桜花姫 ( No.7 ) |
- 日時: 2021/08/14 20:07
- 名前: 月影桜花姫
- 第四話
雪国
亡霊女房との血みどろの戦闘から二週間後の早朝である。三人の匪賊達が北方国の過疎化した廃村へと侵入する。 「無人の廃村みたいですぜ♪頭領♪」 大柄の匪賊が周辺を眺望したのである。 「過疎地か…人気は無さそうだな…」 「無人の廃村なら俺達の潜窟として利用出来ますぜ♪」 小柄の匪賊が笑顔で発言する。 「であれば廃村を占拠するか…」 廃村は無人であり潜窟として利用するのであれば好都合であると判断する。すると中柄の匪賊が小声で恐る恐る…。 「頭領!頭領!」 「何事だ?」 「村娘です…村娘を発見しました…」 「ん?村娘だと?」 中柄の匪賊は仲間の二人を案内したのである。廃村の中心地にはとある祭壇が設置され…。祭壇の近辺には小柄の女性が徘徊する。素顔は不明だが黒髪の長髪であり白装束の着物姿である。三人の匪賊達は近辺の民家から恐る恐る白装束の女性を観察する。 「本当だな…」 「彼女は一体何を?」 すると小柄の匪賊が赤面するなり…。 「可愛らしい雰囲気ですね♪胸部の谷間とか♪」 「えっ…」 「此奴…」 赤面する小柄の匪賊に二人は苦笑いしたのである。 「如何してこんな場所に村娘が一人で?」 中柄の匪賊が身震いした様子で発言する。 「ひょっとして彼女…悪霊とか?」 中柄の匪賊の発言に二人は困惑したのである。 「はっ?」 「貴様は馬鹿か?村娘は人間だろう…所詮悪霊なんて単なる子供騙しだな…」 二人の匪賊は全否定するのだが…。 「ですがこんなにも人気の無さそうな廃村で村娘が一人で行動するなんて可笑しいですよ!不自然だ…」 「大袈裟だな…」 すると小柄の匪賊が恐る恐る…。 「えっ?彼女は?」 「ん?」 先程祭壇の近辺で徘徊中だった村娘を見失ったのである。 「村娘は雲隠れしたか?」 中柄の匪賊が畏怖した様子で…。 「恐らく彼女は廃村の地縛霊ですよ…即刻廃村から逃げましょう…」 畏怖する中柄の匪賊に匪賊の頭領が怒号する。 「何が悪霊だ!大体村娘が悪霊だって証拠が存在するのか!?」 怒号した直後…。背後より極度の悪寒戦慄と気配を感じる。 「えっ…」 彼等は恐る恐る背後を警戒するなり…。 「ひっ!」 彼等の背後には先程祭壇の近辺で徘徊中だった白装束の女性が三人の背後に佇立したのである。 (此奴…一瞬で移動したのか…) 彼女は美的の容姿であるが青色の口紅…。両目の瞳孔は血紅色であり人間の女性とは無縁の雰囲気だったのである。匪賊の頭領は恐る恐る…。 「貴様…本物の悪霊なのか?」 すると白装束の女性は笑顔の表情で匪賊の頭領に接触したのである。 「ん?一体何を?」 直後…。 「なっ!?」 匪賊の頭領は一瞬で全身が氷結され肉体が崩れ落ちる。 「ひっ!此奴は悪霊だ!」 「殺されちまう!逃げろ!」 二人の匪賊は極度の恐怖心からか一目散に逃走したのである。二人は廃村の郊外にて一休みする。 「はぁ…はぁ…」 「俺達…廃村で本物の悪霊と遭遇しちまうなんて…」 「最悪だな…頭領は殺されちまうし…」 直後である。 「えっ?」 再度極度の寒気を感じる。 「ひょっとして…」 すると小柄の匪賊の左側真横より先程の白装束の女性が笑顔で凝視する。 「ひっ!悪霊!?」 彼等は落涙するなり一目散に逃走…。全力で疾走したのである。同日の真昼…。太平神国全域にて猛吹雪による寒風が各農村地帯で頻発したのである。突如として頻発した猛吹雪は農村の村人達を衰弱死させる。僧侶の三蔵郎はとある蔵屋敷の窓際から恐る恐る外部の雪景色を眺望したのである。 (近頃は暴風雪が頻発しますね…) 「ひょっとして今回も悪霊が出現した悪影響でしょうか?」 