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黒い猫/aba-m.a-kkv
日時: 2009/05/31 00:00
名前: tamb

【タイトル】黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482096 (2147483647)
【 日時 】06/04/02 03:55
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

 まず最初に、今回のファイルは作者との綿密な打ち合わせの上で、utf-8というエンコーディング方式、ややこしいことを抜きにすればそういう文字コードを使ってます。まぁいわゆるUnicodeってやつですな。厳密にはちょっと違いますが。これが正しく表示できないブラウザはそうそう無いと思います。ダメならまずエンコードをutf-8に指定してみて下さい。IEなら右クリックから「エンコード」です。それでもダメだったら報告して下さい。なんとかします。


 さて。

 教会で結婚式をすると、牧師なり神父なりの前で、新郎は新婦を永遠に愛することを誓います。例の「健やかなる時も病める時も〜」っていうあれです。式に列席した人は彼が誓ったということの証人となるわけで、それなりに責任は重大です(笑)。とある友人の結婚式に行った時、知り合いの女の子がこのシーンでぼろぼろ泣いてて、あとで聞いたら、この人は彼女を幸せにするんだって思ったら涙が止まらなかったって言ってましたが、そういうことです。

 この話では、アスカが「カヲルは渚カヲルである」と証しするという意味において、証人なわけです。

 これだと例えばシンジ君が「カヲル君はカヲル君なんだからアスカを好きになっていいんだよ」と言ってもいいわけなんですが、新婦であるべきアスカが証人でもあるという部分に味がある。というか、カヲルがアスカに向かって「僕は、誰なのかな?」と聞いてしまうところがすごい。これは、言うなれば「僕は君を好きでいていいですか?」と聞いているに等しいのだから。
 そして、アスカの答えがまたいい。

>だから、あたしの傍にいなさい。
>すぐ傍に居て、離れないでいなさい。

 この断言の仕方は聖書っぽいというか(イスカリオテのユダが出てるからってものあるんだけど)、コリント人への手紙(だったか)を思い出した。「全き者となりなさい、互いに励まし合いなさい。平和に過しなさい」だったかな。ちょっと違うかもしれん。まぁそんなことはいいんだけど、こういう命令的な感じはすごくアスカっぽい。こういうセリフはアスカによく似合う。でもほんとにすごいなと思ったのはその次で、


>……あたしのすぐ傍にいて、カヲル

 最後に頼んじゃうんだよ。こういう弱さはカヲルの前でしか見せないだろうなと思うと、なんかいい感じなんだよな。セリフの前の三点リーダ(……)も含め、これはいい。

 読み違えてるかもしれないけど、まず神がいて、タブリスに「選択という自由意志を権威として与え」たわけだ。これは神がサタンに自由を与えたということにも通じるけど、ある種の原罪とも思える。それをアスカが赦した。その意味ではアスカはキリストということになる。

 まぁ難解な話だわな(笑)。でも実際のところ、カヲルはアスカを愛してもいいというか、アスカがカヲルに「あたしを愛しなさい」と言えるという話なんだろうと思う。LAKという視点でカヲルの内面をちゃんと描けてるのはすごいかもしれない。カヲルは基本的に謎だし。アスカとカヲルは本編では会っていないだけに、それをアスカに悔しいと思わせるのも納得できる。


 ちょっとちゃちゃを入れてみよう(笑)。

 何人かで(二人っきりでもいいんだけど)酒を飲んで騒いでいる時、ふと見せた彼の寂しげな表情に彼女はきゅんとなってしまう、みたいな余りに青春そのもの的なシチュエーションは、まぁ誰にでも経験があるんじゃないかと思う(あるのか?)。そこの彼女、きゅんとなってしまったことはありませんか? そこの彼、それを狙ってあざとく愁いを帯びた表情を作ったことがあるだろ。正直に言え!(爆)
 しかしこういうキザな行動、一歩間違うと単なる嫌みというか下心丸出しって感じになるんだけど、カヲルだと許せるというか似合うんだよな。つーか、カヲルってこういう奴なんじゃないかと(笑)。

作品はこちら。
http://tamb.cube-web.net/cont/aba-m/aba-m15.htm

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482095 (-2147482096)
【 日時 】06/04/02 20:49
【 発言者 】北並

