桜花姫 ( No.33 ) |
- 日時: 2021/08/17 09:46
- 名前: 月影桜花姫
- 第九話
大黒島
アクアヴィーナス救出作戦から五日後の真夜中の出来事である。北国の最北端に位置する大黒島で無数の悪霊が出現…。大黒島を占拠したのである。翌日の真昼…。大黒島の悪霊出現の噂話を熟知した桜花姫は即座に北国へと直行したのである。 「大黒島に悪霊が出現するなんて…」 大黒島は今現在でこそ大勢の漁民達が移住する離島であるが…。大昔の戦乱時代では罪人達が配流された場所として有名である。 「今回は一体何が出現したのかしら?」 二時間後…。桜花姫は北国の海岸へと到達する。海岸の砂浜から海面上を眺望したのである。 「大黒島かしら?」 海面上を眺望し続けると小規模の孤島を発見する。 「大黒島っぽいわね…」 海岸の砂浜から大黒島への距離は推定五キロメートルの長距離であるが…。大黒島から漁民達の無数の鮮血と霊力を感じる。 (無数の鮮血と霊力を感じるわ…) 「大黒島の漁民達は悪霊に食い殺されたみたいね…」 桜花姫は即座に変化の妖術を発動…。人魚に変化したのである。 「悪霊を征伐するわよ…」 桜花姫は人魚の状態で海面上を力泳…。大黒島へと直行したのである。大黒島へは数分間で到達する。 「到着したわね♪」 人魚の状態から元通りの姿形に戻ったのである。大黒島は非常に物静かであるが…。無数の霊力が徘徊するのを感じる。 「悪霊の気配だわ…」 桜花姫は即座に警戒…。天道眼を発動する。すると数秒後である。周囲の砂浜より数十体もの食人餓鬼が出現…。桜花姫を注視したのである。 「食人餓鬼だわ♪」 (早速出現したわね♪) 悪霊の出現に大喜び…。数十体の食人餓鬼が桜花姫に殺到し始める。 「あんた達は無謀ね…」 桜花姫は彼等の行動に呆れ果てる。 「あんた達は桜餅に変化しなさい♪」 殺到する無数の食人餓鬼に変化の妖術を発動…。食人餓鬼は数十個の桜餅と小皿に変化したのである。 「桜餅に変化したわね♪」 (消耗しちゃった妖力を回復させたいからね♪早速頂戴するわよ♪) 桜花姫は周辺の桜餅をパクパクッと食べ始める。数分後…。桜餅を完食する。 (妖力は回復したし…) 「悪霊を征伐しましょう♪」 桜花姫は住宅街へと移動したのである。 「住宅街から無数の妖力を感じるわね…」 (今度は何が出現するのかしら?) 同時刻…。 「はぁ…はぁ…」 大黒島の住宅街にて一人の村娘が無数の悪霊から逃走する。 (逃げないと…悪霊に食い殺されちゃう…) 村娘はとある住居へと進入…。潜伏したのである。恐怖心からか全身が身震いする。 (私…如何すれば…) すると直後…。戸口よりガタガタッと物音が響き渡る。 「ひっ!」 (死にたくないよ…父ちゃん…母ちゃん…) 村娘は涙腺より涙が零れ落ちる。 「可愛らしい少女ね♪」 「えっ?」 恐る恐る背後を直視…。彼女の背後には花魁らしき女性が家屋敷の居間でビクビクする村娘を凝視し続ける。 「えっ…誰なの?」 花魁は非常に妖美の雰囲気であるが…。 「私はあんたみたいな純粋無垢の少女が大好きなのよ♪大人しく私に食べられちゃいなさい♪」 花魁の発言に極度の恐怖心を感じる。 「ひっ!」 (悪霊!?) 花魁は人外であると察知…。即座に家屋敷から脱走したのである。必死に逃走するのだが…。 