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肌/体温/時間
日時: 2009/05/31 00:00
名前: のの

【タイトル】肌/体温/時間
【記事番号】-2147481632 (2147483647)
【 日時 】06/08/03 00:04
【 発言者 】のの

自由とか、ありのままだとか、そういうものが一番苦手。そして一番の憧れ。

それでも紋切り型の服、声、姿勢、教科書、思想、歴史、匂い、紋章、言葉が一番楽なのは疑いようもない。

――君さえカオスなら、それでもいい。


肌/体温/時間
                                        Written By NONO


 ドアを叩いた。
 鉄と拳と錆と夏の陽射しと工事の音がすべて一緒になった瞬間だった。
 僕は赤い髪の同居人のように灼熱の怒りでそれらを罵ることはできないけれど、それなりの苛立ちと不安を抱えていた。
 それを表に出してしまえない自分がいて、出せる人間を蔑みながら羨みながら生きている自分がいる。
 それが、僕という、碇シンジという人間の成分の一部だということの事実に対する裏付けとして、今まさに僕は、さぞ形容しがたい表情でドアを叩いていることだろう。

 ドアが開く。綾波レイが顔を出す。いつも通り、Tシャツに下着だけの、目のやり場に困る格好で、いとも容易く。

「……おはよう」

 彼女が言う。眠そうな目をこすりながら。僕が頷き、口を開くのを待っているだろうか。
 それとも、特別なことはなにも考えず、暇潰しか、迷い猫を拾うような気分で僕を見ているだろうか。

「もう、昼だよ」

 嫌みに近い言いかただった。彼女が「だからどうした」という顔をしたのは一瞬で、たしかにどうでもいいことだ……と、自分の卑屈さに嫌悪し、「そうだね、ごめん」と言った。

「入っていいかな」

 彼女は無言でドア側に身体を寄せた。シャツの袖と肘がかすかに触れる。それだけで緊張と昂ぶりを表出させてしまう僕は、いかにも子供っぽかった。渇望の唾を飲みこむ。

 相変わらずの部屋だった。
 ゴミは散らばり、ロクに使われていない台所は暗く、カーテンは破れている。十四歳の女の子がしてていい暮らしではないことは明らかだけど、それを注意するか、あるいはなにがしか提案する権利を僕は持っていない。確実なことと言えば、スリッパがひとつ増えたこと。
 それをどう捉えるかということくらい難しい話はない。
 そのお返しに、お揃いの、色違いのスリッパをあげたときの「ありがとう」。と、「ふたくみあるのね」と呟いたことの意味くらい、難しい。

 僕が初号機の中から帰ってきてから、二週間がたった。退院してから十日。綾波の部屋に行くようになってから、今日で九日目になる。入院中に手を取り合ったあの瞬間を味わうためにまたここに来ているということは、よくよく自覚していた。
 一緒にコンビニに行ったとき、手を握ってしまおうかと、握ってしまえればと思ったことがある。できなかった不甲斐なさで、その日はずっと気分が悪かった。

 彼女は黙ってお茶を飲む。グラスがひとつしかないので、もう一杯注ぐと、僕に渡してくれる。

「ありがとう」

 お茶を冷蔵庫にしまう彼女の背中に一言。飲み干して水で洗い、カゴに伏せる。僕は椅子に、彼女はベッドに座る。いつも通りに。
 彼女はあくびをした。まだ眠そうだ。零号機の起動試験は昨日も遅くまでつづいたのだろう。
 十四使徒との戦いで大破した零号機の調整は、弐号機に優先して行われていた。平行して行われていないだけにスケジュールは厳しい。だから昼まで寝ているのはいつものことだし、彼女の朝食はそのまま僕の昼食となる。コンビニまで出かけて、どこにも寄らずにすぐ戻って、食べる。
 僕はいつも、四時すぎまで彼女の部屋ですごす。ほとんどは彼女に倣って本を読んでいる。あまりに間が持たない。音楽を聴いてたら、彼女が話しかけても気づけない。もっとも、彼女の方から口を開くことはまったくと言っていいほどないけれど。

 彼女は黙ってシャワールームに消えていった。同じ部屋のなかで、シャワーを浴びている綾波レイ。僕はそれをBGMにして本を読む。もちろんそうしたくてしているわけじゃない。できれば、本当は……なんて思っても無駄だとわかっている。
 僕はそこまで望んではいけない。何故かは知らない。けれど、母さんがなぜいないのかと悩むような性質で綾波のことを考えているような気がするので、それ以上は気持ち悪くなるので考えたくなくなった。

