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貞本エヴァ STAGE.67「ねじれた夜」/貞本義行
日時: 2009/05/31 00:00
名前: tamb

【タイトル】貞本エヴァ STAGE.67「ねじれた夜」/貞本義行
【記事番号】-2147483159 (2147483647)
【 日時 】05/06/27 19:36
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

 ゼーレ――

 いよいよ約束の時は近い
 これで、死海文書に記述されている使徒はあとひとつ
 しかしその道程は長く犠牲も大きかった

 左様
 ロンギヌスの槍に続き、エヴァ零号機の損失
 さらに第三新東京市消滅
 碇の解任には十分すぎる理由だな

 バカな男だ
 冬月を無事に返した意味のわからぬ男でもあるまいに……
 新たな人柱が必要だな
 碇に対する

 加えて
 事実を知るものが必要だ


 カヲルの部屋。
 カヲルはベッドに寝転び、シンジは床にしゃがみ込みうつむいている。

「いつまでこうしてるつもり? 君、帰る気ぜんぜんないんだろ?」
「――帰りたくない。
 怖いんだ」
「怖い? なんで?」
「帰ったらきっと、綾波の死に直面しなきゃならないから……
 家に帰ったらきっと……ミサトさんも悲しんでる。
 でもミサトさんはきっと、必死で僕をなぐさめようとする。
 そしたら僕はもっとつらくなる」
「……」
「ミサトさんだけじゃない。きっと他の人もみんな悲しんでる。
 そんなところへ行っても綾波の死を思い知らされるだけだ
 でも、ひとりでいるのはおし潰されそうでもっと怖い
 だからここがいいんだ」
「……」
「君だけは、綾波のことで心を痛めてないから」
「くく……あははははは、あはは」

 カヲルはシンジの肩に手をかけて言う。

「僕のことは嫌いだけどここは居心地いいってワケ?
 ずい分おもしろいこと言うね」
「……」
「勝手にすれば?
 勝手に
 ……ベッド半分、使っていいよ」


 ミサトの部屋
 机に向かっているミサトに向かって、ペンペンがギャアギャアとわめく。ミサトは眠っ
ていたようだ。

「ああ、ごめんペンペン。晩ゴハンまだあげてなかったわね」

 ペンペンを抱えあげ、シンジの部屋をのぞきむ。

 ――あれから丸3日経つのに、まだ戻ってこない……。
 つらい時こそ私のそばに来ると思ってたのに、保護者失格ね
 いや……
 そばにいてほしいと思ってるのは私の方か……

 電話のベルが鳴る。

「はい。もしもし」

 ミサトは目を見開く。

「なんですって……!?」


 再びカヲルの部屋。
 二人はカヲルのベッドに枕を並べて眠っている。
 着信音を消した携帯電話がバイブレーションするが、気づかない。
 眠っているシンジの呼吸が荒くなり、カヲルは目を覚ます。上半身を起こし、背中を向
けているシンジを見る。

 ――また過呼吸か……

 頭に手を当てて考え込む。

 ――えーと、袋かなんか取ってこないと……

 考えながら、喘ぐように荒い呼吸を繰り返すシンジを見る。
 カヲルは仕方がないといった表情でシンジの上に乗り、上を向かせる。シンジの目蓋は
開いてはいるが、何も見てはいない。そしてカヲルは、その口を自らの口で塞ぐ。二人は
目を閉じる。
 しばらくしてカヲルが唇を離すと、シンジの呼吸は落ち着いていた。
 カヲルは少し嬉しそうに言う

「あは。一応呼吸落ち着いたね。袋じゃなくてもいいんだ」
「なにすんだよ!」

 シンジは上にいるカヲルを押しのける。

「ねえ。どんな感じ?」

 シンジは茫然とカヲルを見る。カヲルは少しだけ微笑みながら言う。

「人が人を好きになるって、どんな感じ?
 触れ合いたいとか
 唇を重ねたいとか
 失いたくないとか
 どんな感じのものなの?」


 シンジは戸惑ったように答える。

「急に何言って……」
「あの使徒と闘った時……
 ファーストの思念が僕に流れ込んできた」
「……」
「なま暖かで、ドロッとしてて気持ち悪くて
 ゆっくり胸をしめつけてくるような……
 あれが、「好き」ってこと?」
「……」
「あんなモノが自分に向けられたらどんな感じなの? もし君が」

