Re: サイト開設十周年カウントダ ( No.3 ) |
- 日時: 2011/04/09 17:15
- 名前: 何処
- 『僕はここに居ても良いんだ!』
『おめでとう』『おめでとう』『おめでとう』『オメデトウ』『オメデト…』『オメデ…』『オ…』『…』
「…う…」
…世界が、暗くなる…
「…がう…」
…皆の声が遠ざかり、いつしか世界は闇に沈んでいた。
「…違う…」
閉ざされたような闇の中、僕の呟きはやけに大きく聞こえた…
【僕がここにいて良い理由】 《The world that I wanted》 http://www.youtube.com/watch?v=7TrVMu2xxu0&sns=em
…僕は、こんな世界を望んでいなかった。
あれ程、自分を否定しない世界を望んだのに。
…
いや、違う。
只、僕は、僕に優しい世界が欲しかった。
だけど
そこには誰も…僕さえも居なかった。
それは他人のいない世界だった。
僕が逃げ出した世界は、違った。
憎しみと絶望に嫉妬と不信が入り交じった、辛くて苦しくて悲しい世界だったけど
傷付け合い、助け合い、奪い合い、譲り合い、守り合い…
出会い、別れ、そして又出会い…
僕らは傷だらけになって、悶え苦しみ、過ちを犯し、そして微かな希望に救われた。
だけど
他人も皆自分の世界は
暖かく、優しく、そして…
残酷な程純粋で
僕は…そんな世界で自分を肯定する欺瞞に耐えられなかった。
だから、僕は…又ここに戻って来た…来てしまった… この闇に。
…僕は…一体何を望んだのだろう…
あの、自分も他人に消え、他人が自分に入り、全てが在って、でもだからこそ何も無い世界…
綾波の言っていた“無に還る”って…“無”って、ひょっとしたらあの世界なんだろうか…
『そう…だから私は無に帰った…何故なら私はそこから生まれたから…』
…綾波?
『あそこには加持君がいるから…』
ミサトさん!?
『疲れたの…』
リツコさん!?
『悔いる事ばかりだったが…満足だよ。』
か、加持さん!?
『…済まなかったな、シンジ…』
父さん!!
『…でも、貴方逹は生きてるわ…』
…母さん…
『ファースト…アタシをママの所へ連れて行って…』
…アスカ?
『もう…嫌なの…』
アスカ!?
『一人は嫌!だけど他人は嫌!私を見て!私を愛して!私だけを見て!』
…知っている…
…この叫びを、僕は知っている…
…ああ、あれは僕だ…
あの駅のホームの僕だ…
でも…
僕は…一人は嫌じゃなかった。只…寂しかった… 僕は…他人を見なかった…見ようとしなかった…怖かったから… 僕は…愛し方も、愛され方も解らず、戸惑い、怯え、逃げていた… 僕は…見られたくなかった…見たくなかった…
『そう、貴方逹は鏡の裏表…』
綾波?『ファースト!?』
『私は無に還り…気付いた…私は世界の卵だと…そして知った…無に還り、私は再びガフの部屋を満たす…そして再び世界は創られ…私達は帰還する…新たな世界へ…輪廻は巡り、魂は還り、命は世界へと帰るの…』
『どう言う事よ!?』 …まさか…綾波…
『そう、碇君、今の私は言わば全ての生命の統合集積体…』
『そんな…』 綾波…
『もう直、私の意思は消える…その前に、私は私の出来る事をする…貴方逹に逢いたい人を呼んだわ…』
「「え?」」
『アスカちゃん…何処?何処に居るの?』
「ママ!?」
あれが…アスカのお母さん…
『ああアスカ、私のアスカ!』 「ママ!ママ!ママ!ママ!私のママだ!私のママだ!」
