メガラニカ大事変 ( No.95 ) |
- 日時: 2021/09/16 22:16
- 名前: 月影桜花姫
- 第一話
開戦
世界最終戦争終戦後の出来事である。世界最終戦争唯一の戦勝国『太平帝国』は戦前でこそ小規模国家であったが世界最終戦争の快進撃から勢力を拡大化…。終戦後は超大国としての地位と資源を牛耳ったのである。世界最終戦争の大勝利によって全世界の秩序と覇権を獲得した太平帝国であるが…。太平帝国の圧政に反対する一部の国連軍残存勢力と各地の反政府勢力が大南海に位置する孤島にて合流したのである。彼等によって大南海の孤島は自治領『メガラニカ自由区』と命名され覇権国家である太平帝国の支配圏から逃亡した移民者達が亡命…。メガラニカ自由区樹立から一年が経過すると領内の総人口は推計五十万人規模に増大化したのである。メガラニカ自由区の勢力拡大を危惧した太平帝国は世界暦五百二十二年七月十六日に宣戦布告…。翌日の七月十七日には大規模艦隊を派遣させ南方のメガラニカ自由区本土を攻撃目標に直進したのである。太平帝国海軍主力艦隊旗艦…。戦闘航空母艦セイバードラゴンには太平帝国国家元首であり総軍の最高指導者である大総統【ブラッドフォード】が総司令官として乗艦する。 「大総統!徹底的にメガラニカ自由区を撃滅しましょう!」 「当然だ【ルーヴェルハルト】…新世界の統治国である太平帝国に反抗するのが最大の愚行であるか…奴等には徹底的に理解させなければ…」 ルーヴェルハルトは副総統であり大総統のブラッドフォードにとって最高の右腕である。今回は旗艦セイバードラゴンの副艦長として抜擢される。今回のメガラニカ自由区本土攻略作戦ではセイバードラゴン級大型戦闘航空母艦が五隻投入され…。護衛艦隊にはミサイル巡洋艦十六隻…。二十四隻の防空駆逐艦が出撃する。補助用の魚雷艇二十九隻と八百人以上の上陸部隊を乗艦させた大型輸送艦十七隻が後方にて航行したのである。 「メガラニカ自由区の領海へは推定二時間で到達する予定です…」 「全軍を警戒態勢に移行させろ…」 「承知しました…」 ルーヴェルハルトは通信機にて各艦の乗組員達に警戒態勢を指示する。 「全軍…警戒態勢に移行せよ…」 すると各艦隊の戦闘要員達は戦闘配置に移動したのである。戦闘要員達が戦闘配置に移動してより三分後…。旗艦セイバードラゴンの艦橋に設置された最新型スーパーレーダーが反応したのである。 「本艦のスーパーレーダーが反応しました!」 スーパーレーダーは太平帝国海軍が開発した最新式の電波探知機であり地球全体を正確に索敵出来る。太平帝国軍では艦艇のみならず艦載機にも搭載され今現在太平帝国海軍と互角に交戦出来る国家は存在しない。 「何事だ?」 ブラッドフォードは偵察員に問い掛ける。 「南方…三百キロメートルの遠海より艦隊らしき艦影を無数確認…総数は推計四十隻程度です…」 スーパーレーダーには推計四十個もの光点が点滅したのである。 「ステルス機能を搭載させた艦艇か…」 すると直後…。 「無数の飛翔体が味方艦隊に接近中です!」 四十個の対象物である光点から数百個もの微小の光点が超音速で飛来するのを確認する。 「此奴は対艦ミサイル攻撃だ…迎撃態勢に移行しろ!」 ブラッドフォードは即座に迎撃を命令したのである。数秒後…。二十キロメートルの長距離より数百発もの飛翔体が味方艦隊に接近するのを確認する。 「各艦艇!飛翔体を迎撃せよ!」 各艦艇の迎撃システムが作動したのである。近年太平帝国海軍の各艦艇には対空戦闘用に開発された小型の全自動型パルスレーザー対空砲を設置…。超音速で飛来するミサイル迎撃に期待されたのである。数秒後各艦のパルスレーザー対空砲が炸裂…。蛍光色の光弾が各艦に接近する大型対艦ミサイルを迎撃したのである。全自動化によって大型対艦ミサイルは全弾迎撃…。敵艦から発射された大型対艦ミサイルは味方艦隊には一発も命中しなかったのである。通信兵が即座に報告する。 「通信です…敵軍の大型対艦ミサイルは全弾迎撃されました!味方艦隊への損害は皆無です!」 「最先端の科学技術の結晶である太平帝国海軍に旧型の対艦ミサイルで攻撃するとは…奴等は時代錯誤ですな♪」 ルーヴェルハルトは笑顔で発言したのである。 「当然の結果だな…所詮奴等は烏合の衆だ…」 総司令官のブラッドフォードも勝利を確信する。太平帝国軍の大艦隊はメガラニカ自由区近海へと直進したのである。