ホムンクルス事変 ( No.80 ) |
- 日時: 2021/09/09 18:00
- 名前: 月影桜花姫
- 第一話
潜入
世界暦七百二十二年四月四日の出来事である。国連軍特殊調査隊に所属する二人の隊員が高速調査艇に乗艇…。とある大南海に位置する孤島サウスアイランドへと直行したのである。 「隊長…折角全世界が統一されたのに物騒ですね…」 世界各国は三年前に一国へと統一化…。現存する全世界の軍事組織は国連軍に統合化されたのである。 「仕方ないよ…所詮世界が統一されてもテロは撲滅されないからな…」 すると若齢の隊員が再度問い掛ける。 「今回の任務ですが…サウスアイランドに潜伏するテロ組織の秘密基地の調査だけでしたよね?」 「勿論だ…」 若齢の隊員は不安視したのか恐る恐る…。 「間違っても…戦闘は…」 「最悪の場合戦闘は回避出来ないぞ…【ウィグノール】…」 「えっ…」 ウィグノールは新米の隊員であり当然として実戦経験は皆無である。 (実戦なんて…) ハラハラする。新米の彼にとって実戦は不安であり極度に緊張したのである。 「相手が相手だからな…」 「ですが【ルーヴェルハルト】隊長…俺は実戦経験が…」 「緊張するのは同感だが…今回の任務が成功すれば俺達は政府から特別ボーナスが支給されるのだぞ…」 「えっ!?特別ボーナスですか♪」 (任務を達成しなくては!) 特別ボーナスの一言に反応したのかウィグノールは態度が大幅に変化する。 (此奴は…単純だな…) ルーヴェルハルトは内心単純であると感じる。 「隊長♪即刻任務を達成して♪特別ボーナスをゲットしましょうね♪」 「はぁ…」 ルーヴェルハルトは呆れ果てる。数分後…。 「隊長!十数キロメートルの長距離より小規模の孤島を発見しました…ひょっとしてサウスアイランドでしょうか?」 「恐らく目的地だろうな…」 肉眼でも南方の孤島を直視出来る位置へと到達する。 「全速力でサウスアイランドに直行するぞ…」 ルーヴェルハルトは猛スピードで高速調査艇を高加速化…。全速力で驀進したのである。三十分後…。彼等は無事にサウスアイランドへと到達する。 「人気は感じられませんね…無人島みたいですよ…」 サウスアイランドは全体的に人気が皆無であり無人島みたいな雰囲気だったのである。二人は護身用の装備品を所持…。警戒した様子で恐る恐る孤島へと上陸する。 「こんな場所にテロ組織の秘密基地が存在するのでしょうか?」 「現段階では不明瞭だが…秘密基地が存在しないとも断言出来ないからな…」 ルーヴェルハルトはサウスアイランドに何も無ければ再度出直そうと思考したのである。二人は恐る恐る無人の獣道へと潜入…。周囲の自然林を警戒したのである。 「隊長…不吉ですね…幽霊が出現しそうな雰囲気ですよ…」 ウィグノールは畏怖したのかブルブルと身震いし始める。 「貴様は子供か?幽霊なんて存在するかよ…」 ウィグノールの様子に再度呆れ果てる。すると移動中…。 「ウィグノール?」 「えっ?如何されましたか?隊長?」 ルーヴェルハルトは恐る恐る特定の地面を指差したのである。 「なっ!?」 ルーヴェルハルトが指差した地面の方向には直径二メートルサイズの合金製の大型ハッチが確認出来る。 「此奴はシェルターか…」 「核シェルターのハッチみたいですね…」 ウィグノールは恐る恐る大型ハッチに接触したのである。 「ひょっとしてテロ組織の秘密基地とは地下施設なのでしょうね…」 「であれば此奴で…」 ルーヴェルハルトは護身用の『レーザーライフル』を所持する。レーザーライフルとは近年国連軍が開発した新型光学兵器であり基本装備として各部隊に配備されたのである。 「レーザーライフルで直接ハッチを破壊する…」 「えっ?レーザーライフルを使用するのですか?」 (隊長…強引だな…) 強引であると感じる。ルーヴェルハルトはレーザーライフルを射出…。すると合金製のハッチは一筋の光線により簡単に破壊されたのである。 「えっ…」 レーザーライフルの威力にウィグノールは絶句する。ハッチはレーザーライフルにより破壊され…。スッポリと円形の風穴が形作られる。 「潜入するぞ…」 二人は警戒した様子で内部に潜入すると目前には昇降機が確認出来る。 「昇降機だな…」 昇降機は大人二人分のサイズでありルーヴェルハルトとウィグノールは恐る恐る昇降機に佇立する。直後…。 「ん?」 昇降機は自動で作動…。地下へと昇降したのである。するとウィグノールが恐る恐る…。 「隊長…テロ組織の施設としては…設備が非常に高度ですよね…」 内部は非常に近未来的であり本当にテロ組織の施設なのか疑問視したのである。すると直後…。 「なっ!?」 「えっ!?」 突如として二人の目前よりホログラム装置が作動され黒服の男性の姿形が映写されたのである。 「貴様は一体何者だ?」 ルーヴェルハルトがホログラムの男性に問い掛けると男性は即答する。 「私は『太平帝国軍』の総帥…【アルバード】です…」 「えっ?太平帝国って…」 「第二次世界戦争で滅亡した旧帝国だったな…」 太平帝国とは近代に存在した大帝国である。強大なる軍事力を保有した超大国であったが…。七十年前に勃発した第二次世界戦争で連合軍の攻勢により滅亡したのである。 「アルバードだったか?貴様は負け犬である太平帝国の残党を自称する異端者か?」 ルーヴェルハルトの問い掛けにアルバードは即答する。 「私が異端者ですか…私は列記とした太平帝国の後継者なのです…」
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