Re: 指先で繋がるセカイ/緒形ゆう ( No.7 ) |
- 日時: 2010/09/25 13:24
- 名前: 緒形ゆう
- tambさん
お忙しい中編集作業にお付き合いいただき、ご感想までいただきありがとうござ いました。tambさんのあまりののけぞり具合にむしろ私がのけぞりました(笑)
あんまり丁寧に書くことができなかったので、正直ちゃんと(意味レベルで)伝 わるように書けているか不安で、掲示板で「あそこはこういう意味で書いていて」 みたいに自分で野暮ったく書かなくてはいけなくなるかな、などと思っていたので すが、tambさんが見事に解説してくれちゃいました。ありがとうございます。第二 話の書き込みの後で、一人称がシンジだと断言されてしまったときは、ねらいをは ずしてしまったかなと思って少し焦っていました。違う意味で「しまった」と思い した。
>次いで検索までかけて、
検索できたか!(笑)。でも、ねらいが外れなくてよかったです。ちなみに、す ごく野暮ですがあえて言わせていただくと「君の名は」とはそういう意味だったん です。こいつ誰!?、みたいな。
>てこの口調はカヲルそのものじゃないか
この部分の扱いはちょっと迷いましたが、カッコイイめのシンジ君が出てくるL RSならこれぐらいはありうるはず……と思ってこうなりました。でもやっぱり、 シンジとカヲルの臨界点を描ききれなかった実力不足な感は満載ですね……。まぁ、 このシンジ君ももう大学生だしということで(笑)
tambさんのおっしゃる通り今回のFFは完全に反則だらけだと思います(爆) なんかどこかで「ミステリー小説は地の文ではウソをついてはいけない」という原 則があるというのを聞いたことがあります。このFFは別にミステリーではありませ んが、地の文が一人称なので、ある意味ウソつきまくりで完全に反則ですね(笑) 物語オチ、演技オチ、というのも夢オチと同じような感じで、何が起きてもひっく り返せる必殺技的な要素があると思うので、それを連発したのも反則だと思います。
ただやっぱり、
>「この文体はシンジそのものじゃねぇか」ということの重要性
というご感想はとても嬉しいです。もしかしたらシンジっぽくさせすぎて失敗した かもとも思っていたわけですが(笑)、名前がなくてもエヴァのキャラクターが宿 る瞬間、みたいなのが私の大きなテーマの一つでもあるので。ウソを描きまくる私 のFFになんらかの「真実」があるとしたら、たぶん、ある文章がそこにあることに よっていやおうにも語られてしまう、読み取られてしまう含意、みたいなものはそ の一つだと思います。ちょっと大げさですね でももちろん、キャラクターの 名前が重要じゃない、なんてことではなくて、むしろ名前はすごく重要だと思うの ですが、そんな重要なものをも忘れさせる瞬間を描きたい、みたいなのが自分なり の信念としてある、ということですね。
>ポッキーの空き箱をゴミ箱に
正直この部分は自分で自分を褒めてあげたいです!……ごめんなさい調子のりす ぎました(笑)
あと、ちょっと前の書き込みになりますが、
>これでこの世界にはリニューアル版はあっても新劇場版はないということに気づ く。どうせやるなら6.1chだからね(笑)。しかしレイが書きシンジが語らせた(と 思われる)第一話には式波が出てくるのだ! これは完全に盲点でした。ごめんなさい(笑)
>で、この「指先で繋がるセカイ」もやはりカヲルがキーのように思える。
掲示板では(あえて?)書かれておりませんが、tambさんはカヲルのカの字も出 てこない第一話を読み終わった直後のメールですでにこうおっしゃっていましたね 。その鋭すぎる直感に対する驚きのあまりあやうくレスポンスしそうになったので すが、なんとか堪えました(笑)。 これは個人的な感覚なのかもしれませんが(でもたぶん少なくともtambさんにも ご理解いただける感覚だと思いますが)、カヲルを出すと急に物語っぽくなるとい うか、神秘性を帯びるというか、カヲルは「向こう」のセカイとFFとをつなぐ回路 がもっとも太いキャラのように思えます。今回こういう役目を「渚カヲル」に担っ てもらったのもある種必然だと自分では思っていて、それを数十km先から命中させ たtambさんはさすがだと思いました。例の書きかけの話の感覚もなんとなくわかり ます。
今までどうにか口を滑らせないように沈黙していた結果溜まりに溜まったものの うちのいくつかは吐き出せました。長くなってしまいごめんなさい。でももう少し だけ続きます。とにもかくにも、掲載&編集&ご感想ありがとうございました!