十数分後…。メガラニカ自由区の防衛艦隊と遭遇したのである。ルーヴェルハルトはブリッジ正面の窓側にて恐る恐る双眼鏡を所持…。真正面の敵軍の中規模艦隊を確認する。 「大総統…敵軍の防衛艦隊です…」 メガラニカ自由区の防衛艦隊はミサイル巡洋艦八隻…。十九隻のミサイル駆逐艦と三十二隻の魚雷艇が確認出来る。 「中規模艦隊か…総攻撃せよ…」 ブラッドフォードは即刻中規模艦隊に対する総攻撃を指示…。各艦の大型対艦ミサイルと機関砲が炸裂する。太平帝国軍の先制攻撃によりメガラニカ防衛艦隊は二隻の大型ミサイル巡洋艦と六隻のミサイル駆逐艦が大型対艦ミサイルで撃沈され…。五隻のミサイル巡洋艦と十二隻のミサイル駆逐艦が大破したのである。海面上には九百人以上の乗組員達が吹っ飛ばされる。 「味方艦隊の圧倒的優勢です!」 旗艦セイバードラゴンのブリッジでは乗組員達が沈没する敵艦を眺望する。 「太平帝国軍の圧勝は確実だな…」 「奴等は腐敗した国民主権勢力の残党だ…所詮メガラニカ自由区なんて…」 乗組員達は太平帝国軍の優勢に安堵したのである。同時刻…。メガラニカ自由区防衛艦隊旗艦である航空大型ミサイル戦闘艦リトルヴィーナス艦内では味方艦隊の劣勢に騒然とする。 「多勢に無勢だ…こんな状態では防衛艦隊は全滅するぞ!」 「畜生…防衛艦隊が全滅すれば…太平帝国軍の本土上陸も時間の問題だ…」 乗組員達は騒然とするのだが…。艦長の【ウィンフィールド】は沈黙した様子であり冷静だったのである。乗組員の一人が恐る恐る…。 「ウィンフィールド艦長…如何されましょうか?こんなにも劣勢では味方の防衛艦隊は全滅しますよ…」 「狼狽えるな…」 ウィンフィールドは騒然とする周囲の乗組員達を制止させる。 「ですが艦長…今現在の戦況はメガラニカ防衛軍が圧倒的に不利ですよ…」 ウィンフィールドは沈黙した様子で腕時計を確認する。 「時間だな…」 周囲の乗組員達はハッとした表情で…。 「えっ…何が時間なのですか!?」 一人の乗組員が恐る恐るウィンフィールドに問い掛ける。 「作戦を開始する…」 ウィンフィールドは通信兵を直視するなり…。 「通信兵…即刻独立機動部隊に通信させるのだ…出撃の命令を…」 「はっ!」 周囲の者達はポカンとする。 「一体何を開始するのか?」 同時刻…。メガラニカ自由区西方地帯の軍港にて三隻の中型空母が出撃したのである。中型空母にはとある新型兵器が多数搭載される。西方地帯から独立機動部隊が出撃を開始してより五分後…。メガラニカ自由区南方地帯の防衛艦隊は壊滅状態であり撤退を余儀無くされる。壊滅寸前の防衛艦隊の光景に太平帝国軍総司令官のブラッドフォードは航空部隊の出撃を命令する。 「航空部隊を出撃させろ…メガラニカ自由区の南方地帯全域を空爆せよ…場合によっては非戦闘員への攻撃も許可する…徹底的に奴等を蹴散らせるのだ…」 「はっ!」 ブラッドフォードが命令すると五隻の大型戦闘航空母艦から推計三百機もの戦闘爆撃機が出撃したのである。航空部隊はメガラニカ自由区の南方地帯領空へと進入…。地上への空爆を開始したのである。南方地帯を防衛する地上部隊は必死に太平帝国軍の航空部隊を迎撃するも…。相手は超音速で飛行する戦闘爆撃機であり対空砲は通用せず対空ミサイルで攻撃しても機体に搭載されたパルスレーザーで簡単に無力化されたのである。攻撃開始から三分間が経過すると南方地帯の地上部隊は九割が壊滅…。数千人もの民間人が死傷したのである。旗艦セイバードラゴンではブリッジの乗組員達がモニターで戦況の映像を注視する。 「大総統♪太平帝国軍の圧倒的優勢です♪南方地帯の守備隊は壊滅状態ですよ…」 副艦長のルーヴェルハルトが笑顔で発言したのである。 「当然の結果だな…」 ブラッドフォードは現状であれば上陸作戦が可能であると判断…。 「敵軍は相当疲弊した状態だ…味方の上陸部隊に伝播させろ!」 「承知しました…」 ルーヴェルハルトは即座に各輸送艦に伝達する。上陸作戦を開始する直前…。スーパーレーダーが反応したのである。 「スーパーレーダーが反応しました!」 特殊無線技士がブラッドフォードに報告する。 「今度は何事だ!?」 ブラッドフォードが特殊無線技士に問い掛ける。 「西方の海域より無数の移動物体が出現…超音速で此方に急接近中です…」 「移動物体だと?敵機か?」 ブラッドフォードはモニターを作動させる。