なにやらとても久しぶりな気がします、北並です。
現在完全にウラシマ状態ですが、
aba-m.a-kkvさんの作品は好きなので少し書き込ませてもらいます。

貞本版を元にしているabaさんらしく9巻のSTAGE.57「フィフスチルドレン」
で出てきた子猫の場面を、ちゃんといかして使っていましたね。
あの場面では自分もカヲル自身が殺した子猫と彼を重ねて見てたんですが、
カヲルの(この話では「選択する」という)存在意義とここまでうまく繋がるとは思っていませんでした。

今回出てきた黒猫ってもしかして9巻の最初のカラー絵でカヲルが抱いてた猫をイメージしてたんでしょうか。
あの絵と表紙になんか石像で出来た羽根があったはずですし。

そして前の三部作のときから思ってたんですが、今回で確信しました(何を偉そうに)。
abaさんがカヲルの表現で
「アルカイックスマイル」を使うのは完全に故意ですね?
表現をそれで固定してる気がします。しかしその固定された表現で
いろいろと感情を説明してるあたりがすごいと思わされました。

……
最近の傾向で小難しいこと並べ立てましたが、実際最初読んで思ったのは
「微妙にズレてるようなカヲルとしっかりものだけどちゃんとカヲルに惚れてるアスカのLAKは楽しいなあ」
程度のことでしたよええ(笑)
いろいろ背負い込むカヲルと世話焼きなアスカはベストカップルですねw

最後に。

■tambさん

>「全き者となりなさい、互いに励まし合いなさい。平和に過しなさい」

現在最もよく使われてる新共同約の聖書だと
「コリントの信徒への手紙 二、13章11節」で
「終わりに、兄弟たち、喜びなさい。完全なものになりなさい。
励まし合いなさい。思いを一つにしなさい。平和を保ちなさい。
そうすれば、愛と平和の神があなたがたと共にいてくださいます。」
となってますね。

書いた本人が「そんなことはいいんだけど」と言ってるあたりにつっこむのは
自分がくだらない事にばっかりこだわる性質だからかも知れません(笑)


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482089 (-2147482096)
【 日時 】06/04/03 00:57
【 発言者 】aba-m.a-kkv

tambさん、公開ありがとうございます。
激務の中、たくさんお世話になりました。
改めて感謝です。

そして感想と解説、ありがとうございます。
ぴったりな解説なので、私はあまり語らなくてよさそうな感じです(笑)


tambさんが述べてくださったように、この話は、アスカが渚カヲルの存在を証しする、というストーリーです。

アスカの役割は二つあります。
tambさんが解説してくださったように

>まず神がいて、タブリスに「選択という自由意志を権威として与え」たわけだ。
>これは神がサタンに自由を与えたということにも通じるけど、ある種の原罪とも思える。
>それをアスカが赦した。その意味ではアスカはキリストということになる。

タブリスという権威=原罪を拭い去るという役として、カヲルに対してのキリストというもの。
これが一つの面です。

そして、アスカは、タブリスであるカヲルが人類に対してのユダ・イスカリオテであったように、
カヲルに対してのユダ・イスカリオテの面も持っています。
イスカリオテは、キリストを裏切り死に渡すということ以外に、
イエスがキリストであることの証人としてオリーブ山でイエスに口付けをしています。
今回、アスカは、カヲルに口付けをすることで、カヲルが人であり、カヲルは渚カヲルだということを証ししています。
故に、アスカはカヲルに対してのユダ・イスカリオテでもある、という面があるかな、と。


でも、まあ、こんな難解なことはいいとして、結局はカヲルが、アスカに「君を愛させてください」
アスカがカヲルに「私を愛していなさい」という話です。
やっぱりLove&Love Asuka×Kaworuですね。


北並さん、お久しぶりです。
感想ありがとうございます。

あのカヲルの登場シーンは、私としてはけっこうショッキングだったんですよ。
私がりっちゃんと同じく猫好きだから、ということもありますが。
でも、カヲルの使徒としての考えからすれば、そうなのかな、とも思いました。

tambさんも言われてますが、カヲルという存在は謎です。
ののさんの言葉を借りれば、どういう風にでも動かせる、最高級のキャラクターです。
今回のLAKには、私なりのカヲルの姿というか、彼の存在を込めたつもりです。

今回出てきた黒猫は、以前読んだ「猫の地球儀」という小説に出てくる黒猫の幽くんをモデルにしています。
ですが、タブリスの象徴として表わした黒い翼は、あの絵から考えたものでした、ビンゴです。

アルカイックスマイルは、カヲルのあの笑顔を一番表わすにふさわしい表現だな、と思って、固定的表現として使っています。


tambさんへ、LAK推進委員会の件ですが、現在把握する限り

委員長兼名誉会長のtamaさん。
書記のatuさん。
委員長補佐のパッケラさん。
委員に牙丸さん、楓さん、私。
そして、tambさんが加わって七名という感じだと、思います。


最後に、委員長、作戦完了しました!