『指先で繋がるセカイ』に最後までお付き合いいただいた皆様
1ヵ月近くの間、辛抱強くこのFFにお付き合いいただいた皆様ありがとうござい ました。お楽しみいただけましたでしょうか? いつもFFを書くだびに野暮なことを最後に書いているのですが、たぶん今でない と忘れてしまうだろうこともたくさんあると思い、「何を考えて書いていたか」を つらつら書いています。ご興味がありましたらどうぞ。
すごくストレートなところから言えば、この『指先で〜』には今まで私が書き、 綾幸さんに掲載していただいたすべてのFFの要素が詰まっています。レイとアスカ がもしかしたら友だちになっていたかもしれない世界、「虚構」と「現実」を行き 来することで得られるもの、名前がない中に宿るエヴァFFとしてのリアリティ。そ れらは意識して書いていたとかそういうことではなく、物語を考えていく上で勝手 に盛り込まれてしまったもので、たぶん私がやたらと気にしていることなんだと思 います。そういうことに『指先で〜』を書いていく上で気づきました。
『幸せ〜』で、「第一話の雰囲気が好きでした」というような内容のご感想をい ただいたことがあります。自分もそうだったので、あの雰囲気、というか大学生に なった彼らの「日常」を描きたいな、というのが今回のテーマの一つでした。FFを 書いている人物は入れ替わってしまったし、物語の雰囲気は全然ちがってしまった しであまり達成されていない感はあるのですが(笑)、すごく細かい部分で言えば 、実はこの舞台はある程度実在しているところで、たまに出てくる妙な描写をつな ぎ合わせるとそこに行ったことがある人にはたぶんわかってもらえるようになって いて、しかもその舞台は『幸せ〜』の第一話の舞台とも同じだということがわかる 人にはわかるようになっているのですが、完全に描写不足だとは思っています(爆) どこが舞台か、ということ自体はたぶんわかると思います。とりあえず、もし彼ら のちょっと変わった日常をお楽しみいただけていたら、これほど嬉しいことはあり ません。
あと、これはわりといつもの問題なのですが、綾幸さんに投稿させていただいて いるにも関わらず、レイとシンジの絡みが少なかったり、あったとしても微妙に描 ききれていなかったりしているのですが、今回の『指先で〜』はそれがモロに露呈 した形になりました。というかいつもなぜかアスカを活躍させてしまいすぎで、読 んでいただいた方々から「こいつLASからの刺客か!?」などと思われないかハ ラハラしています(笑)今回もそんな感じになってしまいました。「綾波レイ」に は無駄にやたらとこだわりがあるのですが、「レイとシンジ」にはなんだかあまり ないような気がして、むしろ「レイとアスカ」に……いや、やめておきます……。 あ、だとしても綾幸さん的にはたぶんNGではないですよね?(爆) ただ、「レイ とシンジの関係」を描くことよりも、「レイとシンジの出会い」を描くことに頭が いっているのは感じています。なんででしょう。
私はFFを書くときはたいてい、今まで読んできたいろいろなFFから得たもの、そ してそれを自分なりの言葉で書いてみたい要素を念頭に置きながら書いています。 それはなんとなく自然とそう頭が働いてしまうからそうなってしまうだけなので、 書き込むことでもないと思うのですが、これをきっかけに「昔」を思い出される方 もおられるかもしれないので、ちょっと書いてみます。 なんという名前のサイトだったか憶えていませんし、FFのタイトルもうる覚えな のですが、ずいぶん昔に「私を月まで連れってって」(たしか)というFFを読んだ ことがあります。有名な作品だったと思うので、読まれた方も多いのではないかと 思います。レイが「エヴァの世界」をFFとして(パソコンで)読む話で、レイは悲 しい物語だと涙をながしているのだけど、シンジがそれを支える、みたいな場面が あるLRSだったと思います(強烈に憶えているのはこの部分だけで、物語として はもっといろいろな展開がありました)。連載もので十数話までいって、未完のま まのFFでした。名作が未完で終わる(語義矛盾?)というのはエヴァFFではよくあ る話ですが、このとき相当に悔しかったのを憶えています(笑)。自分はまだFFに はまり始めたばかりのころで、あらゆるLRSを読んでは転げまわっていたのです が、この物語はかなり自分の「ツボ」にはまっていました。全体的にはなんとなく 悲しい話だったと思います。 そんなこんなで私の頭の中には「エヴァの世界を物語として受容するレイ」みた いなのはずっとぼんやりと頭の中にあり、『幸せ〜』なんかでは若干その要素も含 んでいたわけなのですが、今回やっとまとまった自分なりの形にすることができま した。『指先で〜』のレイがエヴァという物語を乗り越えたさらにその先に向かっ ていき、そこでシンジやアスカたちと幸せな時間を過ごしていることを願います。 (何も彼らが「本編」のスタッフたちだけのもの、というわけではないのですから)
と、ここまで書かせていただいて、最後に書こうと決めていたことを書きます。 『指先で〜』は決定的にウソつきな物語です。ウソつきであり、どこまでも「現実」 が「物語」にすり替わってしまう物語です。でも、上記したとおり、「語り」の中 にはある種の真実を含んだいると、というか含ませたれたと、自分では思っていま す。(これはあくまでこの話を作った者としてですが)一応自分なりの「真実」は 用意したつもりですし(それは若干の矛盾を孕むかもしれませんが)、『指先で〜』 の綾波レイが用意した「回答」だと思っています。第二話〜第五話で綾波レイが何 をしようとしていたのか、何がしたかったのか、第一話、第六話がどうしてあのよ うな「カタチ(表現)」になったのか、最後に少しだけ思いをめぐらせていただけ ましたら幸いです。
それでは、『指先で繋がるセカイ』と長ったらしいあとがきにまでお付き合いい ただき、誠にありがとうございました。今後また綾幸さんに掲載させていただくこ とがありましたらどうぞよろしくお願いします。
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