するとモニターの画面には無数の飛行物体が映写される。 「此奴は…」 飛行物体は軍用機の形状だが従来型の航空機とは異質的であり新型機であると認識する。 「大総統…敵軍の新型機でしょうか?」 「ひょっとすると無人兵器の戦闘用ドローンかも知れないな…」 「戦闘用ドローンですと?」 ブラッドフォードは一息するなり…。 「敵部隊の航空攻撃に警戒せよ…再度迎撃態勢に移行しろ…作戦中の航空部隊にもドローンの迎撃を急行させるのだ…」 「承知しました…大総統…」 戦闘艦隊と各輸送艦隊は上陸作戦を一時中止させ対空戦闘に移行する。数百機ものドローンが肉眼でも視認出来る位置へと到達…。 「大総統…敵軍のドローンです…」 「ドローンを撃墜せよ!味方艦隊には接近させるな!」 ブラッドフォードの命令と同時に各艦艇は対空戦闘を開始する。対空ミサイルと対空パルスレーザーが西方の上空にて炸裂したのである。対空パルスレーザーがドローンに直撃するのだが…。ドローンの機体内部には高エネルギー兵器を無力化する電磁防壁発生装置により対空パルスレーザーが無力化されたのである。旗艦セイバードラゴンのブリッジでは双眼鏡で副艦長のルーヴェルハルトが上空を直視する。 「なっ!?シールドでしょうか!?」 「シールドだと?」 「ドローンは高エネルギーのシールドで対空パルスレーザーを無力化しました…ひょっとして奴等…」 「電磁防壁だな…ドローンの機体に光学兵器を無力化するシールド装置を装備したのだな…」 電磁防壁発生装置とは高エネルギー兵器を無力化する補助装置である。近年では太平帝国軍にも同類の補助装置は保有するものの…。艦船用の大型装置であり小型航空機に搭載出来る小型の装置は開発中である。 「如何やら奴等…電磁防壁発生装置の小型化に成功したみたいだな…」 ドローン関連の科学技術ではメガラニカ自由区が太平帝国よりも数段階上回る。人員不足であり少数精鋭のメガラニカ防衛軍にとって無人兵器のドローンは最大の戦力であり戦闘に特化されたドローン兵器が多数開発される。一方の太平帝国軍にもドローン兵器は多数配備されるものの…。基本的に偵察用の警戒型ドローンであり戦闘に特化された戦闘用ドローンは試作機のみである。 「艦長…上空より敵機が接近中です!」 対空パルスレーザーの弾幕が太平帝国軍の艦隊周囲に炸裂するのだが…。ドローンは機体のシールド装置でパルスレーザーを潜り抜け味方艦隊の上空間近へと到達する。ドローンは即座に低空飛行…。高速航空魚雷を投下したのである。副艦長のルーヴェルハルトはドローンの高速航空魚雷を投下した瞬間を直視する。 「大総統!敵機は航空魚雷を投下しました…」 「航空魚雷だと?大昔の大戦か?」 本来パルスレーザーはミサイルやら敵機の迎撃を想定して開発された高エネルギー兵器であり水中の魚雷を迎撃するのは不可能である。 「大昔の大戦だな…」 太平帝国軍では魚雷は潜水艦と魚雷艇のみ搭載…。今現在航空魚雷は皆無である。 「艦長!右舷より魚雷が接近中です!」 特殊無線技士が報告する。 「即刻回避だ!」 ブラッドフォードは即座に回避を指示したのである。乗組員達の迅速の対応により旗艦セイバードラゴンは敵機の魚雷攻撃を回避する。旗艦セイバードラゴンの乗組員達はホッとするも…。直後である。対空戦闘中の一隻のミサイル巡洋艦と二隻の防空駆逐艦がドローンの魚雷攻撃により爆散…。轟沈したのである。 「大総統…戦闘中のミサイル巡洋艦ヘルフィッシュと二隻の防空駆逐艦が敵機の魚雷攻撃で撃沈されました…」 メガラニカ防衛軍のドローン兵器は潜水艦に搭載された大型魚雷であり大型艦をも撃沈出来る。今度は輸送艦五隻と魚雷艇八隻がドローンの魚雷攻撃で沈没…。輸送艦六隻と魚雷艇四隻が大破したのである。撃沈された輸送艦からは二千人以上の将兵が海面上に吹っ飛ばされる。作戦中だった航空部隊が味方艦隊上空に帰還…。ドローンを迎撃するもドローンの速度は戦闘爆撃機よりも高速であり反対に味方の戦闘爆撃機が反撃される。二分間の空戦で百八十機もの味方戦闘機が撃墜され…。百人以上のパイロットが戦死したのである。一方のドローン部隊も艦艇と艦載機の対空ミサイルにより三十四機撃墜される。副総統のルーヴェルハルトは上空の光景を直視するなり…。 「大総統…太平帝国軍の劣勢です…」 形勢は完全に逆転したのである。ブラッドフォードは沈黙した様子であるが…。自軍の劣勢に苛立ったのかピリピリし始める。