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482088 (-2147482096)
【 日時 】06/04/03 01:21
【 発言者 】tomo

ひさしぶりに時間をとってゆっくりと読ませていただきました。
それだけ、内容がつまっていたってことですね。
感想はメールで書いてしまったので、
(ぶしつけながらメールを遅らせていただきました。)
改めてはないんですけど、一点だけ。
ユダの解釈。
『裏切っても裏切らなくても大罪だった』
これは電撃が走りました。
たしかに、これなら、
「その者は生まれてこなかったほうが良かったでしょう」
っていうのにも納得できます。
私は全然キリスト教に詳しくないので、
ユダは裏切り者としてのイメージを漠然ともっていたのですが、
裏切りものとして名高いユダにこんなにも
苦行がかされていたなんて。
なんだか、ユダのことをかわいそうに思えてしまいました。


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482085 (-2147482096)
【 日時 】06/04/03 23:13
【 発言者 】牙丸

私はキリスト教とかは全然わからないので、深いところが読み取れてないのが残念です。
まずユダって誰?ぐらいの知識ですから(爆)

でも、そういう知識があっても無くても、これは深い話だと思います。
恋人は自分を映す鏡だと言います。
だからこそ、カヲルはアスカに自分が誰であるかを問うことで、自分自身でカヲルはカヲルであるということを確認し、自分の存在を認めたのかもしれません。
自分を許すも許さないも、最終的には自分で決めるものなのかもしれないです。

それよりも
>どういう風にでも動かせる、最高級のキャラクターです。
と言いますが、裏を返せば人の解釈によって、まったく違うキャラクターになり、本質が見抜きにくいと思うんです。
でもこの話は、そのカヲルの本質を、きちんと見抜けていると思います。すごいです。

過去は決して消えない足跡である。だからカヲルがタブリスであったという事実は消えないし、白い子猫の命を奪ったという事実も消えない。
でも、足跡は足跡であって、たとえ横を向いた足跡があったとしても、前へ進んではならないということは決して無い。
だからカヲルにも、アスカと一緒に前に進んでいってもらいたいですね。

まあまとめれば、LAK万歳ってコトで(笑)


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482084 (-2147482096)
【 日時 】06/04/04 03:12
【 発言者 】なお。

 先にちょっと一言。

 タブリスを殺す事になってしまったシンジの心をカヲルはどう思っているんだろ?

「ごめんね」とは言っている。カヲルは現在、人として生きている。

 でも、自分でも死ぬ間際の事を、引きちぎられる、潰れる瞬間を憶えているのだから、シンジだって握りつぶした感触を憶えているだろう。それはとても嫌なものだと思う。


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482071 (-2147482096)
【 日時 】06/04/08 02:39
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

>タブリスを殺す事になってしまったシンジの心をカヲルはどう思っているんだろ?

 殺されてしまった者が殺した者の気持ちを思う、という視点は結構難しい。殺さざるを得ない状況に持ち込んだのは、ある意味ではカヲルなんだし。
 ふと思ったんだけど、この話の黒猫ちゃんの気持ちっていうのは白い猫の気持ち、即ち殺された者という意味でのカヲルの気持ちなのかもしれない。だとしたらカヲルの気持ちはシンジの気持ちだ。こういう視点で読むと何か見えてくるかもしれん。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482065 (-2147482096)
【 日時 】06/04/09 01:40
【 発言者 】なお。

> 膝に掌をつき、肩で息をするアスカの亜麻色の髪が揺れて視界に落ちる。

膝に掌をつき、肩で息をするアスカの亜麻色の髪「は」揺れて視界に落ちる。
私にはこっちの方が、わかりやすいです。


>「……カヲル、あんたの背中にある黒い翼を、あたしに?がせて。

 こう見えるのですが、「?」で表示されたところ、『もぎ取るの』「も」ですよね。どうし
てそうなってしまうのかは、単に私の環境にそのフォントがなかったからのようです。なぜそれ
がわかったかというと、goo辞書で調べたらだとちゃんと表示されたからです。gif画像で(爆)

 あまり一般的ではない字なんですかね? それともこっちの環境が脆弱なだけなのか?


