各地を徘徊しては遭遇した人間の頭首を自身の霊能力で斬首したのである。 「戦乱時代に斬首された村娘の悪霊でしたか…非常に気の毒ですね…」 「椿女郎の瞳孔を直視すれば彼女の霊能力によって頭首を斬首されるわ…」 「私が彼女に斬首されなかったのは…」 「あんたが斬首されなかったのは幸運にも彼女の瞳孔を直視しなかったからよ…」 命拾いした邏卒であるが…。 「ですが正直…私も彼女の素顔を拝見したかったですよ♪彼女は別嬪っぽかったし…」 「駐在員さんが死にたくなったら彼女の素顔を直視しなさいよ♪」 桜花姫は笑顔で発言する。 「桜花姫様は意地悪ですね♪」 談笑した桜花姫と邏卒であるが桜花姫は邏卒に質問したのである。 「如何してあんたは初対面の私を悪霊と勘違いしたのよ?」 邏卒は苦笑いするなり…。 「椿女郎と命名される悪霊が奇遇にも桜花姫様と姿形が一致しましてね…桜花姫様が一瞬悪霊かと勘違いしちゃったのですよ♪」 「桜花姫様は普段から赤色の着物姿ですからね♪」 「三蔵郎様も…失礼しちゃうわね…」 三蔵郎に揶揄された桜花姫は表情が赤面する。 「勿論桜花姫様は別嬪ですよ♪」 「勿論ですとも♪」 「私が別嬪なんて三蔵郎様も駐在員さんも大袈裟ね♪」 桜花姫は内心大喜びしたのである。 「椿女郎は即刻仕留めないと温厚篤実の女神様である私が悪霊と勘違いされちゃうからね!傍迷惑だわ…」 「桜花姫様の風評被害は勿論ですが…今回の問題を放置し続ければ大勢の町民達が斬首されますからね!」 三蔵郎は桜花姫を凝視するなり…。 「桜花姫様…即刻悪霊の椿女郎を征伐しなくては…」 「本来なら即刻征伐したいのだけれど…生憎椿女郎が出現するのは真夜中だけなのよね…」 椿女郎が出現するのは真夜中のみであり日中では出現しない。桜花姫は邏卒に指示する。 「駐在員さんは武士団の役人達に今夜の夜番活動を中止させなさい…勿論東国の町民達には夜間の外出を厳禁させてね♪」 「承知しました…私は失礼しますね…」 承諾した邏卒は外出したのである。 「ですが今回の悪霊事件も非常に厄介そうですね…」 「厄介かしら?悪霊退治屋の私にとっては好都合だけれどね♪何よりも悪霊征伐なんて久方振りだし♪」 久方振りの悪霊出現に桜花姫は大喜びする。 「ですが奇妙ですね…」 三蔵郎の表情が険悪化したのである。 「何が奇妙なの?三蔵郎様?」 「霊魂巨神木の悪霊の集合体を桜花姫様が成仏させたのに…今回は女人の悪霊が出現しました…」 半年前に霊魂巨神木に憑霊した悪霊の集合体は桜花姫の神通力によって成仏されたが…。近頃は各地に悪霊が再出現し始めたのである。少数であるが悪霊の再出現に三蔵郎は極度の胸騒ぎを感じる。 「桜花姫様…私は極度の胸騒ぎを感じるのです…」 「胸騒ぎですって…」 「今迄に出現した以上の悪霊が出現するかも知れません…」 三蔵郎は今迄に出現した悪霊とは桁外れの霊力を保持…。強大なる悪霊の出現を危惧したのである。三蔵郎は人一倍心配性の性格であるが桜花姫も悪霊の再出現は非常に気になる。 「兎にも角にも私は今回の悪霊を征伐するわね…」 「承知しました…桜花姫様…」 「早速昼食を頂戴するわね♪」 桜花姫と三蔵郎は昼食の天丼を食事したのである。当日の真夜中…。桜花姫は久方振りの悪霊征伐にワクワクした様子で闇夜の東国に直行する。 (椿女郎…今夜は出現するかしら♪) 一時間後…。東国の中心街へと到達する。 「真夜中の東国って普段は都会なのに無人の過疎地みたいだわ…」 日中は人通りが過多である東国の中心街であるが…。真夜中では人通りは皆無であり武士団の夜間の外出禁止命令によって町民は誰一人として確認出来ない。 「好都合ね♪」 今夜は武士団の巡邏も禁止される。 「悪霊を仕留めて思う存分熟睡するわよ♪」 適当に中心街を出回るのだが…。霊力らしい霊力を感じられず悪霊らしき物体は何一つ発見出来ない。 「はぁ…」 (霊力も感じられないわね…) 困惑した桜花姫であるが…。 「両国橋は如何かしら…」 事件現場である東国と北国を直結する両国橋を想起したのである。 「両国橋に直行するわよ♪」 即座に両国橋へと移動する。