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海の鎖/aba-m.a-kkv
日時: 2009/05/31 00:00
名前: tamb

【タイトル】海の鎖/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482292 (2147483647)
【 日時 】06/01/20 20:26
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

作品はこちらです。
http://tamb.cube-web.net/cont/aba-m/aba-m14.htm


 今回はいつもにも増してネタバレというか、バイアスのかかったことを書きますので、是非作品を先に読んで下さいませ。

 話としては、凄く簡単に言えばシンジがレイを助けるという話だ(爆)。さすがにこれは簡単にしすぎだ(^^;)。

 海の鎖というモチーフと、シンジが外したチェーンロック(だよな?)の対比はすごくいい。このフックはかなり来てると思う。

 今回は句点アリだけど、やっぱり詩的な雰囲気は凄くある。詩を書きたい人は雰囲気を学ばれたし。


 で、問題はここ。

>いないはずの、ここにくることなど出来ないはずの、幻が確かな存在として自分を抱きしめてくれている。

 なぜレイは彼を「くることなど出来ない」「幻」だと思っているのか。

 私は、レイがまだ赤い海の中にいるのだと読んだ。海の中に閉じこもっているレイを、シンジがサルベージしに来たのだと。
 ヒントはいくつもある。
「外の暗闇を少し希釈してやれば、血のようなあの赤い世界に変わるのではないか」
「ただ気が付いただけ。あの場所も、自分の家も同じだということに。」
「自分では決して断ち切ることの出来ない、強い強い海の鎖が」
「漆黒の髪と瞳と、優しい笑みが、全てを消し飛ばした。」

 私は自信を持ってメールにこう書いた。「実はレイはずっと赤い海にいて、ようやくシンジが連れ戻しに来れたと読んだ。あってます? これを外してると私的には相当ヤバイんですけど(^^;)。」

 外した(N2爆)。普通にサードインパクト後の世界だそうだ。
 相当ヤバイぞ、オレ。深読みのしすぎだ。

 つーかさ、シンジ、もっと早く会いに行けよ(笑)。

 私と同様に深読みしてしまった中毒患者の挙手を求む(笑)。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 海の鎖/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482288 (-2147482292)
【 日時 】06/01/21 04:21
【 発言者 】なお。

 何時だ? 4時だ! 夕方ちょっと寝てるから大丈夫かと思うけど遅刻するなよ自分w

> 私と同様に深読みしてしまった中毒患者の挙手を求む(笑)。

 はい! と言いたいところですが、普通にサードインパクト後と読んでいました。

> 仕事帰りの電車の中

 単純にここだけでそう判断しました。
 合っていたわけですが、逆にtambさんのような発想ができなかったのが悔しい(爆)


> 外の暗闇を少し希釈してやれば、

 ここの「してやれば」がなんとなく好き。「してあげれば」とか「すれば」じゃあダメなんですよ、どうしてか。

> 街灯の電気、家々の電気が夜道を照らす。

 ここは難しいですね。電気って照明って意味で使われるし使っています。「電気を付ける」なんて。しかしこう
文章として読むとどうしてか違和感を感じてしまいます。でも「街灯の灯、家々の灯が夜道を照らす」と書くとこ
ろをわざとこうしたようにも思えます。どっちがいいのでしょう?

>  ジャラ……
>  その瞬間、重たい、重たい鎖の音が嫌な音を立てて背中を舐めた。
>  頭を槌で打たれたかのような衝撃が頭を揺らす。

 ナーバスになったところにいきなりの音でビクッと驚いた様子でしょう。頭を槌で〜というところは変わってい
て直喩なのにわかるようでわかりずらい。頭を槌で? すくみ上がるのとはちょっと掛け離れてますよね。
 でも大袈裟すぎるところで雰囲気としては伝わります。とても面白い表現だと思いました。

>  微かな変化を残して飲み込まれてしまう街灯の下、帰り道を急ぐ蒼い影。

 ここも意識して書かれたのでしょう。蒼い影。
 街灯、というより月明かりに照らされ闇に出来た影が青いとはよく使うところで、そこをわざと青と書かず蒼と
書く。綾波レイを表現するのには妥当とは思いますが、まさか一人称で使ってくるとは! 使いづらいですよ普通。
そこを敢えて使う。もう降参。