 生あるものには未来があり、未来とは確定していないものだから、いかなる場合に於いてもそ
こには可能性としての希望がまだ残されている。そしてそれは全生命の生まれながらにして平等
に持つ権利であるから、生か死か、例えその選択を許された自由意思を持つ存在であっても、そ
の対象が生きている限り、存在してはならないものとして、それを奪ってしまうことはできるは
ずもない。ましてや権利などない。

 カヲルが出した結論は、こんなところでしょう。

 しかしそれを決定する自由を与えられているという事は、どういう事だったのだろうか。許さ
れるはずのものが、許されている。つまりタブリスは元々イレギュラーな存在であり、そうある
べきだったのだろう。例外、または特例、生命ではなく生を超越した存在。使徒と呼ばれる者。
そうであるべきだった。
 けれどタブリスは渚カヲルでもあった。人の名前を付けられた時点で人の心も持ってしまった
かのように、彼は人でもあった。そんな彼に、生を篩いに掛ける事なんて、できるはずもなくなっ
ていたのだろう。そこで存在理由がなくなると思いきや、自由意思に基づいて決定のできる唯一
の正しい選択となるものがまだ残っていた。生あるものの中でイレギュラーであり命を奪っても
何の問題もなく、なおかつ存在する理由もなくなった悲しい物。人の心を持った使徒タブリス。

 おそらく心を持たなければ罪の意識も芽生える事なく、生か死か、の選択もできただろう。そ
して全てを滅ぼす。その後「生と死は等価値」そう言った彼は、自らも滅ぼしかねない。そうなっ
たら本末転倒である。生まれてはいけなかったもの。確かにそうとも捉えられる。
 ユダの話もでてきたけど、これではスイッチの一つでしかない。人として転生はしたみたいだ
が、事のあらましからして一番の被害者は彼だったのかもしれない。
 が、その被害者が罪の意識を持っている。自分がタブリスであった頃、奪ってしまった小さな
命に対する罪の重さに今も耐えかねている。おそらく彼に取って、全ての生命の命を奪うのも、
その小さな猫の命ひとつを奪うのも、大きな違いはなかったのだろう。ただ、まだ生きられたは
ずの命、その未来を潰してしまった恐ろしさと罪深さに苛まれているのだ。かつて自分だったタ
ブリスという存在そのものも罪として思っているだろう。
 スイッチのひとつだったと考えれば、それなりに納得のいく答えも出せるかもしれないが、例
えば大きな戦争があって、それがあったからこそ世界の科学技術は格段の進歩を遂げた、なんて
事実があっても、手放しで喜べる筈がない。ましてや、私がその戦争そのものでした。となるの
だから世界にどんな貢献をしていても、やはり罪の意識は消せないだろう。

えっと、まだ途中です。
命題からして難しいのです(^_^;)
感想というよりどう読んだか、になりそう。


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482056 (-2147482096)
【 日時 】06/04/09 23:35
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

>こう見えるのですが、「?」で表示されたところ、『もぎ取るの』「も」ですよね。

 うおお。今回エンコーディング方式をutf-8にしたのはこれが理由でした。色々調べて、ほぼ大丈夫だろうと思ったんですが、ダメだったか。修正しておきます。修正前のファイルはこちらに。
http://tamb.cube-web.net/cont/aba-m/aba-m15_old.htm
 後学のために環境を教えて下さい。OS9のIEでしたっけ? safari? フォントはMSゴシックとOsakaを指定してますが、その辺も入ってるかどうか教えて下さいまし。


