嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？ |
- 日時： 2009/05/31 00:00
- 名前： aba-m.a-kkv
- 【タイトル】嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？
【記事番号】-2147481586 (2147483647)
【 日時 】06/08/20 01:10
【 発言者 】aba-m.a-kkv
ぱたん その音がこの“海”に響いた
私は、本を閉じる
古い、古い、ヒトが生まれるよりも
この星が誕生するよりも
前に
前に
全てのシナリオが、誰でもない誰かによって描かれた時に
綴られた古い本を
私は閉じた
そこに刻まれた物語を
過去に描かれ、未来へとその扉を伸ばす物語を
自分がそこに深く関わり、コアとして踊る、そんな物語を
私は閉じる
嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？ aba-m.a-kkv
そこに描かれていたのは
取捨選択の物語だった
二つのうち、一つを選べ
自由意志と実行の中にあって
私は本を読んで、自分の役を知った
ヒトと同義の使徒として
その差異、０．１１％の中に、シナリオを変革する権威を与えられて
私は物語を踊ることになっていた
編著者としての権威が、私の使徒の核に刻まれて
でも、私は、全てが始まる前に、本を読んだ
古い、古い本を、その全てのシナリオを、初めから終わりまでを、アルファからオメガまでを
その全てを読み通した
まだ、編集の加えられていない
プロットのままのシナリオを
私の権威から来る、最初の特権、最初の仕事、最初の役を果たすために
『感想は？ リリス』
本を閉じた時に
誰でもない、“作者”に、頭の中で尋ねられた
感想を、求められた
全てを、全てが始まる前に読んだ、最初の読者として
「嫌いです……
それに、私はリリスじゃない」
率直な、何の飾ることも無い、感想を述べた
自分の本心を
『また、ストレートな』
「嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？」
『いや、そんなことはないよ
ただ厳しい、が、確かにそうかもしれない
私の作品は、バッドエンドになることが多い
だから、君がいるわけだがね』
“作者”は、苦笑いを浮かべながら前半をいい
そして、ニマッと笑って、最後の一言を付け加えた
「いいんですか？ 私が、編集しても」
私がそう尋ねると
“作者”は微笑んだ
『かまわないさ
私だって、バッドエンドが好きなわけじゃない
できれば、ハッピーエンドな話が好きだからね
だから、君がそう編集してくれればいい
私の言いたい、コンセプトさえ変わらなければ、私の作品に関しては、君に一任しようと思っているんだ
だから、君という権威の存在を、この物語の中に置いたのだからね』
私は、目を見開いた
気まぐれなものだ、そう思っても口には出さなかったが
それでも、“作者”は笑っていた、考えが顔に浮かんでいたのだろう
“作者”は掌を開いて伸ばして、促す
“新世紀”は君の手の中にある、描いてみなさい、と
「なら、やらせていただきます
私は、この物語の中に在って
踊らさせていただきます
私の権威に従って、この物語を編集し、バッドエンドからハッピーエンドに変えてみせます」
私の意志を込めた返答に、“作者”が急に真摯な表情になって頷いた
『君という編著者は、率直な感想を持ってくれて助かる
そうでない場合で、私は、幾度も世界という物語を作り出しては滅亡させたからね
故に、とてもうれしいことだよ』
私は本を抱える
そして、紅い眸を“作者”に向けた
「嫌いな話は、嫌いですから」
そういって、きびすを返す
本の物語、その始まりの世界へ
愛しい彼が待つ、残酷な世界へ
自分の編著者としての使徒の権威を、そのコアに刻んで
“作者”の部屋を出ようとする私の背中に、“作者”が声をかけた
『幸せになってくれ、綾波レイ』
私は振り返りはせず、でも微かに礼をして、セカンドインパクトの扉に手をかける
扉を開く音が、この“海”に響いた
【タイトル】Re: 嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？
【記事番号】-2147481585 (-2147481586)
【 日時 】06/08/20 01:12
【 発言者 】aba-m.a-kkv
綾幸五周年、おめでとうございます！！