すると直後…。主力の戦闘航空母艦にも被害が出始める。二隻の戦闘航空母艦はドローンの自爆攻撃によって飛行甲板が破壊され…。大破したのである。旗艦セイバードラゴンの同型艦であるレヴィアタンはドローンの魚雷攻撃で艦内の弾薬庫に引火…。一瞬で爆沈する。 「同型艦のレヴィアタンが撃沈されました!」 同型艦のレヴィアタンが爆沈したと同時に艦内の四十八機の艦載機は勿論…。五百人以上の乗組員達が一瞬で吹っ飛ばされる。旗艦セイバードラゴンの周辺海面上には無数の鉄屑やら乗組員達の死骸がプカプカと浮上する。艦隊の損害からルーヴェルハルトはブラッドフォードに撤退を要請したのである。 「大総統!現状では太平帝国軍が圧倒的に不利です!即刻撤退しなければ…味方の艦隊が全滅しますよ!」 撤退を要請するルーヴェルハルトにブラッドフォードはギロッと睥睨する。 「撤退だと?主力の戦闘航空母艦二隻は健在だ…ドローンは実弾の対空ミサイルで対応しろ…」 実際問題ドローンのシールド装置は対空パルスレーザーによる高エネルギー兵器は無力化出来る反面…。実弾兵器は無力化出来ない。 「ですが対空ミサイルのみでは…本数が…」 ドローンに実弾である対空ミサイルは通用するが…。ドローンに命中させるのは非常に困難であり発射された大半がドローンの機関砲で迎撃される。直後…。 「飛行甲板上空より敵機です!直上に急降下します!」 特殊無線技士が報告する。 「敵機だと?」 数秒後…。急降下したドローンは甲板の直上に対艦ミサイルを発射したのである。直後である。ドンッと艦内全体に爆発音が響き渡り…。旗艦セイバードラゴンの艦体全体がグラッと揺れ動いたのである。 「ぐっ!」 艦体が揺れ動いた衝撃にブラッドフォードは横たわる。 「大総統!大丈夫ですか!?」 副艦長のルーヴェルハルトは横たわったブラッドフォードに近寄る。 「私は大丈夫だ…本艦の被害状況は?」 先程のドローンの攻撃により旗艦セイバードラゴンの損傷は飛行甲板が大破…。艦内に収納された十八機の艦載機も破壊されたのである。反面…。飛行甲板以外の設備は健在だったのである。 「母艦としての機能は完全に阻害されたな…」 「飛行甲板は使用出来ませんが…旗艦としての機能は健在です…」 「であればダメージコントロールを急行せよ…」 乗組員達が飛行甲板を修理する最中…。三隻の大型輸送艦と六隻の防空駆逐艦がドローンと潜水艦の魚雷攻撃で撃沈されたのである。予想外の大損害にブラッドフォードは撤退を余儀無くされる。 (戦闘を続行し続ければ太平帝国軍の大艦隊でも確実に全滅するな…) 味方艦隊の全滅を危惧したブラッドフォードは不本意であるが…。撤退を決断する。艦内の通信機を所持するなり…。 「全軍に伝播する…戦闘続行は不可能だ…撤退を開始せよ…」 ブラッドフォードの判断に誰しもが反対しなかったのである。撤退を開始した太平帝国軍の艦隊にメガラニカ防衛軍のドローンは攻撃を停止…。本土へと戻ったのである。今回の大海戦で太平帝国軍は大型艦の戦闘航空母艦一隻とミサイル巡洋艦一隻…。小型艦の防空駆逐艦八隻と魚雷艇十二隻が撃沈される。損傷では三隻の戦闘航空母艦と二隻のミサイル巡洋艦が大破…。防空駆逐艦四隻と魚雷艇五隻が大破する。陸軍の上陸部隊は大型輸送艦が八隻撃沈され…。七隻の輸送艦が大破したのである。航空部隊は二百十九機の戦闘爆撃機を喪失…。五十四機の機体が損傷する。人的損害では合計六千九百四十二人が戦死…。合計三千五百六十一人が負傷したのである。一方のメガラニカ防衛軍はミライル駆逐艦二隻とミサイル駆逐艦六隻が撃沈され…。五隻のミサイル巡洋艦と十二隻のミサイル駆逐艦が大破したのである。陸軍の守備隊は五十八両の戦闘車両が破壊…。空軍は五十六機のドローンが撃墜される。人的被害では合計二千三百六十五人が戦死…。合計三千四百七十八人が負傷する。民間人への被害は合計三千五百八十九人が死亡…。合計四千七百三十二人が負傷したのである。今回の戦闘はメガラニカ南方海戦と命名される。今回の大敗北以降…。太平帝国の権威が失墜したのである。
第二話
大艦巨砲主義
