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『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
日時: 2009/05/31 00:00
名前: tamb

【タイトル】『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482536 (2147483647)
【 日時 】05/11/05 19:31
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

 がらりとスタイルの変わった感のある第二話。プロローグと第一話も微妙に修正されております。

 平静を装った緊迫感みたいな感じが良く出てて、これは上手いと思う。この流れからカウンセリングにどう繋がっていくのか、そしてカウンセリングしてどうなるのか、ハヤトとアスカの信頼関係は等々、まだ基本的に話は全然進んでいないわけですので(爆)、続きに期待です。

 プロローグと第二話にルビタグを使ってます。これはIE独自のタグだとばっかり思ってたんですが、「このタグは日本から W3C に提案されて審議されていたものを IE5.0 が実装したものです。仕様自体は 2001年5月31日に W3C の勧告になっています。」(「とほほのWWW入門」から引用)だそうです。試したところ、確かにIE以外ではルビで表示されません。()内に表示されます。過去にはテーブルとかを使ったケースもあり、どうしようかなと思いましたが、文章スタイル的にテーブルは使いにくいので、そのままルビタグを使いました。

 というわけで、IE以外のブラウザを使ってる方は、()内の言葉はルビだと想像してお読み下さい(笑)。

 作品はこちらっす。

http://tamb.cube-web.net/cont/tomo/tomo05_02.htm

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Chris
【記事番号】-2147482535 (-2147482536)
【 日時 】05/11/06 00:53
【 発言者 】なお。

読みました。おもしろかったです。
すみませんが、詳しい感想はまた今度にします。
ひとつ気になったところがあったので、そちらだけ先に。

猫の目に上下反対に姿が映るってありますが、これは事実を表しているのでしょうか?
それとも印象的なもの?

カーブミラーなんかを想像すれば凸面鏡は逆さまには映らないような気がするんだけど、そうなる条件があるのかな。大きさとか?
確か凹面鏡なら逆さまに映っただろうとは思いますが、どうだったでしょう?

調べてみてもいいけど、tomoさんが知っているなら教えてください。
その方が楽だしw


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Chris
【記事番号】-2147482534 (-2147482536)
【 日時 】05/11/06 21:36
【 発言者 】牙丸

印象ががらっと変わった感じ。
でも、まだ先が全然見えてこない。
これから先、どうなっていくのか楽しみです。

一つだけ疑問
>999個のN2爆雷
これって、998個だったような気がするんですが・・・?
気のせいでしたら、すみません。


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482533 (-2147482536)
【 日時 】05/11/06 23:16
【 発言者 】tomo

こんばんわ、みなさん。毎回、読んでいただいてありがとうございます。
なんだか(?)今回はツッコミが多いですねぇ。全くもって自業自得ですが(壊)

>なお。さん
「猫の目の上下反対に写るアスカの姿」についてですけど、科学的に(?)あんまり深く考えてませんでした(壊)そういう意味ではイメージですけれど、私の中で「死んだ獣の瞳の中に写る上下逆のキャラクターの姿」っていうのをどこかで見たことがあった気がしたものですから、このような表現をしました。でも、これって科学的にはありえない(?)のでしょうかね。(と、私も調べるのをサボってみたりして。爆)
いい加減でごめんなさい。

>牙丸さん。
「The Precious Day」で感想をいただきましたが、直接にこうやってお返事するのはこれが始めてでしたよね?(ちがったら、ごめんなさい)
というわけで、はじめまして、です。tomoと申します。また読んでいただいたようでありがとうございました。
えっと、N2爆雷なんですけど、私の確固たる(?)記憶では999個だったので特に調べなかったんですけど、手元のフィルムブックには載ってなかったです。今調べたら、982個という説も。ほんとのところ、いくつなんでしょうか。
このあたりにも作者のいい加減さが出てますね。
だめだめデス(爆)

ところで、皆さん印象がかわったっておっしゃってますけど、そんなに変わりました?私的には全く自覚がありません。プロローグ、1話、2話ともに連続した(?)ものとして描いています。どの辺が変わっています?


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482527 (-2147482536)
【 日時 】05/11/07 18:53
【 発言者 】北並

ようやっとカウンセリング開始、といったところですか(笑)
ハヤトとアスカの間にはどうも穏やかならぬ雰囲気が漂っていますね。
どうなるか楽しみです。

回想の場面は本編中では一番気に食わなかった「死に至る病、そして」の回でしたが、
これから先の不安を示唆するような感覚がとてもすばらしいと思いました。

さて、いろいろと話題になっていることについてなんですが。

まず「999個のN2爆雷問題」(勝手に命名)。

アニメのほう見直してみたら992個でしたよ。
半端ですね(笑)

それと「目の中に映る像」。

凸面鏡は必ず正立の像を映します。金属製のスプーンの裏面を見ればわかると思いますが。
よってこの表現は嘘となるんですが(爆)、正立した像が映っていても面白みに欠けるので(オイ
いいと思いますよ(笑)。
倒立像のほうが何かと意味深になりますし。

死んだ猫を見ていたアスカの背後に立っていたレイが興味深いですね。
どうなっていくんでしょう?