 シャワーを浴びた綾波が、紺色の地に白い水玉模様の、ツヤのある素材のハーフパンツとノースリーブのシャツを着て出てきた。マヤさんがいつかの退院祝いに綾波にあげたものだそうだ。それを着ていることを教えたら、えらく喜んでいたし、どうして知ってるのかしつこく聞かれたっけ。

「行く?」

 僕が訊ね、彼女が頷く。今日みたいな日に肌が出ている服を着た綾波を見ていると、日傘が必要に思える。と言ってももともと寝間着の服に日傘というのもおかしな話だ。だからいつも思考はそこで途切れる。
 道の途中、段ボールに入った汚い仔猫を見かけた。綾波が一瞥するのを見た。猫はかすれた錆の鳴き声で僕らを呼ぶ。誰かがそうしたように素通りした。こんなところに置く時点で、拾ってもらいたくない意図がみえる。捨てた人の望むように僕らはコンビニに入った。

「いらっしゃいませ」

 高校生のアルバイトの女の子が高い声を出している。無感動に彼女は水とサンドイッチを取り、僕はおにぎりとお茶を取る。

「こういうキャンディーって小さいころ欲しくなかった?」

 思いつきで言ってみた。棒についた丸いキャンディー。たった30円なのに買えない子供のころをかすかに思い出す。

「知らない、食べたこと、ないもの」
「そ、そう……赤い色とか青い色とかあってさ、なんか、無性に欲しかったんだ、あのころ」
「赤い色?」
「どうかしたの?」
「赤い色は……嫌い」

 会話は途切れた。
 お金はいつも彼女が払う。気がづけばそれが定着しつつある。

「暑いですね」

 店員の子がいきなり話しかけてくるので、驚いた。「そうですね」と僕が応える。話しかけられたのは綾波だけど、彼女が返事をするわけがない。

「さっき捨て猫がいたんですよ。暑そうでした」

「えっ、ホントですか!?」

「あ、はい、まあ……」

 カードで支払いを済ませた彼女が無言で立ち去る。呆気にとられた僕は急いで会釈して彼女についていった。どんな関係と思われているだろう、と少し気にしながら。

 また捨て猫の前を通って部屋に戻る。無言で食べる食事はいつもおいしくはない。

 僕は口の中だけで何度も綾波を呼んだ。孤独のために傷ついたことをアピールしたかった。

 自分を傷つけるほうが楽だというのがどれほど欺瞞か。人を傷つければ人の反応を得られるだけマシに思える。それがそのあとで自分に返ってくるとしても。

 それこそ猫にでもなれればいい。すり寄って、じゃれて、怒られて、ご飯をねだって、傍らで寝て、見送って、出迎えて、ご飯をねだって、満足げに寝て、起きたらまたすり寄って。

 僕みたいに話もせず、求めもしないで近くにいるなんて、彼女も嬉しくないだろうに。

 悶々としていた、五時近かったので、慌てて立ち上がった。

「帰るの?」

 はじめて、彼女のほうから訊ねてきた。いつもは僕が「帰るよ」と言って、頷き、見送るだけなのに。

「うん」

「じゃあ、行きましょう」

「え?」

「買い物があるから、わたしも出る」

「あ、うん…」

 この十日間にはみられない行動。すこし驚いて、一緒に出る。彼女が履いているサンダルは、やっぱりマヤさんからもらったもの。鼻緒に南国に咲きそうな花がついてる、白いサンダル。

 最初の角で行き先がちがうのだということが、彼女が信号を待つことでわかった。がっかりしながら「じゃあ、僕はこっちだから」といい、彼女は「そうね」と言って、反対の道へ消えていく。

 夜、会話のない食事をして、部屋にこもって、寝て、シャワーを浴びて、手をつけてない勉強をして、昼前に家を出た。

 毎夜さんざん悩んでも、あきらかな拒絶があるまではやめられそうにない。

 ふと、思いつきでいつものコンビニに入り、キャンディーを買った。レモン味と、ハワイアンブルー。何味ってことになるかはわからないけど、これは綾波の色に似ていたので。


 そして今日も、ドアを叩いた。
 鉄と拳と錆と夏の陽射しと工事の音がすべて一緒になる瞬間。
 僕は赤い髪の同居人のように灼熱の怒りでそれらを罵ることはできないけれど、それなりの苛立ちと不安を抱えていた。今日は期待も。
 それを表に出してしまえない自分がいて、出せる人間を蔑みながら羨みながら生きている自分がいる。
 それが、僕という、碇シンジという人間の成分の一部だということの事実に対する裏付けとして、今まさに僕は、さぞ形容しがたい表情でドアを叩いていることだろう。