メガラニカ南方海戦の大敗北以降…。メガラニカ自由区の猛反撃が開始されたのである。メガラニカ防衛軍はドローン兵器の大量投入と国内の反政府勢力の協力により太平帝国の領土の約半分を攻略…。占領したのである。メガラニカ南方海戦から一週間後の五月二十四日…。各自治領の戦闘で推計九百万人もの民間人が死亡したのである。同日…。太平帝国首都イーストサイドの大総統官邸会議室では大総統のブラッドフォードとルーヴェルハルトが対談する。 「大総統…一週間の短期間で太平帝国の統治領の約半分がメガラニカ防衛軍の猛反撃により占拠されました…太平帝国軍は劣勢の状態です…」 「一週間で領土の約半分が奴等に占拠させるなんて…ドローン兵器の威力を見縊らなければ…こんな状態には…」 ブラッドフォードは後悔したのである。後悔するブラッドフォードにルーヴェルハルトは前向きな姿勢で…。 「ですが大総統!今現在でこそ劣勢ですが…今迄の戦闘でメガラニカ自由区は太平帝国以上に消耗した状態です!」 今現在のメガラニカ自由区と太平帝国の国力は一対十八でありメガラニカ自由区は圧倒的に不利である。メガラニカ防衛軍はドローン兵器の有効活用から各地の戦場で圧倒的物量の太平帝国軍を圧倒する。メガラニカ防衛軍の快進撃により太平帝国は領土の約半分を占拠されたものの…。短期間で戦線を拡大させたメガラニカ防衛軍は国力が貧弱であり兵站の遅滞から膠着し始める。 「メガラニカ防衛軍は膠着状態ですからね!劣勢を挽回出来る絶好のチャンスですよ!」 するとブラッドフォードは恐る恐る問い掛ける。 「訓練中の【ホムンクルス】だが…正規軍の将兵として実戦に配属出来るのか?」 「訓練中のホムンクルスの将兵達ですが…三日後には実戦配属出来るみたいです…」 ホムンクルスとは二十年前から研究…。開発されたクローン人間達の総称である。度重なる戦争やら内戦によって人間の将兵が不足…。世界最終戦争以前の太平帝国は小規模の新興国であり人員不足の観点からクローン人間の兵士の開発が浮上したのである。通常クローン人間の開発は倫理的問題点から民主主義の国家では法律で禁止されるのが通例であるが…。人権を尊重しない独裁政治の太平帝国ではクローン人間の開発も容易に実現出来るのである。今現在は推計三百万人ものホムンクルスが大量生産され…。正規軍の将兵として実戦に参加出来そうなホムンクルスは推計二十万人である。 「彼等が正規軍の将兵として実戦に参加出来れば…今後の作戦では人間の兵士は不要だからな…」 ロボット技術やら人工知能が格段に発達した近年では総兵力の縮小が開始される。数年後…。太平帝国軍はホムンクルスと人工知能搭載型兵器のみの軍事組織に変化すると予測されたのである。 「であれば今後は理想の戦争が実現しそうですな♪人間の兵士が直接戦闘しなくても…ホムンクルスの将兵を最前線の兵士として代替出来るのですから♪」 近日では太平帝国の劣勢から脱走兵やらメガラニカ防衛軍に加勢する勢力が続出…。両勢力の力関係は完全に逆転し始める。人員確保が難化し続ける太平帝国軍にとってホムンクルス将兵の投入は非常に好都合だったのである。 「本題ですが…開発部が新型兵器を提案しました…」 開発部が提案した数種類の新型兵器の設計図をブラッドフォードに提出する。 「戦闘用ドローン…『ケルベロス』だと?」 「ケルベロスは…」 ケルベロスとは太平帝国軍が開発した無人戦闘機である。従来型の有人戦闘機よりは一回り小型であるがマッハ八以上の最高速度を発揮出来…。機体底部には対地対艦武装は大型ミサイルを搭載する。対空装備は対空プラズマレーザー機関砲と実弾の対空機関砲を両方搭載…。 「ケルベロスが量産化に成功出来れば…メガラニカ防衛軍のドローン兵器『グリフォン』にも対抗出来ましょう…」 メガラニカ南方海戦で太平帝国軍艦隊を撃退させたドローン兵器の正体はグリフォンと判明する。本機は南方海戦で太平帝国海軍部隊が鹵獲したグリフォンを研究…。設計された機体でありメガラニカ防衛軍のグリフォンに対抗出来る戦闘用ドローン兵器として提案されたのである。 「ケルベロス…試作機の完成を見届けるか…」 二枚目の設計図を直視する。 「ん?此奴は…」 「二枚目の新型兵器は超砲撃型戦艦…『アプセラス』です…」 「超砲撃型戦艦…アプセラス?」 正式名は超砲撃型戦艦アプセラスであり海軍直属の開発部が提案したのである。今現在では完全に過去の遺産である超弩級戦艦であるが戦艦アプセラスは最先端の科学技術と過去のロストテクノロジーを結集…。現代型大艦巨砲主義の象徴である。艦体の全長は三百メートルサイズと巨体であり全幅は五十メートルサイズ…。