Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・四月 ( No.6 ) |
- 日時: 2011/06/14 06:47
- 名前: 何処
皆は“膝カックン”と言う技を知っているだろうか?
そう、大抵の日本人なら知っている筈。 ターゲットの油断を突き背後に回り込み、至近距離からその無防備な膝の裏に自らの膝を押し当てバランスを崩させるアレである。
…何故そんな事を説明するのかと言うと、今の私の前に展開する光景の中に登場する女子高生一同…私を含む…が、皆その膝カックンを喰らったからだ。
…恐るべき事に、触れる事無く私達クラス全員の膝を砕いた一人の少女は自らが原因とは気付いていないらしい。 只一言…只一言で私達の膝を砕いたその赤い瞳の少女は、きょとんとした様子で首を傾げ…可愛い…私達にこう言ってのけた。
「…どうしたの皆?」
【ダブルニークラッシャー】
《なんだかとってもいいかんじ》歌・初音ミク http://www.youtube.com/watch?v=hzOb2X6i5RE&sns=em
綾波さん…フルネームは綾波レイ…彼女には幾つかの別名がある。
曰く“妖精”、曰く“天使”、曰く…
天然爆弾(ナチュラルボム…命名・惣流さん)N2危険物(ネルフ謹製天然危険物…命名・霧島さん)とか…
そう、彼女は稀に突拍子の無い…それもとんでも無くぶっ飛んだ…発言を咬ましてくれるのだが、今回のは割と大人しい方かも知れない… 少なくとも椅子ごと転倒している子は今回はいない… 床にへたりこんだ友人に机に突っ伏したままの私は話しかけた。
「あ…相変わらず綾波さん、強烈ね…」
「でも今回被害少ないわ…」
ユキユキの呟きに隣でへたりこんだマユたんが周りを見ながら答える
「言われて見れば…」
「…いい加減、私達も免疫が出来たからこの位なら未だ何とか…」
「…でも何かしら…この脱力感…」
「『貧乳って何?』なんて聞かれりゃねえ…」
「…アスカがいたら即突っ込み入るんだろうけどね…」
「あれ?そう言えば霧島さんも居ないわね…」
「アスカも霧島さんも今職員室よ。」
「道理で…」「静かな訳ね…」「で、今回何やったの?」
中ちゃんの疑問に私も興味を持つ。
「何でも電車の優先席に座ったオバチャンに注意したみたい。」
「あー!今朝のあれか!」「あの二人あーゆーの許せないもんねー」「あの婆顔真っ赤にして喚いてたよ。」 「女の子が婆言うなよ…」
春ちんの台詞にこっそり同意。だけど…
「?でも何でそれで呼ばれたの?」
「逆ギレして学校に捩じ込んで来たみたいよ」
「うわ最悪」「でも…」
「「「「先生も可哀想に…」」」」
担当のタヌキ先生…名前じゃなくて体型…に同情。
「今頃田多ヌキはアスカと霧島さんに吊し上げ喰らってるわね。」「同感。」「間違い無く。」「やだやだ中間管理職は」「アーメン」「真希波さんまで混じらなかっただけ幸運かも」
…何て事をグダグダ話してる私達の向こうでは、綾波さんがヒロちゃん達と話していた。
「…で、貧乳って何?」
綾波さんの問いに律儀に答えたのはうっちーだった。
「…貧乳ってのはね、貧しい乳と書くの。」
…グラスの2/3が一瞬沈黙…
ざわ…ざわ…
「何故そこであたしを見る!えぇえぇどうせあたしゃ貧乳よ!」
「むっ!?Bカップのあんたが貧乳を語るとは、Aカップのこのあたしに対する挑戦ね!」
「するなー―っ!乳の話はするなー――っっっ!」
「貧乳どころか微乳よ…」
…そんな喧騒の中、マユたんがこっそり涙ぐんで「…未だスポーツブラのあたしって…」と呟き、思わず私は手を取って“同志!”と言いたくなった…
「貧しい乳…成る程…」
自分の胸に手を当て納得する綾波さん。
…掴める存在が羨ましい…
「て言うか綾波さん、何その持ち方!?」 「ムニッて擬音聞こえそう…」「い…意外と…」「負けた…」 「くっ!天は二物も三物もえこひいきして与えおる…」 「着痩せってより隠れ巨乳!?」
「?きょにゅう?」
「“巨大”な“乳”よ!ち!ち!」 「うっちー、乳乳って女が連呼すんなよ恥ずかしい…」
「それに巨乳って良い事無いわよ、邪魔だし暑いし重いし…」
坂本さんの台詞は…私には痛い…邪魔でも無いし重さなんて…暑いの?