三蔵郎は頻発する猛吹雪を超常現象の悪影響であると認識する。 「超常現象による天変地異ですかね?」 同時刻…。桜花姫は自宅にて無我夢中に大好きな小倉汁粉を頬張る。 「非常に美味だわ♪」 単独での間食であるものの…。人一倍食いしん坊の桜花姫は一瞬で小倉汁粉を平らげる。 「近頃寒風が頻発するわね…」 極度の胸騒ぎを感じる。 (こんなにも猛吹雪が頻発するなんて不吉だわ…) 桜花姫は気になったのか天道眼を発動したのである。すると北方国の廃村より珍妙なる妖力を察知する。 「えっ?北方国の廃村から妖力を感じるわ…」 (ひょっとして今回は妖女の仕業かしら…) 即座に北方国の廃村へと出向いたのである。 「今回の相手は誰かしら?」 亡霊女房での悪戦苦闘により極度の胸騒ぎを感じる。移動を開始してより一時間後…。目的地の廃村へと到着する。 「目的地の廃村だけれども…正真正銘雪国なのね…」 廃村全域が雪景色であり村人は誰一人として確認出来ない。 「如何やら人間の気配は無さそうだわ…」 乱層雲と極度の猛吹雪の悪影響により妖力を感じられなくなる。 「暴風雪の悪影響かしら?超常現象を特定化出来ないわね…」 適当に歩行した直後…。 「人肉の悪臭だわ…一体何かしら?」 積雪より大勢の凍結化した村人達が確認出来る。 「村人達は凍結化で息絶えたのね…」 彼女は天道眼を発動するなり…。 「なっ!?」 突発的に胸騒ぎが彼女の身体髪膚を膠着化させる。 「妖力を感じるわ…」 (如何やら今回の相手は妖女みたいね…) 桜花姫の背後から莫大なる妖力の気配を察知したのである。 「私の背後かしら…ん?」 桜花姫は恐る恐る背後を凝視する。 「女性だわ…一体誰かしら?」 白装束の長髪の女性が桜花姫の隣接へと急接近するなり…。 「きゃっ!」 白装束の女性は口移しにより桜花姫に接吻したのである。接吻された桜花姫は白装束の女性を非常に気味悪がる。 「突然何するのよ!変態女!見ず知らずの女性に口移しなんて不潔だわ…」 女性の破廉恥さから桜花姫は恐る恐る後退りする。 「あんたの感触…ひょっとして氷水かしら?」 先程の口移しにより女性から極度の悪寒戦慄を感じる。 「ぐっ!体内の妖力が…」 氷麗姫による接吻の悪影響からか桜花姫の妖力が微量に消耗する。 「誰かと思いきや…あんたは粉雪妖女の【氷麗姫】だったのね…」 粉雪妖女の氷麗姫とは純血の妖女であり氷雪系統の妖術を多用する妖女である。恐る恐る後退りする桜花姫に氷麗姫は不吉の表情で微笑む。 「今回の猛吹雪の主要因は氷麗姫…あんたの仕業だったのね…」 桜花姫は氷麗姫に火炎の妖術を発動させる。超高温の火炎攻撃によって氷麗姫の肉体が一瞬で崩れ落ちたのである。 「仕留めたかしら?えっ!?」 すると桜花姫の周辺の積雪から無数の女体が形作られる。 「氷麗姫の分身体かしら?」 氷麗姫は冷風を放出するものの…。桜花姫は咄嗟に妖力の防壁を発動するなり氷麗姫の放出する冷風から本体を防備したのである。 「分身なんて面倒臭いわね…」 本体の判別は困難であるものの…。 「氷麗姫にとって私は相性的に最悪だったわね♪」 桜花姫にとって火炎系統の妖術は得意中の得意妖術であり氷雪系統の妖術を多用する氷麗姫を相手に桜花姫は余裕の様子である。 「凡庸の妖女が最上級妖女の私に真剣勝負なんて無謀なのよ♪」 氷雪系統の妖術を多用する氷麗姫にとって桜花姫は最悪の天敵であり桜花姫は微笑むなり…。 「あんたは喋れなくても恐怖心は感じられるのね♪」 氷麗姫は微笑する桜花姫に戦慄したのである。 「覚悟しなさい…氷麗姫ちゃん♪」 桜花姫は天道眼を発動するなり…。 「本体諸共死滅しなさいね♪氷麗姫♪」 天空より無数の火球を廃村全域に落下させたのである。