全備総重量は前代未聞の推定七十万トンクラスの超弩級戦艦である。 「今時大艦巨砲主義なんて…時代錯誤だろ…」 ブラッドフォードは時代錯誤であると感じるのだが…。 「戦艦アプセラスは現在開発中の超大型電磁投射砲を搭載する予定なのです…所謂実験試作型の試験戦艦ですね…」 「電磁投射砲か…」 電磁投射砲は現在太平帝国軍が開発中の実弾電磁兵器である。高額のミサイルよりも安価であり高威力を発揮出来ると期待される。 「海軍開発部の大計画では戦艦アプセラスの装甲は『エターナルメタル』を使用するとの情報です…」 「エターナルメタルだと?」 エターナルメタルとは月面で採掘された不朽性の鉄鉱石である。非常に軽量であるが硬度は金剛石以上であり半永久的に原物を維持出来る。 「エターナルメタルを使用すれば…メンテナンスも非常に安価ですからね♪」 「であれば建造を急行するべきだな…」 直後である。 「大総統!緊急事態です!」 通信兵がソワソワした様子で会議室に入室したのである。 「緊急事態だと?一体何事だ?」 ブラッドフォードが問い掛けると通信兵はビクビクした様子で…。 「南方のメティス諸島…メティス基地が敵軍の攻勢で占拠…基地を防衛する守備隊は必死に交戦しましたが…守備隊は玉砕したとの情報です…」 「なっ!?メティス基地の守備隊が…玉砕だと!?守備隊は全滅したのか!?」 ルーヴェルハルトは驚愕したのである。 「残念ですが…」 メティス基地とは強固の大規模要塞が構築された本土防衛用の第二防衛ライン…。推計三万人もの太平帝国陸軍守備隊が配置されたが本日未明にメガラニカ防衛軍の強襲で全滅したのである。 「メティス基地が陥落したか…恐らく今度の攻撃目標は最終防衛ラインの…パシフィスアイランド基地だな…」 パシフィスアイランド基地とは最南端に位置する離島…。パシフィスアイランド本島を防衛する太平帝国軍守備隊の本拠地である。太平帝国本土を防衛する最重要防衛拠点であるものの…。推計八十万人もの民間人も安住する。ルーヴェルハルトは恐る恐る…。 「大総統…即刻パシフィスアイランド本島に援軍を派遣させますか?」 「援軍は不要だ…」 「えっ!?」 ブラッドフォードの返答にルーヴェルハルトと通信兵は絶句したのである。 「本気ですか!?大総統!?」 「私は本気だよ…ルーヴェルハルト…」 「如何して援軍を派遣しないのですか!?パシフィスアイランドが陥落すれば…今度は本土が攻撃対象なのですよ!?」 ブラッドフォードは再度無表情で返答する。 「パシフィスアイランドの守備隊には陽動作戦に利用する…」 「陽動作戦ですと?」 「味方の戦闘機に特殊弾頭を搭載…パシフィスアイランドに侵攻中のメガラニカ防衛軍を特殊弾頭ミサイルで殲滅する…」 パシフィスアイランド基地は陸海軍の大部隊が駐屯…。基地内の兵力も推計十四万人であり基地を陥落させるには相当数の部隊が必要である。パシフィスアイランドを攻防する両軍に特殊弾頭ミサイルで攻撃…。当然として味方の部隊は全滅するが敵軍の侵攻を阻止するには非常に好都合である。 「特殊弾頭ミサイルですと!?パシフィスアイランドに特殊弾頭なんて使用すれば味方の守備隊は勿論…大勢の民間人にも被害が…」 特殊弾頭ミサイルは所謂核兵器の一種であり一発のミサイルで十数キロメートルもの広範囲を焦土化させられる。非人道的でありイエスマンのルーヴェルハルトも特殊弾頭ミサイルの使用には躊躇する。 「今更何を躊躇するのだ?ルーヴェルハルト…特殊弾頭なら二年前の大戦争で無尽蔵に使用しただろ…」 小規模国家であった太平帝国が世界最終戦争で勝利出来たのは特殊弾頭ミサイルの多用である。 「特殊弾道ミサイルで敵味方諸共…殲滅されるのですか?」 「最早多少の犠牲は止むを得ない…」 ルーヴェルハルトの問い掛けにブラッドフォードは即答する。 「特殊弾頭は極秘だぞ…兎にも角にもパシフィスアイランドの守備隊には本島の防衛を徹底させろ…」 「承知しました…」 ルーヴェルハルトは不本意であるが…。ブラッドフォードの提案する殲滅作戦に承諾したのである。
第三話
攻防戦
