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[671] 少年と少女
日時: 2013/08/23 22:51
名前: のの

 こんなになっても、一緒だよ。



少年と少女の日常vol.1



 綾波レイは自分と付き合うことになった、という事実を受け止めるのにまだ時間がかかる様子だったので、シンジは授業後、トウジとケンスケのところに行った。
「ほな帰るかー。今日も暑いから、アイスでも喰うてくか?」
「いいけど、お前のガリガリ君2本食いは見てるこっちが恥ずかしくなるんだよなあ」
 ケンスケのボヤきにシンジは笑いながら窓際のレイをほんの少しだけ、ちらりと一瞥。彼女はまだ座りながら斜め向こうの空を見ていたが、シンジに気づいたのか少しだけ首を傾けちらりと一瞥。
「まあいいじゃん、トウジと小学生が一緒に食べてるの見てると、僕は和むな」
「ほれ見いケンスケ、わかるやつにはわかるねん」
「それはどうだろう、どうだろうトウジよ、それは。まあそれはいいけど、俺んち来る?ゲームしかないけど」
「ゲームがあるならええやん」
「だろお?」
「あ、今日は僕も行くよ。訓練、ないし」
 お、珍しなセンセ!トウジの声が教室に響いた。
 ケンスケの家に着くころ、シンジの携帯電話が鳴る。ネルフから支給されている方に、レイからのメールだった。二人に誰だとは気づかれないように何食わぬ顔で携帯を開く。
【さようなら。】
 とだけ打たれていた。
 え、うそ、もう終わり?
「え、あれ、うそ、あれ、なにこれ?」
 声に出ていた。










つづく
メンテ

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Re: 少年と少女 ( No.3 )
日時: 2013/09/09 00:29
名前: のの

 さて、オムライスを作ろうという予定を変えられるほど食材が豊富なわけではないので、三人分を四人分に分けなければならない。多少ボリュームが寂しくなりそうだが、玉ねぎを多めに入れてごまかすとしよう。レイの肉嫌いは結構なものなので入れようと思っていたソーセージも入れられない。まあ、そのあたりは臨機応変にやるしかないだろう。
「アスカ、ピーマンて大丈夫だったよね?」
「生っぽいのはキライだけどねー」
 面倒なのでやめよう。適当にスープを作れば、まあそれなりの体裁は保てるだろう。それにしてもだ、それにしたってこんなタイミングでレイに会うというのは良いのか悪いのか、とても良いとは思えないが。
「ミサト、なんだって?」
「え、ああ、綾波も来るって」
「あ、っそう」
 言葉は素っ気ない。態度も素っ気ない。素っ気無さすぎるのが困る。不愉快ですと言っているようなもんなのだ、そんなのは。まあいい、まあしかたがない、しかたがないが困る、自分だってぎくしゃくするに決まっているのにアスカにまでいられて自分に都合いい状況になるだなんて思えない。付き合いはじめただなんて話、しているわけもないのだし。
 いつもよりずっとのろくさい手つきで準備をしていて、水中で動いているかのような緩慢さでというか、中学生がよく体験授業で味わう、高齢者体験のために鉛を仕込んだベストと黄色いゴーグルをはめながら作業をしているかのようとでも言おうか、まあとにかく生来怠け者であったかのように、あるいははたまた本来の中学生らしい手つきで料理をしていた。それでも対外的な几帳面さが一定のリズム感を維持させてはいるところがシンジらしいといえば、らしい。
 電話が鳴った。短時間に珍しい。玉ねぎ臭い手で受話器を取ると、またミサトからである。
「ごめんごめん、レイなんだけど、追加のテストが入っちゃって来られなくなっちゃったわ!ごめん!」
 なんとまあ、勝手な話である。勝手な話なのだが、正直助かった。はいわかりました、仕方がないですもんね、とぶっきらぼうに言って切ってアスカにその旨伝えると、ミサトもメーワクねえ、と呆れた様子である。
 なんとまあ、だ。なんとまあなんというか、そうだ、自分は彼女と付き合っていることになったはずなのだが、それからちっとも話していない。実は今日もらったメールを会話とするなら、それも数日ぶりのことであることを思いだし、フライパンを荒っぽく置くことで息をごまかした。まったくもって、ろくな話じゃない。





つづく
メンテ

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