「私からは逃げられないわよ♪」 先程遭遇した花魁が路地裏にて再度遭遇する。 「えっ!?」 (如何して…) 村娘は恐る恐る後退りしたのである。すると背後には二体の食人餓鬼がふら付いた身動きで村娘に近寄る。 「悪霊!?」 直後…。村娘は花魁に捕捉されたのである。 「きゃっ!」 「好い加減観念しなさい♪」 「きゃっ!誰か!誰か!」 村娘は必死に抵抗するものの…。花魁の女性は外見とは裏腹に非常に力強く村娘の力量では抵抗すら出来ない。 「村里で無事なのはあんただけね♪あんたの清心を頂戴するわね♪」 花魁は赤面した表情で無理矢理に接吻…。 「ぐっ!」 花魁に口移しされた直後である。村娘は全身が脱力…。意識が喪失した状態で地面に横たわる。花魁は満足気に…。 「美味しいわね♪女子の清心は純真無垢だから非常に美味だわ♪」 村娘の清心を完食した花魁は即座に退散したのである。数分後…。桜花姫が路地裏にて地面に横たわる村娘を発見する。 「彼女は村娘かしら?」 恐る恐る彼女に接触…。 「仮死状態ね…即刻悪霊を仕留めないと彼女が衰弱死するわ…」 直後である。突如として周囲より無数の気配を感じる。 「霊力かしら?」 すると地面より十数体もの食人餓鬼が出現する。 「毎度毎度…鬱陶しいわね…」 十数体の食人餓鬼が桜花姫に殺到したのである。 「はぁ…」 桜花姫は呆れ果てるものの…。 「砂金に変化しなさい…」 砂金の妖術を発動する。すると殺到する十数体の食人餓鬼がサラサラの砂金に変化…。一瞬で崩れ落ちる。 「楽勝♪楽勝♪」 食人餓鬼を一蹴した桜花姫であるが今度は背後から五体の百鬼食人餓鬼が出現する。 「今度は百鬼食人餓鬼かしら?」 無数の食人餓鬼の顔面が桜花姫を睥睨したのである。 (私を殺したいみたいね…) 百鬼食人餓鬼は全身の食人餓鬼の顔面から高熱の熱風を放出…。桜花姫に攻撃したのである。 「熱風?」 桜花姫は即座に妖力の防壁を発動…。百鬼食人餓鬼の熱風を無力化したのである。 「あんた達は…」 再度変化の妖術を発動…。五体の百鬼食人餓鬼を大好きな桜餅に変化させる。 「妖力が消耗しちゃったからね♪」 再度桜餅をパクッと頬張り始める。 「満腹♪満腹♪」 桜花姫は満足するが…。 「えっ?」 (殺気!?) 今度は人間達の殺気を感じる。 (人間達の殺気だわ…) 再度警戒する。直後…。周囲の家屋より十数人の刃物を所持した漁民達が桜花姫を包囲する。 「何よ?あんた達…」 (村人達かしら?) 彼等の表情は無表情であり人形みたいな雰囲気だったのである。 (人形みたいだわ…何者かに憑霊されたのかしら?) 漁民達が桜花姫に殺到する。 「仕方ないわね…」 桜花姫は即座に睡眠の妖術を発動…。睡眠の妖術を発動すると殺到する漁民達はバタッと横たわる。 「全員熟睡したみたいね…」 (えっ?) 背後より気配を感じる。 (気配だわ…悪霊かしら?) 恐る恐る背後を警戒…。背後には色白の花魁らしき女性が佇立する。 (花魁かしら?) 花魁の女性は桜花姫を直視するなりニコッと微笑む。桜花姫は恐る恐る…。 「あんたは悪霊の亡霊新婦ね…」 (幻術で村人達を傀儡人形みたいに操作したのかしら?) 亡霊新婦は亭主に殺害された令夫人の悪霊である。人語で会話も可能であり幻術を駆使出来る。亡霊新婦は人語で返答したのである。 「あんたは妖女の月影桜花姫かしら?折角だからあんたの清心も頂戴するわね♪」 「出来るかしら?