七月二十七日早朝…。メガラニカ防衛軍の大艦隊が太平帝国最終防衛区域パシフィスアイランドへと進行を開始したのである。同時刻…。パシフィスアイランド基地総司令部では拠点防衛用のスーパーレーダーが反応したのである。 「一体何事だ!?」 パシフィスアイランド基地陸軍総司令官【ウィグノール】が偵察員に問い掛ける。 「スーパーレーダーが反応しました!」 即座に立体映像のホログラムで領海を確認する。ホログラムには数十隻もの艦艇が確認出来る。 「此奴はメガラニカ防衛軍の大艦隊だな…総力戦でパシフィスアイランドを攻略するみたいだ…」 「如何しましょう…総司令官…」 「即刻防衛戦を開始する!各戦闘員は戦闘配置だ!パシフィスアイランドは徹底的に死守しろ!」 ウィグノールは各員に防衛戦を指示したのである。 「はっ!」 パシフィスアイランドは本土防衛の最終防衛ラインでありパシフィスアイランドが陥落すれば本土が攻撃される。 「通信兵…本土にも援軍の要請を伝達しろ…」 「はっ!」 通信兵は即座に総本部に通達したのである。三十分後…。メガラニカ防衛軍の大艦隊がパシフィスアイランドの防衛区域へと到達したのである。 「総司令官…メガラニカ防衛軍の大艦隊が防衛区域に到達しました…」 「防衛戦を開始するか…」 ウィグノールの攻撃開始の合図と同時に海面上からは百二十隻ものミサイル警備艇…。滑走路からは百三十機もの戦闘爆撃機が飛来したのである。同時刻…。メガラニカ防衛軍の大艦隊旗艦である航空大型ミサイル戦闘艦レヴィアタンはスーパーレーダーで太平帝国軍のミサイル警備艇と戦闘爆撃機を確認する。 「艦長…敵部隊を確認しました…」 旗艦レヴィアタンの艦長はメガラニカ南方海戦で活躍したウィンフィールドである。 「即刻ホログラムを作動させろ…」 乗組員は艦内のホログラム装置を作動させる。するとホログラムには百隻以上のミサイル警備艇と戦闘爆撃機が立体映像として映写される。 「敵部隊は旧型の兵器ばかりか…」 「如何されますか?」 乗組員の問い掛けにウィンフィールドは即答する。 「即刻迎撃せよ…母艦からはドローン兵器を発進させろ…」 「承知しました…」 旗艦のレヴィアタンから二十八機のグリフォン型ドローン兵器が発進する。旗艦レヴィアタンは全長二百四十メートルサイズ…。全幅三十メートルサイズの大型艦であり満載排水量は推定五万トンである。ミサイル戦闘艦としての機能は勿論…。航空機用の母艦としても使用出来る。所謂現代型の航空戦艦である。艦載機はドローン兵器であり合計五十機以上搭載出来る。旗艦のレヴィアタンは勿論…。レヴィアタン級航空大型ミサイル戦闘艦六隻と最新鋭のドローン空母艦隊から合計四百機以上ものグリフォン型ドローン兵器が発進したのである。ドローン部隊が発進してより十五分後…。最前線のパシフィスアイランド防衛部隊と遭遇したのである。両軍が遭遇した直後に戦闘が開始され…。パシフィスアイランド防衛部隊はミサイル警備艇と戦闘爆撃機による対空ミサイル攻撃で十四機のドローンを撃墜したのである。ドローン撃墜に防衛部隊の将兵達は戦意が向上するも…。相手は新型のドローン兵器であり二分も経過すればドローンの反撃で八十三隻のミサイル警備艇が撃沈され七十六機の戦闘爆撃機が一瞬で撃墜されたのである。旗艦レヴィアタンの乗組員達は艦橋から戦況を確認する。 「艦長…味方の優勢です…」 「上出来だな…」 厳格の軍人であるウィンフィールドだが…。ドローン部隊の大戦果に上出来と判断したのである。 「ドローン部隊には攻撃を続行させろ…パシフィスアイランドを防衛する陸上部隊に空爆を仕掛けるのだ…」 ドローン部隊の攻撃の続行を指示する。 「承知しました!」 するとウィンフィールドは恐る恐る…。 「当然として無関係の非戦闘員への被害は最小限に努力せよ…」 「承知です…」 ドローン部隊の猛反撃からパシフィスアイランド防衛部隊は総崩れ…。海上の防衛網は簡単に突破されたのである。 「総司令官…海上の防衛部隊が壊滅…敵軍に突破されました…」 通信兵の報告にパシフィスアイランド総司令部は混乱する。 「海上の防衛部隊が壊滅だと…」 「敵軍はドローン部隊を使用したのか…」 総司令官のウィグノールは一瞬沈黙するも…。 「地上の守備隊に伝播せよ…陸上の防衛戦を開始すると!」 「承知しました…」 基地内の将兵達は承諾したのである。 「非戦闘員は緊急用シェルターに避難させろ…」 陸上の防衛部隊は即座に行動を開始する。緊急警報システムが作動され…。民間人は即座に各地域の地下壕に設置された避難用の緊急用シェルターへと移動したのである。民間人の避難終了から三分後…。メガラニカ防衛軍のドローン部隊がパシフィスアイランド領空へと到達する。 