>  動を許さない海に、息を許さない空に包まれて、動であり息である自分がいるという矛盾。

「動であり息である」これを「動であり息のある」と書くと意味が変わってきそう。どこが違うといっても、うま
く説明出来ない。それくらいすっごい微妙な部分。

>  私の幾度の生まれた瞬間から、幾度の死の瞬間まで、そして今も。

 深いです、そして重い。とても……。

> ヘブンズドアと同じ、その前にも、その先にも、自分の生まれ、死に、そして向かう無が、赤い海がある。

 ここまで感嘆してきたわけですが、バランスの問題でしょうか、ここはストレートすぎかなって思えました。ヘ
ブンズドアと同じだったらヘブンズドアが何たるかを比喩でも用いて書いて欲しかったです。ちょっとがっかり。

 で、ここからが本当の感想でしょうか、このあとシンジが出てきますよね。

> いないはずの、ここにくることなど出来ないはずの、幻が確かな存在として自分を抱きしめてくれている。

 いないはず。言い切ってます。幻とさえ……。
 シンジが来ているとは予想していなかった、と表現したかったのでしょうが、それだけはっきりしない存在なの
かって思えてしまいました。そう考えたのはですね、このドアを開けてシンジの顔を見るまでレイはシンジの事を
一度だって考えていないのです。合鍵も持っている。そんな存在なのに。

>  でも、私は、心にあの赤い世界の海の鎖が繋がる私は、碇くんがいないと生きていくことが出来ない。
>  この鎖を断ち切ってくれるのは彼しかいないから。
>  私からあの赤い世界を、究極の静穏を、闇を、そして無を消し去ってくれるのは彼だけだから。

 シンジはレイの恋人ですよね。それなのにずっと不安だったのに頼りになるはずの彼の事を考えなかったのはお
かしいでしょう。余裕がないとは書いてありますが、心理としては余裕がないほど誰かに頼りたくなるものだと思
います。ましてや恋人がいるならなおさらで、携帯電話を持っていたりすれば帰りの道すがら声を聞こうとしても
不思議ではありません。
 そんなところに不自然さを感じてしまい、シンジが出てきたところからとたんつまらなくなってしまったという
のが正直な感想でした。例えばシンジは海外にでも長期出張に行っていてずっと会っていなくて、電話を掛けよう
にも向こうは深夜で迷惑だから掛けるわけにはいかなかった。そしてシンジは驚かそうとしてレイには内緒に帰国
していた、なんて感じだったらわからなくもなかったかなってところです。

 上級な文章を書かれるだけにそういった細かいところが目立ってしまいました。今回はちょっと aba-m.a-kkv
さんらしくなかったですね (^_^;)


【タイトル】Re: 海の鎖/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482281 (-2147482292)
【 日時 】06/01/21 16:04
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

>普通にサードインパクト後と読んでいました。

_| ̄|○

>> 仕事帰りの電車の中
> 単純にここだけでそう判断しました。

 私もこの段階では普通にサードインパクト後だろうと思ってたんですけど、

>ここにくることなど出来ないはずの

 ここで引っかかったんです。

>シンジはレイの恋人ですよね。それなのにずっと不安だったのに頼りになるはずの彼の事を
>考えなかったのはおかしいでしょう。

 おかしいです。だから、シンジとレイは恋人じゃない→普通のサードインパクト後でそれはあり得ない(爆)→普通のサードインパクト後じゃない→赤い海の中だ! という風に考えたわけだこれが(笑)。
 つーか、普通に恋人同士ならもっと早くに鎖を断ち切ってやれよと(笑)。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 海の鎖/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482280 (-2147482292)
【 日時 】06/01/21 22:51
【 発言者 】牙丸

凄く重い感じがする。淡々とした表現がそれに拍車をかけてます。
繰り返しの表現も、詩的で良い感じ。

私も普通にサードインパクト後かと思ってました。

>シンジはレイの恋人ですよね。それなのにずっと不安だったのに頼りになるはずの彼の事を
>考えなかったのはおかしいでしょう。

ここは私は、他の読みをしました。
実はレイがいるのは別世界なのではないか。
そして、シンジは本当の世界(赤い海から復興した世界?)の方にいて、レイはこちらには来る事がないと思っていたんじゃないかと。
>ここにくることなど出来ないはず
と表現しているのも、その為かなぁと思いました。
そして、その世界は位相が少しずれていて、ようするにレイはそこにいるけど、他人には見えない状態なんじゃないかと。
でも、シンジはレイを見つけ出したと。
だからレイは本当の世界に行き着いたんじゃないかという感じで。
>赤い世界が消える
>自分の周りに現実が戻った。
ここら辺から、そう思いました。

自分も何か別の意味で深読みしている気がする。

メンテ

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