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482526 (-2147482536)
【 日時 】05/11/08 20:17
【 発言者 】なお。

> 「そう……じゃあ、死んでいる猫を見たことはある?」
> 「それ、何かカウンセリングと関係あるわけ?」
>「別に」

世間話に、死んだ猫を見た事があるか、なんて普通聞かない。しかも女の子に。だからお
もいっきり関係ありそうで、探りを入れてたって感じかな。
この死というものが今回のカウンセリングでの焦点なのは、ほぼ間違いないだろうから、
ここからどうやって母親の死と絡めていくか、そこが気になるところで楽しみにしたいと
ころ。難しそうですけど、かんばってください。


ブランダイスとマリア。

この二人、ミサトのように建前と本音がありそうで、基本的に良い人達みたい。
今後、どのようにしてハヤトとアスカに関係してくるのか。ここも楽しみにしたいところ。


目の中に映る像

> よってこの表現は嘘となるんですが(爆)、正立した像が映っていても面白みに欠けるので
> (オイ いいと思いますよ(笑)。

うん、賛成。でも、わかってて書いた場合だけど。 N2の数にしたって自信がなければ調べ
れば済む事だし。
物語りに直接影響しないところであったとしても、史実や理を変えてしまうようなことはで
きるだけ避けるべきじゃないかって。

と、いう私も漢字はよく間違えたりして(爆)


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482521 (-2147482536)
【 日時 】05/11/09 21:22
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

■999個のN2爆雷問題
>アニメのほう見直してみたら992個でしたよ。

ということで、直しておきますか? ぶっちゃけいくつでもいいと思うんで(笑)、こういうのは原典に従っておいた方が無難でしょう。


■目の中に映る像問題

  ぼくのここーろはぁ〜 ひびわーれたビー玉さぁ〜
  のーぞーきこーめーばきーみーがさーかーさまーに 映るぅ〜

と、松本隆先生が作詞なさっておられるので無問題でしょう(権威主義)。
ちなみにKinKiKidsの「硝子の少年」だす。


■スタイルが変わった問題
>どの辺が変わっています?

字が多い(爆)。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482520 (-2147482536)
【 日時 】05/11/10 01:05
【 発言者 】なお。

> のーぞーきこーめーばきーみーがさーかーさまーに 映るぅ〜

これ、凸レンズですから。
覗いた先が逆さまになっているって意味だと思いますよ。


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482519 (-2147482536)
【 日時 】05/11/10 01:19
【 発言者 】tomo

>N2の数にしたって自信がなければ調べれば済む事
>だし。
>物語りに直接影響しないところであったとして
>も、史実や理を変えてしまうようなことはできる
>だけ避けるべきじゃないかって。

 そうですね。なお。さんのおっしゃる通りです。「神は細部に宿る」ともいいますしね。反省しました。これからは気をつけます、です。

>と、いう私も漢字はよく間違えたりして(爆)
 じゃぁ、誤字脱字も多い私は最悪というわけで・・・(壊)

>ということで、直しておきますか?
 はい。お願いします。すいませんです、tambさん。

>字が多い(爆)。
 普段の2倍近くありますからね。おかげで大変でした〜(涙)


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482515 (-2147482536)
【 日時 】05/11/11 20:02
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

>>これ、凸レンズですから。
>>覗いた先が逆さまになっているって意味だと思いますよ。

あ(爆)。

視点を変えましょう。物理的には逆さまに映らないはずの自分の姿が、その時のアスカには何故か逆さまに見えた。それは一体何故なのか? 何故でしょう(笑)。

>>ということで、直しておきますか?
> はい。お願いします。すいませんです、tambさん。

なおしたっす。

アニメを見直して頂いた北並さんに感謝です。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482514 (-2147482536)
【 日時 】05/11/11 21:51
【 発言者 】なお。

> 視点を変えましょう。

 先に質問した

> それとも印象的なもの?

 こっちの考え方ですね。
 ですが私は理屈で考えさせていただきます。

 凸レンズの原理でいくと網膜に届く光は上下逆さになっているんです。でも実際はそうに見えない。見えないというか主観がどこにあるかでそう見えているだけなんです。主観とは自分の体です。
 それを踏まえて考えると、極端な話、見つめた一点に囚われて自分の立ち位置もわからない程になると逆さまに見えるかもしれません。
 その場合、猫そのものも反転してるはずなんだけど、猫の瞳しか目に入らなくなっていて他は見えていないといった感じなら、映った自分の像だけが逆さまに感じられるのではないかと考えました。
 生まれて物心付いた頃からの常識を覆す程の動揺が心を襲った、といった具合です。

 理屈でどう説明できるかを考えてみたらこうなって、それを感じられなかったので敢えて抽象的かって質問にしたのです。明確な意図があって書かれたものなら逆さまでも構わないのですが、そうだったら抽象的であるとわかるようにして欲しかったかなって。
 以前読んだものに使われていた表現を試してみたという事で、深く考えていなかったというのは少しばかり残念でした。

 もしこういう原理を知っていて、更に理屈っぽくならないように表現するとなると難しそうですが、tomoさんならきっと書けるんじゃないかと思う。


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482508 (-2147482536)
【 日時 】05/11/13 02:47
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

■瞳に映る姿の問題
 幽霊の正体見たり枯尾花、などと言ったりしますが、少なくともその瞬間には幽霊が見えたわけです。これは幽霊の実在とは関係がないと。エヴァでも、何話か忘れましたがゲンドウとレイがにこやかに談笑しているシーンをシンジが見たりしてますわな。あれも実際には無表情に話をしているにもかかわらずシンジの心がにこやかに談笑している二人を映した、等という説もあり、こうなってくると見えるとは何かという問題にまでなってきます(^^;)。

 さて、瞳に映る問題に戻りますが、そもそもこの話のような状態で猫の屍骸を見つめている時、それが正立倒立を問わず、その瞳に映る自分の姿を見ることが出来るのかどうか。猫との距離によりますわな。しかしそれを見るためには相当接近せねばならず、これは考えにくい。だからどちらにしても実際に見えたというよりは、