「おはよう」
 彼女が言う。今日は珍しく起きている。

「もう昼だよ」
「そう」

 だからどうした、と言わんばかりの口調。
 部屋に入ると、見慣れない風景が飛び込んできた。
 小さな食卓が、ベッドの手前に置いてあった。

「これ、どうしたの?」

 思わず訊ねると、彼女は視線を泳がせて、冷蔵庫を開け、お茶を出した。

 新しいグラスがふたつ。それに注いで、なかったはずのお盆に乗せて、テーブルに置いた。

「……昨日、買ったの。ひとつしか、なかったから」
「……コップが?」
「ええ」
「じゃ、じゃあ……これは?」
 食卓の前に座った彼女が訊ねる僕を見上げた。見下ろしている自分にきづいて、慌てて座った。
「コップを乗せるお盆を買ったけど、それを置く場所がなかったから」
 彼女は素っ気無く言う。やっぱりすこし、視線を泳がせて。

 なにか意味を見出したくなる。期待も胸に膨らむけれど、妄想はやめよう。
 いまはとりあえず、食卓に座れるようになった。

「あ、あのさ、さっき買ったんだ、コレ」

 僕はあわててキャンディーをポケットから取り出した。

「食べたことないのは、いまさらだけどもったいないと思って……はい、コレ」

 青い方のキャンディーを渡した。

「ありがとう」

 彼女は素直に受け取って、包みを剥がそうとする。けれど、棒に巻きついたそれがなかなか剥がせないので、苦戦してるさまが可笑しかった。

「?」

 なにか可笑しいの?という顔の綾波に「貸して」と言い、受け取って、強引に包みを剥がして差し出した。

「このキャンディー、子供が剥きにくいっていうので有名なんだ」

 だから綾波が子供みたいに思えて、それが可笑しかったんだよ。いつか言えたらいいなと思う。
 彼女は僕が差し出したキャンディーをぱくっとくわえた。その仕草に驚いて、にやけるのを誤魔化しながら僕は、レモン味のキャンディーをくわえた。


 翌日、二人でクッションを買った。


 翌々日、部屋で料理を作った。


 渚カヲルがやってきて、十五番目の使徒がきて、綾波の部屋に行かなくなったのは、その次の日からだった。


【タイトル】『 肌/体温/時間』について
【記事番号】-2147481631 (-2147481632)
【 日時 】06/08/03 00:07
【 発言者 】のの

短編投下です。
出来は不明。
よくあるっちゃ、よくある話かな。
もうちょっと性剥き出しのシンジ君にしてもよかったけど、そこはすこしごまかしました。


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481627 (-2147481632)
【 日時 】06/08/04 08:04
【 発言者 】Seven Sisters

これに限らず、ののさんの文を読んでいつも思うのは、ああやっぱこれってののさんの文章だよな、と感じること。
つまり、そこにはののさんのちゃんとしたスタイルがある。じゃあそれってどんなスタイルよ、と言われても咄嗟には説明できんのだけど。
でも文章だけパッと見せられて、これは誰の作でしょうみたいなことを言われても、多分ののさんのなら分かるのではないかという気がする(あくまでも多分だけど(^^;)。これはエヴァ物に限った話ではなく、某所にあるオリジナル物なんかにも、やはり同じ匂いを感じる。
で、それってとっても素晴らしいことではなかろうかと、僕は思うのですよ。

あと、言葉のチョイス。

>猫はかすれた錆の鳴き声で僕らを呼ぶ。

こんな表現は、自分からは逆立ちしても出てこないわけで、この辺の言葉のセンスみたいなものは羨ましい(^^;

で、この作品。
シンジとレイの距離感。これにつきるのではないかと。
私は好きです。


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481623 (-2147481632)
【 日時 】06/08/05 13:32
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

 PYGの「花・太陽・雨」という曲を思い出した。沢田研二だぜ。

> ああやっぱこれってののさんの文章だよな

> シンジとレイの距離感。これにつきるのではないかと。

 そういうことなんだと思う。

 これを突き詰めるとどこに行くのか、というのは凄く興味がある。その距離は変わるの
か、それとも変わらないのか。変わるとすればどの方向に行くのか。距離が変わらずに突
き詰めていくというのは、すごく切ない話になるんだろうけど、読んでみたい気もする。

 ののさんみたいな文章って、書けそうな気もするけど絶対書けない。牙丸さんみたいな
のが書けないのと同じくらい書けない。それは季節なのか? それとも努力? 年季?
持って生まれたもの?