『“良かった…こんなに大きくなって…寂しかったでしょ?でも大丈夫よ…”』 「ママ、私もママの所に行く!」
『“駄目よ”』
「ママ?」
『“アスカちゃん、貴女は今生きてるわ…それはとても素晴らしい事なの…”』 「ママ!でもこの世界にはママがいないの!加持さんもミサトもシンジも私を見てくれないの!」
『“あぁアスカちゃん、悲しかったのね、辛かったのね…ごめんなさい、寂しい思いをさせたママを許して…”』
「ううん、もう良いの!ママと又一緒なら!だから私もママと一緒に!」
『“アスカちゃん、私の大事な愛し子、私は貴女に大事な事を伝えたかったの…私が消える前に”』 「え?」
『“貴女は見てあげた?加持さんや、ミサトさんや、シンジ君を?”』
「!?見、見たわよ!ずっと、ず、ずっと…でも…多分、少しだけ…ううん!た、他人だもん、そんな全…全…全…全部なん…て…」
『“そう、だって貴女は“アスカ”と言う存在、他の存在では無い…”』
「ママ!?あ、アタシは解って欲しかったの!」
『あぁアスカちゃん、貴女は解ってあげた?解って欲しかった相手を理解しようとした?』
「…理…解…」
『“人は…他人だから解り合えない…でも、だから赦し、だから愛し、だから理解しようとし…そして孤独を知るの…”』
「ママ…アタシは…何も…知らなかった…知ろうとしなかった…他人を…シンジを…レイを…加持さんも、ミサトも、リツコも、…ヒカリさえ…」
『“そう、人は殆ど…いえ、何も知らないの。そして人は己が何も知らない事を忘れてしまう。”』
「アタシは…人は…独り…独りだから…求める…」
『“あぁ、流石私の娘、私の愛しいアスカ!もう理解したのね!”』
「い…いいえ…理解は…しても…納得は…出来ない…」
…そう…アスカの言う通り…納得なんて出来ない…出来っこ無い…
「でも…」 でも…
『“でも?”』
「それが…」 それが…
『そう“そう”…それが“それが”現実“現実”…』
「ママ…」 綾波…
『碇君…貴方に伝言がある…貴方のお母さんから…』
「シンジのママから?」 母さんから?
『“神は天に有り、世は並べて事も無し…私達は天国にも、地獄にもいない…何故なら、天国も地獄も人の心の中にあるから…”』
「人の…」心…
『“そして、人は心に描いた事柄…夢を実現する力がある…例え世代を跨ぎ、時を刻み、誰が其を望んだか皆が忘れようとも…いつか、人は夢を叶える…”』
夢…を… 「…叶える…」
『“生きていれば、そこを楽園にも天国にも変えていけるわ…”“だって、生きているんですもの…”』
母さん…「ママ…」
『“元気でね…”“私の”““(シンジ)(アスカ)””』
「ママ!?」 母さん…
『時間よ…もう行くわ…』 「待ってファースト!私未だママと!」 アスカ駄目だ!
「は、離してシンジ!マ、ママが、ママが!」 だから見送らなきゃ駄目なんだ!
「!?」
…そうだね、綾波…母さん…アスカのママ… 「シ…ンジ…」
『““…ありがとう…愛してるわ…何時でも…いつまでも…””』
「…ママ…」…母さん…
『…二人は還ったわ…次は私…』
「ファースト…」綾波…
『有難う…セカンド…いいえ、アスカ…』
「わ、私?」
『貴女は…私を人形と呼んだ…アスカ、貴女が私をそう評価しなければ、私は人形のままだった…』
『ファース…レイ…』
『私を無の人形から解放したのは碇君…私を人に変えたのはアスカ…』
綾波…
『碇君…有難う…愛してるわ…大好き…』
「レイ!」綾波!?
