ギルゾッド ( No.45 ) |
- 日時: 2021/08/17 10:39
- 名前: 月影桜花姫
- 第一話
制圧作戦
世界最終戦争で旧文明が大崩壊してより四年後…。世界各地は殺伐とした雰囲気であり暴徒化した人間達が食糧の争奪戦で殺し合ったのである。こんなにも荒廃した世の中であるが…。旧文明の復興を主眼に活動する勢力も誕生したのである。某月某日…。荒廃した主要都市部では巨大武装勢力『リベレーターズ』が敵対する巨大軍事勢力『地球革命軍』の軍事工場に強襲を仕掛ける。 「全軍!突撃せよ!」 リベレーターズの総大将【ルーヴェルハルト】の指示と同時に銃火器を所持した戦闘員達が全力で突撃したのである。軍事工場の周辺には十数個ものトーチカが確認出来る。トーチカには機関銃が配備される。 「リベレーターズの突撃隊が突撃を開始したぞ!攻撃しろ!軍事工場には近寄らせるな!」 トーチカの部隊長が命令すると機関銃が炸裂する。無数の銃弾が炸裂…。突入するリベレーターズの突撃隊は地球革命軍の猛攻撃で五十人以上の戦闘員が死傷したのである。地球革命軍の銃撃に畏怖した突撃隊は後退…。自軍の陣地へと戻ったのである。 「貴様等!何故戻った!?」 総大将のルーヴェルハルトは彼等に怒号する。 「総大将…こんな丸腰の状態では無謀ですぜ…」 突撃隊の装備品は護身用のハンドガンのみである。人員でもリベレーターズは二百五十人であるが…。地球革命軍の守備隊は推計五百人であり機関銃以外にも高火力の重戦車が五両も配備される。強固に構築された地球革命軍のトーチカを突破するのは現実的に不可能である。 「多勢に無勢ですぜ…」 「貴様等…」 (役立たずが…) ルーヴェルハルトは突撃隊の弱腰に呆れ果てる。本来リベレーターズは無頼漢やら戦災孤児によって構成された暴力団的軍閥であり武装も士気も貧弱である。 「撤退しませんか?」 戦闘員の一人が撤退を要請する。 「なっ!?撤退だと!?今回軍事工場を攻略出来れば地球革命軍の戦力低下が期待出来るのだぞ!撤退は許容出来ない!」 軍事工場を今回の作戦で占拠出来れば地球革命軍の戦力低下は勿論…。装備が貧弱のリベレーターズでも高火力の装備品の入手が可能であり独自で武器の生産も出来る。 「ですが総大将…」 弱気の戦闘員達は戦意喪失した様子であり絶句したのである。するとルーヴェルハルトの背後より…。 「俺の出番みたいだな…」 「ん?貴様は…」 ルーヴェルハルトの背後にはフードを被った小柄の人物が近寄る。素顔は不明であるが性別は男性である。 「あんたは何者だよ?」 戦闘員の一人がフードの人物に問い掛ける。するとフードの人物はフードを外したのである。 「なっ!?あんたは…」 フードの人物は両目の瞳孔は半透明の碧眼…。頭髪は銀髪である。周囲の者達は彼に身震いしたのか全身がプルプルする。 「あんたは…【ギルゾッド】か…」 「ギルゾッドだって!?あんたは『ネオヒューマン』の…」 ネオヒューマンとは遺伝子操作によって誕生した人工性の超人類…。人類を超越した存在の総称である。ネオヒューマンは常人以上の身体能力と不老長寿…。摩訶不思議の超能力を駆使出来る。荒廃した今現在でこそネオヒューマンは神性の存在であるが世界最終戦争の終戦後も各地で生存が確認される。 「ギルゾッドって…暗闇の一匹狼だよな?」 ギルゾッドは戦闘に特化されたネオヒューマンである。普段は単独で行動する習性からか異名は暗闇の一匹狼と呼称される。 「如何して一匹狼のあんたがリベレーターズに?」 するとルーヴェルハルトが説明する。 「此奴は三日前にリベレーターズに編入させた…即戦力として期待出来るし百人力?千人力だろうからな…」 ギルゾッドの戦闘能力は規格外であり最低でも機関銃を所持した戦闘員の三百人分は期待出来る。 「ギルゾッド…敵軍を蹴散らすのだぞ…」 ルーヴェルハルトの指示にギルゾッドは無言であるが承諾したのである。ギルゾッドは最前線へと移動する。 「ん?彼奴は何者だ?」 「リベレーターズの新手か?」 「一人で突入するとは…無謀だな…」 将兵の一人がトーチカからハンドガンを所持…。 「射殺する!」 ハンドガンを発砲したのである。直後…。ギルゾッドは超能力を発動する。全身からスパークのシールドが発生…。本体を覆い包む。スパークのシールドによりハンドガンの弾丸が無力化されたのである。 「なっ!?シールドか!?」 「弾丸が…」 「彼奴はひょっとして…ネオヒューマン?」 ネオヒューマンの一言に部隊長は反応する。 「ネオヒューマンだと!?」 戦闘に特化されたネオヒューマンは味方であれば非常に心強い存在である反面…。敵対すれば強大なる近代兵器を所持しても仕留めるのは非常に困難である。 「であれば非常に厄介だな…」 (一か八か…) 不本意であるが…。 「ネオヒューマンを仕留めよ!全軍…総攻撃開始!」 地球革命軍はギルゾッドに総攻撃を仕掛ける。数千発もの弾丸は勿論…。重戦車の戦車砲による砲弾がギルゾッドを急襲する。ギルゾッドは再度スパークのシールドを発動…。機関銃の弾丸と戦車砲の砲弾を無力化したのである。 「畜生…シールドで攻撃を無力化したか…」 ギルゾッドはノーダメージであり地球革命軍の将兵達は絶句する。 「こんな程度か?今度は俺の出番だな…」
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