> そのお返しに、お揃いの、色違いのスリッパをあげたときの
 なんのお返しだかわからん。

> 綾波の部屋に行かなくなったのは、その次の日からだった。
 私なら、だからこそ行くようにする。それが私なんだと思う。ここに私とののさんの
違いを強く感じた。


 投下された日、時間がなかったからコメントだけ読んだ。

> もうちょっと性剥き出しのシンジ君にしてもよかったけど

 「もうちょっと性」「剥き出し」なのか「もうちょっと」「性」「剥き出し」なのか、
どっちだろうと思った。半歩前に出るけど一歩は踏み込めないシンジ君という意味では、
「もうちょっと性」は剥き出しになってない。同様に「性」も剥き出しになってない。
従って、どちらでも意味は通る。どっちで書いたんだろう。いずれにしても誤魔化して
正解だとは思うけど。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481620 (-2147481632)
【 日時 】06/08/09 06:05
【 発言者 】クロミツ

> ああやっぱこれってののさんの文章だよな

 Seven Sistersさんのおっしゃる通り『距離感』とそこに生じる『間』、『隙間』と言ってもいいかな?
これが素晴らしい。
 何かあってもおかしくない、何か起こって欲しいという期待が高まる。でも何も起こらない、起こせない
シンジの苛立ち、やるせなさ。それがいつの間にか読み手の歯痒さと焦燥感にすり替わってしまう。これは
狙ってどうこう出来るものじゃない。いや、狙ってどうこうした結果なら、「おみそれしました」と平伏する
しかありません。さすがです。


> ののさんみたいな文章って、書けそうな気もするけど絶対書けない。牙丸さんみたいな
>のが書けないのと同じくらい書けない。それは季節なのか? それとも努力? 年季?
>持って生まれたもの?
>
 物まねに近いものは書けるかもしれない。でもあくまで物まね。読んで、トレースして、なぞっていく作業。
オリジナルはここにある。勝てるわけがない。だからあっさり白旗揚げます。


> もうちょっと性剥き出しのシンジ君にしてもよかったけど
>
 tambさんの指摘するようにあいまいな表現だが、やっぱりここはあいまいで正解かな。そっちのバージョン
も読みたい気がするけど、なんとなく今回の話とは、たとえ大筋は変わらなくても雰囲気がガラリと変わるような
気がします。


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481614 (-2147481632)
【 日時 】06/08/09 22:10
【 発言者 】のの

どもです、感想ありがとうございます。
最近眼の調子がおかしく、静養してました。
したら感想をいただけているという、まこと理想的な話です(笑)

>>猫はかすれた錆の鳴き声で僕らを呼ぶ。

>こんな表現は、自分からは逆立ちしても出てこないわけで、この
>辺の言葉のセンスみたいなものは羨ましい(^^;

たぶんコレは、某漫画に刺激されているのでしょう(^^;
「錆の声」というタイトルがついた話で、そのひとのタイトルのセンスは脱帽ですが、
そういうのは自分なりに吸収して使っていけたらいいなという具合です。
その漫画のある話に「春と嘯く」という話もあります。うそぶく。
なんて素敵、みたいなね・笑(あぶない?)。

>シンジとレイの距離感

そういう意味ではこれは
「ペニー・レイン」
「このままこうして」
といった他のショートショートにも書いてるんですが、どれもつまり
「片思い」の空気なんですよね。いま思った。
やっぱりどっちかの思いはわからないように書いてあるから、距離のとりかた
がわからない。でも、思いを書いてない方も、どうも同じ空気らしい。
まさにこれは「付き合う前のもどかしい二人」の空気。
でも、この先待ちうけているのはサードインパクト(?)。

■tmabさん
 これを突き詰めるとどこに行くのか、というのは凄く興味がある。その距離は変わるの
か、それとも変わらないのか。変わるとすればどの方向に行くのか。距離が変わらずに突
き詰めていくというのは、すごく切ない話になるんだろうけど、読んでみたい気もする