『じゃ…さよなら…』
綾波!「待ちなさいよレイ!い、言いたい事言って勝手に消えるなんて許さないわ!」
『…有難う…』
「待ちなさいって言ってるでしょレイ!レイー―ッッ!!」
『さよなら…アスカ…碇君…』
「…さよなら…」
「レイー―――――ッッッッ!!」
http://www.youtube.com/watch?v=PWxLh9hcwSs 《サイハテ》
◇◇◇
瞼を開ける。目の前には…
赤い…海…
「…夢…」 「…夢?」
「アスカ…」 「シンジ…」
「あれは…」 「…夢みたいね…私と、あんたの…」
「…僕は…」
「…本当に、勝手なんだから、シンジも、レイも。」
「え?」
「生きろだなんて…あんたらの身勝手な望みに何でこのアタシが付き合わなきゃならないのよ。」
「…ごめん…」
「…ププッ!」
「…え?」
「シ、シンジ、あ、あんたってほ、本当にば、馬鹿シンジ…ククッ、あは、アハハハハハハハッ!」
「ア、アスカ?」
◇◇◇
「しっかし、本当に何にもないわねー…」
「…うん…」
「…誰も居なかったらどうしよう…」
「…大丈夫だよ、きっと…」
「?なんでそう思う訳?」
「…なんとなく…」
「…なんとなく…か…」
「…うん…」
「…」
「…」
「もし…」
「…何?」
「もし、誰も居なくても…」
「え?」
「…まぁ、1人じゃないだけマシね…」
「…うん…」
「…私達、二人だけの世界か…」
「…うん…」
「…あんたはつくづくウルトラ馬鹿ね、こんな時くらい気の効いた台詞…!?」
「…アスカ?」
「シンジ…あ、あれ…」
「え?…あ、綾波!?」
「シンジ!」「アスカ!」
タッタッタッタッタッタッタッ…
走れ、走れ、走れ! 早く走れ碇シンジ!少しでも、一歩でも、一秒でも早く!
「ハァ、ハァ、ア、アスカどう?」
「ハァ、ハァ、ま、待って…ハァ、ハァ、…い、生きてる!生きてるわ!」
「ハァ、ハァ、い、生きてた…あ、綾波が…」「レ、レイが…ハァ、ハァ、レイが生きてた…」
「は…」「あは…」 「「あ、アハ、アハハ、アハハハハハハハッ!」」
「ん……え?…ア…スカ?…碇…君…?」
「「アハハハハハハハハハハハッッ!!」」
「…?」
…父さん…母さん…ミサトさん…加持さん…綾波…皆…有難う…
…ママ…私もいつかそこに行くわ…だから…私、今を大切に生きる…待たせるけど…ごめんね…
…私…生きてる?…生きてるの…私…何故?何故…あぁ…涙…そう、私、嬉しいの…嬉しいのね…生きてるのが嬉しいのね…
…そう、僕はここに居たい。それが僕のここに居る理由。
そう、アタシは生きてる、それが私の存在意義。
…そう、私は生きたい。それが私の望み。
…三人の再会の後、暫くして赤い海は消えた。
そして又暫く時が過ぎ、1つの石碑が立った。
石碑には、ある少年の言葉が刻まれた。
…悲しみよ、こんにちは。喜びよ、こんにちは。
憎しみよ、怒りよ、こんにちは。 妬みよ、羨望よ、こんにちは。
そして
笑顔よ、こんにちは。
僕は涙を肯定する。 僕は笑顔を肯定する。
苦しみを、痛みを、哀しみを、人の醜さも素晴らしさも、否定も肯定もせずに受け入れよう。
忘れないで
不幸になっていい人はいない。
不幸しか無い人はいない。
そして
特別な人もいない。
誰しもが人と言う生き物だと。
僕は今生きている。天国でも、地獄でもない“今”と言う現実に。
昨日に、さよなら。
明日に、生きている人達に、おめでとう。
そして…
…今日に、皆に、有難う。
【現在・たこ・未来】歌・たこルカ http://www.youtube.com/watch?v=P0I9HabfgTQ&sns=em
 |
|