「メガラニカ防衛軍のドローンだ!」 「海上の防衛部隊は全滅したのか?」 「兎にも角にも敵機を迎撃するぞ!」 陸上の守備隊は迎撃を開始…。上空のドローンを目標に攻撃したのである。数千発もの機関砲と対空ミサイルが上空に炸裂する。守備隊の攻撃で二十二機のドローンを撃墜するも…。ドローンの空爆で三十六両の戦闘車が破壊され百三十七人の将兵が戦死する。三分間の空爆で陸上部隊の八割が壊滅したのである。 「陸上部隊の八割が壊滅しました…」 守備隊の劣勢に総司令部は混乱する。 「なっ!?八割も!?」 「全滅だな…」 「ドローンの空爆で守備隊の八割が壊滅したのか!?」 総司令部の将兵達は予想外の事態に恐怖したのである。直後…。スーパーレーダーが反応する。 「スーパーレーダーが反応したぞ…今度は何事だ?」 ホログラムを作動させるとメガラニカ防衛軍の大艦隊が映写される。 「敵軍の大艦隊だぞ…パシフィスアイランドの領海に到達したのか!?」 メガラニカ防衛軍の大艦隊は航空大型ミサイル戦闘艦が七隻と正規空母四隻…。ミサイル巡洋艦が十三隻と三十一隻の防空駆逐艦が確認出来る。後方には上陸部隊を乗艦させた大型輸送艦が十八隻…。補助用の魚雷艇が十五隻確認出来る。メガラニカ防衛軍はドローンの投入で海上の防衛部隊を撃退…。メガラニカ防衛軍艦隊はノーダメージでパシフィスアイランドの領海へと到達出来たのである。 「本土から援軍は出動したのか!?」 ウィグノールは再度通信兵に問い掛ける。 「無線では…本土から味方の潜水艦が一隻…出撃したとの情報です…」 「はっ?」 ウィグノールは絶句する。 「こんな状況で援軍が潜水艦一隻だと!?何故海軍の主力艦隊を出動させない!?」 「主力艦隊は本土を防衛するのが手一杯であると…」 現実問題…。メガラニカ南方海戦の大敗北から太平帝国軍主力艦隊は艦隊の再建に手一杯であり主力の大艦隊は派遣出来なかったのである。 「畜生が…」 通信兵の報告にウィグノールはピリピリする。 (パシフィスアイランドは陥落しろと?総本部は本土での戦闘を決断したのか?) 総本部の意向に疑問視するが…。ウィグノールは決断したのである。 「総員…太平帝国本土からの援軍は期待出来ないが…精一杯パシフィスアイランドを死守するぞ!」 「はっ!承知しました…」 絶望的状況下であるが守備隊の将兵達は一致団結…。残存部隊による徹底抗戦を決意したのである。同時刻…。メガラニカ防衛軍大艦隊は上陸作戦を開始したのである。十八隻の大型輸送艦から三十六隻の上陸用舟艇が出動…。陸上部隊によるパシフィスアイランド上陸作戦が開始されたのである。上陸部隊の戦力は主力戦車五十二両…。装甲車と軽量の戦闘車が六十四両投入される。二万人の海兵隊が上陸したのである。今回の上陸作戦では最新型の地上用ドローンである無人小型戦車を五機投入…。試作段階であるが実験目的で無人小型戦車が実戦配備されたのである。 「奴等…メガラニカ防衛軍の上陸部隊です…」 最前線に位置する陸軍の残存部隊が無傷のトーチカから恐る恐る…。上陸中の敵部隊を確認する。 「俺達は一先ず撤収するぞ…敵軍への反撃は本隊と合流してからだ…」 「はっ!」 最前線の残存部隊は総司令部へと撤収したのである。メガラニカ防衛軍上陸部隊は無傷で上陸地点を制圧…。後方支援部隊も上陸地点への上陸を開始したのである。同時刻…。太平帝国南方地帯軍港から出航した新型潜水艦アスピドケロンは国家元首であるブラッドフォードが艦長として乗艦したのである。 「航海は順調そうだな…」 アスピドケロンは順調に深度七百メートルの海底下を潜航し続ける。 「パシフィスアイランドの戦況は?」 ブラッドフォードは乗組員に問い掛けるとホログラム装置を作動…。地形の様子を小型立体映像で映写させたのである。 「現状では太平帝国軍の劣勢ですね…」 「好都合だ…最低でも敵部隊の五割程度は中心地に侵攻させたい…」 同時刻…。陸地の残存部隊は必死に応戦するも最新兵器を多数投入するメガラニカ防衛軍の侵攻を阻止するのは実質不可能であり後退したのである。最早パシフィスアイランドは本拠地に残存した守備隊以外は壊滅…。パシフィスアイランドが陥落するのは時間の問題でありメガラニカ防衛軍の勝利は目前だったのである。
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