私は最上級妖女なのよ…」 「勿論私だけでは最上級妖女のあんたを仕留められないからね…」 直後…。 「あんた達♪出番よ♪」 すると周辺の地面より数十体もの食人餓鬼が再度出現する。 「食人餓鬼?」 (如何やら幻術で操作したのね…) 亡霊新婦は幻術により悪霊さえも傀儡人形として利用出来る。 「こんな奴等で私を仕留めるなんて…あんたは余程のお馬鹿さんみたいね♪」 桜花姫は即座に氷結の妖術を発動…。周囲の食人餓鬼を凍結化させる。全身を凍結化された食人餓鬼は肉体がバリバリッと崩れ落ちる。 「此奴なら如何かしら?」 すると目前の地面より巨大能面が出現したかと思いきや…。八本の蜘蛛脚が生成される。 「えっ…此奴は…」 桜花姫も突如として出現した巨大能面にドキッとする。 「此奴は…小面蜘蛛…」 普段は霊性の桜花姫であるが…。突然の小面蜘蛛の出現により恐る恐る後退りする。 「桜花姫♪先程の威勢は如何しちゃったのかしら♪」 桜花姫にとって小面蜘蛛はトラウマであり恐怖心からか身震いしたのである。 「小面蜘蛛にあんたの妖術は通用しないわよ♪大人しく小面蜘蛛に食い殺されちゃいなさい♪」 すると小面蜘蛛は口先から蜘蛛糸を放出…。 「きゃっ!」 桜花姫を拘束したのである。蜘蛛糸で拘束された直後…。 「ぐっ!」 (妖力が…消耗するわ…) 身動き出来ないばかりか体内の妖力が吸収されたのである。 (衰弱死しちゃうわ…) 桜花姫は衰弱化…。バタッと横たわったのである。亡霊新婦が横たわる桜花姫に近寄る。 「早速…あんたの清心を頂戴するわね♪」 亡霊新婦は赤面した表情で…。身動き出来なくなった桜花姫に接吻したのである。 「ぐっ…」 スーッと全身が脱力…。桜花姫は意識が遠退き始める。 「美味しいわね♪あんたの清心も♪」 亡霊新婦は接吻により桜花姫の清心を吸収…。大喜びしたのである。 「えっ?」 直後…。突如として気味悪くなり亡霊新婦は吐血したのである。 「ぎゃっ!」 吐血した亡霊新婦は横たわった桜花姫を睥睨するなり…。 「如何やら彼女…純粋無垢とは程遠いみたいね…邪心だらけだわ…」 直後である。横たわる桜花姫の肉体から白煙が発生…。ポンッと消滅したのである。 「えっ!?一体何が!?」 すると亡霊新婦の背後より…。 「誰が邪心ですって?」 背後には桜花姫が佇立する。 「あんたは桜花姫!?」 「残念だったわね♪あんたが接吻したのは私の分身体よ♪」 「分身体だと!?」 亡霊新婦は畏怖したのは恐る恐る後退りしたのである。 「地上界の女神様である私を…邪心なんて失言するあんたは…」 桜花姫は変化の妖術を発動…。亡霊新婦は桜餅に変化したのである。 「妖力が通用しないあんたは…」 口寄せの妖術を発動…。上空より無人の小型爆撃機を口寄せしたのである。小型爆撃機は小面蜘蛛に爆弾一発を投下…。小面蜘蛛はバラバラに粉砕されたのである。亡霊新婦と小面蜘蛛を仕留めた影響からか大黒島の霊力が感じられなくなる。 (大黒島の霊力が消失したわ…) 「事件は無事解決ね♪」 桜花姫はパクッと桜餅を頬張る。数秒間が経過すると亡霊新婦に傀儡人形として利用された漁民達は勿論…。 「えっ?私は一体…」 先程亡霊新婦に清心を奪取された村娘も意識が戻ったのである。
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