>映った自分の像だけが逆さまに感じられるのではないか

 という線しかないでしょう。気になるのは、自分の姿は「映りこんでいる」と言い切っているのに対し、だらりとした肢体に対しては「見た気がした」になっているという部分かと思われます。猫から母を連想し、「見た気がした」。つまり実際には見ていないと気づいているわけです。それに対して上下反対の姿は見たと思っている。これは母のようになりたくない、つまり母とは逆の生き方をしたいという気持ちの表れと読み解くことも可能です。可能ですが、実は作者はあんまり考えてなかったということでどんがらがっしゃんぐわーんなわけです(爆)。

 ということで、tomoさんの取るべき道は二つあるかと思われます。

1.直す(爆)。
 「黒く濁ったその瞳にあたしの姿が映りこんでいる。」
 これでも特に問題ないかと(^^;)。

2.強行する。
 あとで意味をでっち上げるのです。最後の方で、生きてる猫の瞳に自分の姿が正しく映る描写をするとかね。で、なんであの時は逆に見えたんだろうとかアスカに考えさせると。上手く行けば結果オーライです(笑)。


 今気づいたんですが、「中空に浮かぶだらりとした肢体を見た気がした」の末尾に句点がないっすね。わざと? 入れときます?

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482507 (-2147482536)
【 日時 】05/11/13 23:22
【 発言者 】なお。

ぜひ強行を!


> 生きてる猫の瞳に自分の姿が正しく映る描写をするとかね。

これ、具体的すぎw


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Chris
【記事番号】-2147482514 (-2147482536)
【 日時 】05/11/14 00:06
【 発言者 】なお。

> 視点を変えましょう。

 先に質問した

> それとも印象的なもの?

 こっちの考え方ですね。
 ですが私は理屈で考えさせていただきます。

 物の見え方ですが、眼球の水晶体は凸レンズ状になっていて、その原理でいくと網膜に届く光は上下逆さになるんです。でも実際はそうに見えない。見えないというか主観がどこにあるかでそう見えているだけなんです。主観とは自分の体です。
 それを踏まえて考えると、極端な話、見つめた一点に囚われて自分の立ち位置もわからない程になると逆さまに見えるかもしれません。
 その場合、猫そのものも反転してるはずなんだけど、猫の瞳しか目に入らなくなっていて他は見えていないといった感じなら、映った自分の像だけが逆さまに感じられるのではないかと考えました。
 生まれて物心付いた頃からの常識を覆す程の動揺が心を襲った、といった具合です。

 理屈でどう説明できるかを考えてみたらこうなって、それを感じられなかったので敢えて抽象的かって質問にしたのです。明確な意図があって書かれたものなら逆さまでも構わないのですが、そうだったら抽象的であるとわかるようにして欲しかったかなって。
 以前読んだものに使われていた表現を試してみたという事で、深く考えていなかったというのは少しばかり残念でした。

 もしこういう原理を知っていて、更に理屈っぽくならないように表現するとなると難しそうですが、tomoさんならきっと書けるんじゃないかと思う。


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482506 (-2147482536)
【 日時 】05/11/14 01:41
【 発言者 】tomo

■猫に写る逆さまの姿
 正確に書こうと思うので、いつもと口調が変わりますけど、気にしないでくださいね。
 私が最初に問題のこのシーンを描こうと考えたとき、凹凸レンズの反射の仕組みについては全く知りませんでした。しかし、前回も書い

たとおり、「死んだ獣の瞳の中に写る上下逆のキャラクターの姿」というイメージはしっかりと私の中に存在したわけです。言い訳の
ようになってしまうことを覚悟して書けば、執筆段階で私はこれが科学的にありえないことであるという認識はおろか、上下逆に写ること

が正しいことであると認識していたわけです。私はその時点で疑問にすら思わなかったわけですから、調べもしなかったわけです。
(もちろん、そもそも知っているべきだったとは思いますが)
 もっとも、誤った知識であるということをのぞけば、このシーンにはきちんとした意味が存在してます。(当然のことですが)tambさ
んが指摘なさっているように、そもそも死んだ猫の瞳に自分の姿が移っていることを現実として確認することはよほどの事がない限り不可

能であるとは私も思っていましたが、それでもこのシーンを使うことを選択したのには、そこに意味を持たせたかったからです。前回、深

く考えていなかったという発言をしましたが、このシーンそのものに意味がなかったというわけではありません。その意味では、少し不明

瞭な発言だったと反省しています。
 そこで問題は、このシーンの表記が誤っていたということを認識した上で、現時点でも同じ表現をとるかということだと思います。

(tambさんがおっしゃっていた1と2の選択ですね)
 結論からいうと、あえて直す必要はないと思います。ただ、この理由に関しては少し長くなるのと、ネタバレになるので改めてレスをつ

けて説明させて下さい。


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482505 (-2147482536)
【 日時 】05/11/14 01:41
【 発言者 】tomo

※ここからさきは少しネタバレを含みます。

 最初に、少し関係のない総論的な話をさせて下さい。それは作品の解釈についての私の認識です。
 私は、小説などの文章でつづられた作品において、作者が提供するのは解釈の素材となるテキストのみであり、実際にそのテキストから