>現在最もよく使われてる新共同約の聖書だと

 遅レスですが、私の持ってるのは口語訳なんですよね。北並さんとも流派が違うのかな、と思ってちょっと調べてみたら、単に私の時代が古かった模様(笑)。まぁこれをもって同一流派とはみなせませんが、同一流派だからどうだという話でもない(笑)。
 ちなみに口語訳だと「最後に、兄弟たちよ。いつも喜びなさい。全き者となりなさい。互いに励まし合いなさい。思いを一つにしなさい。平和に過ごしなさい。そうすれば、愛と平和の神があなた方と共にいて下さるであろう」でした。
 調べてて知ったんだけど、いまは聖書のMP3版ってのがあるみたい。iPodで聞けますって。誰が朗読してるんだろう。
 それから聖書検索サイトなんてのもあった。これは便利(かも)。
http://park10.wakwak.com/~ebible/bsrch/

 それからタイムリーにもこんな記事が。

ユダ裏切ってない?1700年前の「福音書」写本解読
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20060407i301.htm

 要するに、ローマサイドに引き渡したのはイエスに言われたからだという話ですな。まぁややこしいことだわ。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482042 (-2147482096)
【 日時 】06/04/10 03:08
【 発言者 】なお。

> 後学のために環境を教えて下さい。

 ええと、OSは9です。普段はOSXで使われているヒラギノフォントをぶち込んでIEを使ってます。IEは5です。古いですね。そういうわけでもう古いというのと特殊な環境でもありますので参考にはならないでしょう。ちなみにIEのフォントセットの設定をosakaにしても「?」という表示でした。

 試しにOSXで起動して、そちらのブラウザで表示させるとちゃんと漢字で表示されました。でも、おもしろいことに標準フォントがゴシック設定であるにも関わらずIEだと「もぐ」という字だけ明朝っぽく表示されます。safariだとちゃんとゴシックでした。いづれにせよどちらも問題なしでした。おそらくですけど、ヒラギノになくて他の持ち合わせのフォントから代用してるんでしょうね。
 そんな具合ですから、いざ自分でその字を使おうとしてもどうしても出てきません。コピペすら不可みたいです。だからここでも「もぐ」は平仮名です。コードからだせるかもしれないけどそこまで面倒なことはする気もありまあせん。

 てかーしばらくアクセスできなかったから時間かかっちゃったよー。もう寝るよー。


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482035 (-2147482096)
【 日時 】06/04/11 23:55
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

>参考にはならないでしょう。

いや、OS9+IE+osakaでダメならダメでしょう。まだこういう人って普通にいると思うんだけど。

>いざ自分でその字を使おうとしてもどうしても出てきません。

窓環境だと、たぶんデフォはshift_jisなんで、普通では出てこないでしょう。と思ってメモ帳に貼ってみたら出たw
私の愛用しているエディタだと、保存するときに「utf-8じゃないとダメよ」と言われます。

>だからここでも「もぐ」は平仮名です。

この掲示板はShift_JISなんで出ないでしょう。試しに貼ってみよう。
「&#25445;がせて」
どうかな?

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147482034 (-2147482096)
【 日時 】06/04/11 23:55
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

こう来るかw

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147481977 (-2147482096)
【 日時 】06/04/18 00:05
【 発言者 】なお。

すみません。
感想の続きを書きたいんだけど、難しいのでなかなか纏まらないのです。

と、いうわけで、ここは予約しときます。


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147481977 (-2147482096)
【 日時 】06/04/28 00:55
【 発言者 】なお。

 続きです。

 ちょっと端折っちゃったので付け足すと、前述で、そして全てを滅ぼす、と書いたのは、生き
るならそれだけの労力が必要で、その分の犠牲まで出てくる、だったら最初からいなければいい。
という解釈ができたからだ。ひとつの生命は、他の生命の犠牲の上に成り立っているという事実
がある限り、それを罪としてしまうと、全ての生命を否定しなければならなくなる。果ては生命
を生み出した自然そのものを悪とするだろう。タブリスの、生か死か、の2つでしか裁かない厳
しさからすると、ここまではいい、といった曖昧な線引きをするとは考えられない。だから結果
として全てを滅ぼす事が目に見えてくる。動物も植物も例外なく、生とし生ける者すべてを。