猛烈なる火球の猛攻撃によって氷麗姫の無数の分身体を焼失させる。火球の破壊力は非常に強力であり猛攻撃による超高温の火炎攻撃が氷麗姫本体を一瞬で焼失させたのである。氷麗姫の悲痛の阿鼻叫喚が廃村全域へと響き渡る。 「氷麗姫は死滅したかしら…」 氷麗姫を仕留めた影響により猛吹雪が沈静化する。 「氷麗姫を仕留めた影響かしら?」 寒風も感じられなくなる。 「天変地異は無事解決ね♪即刻戻ろうかしら…」 天変地異が終息するなり…。桜花姫は無事に西方国へと戻ったのである。 「今回は楽勝だったわね♪」 一安心した彼女は家屋敷にて寝転ぶものの…。直後である。左耳より極度の悪寒戦慄を感じる。 「きゃっ!」 悪寒戦慄に身震いした桜花姫は恐る恐る左辺を直視するなり…。先程焼殺した氷麗姫が寝転んだ状態で桜花姫を凝視する。 「えっ!?あんたは!?」 突然の出来事により桜花姫は驚愕したのである。氷麗姫は桜花姫を凝視するなり微笑む。すると氷麗姫は不吉の笑顔で…。 「あんたは人一倍容姿端麗の妖女だわ♪」 氷麗姫は人間の口言葉で発言したのである。 (えっ!?氷麗姫って喋れるの!?) 桜花姫は人間界の公用語で発語する氷麗姫に愕然とする。 「あんたは最上級妖女の月影桜花姫だったわね♪」 すると氷麗姫は桜花姫に接触したのである。直後…。 「ぎゃっ!」 桜花姫は氷麗姫の金縛りの妖術によって身動き出来なくなる。 (金縛りの妖術かしら?身動き出来なくなるなんて…) 「残念だったわね♪あんたが雪国で死滅させたのは私の分身体なのよ♪私は分身体からでも復活出来るから本体が焼殺されても大丈夫だからね♪油断大敵よ…月影桜花姫ちゃん♪」 氷麗姫は粉雪分身の妖術で形作った分身体の欠片のみでも残存すれば本体が死滅したとしても容易に復活出来る。先程は雪国にて氷雪の欠片を桜花姫の着物に密着させた状態で…。桜花姫の家屋敷に潜入出来たのである。 (復活ですって!?) 氷麗姫は桜花姫に密着するなり…。 「私はね…あんたみたいな妖女の小娘が人一倍大好きなのよ♪あんたみたいな小娘とこんな小部屋で二人だけだと接吻したくなっちゃうわ♪」 氷麗姫は表情が赤面すると桜花姫に口移ししたのである。氷麗姫によって無理矢理に口移しされた直後…。体内の妖力が氷麗姫の吸収能力によって吸収される。 「ぐっ!」 (体内の妖力が…) 妖力の消耗によって衰弱死するかと思いきや…。桜花姫の肉体が白煙により一瞬で消滅したのである。 「えっ!?桜花姫は?」 氷麗姫の背後より何者かが背中に接触する。 「きゃっ!」 「残念だったわね♪あんたが口移ししたのは私の分身体よ♪」 「桜花姫!?」 桜花姫は氷麗姫に接吻される直前に分身の妖術を発動…。氷麗姫の吸収能力の無力化に成功する。氷麗姫の口移しによって吸収された妖力は微量だったのである。 「分身体で欺瞞するなんて…悪知恵だけは一人前だわ…」 「悪因悪果よ♪今度こそ死滅するのね…氷麗姫♪」 桜花姫は変化の妖術を発動する。変化の妖術とはあらゆる物体を別の物体に変化させる変幻自在の妖術である。 「桜餅に変化しなさい♪」 すると氷麗姫の肉体が桜花姫の大好きな桜餅に変化させる。 「美味しそうだわ♪」 桜花姫は変化の妖術によって桜餅に変化した氷麗姫を食い殺したのである。 「美味だわ♪」 桜餅に変化させた氷麗姫を捕食すると吸収された妖力が回復する。変化の妖術で食べ物に変化させた対象物を食べれば消耗した妖力も回復させられる。 「彼女に吸収されちゃった妖力も戻ったし♪一石二鳥ね♪」 桜花姫は再度寝転んだのである。
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