……たぶん、競作の「花言葉」みたいになるんじゃないかなと思います。
この世界の二人は、残念ながら距離が縮まらない、もしくは縮まっても
サードインパクトの後も一緒にいられるという想像はしていません。

>なんのお返しだかわからん
ああ、たしかに書いてない(笑)
シンジ君がくるようになってからスリッパが増えたから、レイが使ってるぼろぼろのスリッパじゃなくて、
新しい、お揃いのを買ったということです。前つかってたのは捨てた、と。そういう流れです。

ちなみに、「もうちょっと」「性」「剥き出し」です。
生臭くなるからやめたという話。結果的には、前に書いたようなSSと同じ
系統になってしまいつつも、ま、よかったかなと。

■クロミツさん
おひさしぶりです、感想アリガットさんです。
お褒めの言葉にデレデレです。はい、気持ち悪いですね。

>でも何も起こらない、起こせない

14歳の子供になにかできる事態なんて、エヴァの世界にはなにひとつねえな、というのが
現在の僕の考えです。昔だって、なんとかするために僕は、シンジを
スパシンにするという手段を用いたくらいですし(爆)
だから、本編時系列でシンジとレイの話を書くときに、シンジには危機
だとか壁を乗り越えるようにはしていないっす。
ああでも、レイとの関係に対しては一歩踏み込ませることもあるけれど。今回はなしです。
そんな男らしいのはシンジ君じゃないです(爆)

なお、クロミツさんには僕も幾度も白旗を挙げているので、おあいこです(笑)


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481612 (-2147481632)
【 日時 】06/08/10 20:38
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

> この世界の二人は、残念ながら距離が縮まらない、もしくは縮まっても
> サードインパクトの後も一緒にいられるという想像はしていません。

 「綾波の部屋に行かなくなったのは、その次の日からだった。」からストレートに想像
できるように、距離は、少なくとも縮まらないと。でもこれは、変化がないということじゃ
ないと思うんだけど、どうなんだろう。

> シンジ君がくるようになってからスリッパが増えたから、レイが使ってるぼろぼろのスリッパじゃなくて、
> 新しい、お揃いのを買ったということです。前つかってたのは捨てた、と。そういう流れです。

 どうでもいいのかもしれんけど、なぜか気になるので(^^;)。

 つまりシンジは、「そのお返しに」にスリッパを買ってあげたんですよね。ということ
は、レイはシンジに何かをしてあげたわけだ。何をしてあげたのかということなんですが。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481609 (-2147481632)
【 日時 】06/08/11 00:07
【 発言者 】tama

改めて思うに、この動いてるような、そうでないような感じがシンジとレイなんだなと思います。
二人でいるときの空気の感じが読んでいて感じられて、いいなーと思いました。

レイのこっぷを買ってくるというような、やわらかな変化をいとおしく思います。

そのぶん最後の「行かなくなった・・・」は痛すぎて(泣

>「錆の声」
・・・「瞼の光」のヒロインと主人公がはじめシンジとレイにみえて・・・。お母さんもユイかと思いました。たぶん悪い病気なんだと思います、私が(爆
TV版がものすごく出来がよくて。そのうちDVD買おうと思います(笑


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481608 (-2147481632)
【 日時 】06/08/11 09:16
【 発言者 】Seven Sisters

>「錆の声」
ちょっと興味あるかも。誰の作品なんでしょ?

漫画と言えば、今ハマってるのが二つあって、一つ
は萩尾望都。この人は手塚治に勝るとも劣らない天
才だと思う。

で、もう一つはゴルゴ13(爆)
いや、真面目に面白いですよゴルゴ。
国際情勢のお勉強にもなるし、多分w


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481599 (-2147481632)
【 日時 】06/08/12 14:02
【 発言者 】のの

どもどもレスどーもっす。

>tambさん

いま思うと「ふたくみあるのね」はいらないですね。
つまりレイちゃんがシンちゃんのためにスリッパ買ってきたと、シンジくんは「みなした」という話を挿入したかったんです。

>tamaさん

おひさです。あいかわらずお忙しいようで(^^;
動いているけど、外に出ない感じ(?)
本編で言うと、15話の、エレベーター。16話でのラスト。
あそこが一番好きです。レイがけなげで。
いま思うと、アニメで心が動いたのはレイの方で、シンジは
方々に散らばっているんですよね。ミサト、レイ、アスカ、
なによりゲンドウ。
そこを、すこしだけレイに向けた話をショートショートで書くのは楽しいっす。