どのような内容を引き出すかは、その文章を読む際に慣習として存在する法則にしたがって、個々の読者にゆだねられていると考えていま

す。つまり、作者がそのテクストにどのような内容をこめていようと、実際にその作品の解釈の結果として表れた内容として考えるべきな

のは、個々の読者の解釈の結果として表れた内容であると考えるわけです。このことは、作者がテクストにこめられた内容が必ずしも読者

に伝わらなくても、又は、その反対として作者が全くこめていない内容を個々の読者が引き出したとしても、全く問題とすべき事項ではな

いということを含意します。もちろん、だからといって作者が個々の読者の解釈について全く関与できないかといえば、そうではありませ

ん。前述したとおり、作品の内容が個々の読者の解釈にゆだねられているとしても、それはその文章を読む場合に存在する慣習に反するも

のであっては(少なくとも、客観的には)いけません。(これに対して、主観的にどのような内容引き出すかは全く個々の読者にゆだねら

れています。)従って、作者としては、そのような慣習に添う形で自分の伝えたい内容をコンテクストにこめれば、個々の読者の解釈に関

与することができるわけです。
 このことは、派生的に、次のことを認める結果となります。即ち、テクストの解釈には、おそらくだいたいの人間が同じ解釈をするであ

ろうイージー・ケースと、複数の成り立ちうる解釈が存在し、意見の一致を見られそうもないハード・ケースが存在するということです。
前に、tambさんが誤読ということは存在しない、といった内容のことをおっしゃっていたと思いますが、以上の考え方によれば、そのよう

なことが起こり得るのはイージー・ケースのみであるということになります。

 さて、ここからようやく本題に入ります。
 猫に写る逆さまの姿のシーン(以下、本件シーンといいます)は上記二つの場合わけでいけば、イージー・ケースとハード・ケースが混

合したテクストであると考えています。どういうことかといえば、私が本件シーンのテクストにこめた内容には二段階の段階があるという

ことです。

 1.それはまず、「瞳の中に自分の姿が移る」というコンテクストを通して、アスカが本件シーンにおいて見つめているのは、猫ではな

く、自分自身であるという内容です。本文中、「その瞳が何かをあたしに語っている」という一文があるにもかかわらず、ここで何かを語

っているのはあくまで「瞳の中に鏡のように映っている自分自身」なわけです。もっとも、アスカ自身はそのことに気付いていないわけで

すから、一人称としてはこのような表記に(少なくとも、私の今の実力では)なるということです。これがいわば、イージー・ケースに当

たる(と私が考える)部分です。


 2.続いては問題の「上下が逆であった」という部分です。そして、ネタバレはここにあります。一読すればお分かりいただけると思い

ますが、本件シーンでは「母の死」が負のイメージとして描かれています。物語の内容に即していえば、アスカのトラウマとして「母の死

」の存在が推認させられるわけです。しかし、ここにも実は逆転作用が働いています。後の物語で明かす予定ですが、アスカのトラウマは

「母の死」そのものではないのです。つまり、それは、身内が死んでしまったショック、にあるわけではなく、母という最も親しいはずの

存在によって強烈に暗示された「(自らの)死そのものに対する恐怖」なわけです。(余談ですが、ブランダイスが友人の死にショックを

受けたというエピソードは「親しい存在の死によって強烈に意識された自らの死への恐怖」ということをわかりやすくするために挿入した

つもりでしたが、出来上がった作品としてみてみるとこの点は十分に伝え切れていないと自分でも感じています)そして、アスカ自分のト

ラウマの原因について全く気付いていない(あるいは勘違いしている)わけです。上下逆の姿はこのことを暗示します。即ち、鏡のように

映りこんだ姿が上下逆である=自分のことを正確に認識できていないということを示しています。しかし、この点は現段階では分かるはず

もなく、また、たとえ話が完結したとしてもきちんと伝わるとは限らないと私自身も思っています。つまり、この点はハード・ケースなわけ

です。そして、それでも良いと私は考えています。もともと作者は個々の読者の解釈に一定しか関与できないのですから、後は自由に考え

ていただければよいと思うからです。ここにおいては、「あんまり深く考えてないのでは」とか「反射についての知識がないだけでは」と

いった解釈があっても作者としては何もいえないわけです。


 以上のような理由で、私は本件シーンはそのままで良いと考えます。もちろん、イージー・ケース、ハード・ケースの区別は相対的なも

のですし、1の部分が本当にイージー・ケースであるかと問われれば、確実なお答えはできません。しかし、私自身は以上のように考えて

おり、1の部分が伝わらなかったとすれば、それは全く私自身の実力が欠けていることに起因します。

 今回、このような長文で、しかもネタバレを含んで書いたのは、なお。さんとtambさんがいろいろ考えてくださったことに私自身がきち

んと答えたいと思ったからです。と同時に、今後、本件シーンの直接的なフォロー(例えば、tambさんがいっていたような)をいれるつも

りがなかったからです。
 ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
そして、このような長文になってしまい、申し訳ありません。

というわけで、以上、tomoがお送りしました。


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482500 (-2147482536)
【 日時 】05/11/16 23:08
【 発言者 】なお。

丁寧な解説をどうも。

なるほど。事実を表しながらも心理的な描写にしたかったと。
で、心理的な描写が主で実際にどう見えたかは二の次ということかな?
それ以前に見えたかも疑問だと。

確かに全てが心理的なものを表現したものだとすると、二の次どころか見えたものがたとえ男だったとしてもおかしなものじゃないです。

tamoさんが見え方を誤解していたのは事実。そしてそれを活かして書いたつもりが、理に反したものだった。しかしそこは重要ではないと。
そうかもしれません。

読み切れてませんでした。思ったよりも深い。
これは難しい。わからなくはないけど気付けませんでした。

すごく些細なところですが、

> 黒く濁ったその瞳にあたしの姿が上下反対に映りこんでいる。

ここの「映り込む」というところが気付かせるには丁寧すぎたのではないかと思います。
あまりにも事実を表しすぎているというか丁寧すぎるというか、「映る」くらい雑な方が想像しやすいかもしれません。
気付かせるに、わざと「写る」なんて字にしてもおもしろいかもしれない。猫の瞳を透かして自分の実体を見ているかのように。


ちょっとつまづきましたが、心理描写の深さにますます続きを待つのが楽しみになってきました。

ネタバレさせちゃったのがちと辛い。しなくても説明出来た気もしなくないです。


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482497 (-2147482536)
【 日時 】05/11/19 02:20
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