 カヲルはシンジに近づき、手を伸ばして頬に触れながら続ける。

「僕を好きになったら、どんな気分になるだろう」
「ば……」

 シンジは手を払いのけて叫ぶ。

「僕は男を好きにならないよッ」


 カヲルは怒ったような悲しいような表情で言う。

「なんでそんなに僕を嫌がんのさ?」
「君がヘンな事するからだ!」

 いつの間にか切れていた携帯が再び振動を始め、シンジはカヲルの手から逃れるように
して携帯を取る。

「もしもし
 あ……ミサトさん……はい……え!?」

 シンジは信じられないような表情になる。

「綾波が……生きてる?」


 病院の廊下。
 レイは病衣姿で、眼帯と、頭には包帯を巻いている。窓ガラスに片手を触れ、外を見る。
全くの無表情だった。

「綾波ッ」

 シンジとミサトが走ってくることに気づき、レイはいぶかしげに振り向く。片手を三角
巾で吊っていた。

「綾波……
 よかった……」

 シンジは視線を落とし、涙を拭きながら続ける。

「よかった。君が生きてて、本当に
 もう……絶対にあんなムチャなことするなよ」
「――何が?」

 レイのいぶかしげな表情は変わらない。

「何がって……零号機を爆破させてまでして僕を助けてくれたんじゃないか
 君が……」

 レイは初めて少し悲しげな表情になる。

「そう……あなたを助けたの」
「――覚えてないの?」
「いえ、知らないの」

 そしてレイは言った。

「たぶん私は
 3人目だと
 思うから」


tambによる注:過呼吸症候群にはペーパーバッグ法といって、紙袋を口にあて、吐いた空
気を再度吸い込むという状況をくり返し、血中の二酸化炭素濃度をあげる方法が一般的だ
そうです。ただしこの場合、空気が漏れないようにと紙袋を口にぴったり当てすぎると、
酸素不足になってしまいますから、少し隙間は作っておきます。
参考URL
http://www.biwa.ne.jp/~susumu55/HV.htm

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 貞本エヴァ STAGE.67「ねじれた夜」/貞本義行
【記事番号】-2147483158 (-2147483159)
【 日時 】05/06/27 19:37
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

よくわかんね(笑)。結局1人目ってのは出てきたんだっけ?

シンジ君育成のほうでは、彼は小説など書いているようです(爆)。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 貞本エヴァ STAGE.67「ねじれた夜」/貞本義行
【記事番号】-2147483155 (-2147483159)
【 日時 】05/06/27 20:04
【 発言者 】あやきち

碇シンジ育成計画も漫画になりましたねw

LAS展開チックなのが微妙(−−; ですがw


【タイトル】Re: 貞本エヴァ STAGE.67「ねじれた夜」/貞本義行
【記事番号】-2147483154 (-2147483159)
【 日時 】05/06/27 22:33
【 発言者 】なお。

やっぱりカヲルは801好みの扱いかよw


【タイトル】Re: 貞本エヴァ STAGE.67「ねじれた夜」/貞本義行
【記事番号】-2147483151 (-2147483159)
【 日時 】05/06/29 01:35
【 発言者 】パッケラ

アイヤ、実際貞本エヴァの展開は読めん。
シンジとレイの関係もシンジとカヲルの関係も
こんな展開FFでも見た事ね。

>LAS展開チックなのが微妙(−−; ですがw

更迭2みたいにはなりますまい。
エースはどっちかというとレイ寄りだしさ


【タイトル】Re: 貞本エヴァ STAGE.67「ねじれた夜」/貞本義行
【記事番号】-2147483139 (-2147483159)
【 日時 】05/06/30 20:35
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

つーかだな、百歩譲ってペーパーバッグ法の代わりに口を使うのはいいとしてもだな、
なんでそこで目を閉じるんだと聞きたいわけだ。やっぱ読者サービスなのか?(爆)

mailto:tamb○cube-web.net

メンテ

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