『蟲師』見破られた!
「瞼の光」、1巻177ページの3コマ目にレイを見ました(具体的すぎる)
たぶん僕も同じ病にかかっているんだと思います(爆)

>Seven Sistersさん
アフタヌーンで隔月連載している『蟲師』という漫画です。
国内にいれば説明する必要ない気がしますが(爆)良作です。
ベルクソンを思わせる世界。

萩尾望都は天才です(きっぱり)。
大丸さんとゆー方と、昔そんなトークしたなあ(『LOST LOVE』の作者さん)。
『AA'』はシンレイものですし(馬鹿)。
あとは「ウは宇宙船のウ」内収録の『宇宙船乗組員』は、あまりに
悲しいおはなしです。必読。
70年代の萩尾望都は神です。多作だし。短編が多いのも魅力。


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481596 (-2147481632)
【 日時 】06/08/14 21:42
【 発言者 】なお。

切ないなあ。シンジがレイと逢う理由は、好きには好きなんだろうけど、好きだからどうしようというのではなく、構って欲しいってだけで、この行動は「誰か僕にやさしくしてよ」って叫びそのものって感じがしました。

これは性剥き出しにしても、なにもできないだろうねシンジは、恐くて。

と、シンジはいいです。問題はレイ。レイはシンジに感心を持ち始めてる。でも、シンジはこの距離からそう簡単に一歩を踏み出せないだろうなって思った、なんとなくだけど。(たぶん余裕がない子供だからだと思う)

レイがシンジのことをどう思っているかにもよるけど、レイには、かなりきついだろうな。言葉も少ないだろうこの二人には、互いを知るための時間をあげたい。とくにシンジには成長する時間をあげたい。男と女として出逢うにはこの二人は早すぎる。とくにこのシンジには荷が重い。レイもしかり。

しかし無情にも、最後の時はやってくる。追い詰められて逃げられなくて、やさしくして欲しいというのも本当は、助けて欲しい、だろう。でも誰にも頼れなくて、同じ境遇の少女に助けを求めてる。でも少女は彼以上に何もなかった。少女はとくに理由もなく受け入れた。断る理由がなかったから。でも次第に心開くようになった。しかしそこまで、はいさよなら。辛いよ、これは。


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481595 (-2147481632)
【 日時 】06/08/15 01:10
【 発言者 】のの

■なお。さん
毎度ていねいなレスアリガットさんですm(__)m
そして……この話、分解するとそういう話ですね。
なんてことだろうか、気づかないうちにそんな絶望的な話書いてたのか。

そうなんですよね。
僕が書く本編系レイは、基本的に空手です。なにもない。
感情はあるし、憶えてきているけれど、他人の感情を請け負うほど
できた人間じゃない。未成熟です。
だって「これがわたしの心、碇くんと一緒になりたい……」ですから。
シンジが逃げ場とするには無垢すぎるなあとは思います。

だからシンジは強くなれよゴルァって話なんで、ちゃんとした話を書く場合は
強くなってんですけど、今回は僕史上最低のシンちゃんかもしれません。


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481594 (-2147481632)
【 日時 】06/08/15 01:43
【 発言者 】なお。

シンジは至上最低かもしれないけど、この作品は好きですよ。皆が書いてるけど二人の距離感と切なさがたまらない。


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481591 (-2147481632)
【 日時 】06/08/16 20:16
【 発言者 】Seven Sisters

>蟲師
蟲師ですか。本屋で手に取ったことくらいはあるか
もしれません。ただ絵柄が好みでなかったため、食
わず嫌いを起こしてたような。
今度機会があったら読んでみます。

>萩尾望都
私はまだビギナーなので、「ポーの一族」や「11
人いる!」とか、有名どころしか読んでません。
でも萩尾望都を読んでいると、果たして漫画という
ジャンルは、昔に比べて本当に進歩しているのかし
らんと思ってしまいます。そのくらいの衝撃。すごい。


【タイトル】Re: 肌/体温/時間
【記事番号】-2147481569 (-2147481632)
【 日時 】06/08/28 00:18
【 発言者 】パッケラ

>『AA'』はシンレイものですし(馬鹿)。

一角獣種シリーズか、懐かすいな

メンテ

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