 でも、それは本当に悪だろうか。必要悪という言い方もあるかもしれないが、それは悪には変
わらない。しかし自分が生きる為に他の生命を殺めるのが悪と言えるのだろうか。自然界におい
て生きる為に狩られてしまう場合、その立場から見て敵となる存在を悪と言えるのだろうか。こ
の場合、狩られるのは自然の摂理である。ごく当たり前の事だ。なのに、それに憎しみを抱いて
しまったら──汝の敵を愛せよ、とまでは言わないが──それこそ悪になってしまうと思うのだ。
 悪とは理性に裏付けられたもので抽象的なものだ。だからそもそも自然の摂理の中に善悪を持
ち込むのが間違っている。理性は自然の外のものだ。美しいからと花を手折る。その花に憑いて
いた油虫を潰す。美しい、醜悪だ、という理由で生命を傷つけ殺める。それが悪なのだ。腹が減っ
た。だから狩りをしよう。これは悪ではない。しかし、これはどうだろう。

・貯えが少なくなった。腹は減ってないが、なくなってしまう前に狩りをしておこう。
 理由に自然の中で生きるというしっかりとした名目がある。でも……
・その貯えを腐らせてしまい捨ててしまった。
 こうとなると、状況は複雑になってくる。

 百舌鳥という鳥の“はやにえ”という行動を知る人はきっと最初に残酷だなあ、と思っただろ
う。でも、こんな鳥を生かしておくべきか、と憎んだ人はそうそういないだろう。おそらく普通
は、変わった習性だな、くらいにしか思わない。興味を持って学者になったりしても、残酷だか
ら殺そう、とはならないだろう。それをやってしまったら、それは悪だ。もちろん犯罪でもある。

 そこでだ。貯えをする人間。それを腐らせてしまう人間。これは百舌鳥の習性と同じだとは捉
えられないだろうか。理性がありそれで行動するのは人間の習性だ、と。そうなると遊びで動植
物を傷つけても殺しても、悪ではない。遊ぶのは人間の習性だからだ。
 では何をもって悪とするのかとなると、悪とは理性の上に成り立つもので、その理性を持つの
は人間だと考えられた。だから善悪を判断するのも人間なのである。人の目から見て余る行為を
人は悪とするのだ。自然の動物がいくら他の動物を襲おうが、悪にはならないのだ。
 でも、巨大な百舌鳥が現れて、人々を東京タワーの天辺に次々と串刺しにしていったらどうだ
ろう。人々はもちろん怒るだろう。そんなに危険な存在はすぐに殺すべきだ、と血気盛んになっ
て政府をも煽るはずだ。そこに動物学者が「あれは習性なのです」と言っても悪という位置付け
は変わらないだろう。善悪という考え方は人間のエゴなのかもしれない。納得できるかできない
か。きっとそれだけのものだ。

 そこで、タブリスだった頃のカヲルはどうだっただろう。彼は神の使い、もちろん動物ではな
く人間でもなかった。つまり人間には判断の付かない存在だったのだ。しかし彼は人の姿をして
いたので、彼が子猫を殺したとき、我々の目にはとても残酷に映ったのだ。もし彼が某アニメの
シシガミのような姿をしていて、吐息でその命の火を吹き消したとしたら、それほど残酷には映
らなかっただろう。ともあれ彼にはその権利があった。だからその行為に罪の意識を抱く必要も
なければ、人間の目から見て残酷だとするのも間違っていたのだ。

 でも納得できない。何よりカヲル自身が、だ。つまりそれが、彼は人間なのだという証明にも
なっている。しかし──話しは戻るが──納得できないのだ。形だけでもいい、カヲルには許す
ものの存在が必要だった。その役がアスカだ。

> この話では、アスカが「カヲルは渚カヲルである」と証しするという意味において、証人なわ
> けです。

 と、ここでようやくtambさんの感想にあったこの文と重なった。
 なるほど、こういう話しだったんだ。何である。愛である。

 いきなりここに辿り着くtambさんってすごい!


【タイトル】Re: 黒い猫/aba-m.a-kkv
【記事番号】-2147481955 (-2147482096)
【 日時 】06/04/28 19:52
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

>そこに動物学者が「あれは習性なのです」と言っても悪という位置付け
>は変わらないだろう。

 ちょっと変な話だけど、これはたぶん「悪」ではなくて「害」なんでしょう。

>いきなりここに辿り着くtambさんってすごい!

 誉められているのであろうか(^^;)。

 もしかすると、死刑執行人が「オレには人を殺す権利があるのか」って悩むみたいなもんなのかもしれないな。裁判官に権威づけられてるわけだ。

mailto:tamb○cube-web.net

メンテ

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