「良い事無いだと!?」「持てる者の余裕!?」「くっ…」 「坂ちーはナイチチの悲しみを知らんから」「「ナイチチ言うなー!」」
「だってマラソンとか揺れて痛いし…」
口を尖らせヒロが抗議する…ごめんなさい、私は痛いって感覚が解りません…
「“1−A第三の巨乳”ヒロ!その続きを言ってみろ!」「あたしゃ揺れもせんわ!」
そんなクラスの喧騒…と言うか騒動…を物ともせず、一人綾波さんは何やら納得した表情で頷きながら一人呟いていた。
「…巨乳…成る程…でも私のは小さい…アスカや洞木さんの方が大きい…私達の保護者はもっと大きい…」
「確かにピカリんもでかいけど」 「ち、ちょい待ち!それより凄い事綾波さん言ったわよ!」 「え?…アスカよりでかい!?」「嘘ぉ!?」「何じゃそりゃ!?」「うわ迫力…」 「ちいっ!ネルフの女は皆化け物か!?」 「寄せて上げてとか詰め物とか改造手術とかじゃなかろうな!?」 「美容整形を改造手術言うなこの特撮ヲタ娘!」 「た、体型は!?体重百キロとか」 「て言うか実物見たの綾波さん!?」
「一度皆で温泉に…綺麗な体だった…」
「!?じゃあ寄せて上げてとか詰め物とかじゃないの!?」 「百キロじゃ無いの!?」 「その発想どっから湧くかなこのアマは…」
「…多分美容整形手術はしていない…」
「でもデカいって…どの位?」
「葛城さ…私達の保護者は湯船に浸かると胸が浮いた…」
「「「「「!胸って浮くの〜!?」」」」」
「…浮くのよ…」 「マジか坂本!?」
「脂肪は比重が水より軽い…胸も水より軽い…当然浮く…」
「す、凄え…」「ち…ちなみにサイズは判る?カップの方は!?」
「確か…ブラジャーはFと…」
「「「「「!?え、エフ〜〜〜!?!!」」」」」
え、ええと…AAA、AA、A、B、C、D、E、F…F?F!Fぅ!?
「で…でかい…」「ど…どんだけ…」「アニメキャラかよ!」「…AV女優かグラビアアイドルか…」
皆でそんな事で盛り上がっていると、教室のドアが開いた。
「あ、ど、どうも…綾波いる?」
「碇君!」
“おー、旦那来室か”“マメよねー”“心配なだけかもよ”“確かに”
…ここで改めて紹介しておこう。今ドアを開けた長身でどことなく中性的な彼の名は『碇シンジ』我が一高一年男子だ。 男子クラスから例外的に女子クラスへ顔を出す事が許されているのは生徒会役員以外には彼ぐらい。 そう、彼は綾波レイの彼氏(と目されている)にして保護者(と言うより飼い主)でもある。
そして何より彼は“一高の治安維持要員”なのだ。
何しろ色々な意味で規格外な名物三人組…惣流アスカ、霧島マナ、真希波マリを抑えられるのは山岸マユミ、洞木ヒカリと彼ぐらいなのだ。 (最もマユたんはいつも巻き添えなんだけど。) 最も本人は振り回されてるだけにしか感じていないだろうと私は睨んでいる。 職員室で『女難のシンちゃん』と呼ばれているのは内緒ね…事実は時に人を傷付けるし…
「どうしたの碇君?」
「どうしたのって綾波、今日は夕食僕の家で食べるんだろ?買い物付き合ってくれるんじゃなかった?」
「…あ。」
「“あ”って…忘れないでよ綾波ぃ…で、一体皆と何やってたの?」
「貧に」「「「「わわわわわ!ななな何でも無い何でも無い!」」」」
「?…まあいいや、さ、行こう綾波。」
「碇君…」
「?何、綾波?」
「…お願い、私を連れて逃げて。」
ガタガタガタッ!
「綾波、又何脈絡の無い台詞言ってるの?」
「恋の逃避行…愛し合う二人の絆…女の子の憧れ…」 「…又洞木さん所で変なドラマ見たね…」
「これは男の器量を測る為にも大切な問い…だから碇君、私を連れて逃げて。」
「『何処へ?』とか『何の為に?』とか色々突っ込みたいけど…まぁ、面倒だから『早く行かないとスーパーのタイムセール逃しちゃうから先に行くよ』って言っとこうかな…」
…碇君、考えてる事だだ漏れ…
「そう…駄目なのね…と言う事は碇君、私の事嫌いなのね。私の乙女心を踏みにじり、私の期待を裏切るのね。しくしくしく。」
ガタガタガタガタッッ!
「…綾波、その棒読みは止めなさい…」
「…駄目?」「駄目。」
ふと振り向いた綾波さんは、床に転がる私達に問い掛けた。
「…どうしたの皆?」
…断言する。 最強の女子は間違い無くこの赤い瞳の女子高生だ。
…最も、それを受け止め得る碇君こそ最強なのかも知れないけど…
碇君、頑張ってね。 …大変だと思うけど。
《そう言えば、忘れてた》重音テト http://www.youtube.com/watch?v=96IgvoGTHmw&sns=em
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