 「誤読などなくあるのは語記だけだ」というのは、作品をトータルで見た時に、ある文章からいくつかの解釈が引き出されるとして、その解釈が作者の意図とは異なった解釈であった場合、それは誤読を引き出してしまう文章に問題がある、という意味です。もちろん、一定の解釈をさせようという意志が作者の側にあるという前提が必要なのですが、逆に言えば、ここはどんな解釈をしても自由であるというケースは希なように思います。

 今回のケースでいえば、問題になっている前後の文章のみで「アスカ自分のトラウマの原因について全く気付いていない(あるいは勘違いしている)わけです。上下逆の姿はこのことを暗示します。」を読み取ることは不可能です。「この点は現段階では分かるはずもなく」です。ですが、物語が進んで行くに従って読者にこのような解釈をさせることは可能なはずで、もしできなかったとしたら、語記とは言わないまでも、伏線が生かし切れていないということになるのだと思います。「たとえ話が完結したとしてもきちんと伝わるとは限らないと私自身も思っています。」というのは、気持ちはすごくわかりますがやっぱり現段階では言ってはダメで(笑)、伝わるように頑張りましょうということになるのではないかと。

 この部分は、怪我の功名として、物理的な特性とは異なった姿がアスカには見えた、ということになるのですから、より意味を持たせやすくなってるような気がします。正しく見えてたなら、それこそアスカは異様に目がいいって解釈も可能になるわけですから(笑)。

 てなことで続き待ってます。すぐは反応できませんが(汗)。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Chris
【記事番号】-2147482500 (-2147482536)
【 日時 】05/11/19 22:07
【 発言者 】なお。

丁寧な解説をどうも。

なるほど。事実を表しながらも心理的な描写にしたかったと。
で、心理的な描写が主で実際にどう見えたかは二の次ということかな?
それ以前に見えたかも疑問だと。

確かに全てが心理的なものを表現したものだとすると、二の次どころか見えたものがたとえ男だったとしてもおかしなものじゃないです。

tomoさんが見え方を誤解していたのは事実。そしてそれを活かして書いたつもりが、理に反したものだった。しかしそこは重要ではないと。
そうかもしれません。

読み切れてませんでした。思ったよりも深い。
これは難しい。わからなくはないけど気付けませんでした。

すごく些細なところですが、

> 黒く濁ったその瞳にあたしの姿が上下反対に映りこんでいる。

ここの「映り込む」というところが気付かせるには丁寧すぎたのではないかと思います。
あまりにも事実を表しすぎているというか丁寧すぎるというか、「映る」くらい雑な方が想像しやすいかもしれません。
気付かせるに、わざと「写る」なんて字にしてもおもしろいかもしれない。猫の瞳を透かして自分の実体を見ているかのように。


ちょっとつまづきましたが、心理描写の深さにますます続きを待つのが楽しみになってきました。

ネタバレさせちゃったのがちと辛い。しなくても説明出来た気もしなくないです。


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482496 (-2147482536)
【 日時 】05/11/20 00:13
【 発言者 】tomo

> tamb&なお。さん
私の長文(駄文?)を読んでくださったようで、ありがとうございます。
今、改めて掲示板の自分の文章を読み返してみたのですけれど、なんだかすごく一人で盛り上がってしまっていた(?)ような気がします。ごめんなさい、です。
今思うと、なお。さんのおっしゃるとおり、ネタバレしなくても説明できたかなって気もします。
(これでも、かなり見直して書いたのですが)
いっそのこと、ここからプロットをひっくり返してみましょうか(壊)

>「写る」の表記
これはいいですね。漢字から読者に想像してもらえそうです。なお。さん、さすがという感じです!

>気持ちはすごくわかりますがやっぱり現段階では
>言ってはダメ
そうですね。自分の作品を読者としてみて「これは伝わらないだろう」と感じていても、それを作者の立場として言葉に出してしまうと(あるいはそう考えて満足してしまうと)自分の成長の可能性をとめてしまうし、また無責任のような感じもします。
だから、前回の文章のところでもこのような表記をするかどうか一瞬迷ったのですが、読者的な観点からの考察という点では、「これは伝わらないだろう」という疑念はやっぱりぬぐえなかったわけで、このような表記にしました。
ここでの問題は、やはり私自身が(努力はするつもりだが)伝わらない可能性も高いが、それもやむをえないと考えているところでしょうか。
おそらく、原理的な相違として

>ある文章からいくつかの解釈が引き出されるとし
>て、その解釈が作者の意図とは異なった解釈であ
>った場合、それは誤読を引き出してしまう文章に
>問題がある

と考えるtambさんと、前述のように解釈を2種類に分けてハード・ケースの解釈のズレはやむをえないと考えている(作者的観点からすると諦め?)点が作者としてのスタンス(といっていいのかわからないですが)の違いにつながっていくというところなのでしょうか。

このようなことを書いていると、なんだか作者としての自分のことを突き放して、客観的な観点から文章を書いているように思います。ですが、それは作者的な自分の作品への責任(?)を放棄することの言い訳にも思えてきます。
こういう物言いがいいのか悪いのか、私自身にも釈然としないものがあることは確かです。
でも、唯一ついえるのは、私自身の持つ問題点を指摘してくださり、議論(?)に付き合ってくださったなお。さんとtamb さんはとってもすばらしい人だぁ♪ってことです(ほめ殺し?(笑))
今回の件を通して、いろいろ考えさせられることがたくさんありました。
ほんとに、ありがとうございます、です。
お二人のご期待に沿えるよう、がんばっていきます♪、です


