[825] 楽園 ボツ
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- 日時: 2021/08/21 21:26
- 名前: tamb
- 楽園
「楽園とは温泉のことである、と言ってた人がいたわ」 「同意したいわね。ちなみに誰が?」 「温泉というのはリリンが生んだ――」 「わかった。言わなくていい」 「言いたいんだけど」 「言わないで。どうせ混浴が至高の何とかとかって続くんでしょう?」 「さすがアスカ。よくわかってらっしゃる」 「あいつ、いつか殺す」 「それは良くないわ」 「首がぶっ飛んでも余裕で復活する男よ。2回や3回殺っても問題ないわ」 「確かに」
ペンペンがくぇと鳴く。
「碇シンジ君」 「なんだい?」 「温泉のというのは真に楽園だね」 「全くその通りだね」 「温泉。それはリリンの生んだ――」 「残念ながらそれは違うよ。カヲル君」 「なぜだい?」 「温泉はリリンだかなんだかが生んだわけじゃないよ。自然が作ったんだ。火山が作ったというかマグマが生んだというか。自然にできた温泉にサルとかが自由に入ったりしてるらしいよ」 「なるほど偉大なのは自然であると」 「そうなんだ」 「でもね、シンジ君。混浴というのは偉大な文化だとは思わないかい?」 「全面的に同意したい」 「しかしそれは、一般的には許されていないね」 「確かに」 「それはなぜだろうか」 「大変難しい問題だ。ここではまず一般論ではなく個別の話をしたい」 「構わないが」 「特殊な例外を除き、綾波の裸は僕以外の誰も見てはならない。従って綾波は混浴には入らない」 「なるほど説得的だ」 「しかしこれは、先に述べたように個別の話であって僕の事情だ。一般論として敷衍するのは適切ではない」 「なぜだい?」 「綾波でない誰かが混浴に入ることによって僕が不利益を被ることはないからだ。各人が自由にすればいいというだけの話だ」 「なるほど」 「従って混浴は存在するべきだ」 「いくつか質問がある」 「聞いてくれ」 「シンジ君は混浴に入りたい、と」 「その通りだ」 「レイちゃんにバレても?」 「仮定の質問にはお答えを差し控えたい」
再びペンペンがくぇと鳴く。
「混浴?」 「そうよ」 「好きなひと以外に裸を見せてはいけないと教わったわ」 「誰に?」 「赤木博士」 「リツコの言うことは正しい。だが問題がある」 「聞きましょう」 「まず混浴は全裸を見せるために存在しているわけではない」 「なるほど」 「であるならば、混浴に入ることと全裸を見せることはイコールでは結ばれない」 「それは正しい」 「従って混浴そのものにはなんら問題がない」 「いくつか質問がある」 「聞きましょう」 「しかし事実上混浴を利用する場合、その利用者に全裸を見せることになる」 「事実上はその通りです」 「アスカは碇くんに自らの全裸を見られても構わない、と?」 「構いません」 「私はその見解にネガティブです。あなたの全裸を碇くんに見せる気はない。もう一つ、渚カヲルは何と言うか」 「妥協的解決策があります。例えば水着を着る」 「スクール水着を?」 「なんでそこでスク水が出てくるのよ。ビキニでもワンピースでも何でもいいの」 「なるほど」 「あるいはタオルを巻く」 「それは温泉のマナーとして許されるのかどうか」 「温泉業者が混浴に限ってOKと明示すればなんら問題ないわ」 「究極的にはビジネスの問題であると」 「その通り」
ペンペンがビールを飲む。
「ペンペンはオスだったと記憶している」 「間違いない」 「ではなぜペンペンは女湯に出入りできるのか」 「止める者がいないからだ。だが本質的な問題は、なぜ誰も止めないのか、だと思われる」 「その通りだ」 「大変難しい問題だ。恐らくだが、かわいいからであろう」 「かわいければ良いのか」 「恐らく」 「では僕がペンペンの着ぐるみを着て女湯に乱入した場合は」 「それは変態である」
ペンペンがバーボンに切り替える。
「裸という状態は性欲と深く関連している」 「同意する。行為は基本的に全裸で行うものであるが故に」 「混浴の問題点はそこから生じているものと考察できる」 「それについても同意する」 「しかし着衣で行う場合もある」 「例えば?」 「……セーラー服とか」 「それはフェチなのではないか。待って、まさかバカシンジはそんな趣味があるの?」 「ないわ。たぶん」 「それは良かった。たぶん」 「話を戻す。従って全裸よりもセーラー服やスクール水着に、より性欲を高ぶらせる場合もあると考察できる」 「十分にあり得る」 「カヲル君は、やっぱ全裸がいいの?」 「アイツは全裸が基本だから。ブルマとかは萌えるみたいだけど」 「……は?」 「冗談よ。本気にしないで」
ペンペンが日本酒に切り替える。
「ここではフェチについて考察したい」 「自由にするがいい」 「ブルマフェチとはいったいなんなのか」 「全く興味がない。というよりそんなものは現時点では極めて特殊な業界でしか存在しないのではないか」 「そんなもの、というのはブルマを指すのかあるいはブルマフェチを指すのか」 「両者である。というかカヲル君、ブルマに興味があるの?」 「存在しないものに関心を抱くのはリリスの根元的な性質だと理解しているが」 「ひとまず同意しよう」 「感謝する。私の疑問は、ブルマフェチとブルマ萌えはどのように異なるのかという部分にあるのだが」 「題材にブルマを選択したことで問題の解明が困難になっている。よりプリミティブな例としてハイヒールをあげよう」 「同意する」 「ハイヒールに対するフェチシズムとは、ハイヒールそのものに欲情する事を指す。即ちハイヒールという物体を見て興奮する」 「なるほど」 「一方ハイヒール萌えと言った場合、ハイヒールを履いた人物に欲情している状態を指す」 「ハイヒールで踏まれて悶えているケースでは?」 「両方のケースがある。とにかくハイヒールで踏まれていれば何でも良いというケースならフェチ、ハイヒールを履いている人物にも関心が及ぶなら萌えであると考察できる」 「ハイヒールを履いたレイちゃんに踏まれると悶絶するがハイヒールトウジだとふざけんなとなるならば萌えであると」 「その通りである」 「ではブルマフェチの場合、トウジ君がブルマでも悶絶すると?」 「想像を絶する」
泥酔したペンペンが吐く。

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