数分後…。両国橋へと到達したのである。 「両国橋に到着したけれど…」 周囲を警戒するが霊力も人影も皆無であり桜花姫は落胆する。 「如何しましょう…」 (真夜中に発見出来なければ悪霊を仕留められなくなるわ…) 一息したのである。 「今夜は出直しかしら…」 西国に戻ろうかと思いきや…。突如として背後より人気を感じる。 「えっ?」 (人気かしら?) 彼女は恐る恐る背後を警戒するなり…。 「こんな真夜中に誰かしら?」 桜花姫の背後には番傘を所持した赤色の着物姿の女性が真夜中の満月を眺望する。彼女の頭髪には寒椿の髪装飾が確認出来る。 (番傘と寒椿の髪装飾…ひょっとして彼女は…) 桜花姫は警戒した様子で恐る恐る一歩ずつ番傘を所持する女性へと近寄る。 「あんたは悪霊の椿女郎ね…こんな真夜中にあんたみたいな村娘が一人で外出するなんて不自然だわ…」 桜花姫は女性に問い掛けるが…。番傘の女性は沈黙した様子であり只管天空の満月を眺望し続けるだけである。 (私の問い掛けに無視するなんて…腹立たしい悪霊ね…) 彼女の態度に桜花姫はピリピリする。すると椿女郎は背後に位置する桜花姫の方向を直視する直前…。 「えっ!?」 桜花姫は即座に両目を瞑目させる。 (危機一髪だったわ!下手に彼女の瞳孔を直視すると斬首されちゃうのよね…) 桜花姫は瞑目した状態で恐る恐る後退りする。 (非常に厄介だわ…如何しましょう…) 瞑目し続けた状態では身動きすら不安定であり妖術を発動したくても集中出来ず思う存分に妖術を発動出来ない。 (こんな状態では不利だわ…) 「一か八か逃げましょう!」 桜花姫は両国橋から一目散に逃走したのである。 (緊張しちゃったから変化の妖術も発動出来ないわね…) 緊張したのと椿女郎の素顔が気になり変化の妖術を発動したくても発動出来なかったのである。 (彼女の素顔も気になるし…) 「一か八か…」 桜花姫は斬首を覚悟…。再度両国橋へと戻ったのである。数分後…。桜花姫は両国橋に到達する。両国橋には満月を眺望し続ける椿女郎が確認出来る。 (椿女郎だわ…今度こそ妖術で仕留めるわよ♪) 桜花姫は恐る恐る椿女郎に近寄る。 「椿女郎!今度こそあんたを成仏させるからね!覚悟しなさいよ!」 すると数秒後…。椿女郎は桜花姫に反応したのか再度背後の彼女を直視するなり無表情で桜花姫を凝視する。 (椿女郎って…悪霊なのに意外と美人さんなのね♪) 彼女の素顔は非常に美的であり桜花姫でさえも容姿端麗であると感じる。 (本当に斬首されるかしら?) 数秒間が経過したものの…。何も発生しない。 「別に大丈夫そうね♪」 大丈夫であると確信した直後…。 「えっ?」 喉元からポタポタッと赤色の液体が流れ出る。 「何かしら?」 桜花姫は恐る恐る首筋の液体に接触したのである。 「流血だわ…」 皮膚から流れ出る赤色の液体が血液であると確信した直後…。桜花姫の頭首がポロっと橋板に落下したのである。椿女郎は霊能力で桜花姫の頭首を斬首すると不吉の表情で微笑する。彼女は再度満月を眺望するのだが…。 「残念だったわね♪椿女郎♪」 椿女郎は女性の美声に反応したのか背後を直視すると両目を瞑目した無傷の桜花姫が佇立する。すると椿女郎の霊能力によって斬首された桜花姫の肉体と頭首がポンッと白煙により消滅したのである。無表情だった椿女郎であるがハッとした表情で桜花姫を凝視する。 「あんたの表情を直視出来ないのは非常に残念だけれど♪あんたが霊能力で斬首したのは私の分身体なのよね♪」 桜花姫は分身の妖術で形作った分身体を利用して椿女郎と接触…。彼女の形相を認識させたのである。桜花姫は変化の妖術を発動…。 「あんたの素顔は分身体で確認したからね♪あんたは桜餅に変化しなさい♪」 椿女郎を桜餅に変化させる。 「消耗した妖力を回復させないと♪」 桜餅に変化した椿女郎をパクッと頬張る。 「美味だわ♪」 すると両国橋から感じられた不吉の霊力が消失する。 「事件解決ね♪私は西国に戻って思う存分熟睡するわよ♪」 無事事件を解決させた桜花姫は即座に西国へと戻ったのである。
|
|