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482495 (-2147482536)
【 日時 】05/11/20 02:28
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

 tomoさん言うところのハードケースが、例えばエヴァでレイが自爆する時にゲンドウが見えたのは何故かというような解釈論であるとして、確かにいくつかの解釈が成立することはやむを得ないかもしれません。このシーンを何となく描いたという話だとあらさいですかぁで終わりですが、意図が込められているとすれば、その意図を視聴者(読者)に読み取ってもらわないと描写した意味はないですよね。そのシーンの意味についてある程度の議論を経ても一定の解釈が成立しないとすれば、それは作者の意図が伝わっていないと言ってもいいと思うのです。
 それに対してやむを得ないというスタンスは、私は取らないのです。まぁ文章技術的な問題で伝わらないのは現時点ではやむを得ないというケースは充分に考えらる、というか、ある程度は避けられないのだとは思いますが(tomoさんの、客観的立場からやむを得ないってのはこれですよね?)、その場合はネタバレ説明してでも伝える(爆)。そのプロセスで、なぜ伝わらないのかはわかると思うんですよ。例えばあまりに読解力が低すぎるとか(^^;)。その場合は読者を鍛えるという作業が必要になるのかもしれません。
 若干主張が後退してる感はありますが(^^;)、なんにしても表現をしているのですから、伝わらなくてもしょーがないでは済まされないとは思うのですよね。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482494 (-2147482536)
【 日時 】05/11/20 02:54
【 発言者 】なお。

どうも互いに誤解していたところがあったようで、それでこのような議論を交わす事となりましたが、これにて一件落着w

tomoさんがエキサイトしてしまったのは私共にも落ち度があります。(引っ張ったのは私ですが)
しっかりとした考えがあって書かれているにも関わらず、誤解もありましたが意図しないものを煽るような発言を不用意にしてしまったのは遺憾であって反省しております。まこと申し訳ない。


>これでも、かなり見直して書いたのですが

私もちょくちょくエキサイトしてます。全部消して書き直したりなんてしょっちゅうですw
一度感想を書いてみて、なんか引っ掛かって、また作品を読み直したり。そしたら解釈が間違っているのではないかと思えてきて、しようとしていた発言を控えたりとか。

それでもなんだかんだと、ああだこうだ書いてますけど。こうやって騒げる所って、他にないですから(知る限り)
故により作品にのめり込めるので私は好きです、こういうの。


> 二人のご期待に沿えるよう

みんなの、ですね(^_^)


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482490 (-2147482536)
【 日時 】05/11/22 00:06
【 発言者 】なお。

もののついでにw

エキサイトしていた証拠のようなもので「猫の轢死体」のところ、私が自分で理解しやすいように編集して書いたものがあるんですけど。

了承をもらえれば投下しますが、どうでしょうw


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Chris
【記事番号】-2147482490 (-2147482536)
【 日時 】05/11/22 22:53
【 発言者 】なお。

もののついでにw

エキサイトしていた証拠のようなもので「猫の轢死体」のところ、私が自分で理解しやすいように編集して書いたものがあるんですけど。


了承をもらえれば投下しますが、どうでしょうw


22:53訂正

やっぱやめときます。何様だって思いまして(爆)


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482477 (-2147482536)
【 日時 】05/11/25 01:56
【 発言者 】tomo

>なお。さん
遅ればせながら、ぜひ、読んでみたいです♪
何様だなんてとんでもないです。
全然そんなこと思いませんです。
もしよかったら、読ませてくださいませんか?


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482471 (-2147482536)
【 日時 】05/11/25 21:16
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

>>やっぱやめときます。何様だって思いまして(爆)
>何様だなんてとんでもないです。

 一部の方はご存知かと思いますが、私は投稿作品に対して、こんなんはどないだとばかりに修正案を提示したりしてます。自分でも何様だとは思うのですが、何様だといわれると何様です(わけわからん)。つーことでなお。さんも何様の仲間入りを(笑)。
 マジレスしますと、その修正案がぶっ叩かれるかもという覚悟があれば問題ないんじゃないでしょうか(笑)。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Chris
【記事番号】-2147482460 (-2147482536)
【 日時 】05/11/26 01:18
【 発言者 】なお。

> その修正案がぶっ叩かれる

じゅうぶんありえます。しかもtomoさんが考えているものとは違うかもしれません。それに修正案なんてものじゃないです。

書いているうちに盛り上がってしまいtomoさんの作風とはぜんぜん違うといった事情もあって、tomoさんだけにこっそりメールで送ろうと思っていてhtml化までしてあったのですが、この際あきらめます(^_^;)


 猫の轢死体。

 車にでも轢かれたのだろうか、ちょうど体の中央から真っ二つに裂けてしまった三毛猫。
元々は白に黒と茶だったであろうその体は、濡れて鈍い光を放つ黒濁した赤、乾きかけた
茶褐色、その中で対照的にひと際目立つ、今なお流れ、つい今しがたまで生きていた事を
感じさせる白々しいほどに燃えるようなクリムソン、といった赤系の三色に彩られた躯へ
と変わっていた。好きなはずの色なのに、あたしはその赤に険悪しか感じられなかった。
 音もなく横たわるその亡骸を、あたしは呆然と眺めていた。否、目を離すことができな
かった。目が合ってしまった瞬間から、あたしの中の時は止まった。あたしは魅入られ食
い入るよう“それ”を凝視していた。“それ”も限界まで見開いた眼で、あたしを睨み付
けていた。そこにあるのはただ恨めしさのみ。死んだものに感情があれば……だ。
 “それ”の眼は涙枯れて濁り、既に光を失っている。何も映すはずもない。それなのに、
あたしの、突っ立ったまま無防備な姿だけは、晒けるように映しだした。そのあたしはと
ても自然に、でも違和感を持って、天地を逆さまに小さくぽつんと立っていた。
 “それ”の眼は、活動をやめた瞬間から時を止め、沈黙しているはずだ。そうでなけれ
ばならない。しかしまたも矛盾は起きる。沈黙は口を開き、あたしに何かを語りかけてき
た。象徴として、あることを訴えてくる。
 背中にひと雫、嫌な汗が伝う。この一滴があたしの体温を、瞬時にすべて奪い取った。
灼熱のアスファルトの上、あたしは絶対零度のコキュートスに落とされた。悲鳴ともうめ
き声ともつかない何かをしゃべろうと口を開くが、声帯も、肺まで凍り付いたのか、空気
の通る音すら出せない。寒い。それは確かだ。でも、震えているのはたかだかの猫の轢死
体にではない。もっと違うところの何かに。それが何なのかはわからない。でもこの感覚
は知っている。あたしは間違いなく知っている。知っているはず。早鐘を打つ心臓がそれ
を肯定している。あたしは必死になってそれを否定し、頭から追いやろうとする。思い出
す類いのものではないと逃避する。しかしそう考えれば考えるだけ余計に意識してしまう。
頭の中が、増水して荒れ狂う大河のように渦を巻く。実際の経験であると証明していた心
臓の刻むビートが更に上がる。そしてピークに達すると、警鐘へと変わる。連動して保護
回路が働き思考にリミットをかけようとする。
「これはタブー、忘れるんだ、絶対に思い出してはならない。このまま自分を裏切ろうと
すれば、おまえは濁流に巻かれ、その渦に呑み込まれ、二度と這い上がってはこれない。
決して手を離すな」
 頭が割れるように痛い。両手で抱え目を瞑り、その場にしゃがみ込む。今にも気を失っ
てしまいそう……。
 ?!!!ッ
 リミッタが作動するほんの一瞬前、中空に浮かぶだらりとした影のようなものが見えた
……気がした。
 ………………マ……マ…………!
「……どうかしたの? アスカ……?」
 その声を聞き、ふっと力が抜けた。頭の痛みは残るがすっと体が軽くなり、呼吸も楽に
なった。現実の暑さが冷や汗に濡れた体をじんわりと暖める。止まっていた時間は再び流
れだしていた。振り向けばそこには、あたしを見つめるレイの姿があった。


ほらね、修正案なんてほどのものじゃないです。あくまで自分でこんな感じかなと想像した部分を付け加えてみただけで、マスターベーションのようなものです。自分が面白ければそれでいいかなって感じ。
ただね、ここって案外重要な部分かなって気がしました。書いてるうちに。
だからアスカの動揺している様子とトラウマであることを表現させるにかなり濃くしてます。
あと、逆さ問題。さりげなく、あくまで普通に逆さに見えたとしておきながら印象として受け取れるようにしたつもりです。
「寒い」というのは「恐い」という意味で使っています。
遊びで、三毛猫の、黒、茶、白といった毛色を、血の色の表現中に含めてみました。
肢体は死体とかけてあったのだろうけど、そうしなくても想像が付きそうなのと不自然さを感じたので(すみません)あえて影としてます。
見た気がした(見えた気がした)の場合、はっきりしないものといった感じのほうがよさそうだったからです。


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482457 (-2147482536)
【 日時 】05/11/28 21:17
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

 とりあえず叩く要素はないな。ちゃんとしてる。一部誤変換を除けば(笑)。
 ただ、当たり前だけどテイストは大幅に違うわな。この部分が最終的にどの程度の重要性を持っているかによっては、冗長かもしれない。まぁ現段階ではなんとも言えん。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482456 (-2147482536)
【 日時 】05/11/29 01:15
【 発言者 】tomo

>なお。さん
投稿していただいてありがとうございました♪
頼んでおいて返事がおそくなってしまってごめんなさい。
感想は……ちょっと今までにない面白さでした。
なお。さんの文章の中にところどころ私の文章が
溶け込んでいる。テイストは大幅に違うのに。
これは得がたい経験でした。

表現の方法はやっぱりうまいですね、さすがだと思います。

>この部分が最終的にどの程度の重要性を持ってい>るかによっては、冗長かもしれない
この点に関しては、私も現段階ではなんともいえなかったり(壊)
ただ、私自身が書いたほうは見直してみると、もう少し深く切れ込んでもよかったかなとは感じています。
なので、このくらいの書き込みはむしろ必要だったかも。(あくまで現時点での印象ですが)


あらためてありがとうございますです、なお。さん。


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Christmas.』第二話/tomo
【記事番号】-2147482455 (-2147482536)
【 日時 】05/11/29 07:05
【 発言者 】なお。

いじくり回し過ぎ。だから何様だって。
これは受けた印象を膨らませ遊びで書いたものなのでそのあたり御理解下さい。
礼など言われても恐縮してしまいますw

この時点ではここまで書く必要はないかもしれませんんね。後になって意味が分かればいいことで、それこそtambさんのいう冗長というものです。

> もう少し深く切れ込んでもよかったかなとは感じています。
> なので、このくらいの書き込みはむしろ必要だったかも。(あくまで現時点での印象ですが)

きっと匙加減の問題でしょう。
おそらく私のはやりすぎw


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Chris
【記事番号】-2147482460 (-2147482536)
【 日時 】05/11/29 22:33
【 発言者 】なお。

> その修正案がぶっ叩かれる

じゅうぶんありえます。しかもtomoさんが考えているものとは違うかもしれません。それに修正案なんてものじゃないです。

書いているうちに盛り上がってしまいtomoさんの作風とはぜんぜん違うといった事情もあって、tomoさんだけにこっそりメールで送ろうと思っていてhtml化までしてあったのですが、この際あきらめます(^_^;)


 猫の轢死体。

 車にでも轢かれたのだろうか、ちょうど体の中央から真っ二つに裂けてしまった三毛猫。
元々は白に黒と茶だったであろうその体は、濡れて鈍い光を放つ黒濁した赤、乾きかけた
茶褐色、その中で対照的にひと際目立つ、今なお流れ、つい今しがたまで生きていた事を
感じさせる白々しいほどに燃えるようなクリムソン、といった赤系の三色に彩られた躯へ
と変わっていた。好きなはずの色なのに、あたしはその赤に嫌悪しか感じられなかった。
 音もなく横たわるその亡骸を、あたしは呆然と眺めていた。否、目を離すことができな
かった。目が合ってしまった瞬間から、あたしの中の時は止まった。あたしは魅入られ食
い入るよう“それ”を凝視していた。“それ”も限界まで見開いた眼で、あたしを睨み付
けていた。そこにあるのはただ恨めしさのみ。死んだものに感情があれば……だ。
 “それ”の眼は涙枯れて濁り、既に光を失っている。何も映すはずもない。それなのに、
あたしの、突っ立ったまま無防備な姿だけは、晒けるように映しだした。そのあたしはと
ても自然に、でも違和感を持って、天地を逆さまに小さくぽつんと立っていた。
 “それ”の眼は、活動をやめた瞬間から時を止め、沈黙しているはずだ。そうでなけれ
ばならない。しかしまたも矛盾は起きる。沈黙は口を開き、あたしに何かを語りかけてき
た。象徴として、あることを訴えてくる。
 背中にひと雫、嫌な汗が伝う。この一滴があたしの体温を、瞬時にすべて奪い取った。
灼熱のアスファルトの上、あたしは絶対零度のコキュートスに落とされた。悲鳴ともうめ
き声ともつかない何かをしゃべろうと口を開くが、声帯も、肺まで凍り付いたのか、空気
の通る音すら出せない。寒い。それは確かだ。でも、震えているのはたかだかの猫の轢死
体にではない。もっと違うところの何かに。それが何なのかはわからない。でもこの感覚
は知っている。あたしは間違いなく知っている。知っているはず。早鐘を打つ心臓がそれ
を肯定している。あたしは必死になってそれを否定し、頭から追いやろうとする。思い出
す類いのものではないと逃避する。しかしそう考えれば考えるだけ余計に意識してしまう。
頭の中が、増水して荒れ狂う大河のように渦を巻く。実際の経験であると証明していた心
臓の刻むビートが更に上がる。そしてピークに達すると、警鐘へと変わる。連動して保護
回路が働き思考にリミットをかけようとする。
「これはタブー、忘れるんだ、絶対に思い出してはならない。このまま自分を裏切ろうと
すれば、おまえは濁流に巻かれ、その渦に呑み込まれ、二度と這い上がってはこれない。
決して手を離すな」
 頭が割れるように痛い。両手で抱え目を瞑り、その場にしゃがみ込む。今にも気を失っ
てしまいそう……。
 ?!!!ッ
 リミッタが作動するほんの一瞬前、中空に浮かぶだらりとした影のようなものが見えた
……気がした。
 ………………マ……マ…………!
「……どうかしたの? アスカ……?」
 その声を聞き、ふっと力が抜けた。頭の痛みは残るがすっと体が軽くなり、呼吸も楽に
なった。現実の暑さが冷や汗に濡れた体をじんわりと暖める。止まっていた時間は再び流
れだしていた。振り向けばそこには、あたしを見つめるレイの姿があった。


ほらね、修正案なんてほどのものじゃないです。あくまで自分でこんな感じかなと想像した部分を付け加えてみただけで、マスターベーションのようなものです。自分が面白ければそれでいいかなって感じ。
ただね、ここって案外重要な部分かなって気がしました。書いてるうちに。
だからアスカの動揺している様子とトラウマであることを表現させるにかなり濃くしてます。
あと、逆さ問題。さりげなく、あくまで普通に逆さに見えたとしておきながら印象として受け取れるようにしたつもりです。
「寒い」というのは「恐い」という意味で使っています。
遊びで、三毛猫の、黒、茶、白といった毛色を、血の色の表現中に含めてみました。
肢体は死体とかけてあったのだろうけど、そうしなくても想像が付きそうなのと不自然さを感じたので(すみません)あえて影としてます。
見た気がした(見えた気がした)の場合、はっきりしないものといった感じのほうがよさそうだったからです。

さりげなく誤字修正w


【タイトル】Re: 『I wish you a Merry Chris
【記事番号】-2147482455 (-2147482536)
【 日時 】05/11/29 22:51
【 発言者 】なお。

いじくり回し過ぎ。だから何様だって。
これは受けた印象を膨らませ遊びで書いたものなのでそのあたり御理解下さい。
こんなものを書いた経緯は、例の逆さ問題を自分だったらどう解消するか、というのを実際書いて出来るかというのをやってみまして、そうしたらそこだけが妙に浮いてしまったので、馴染むように前後の文から変えてゆき、だんだんと全体に広がってしまったという(爆)
浮いてしまったというのは、私はtomoさんでないのだからそれはあたりまえで、結局は自分の表現になってしまったという訳です。
それに礼など言われても恐縮してしまいますw

> この部分が最終的にどの程度の重要性を持っているかによっては、冗長かもしれない

確かにこの時点ではここまで書く必要はないかもしれません。なぜこう書いたのかは先の展開に任せ、ここは後に振り返って想像すればいいところだとすれば、それは冗長というものです。

> もう少し深く切れ込んでもよかったかなとは感じています。
> なので、このくらいの書き込みはむしろ必要だったかも。(あくまで現時点での印象ですが)

きっと匙加減の問題でしょう。
おそらく私のはやりすぎw

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