今後ともよろしくお願い致します。
それと共に、さらなるＬＲＳ＆ＬＡＫ（笑）の発展に寄与されること、そしてサイトの発展を祈っております。
【タイトル】Re: 嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？
【記事番号】-2147481582 (-2147481586)
【 日時 】06/08/22 03:20
【 発言者 】クロミツ
読み辛いのではなくて、読み取り辛いな、と思いました。
“作者”というのが何か大いなる存在なのか、文字通りの書き手を指すのか
なぜ、ハッピーエンドが好きな作者の書くシナリオはバッドエンドばかりなのか
ここで云う”レイ”は本当に劇中のレイなのか、同一人物なら何故セカンドインパクトの場面からなのか
途方もなく昔に書かれた本が始まりの世界なら、なぜ彼女は愛しい”彼”を知っているのか
実は過去に何度か繰り返し、失敗に終わった物語の改変を、いままた果たそうとしているのではないか
など、いろいろな意味を内包していて、読み手によって解釈がまるで変わってくる気がします。
きっとaba-m.a-kkvさんの狙い通りなんだろうけど。(笑)
>「嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？」
>
いけなくはないけど、本人と面と向かっては云い辛いよなぁ、やっぱ。^^;)
そのへんがレイらしい。
【タイトル】Re: 嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？
【記事番号】-2147481580 (-2147481586)
【 日時 】06/08/23 20:55
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>
割とストレートに「作者」＝「神」と読んだ。
神様っていうのは（サタンに自由を与えたように）勝手なものだから、こんなん出来たよ、あとは適当に遊んで、見てるから。っていうのは比較的受け入れやすいかな。
> ハッピーエンドが好きな作者の書くシナリオはバッドエンドばかりなのか
遊んでるんだと思う。自分の作った人物が、このプロットをどう変えていくかを見ようとしてる。
> そのへんがレイらしい。
確かに(笑)。思ったことは言うタイプですわな。
mailto:tamb○cube-web.net
【タイトル】Re: 嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？
【記事番号】-2147481579 (-2147481586)
【 日時 】06/08/24 01:40
【 発言者 】aba-m.a-kkv
クロミツさん、tambさん、レスありがとうございます。
この「作者」は、ストレートに死海文書の筆者、根本のシナリオを描いた存在をあてました。
なぜバッドエンドが多いのか、遊んでいるっていうのも一つかもしれませんし、試しているというのも一つかもしれません。
人の力、あるいは編著者の力や理解を試しているのかもしれません。
ここで描かれているレイは、はじめに創られたもの、「言葉」と似たものかもしれません。
セカンドインパクトのとき世界に降り立った瞬間に劇中のレイに変わったのかもしれませんし、変わらなかったのかもしれません。
あるいは、意志を残したまま変わろうと望んだのかもしれません。
セカンドインパクトからなのは、あれが全ての始まりだと私が思っているから、というだけなんですが。
「彼」を知っているのは、ＬＲＳですから、ということで（笑）
この世界はもう何度もバッドエンドを迎えていているのかもしれません。
あるいは本編エヴァはレイが死海文書を読んだときの映像なのかもしれません。
死海文書を閉じてあのストーリが終わり、読んで変えようとするレイが生まれて物語が新たに始まるのかもしれません。
しれません、ばかりですが、読み手によっていろいろな解釈があって、それぞれに物語がうまれたらいいなあ、とも思います。
この「作者」とカヲル君を会わせてみて、実は私がタブリスに望んだ役割は人を裁定することじゃない、みたいに言わせてＬＡＫに持っていったりしても面白いかなと思ったりしますし（笑）
意外と、アダムやリリスのように使ってみると面白いキャラクターかな、なんて思います。
いろいろなことが出来そうで（でも逆にいろいろ出来そうでダメなのかもしれませんがｗ）
> そのへんがレイらしい。
この台詞を言わせてみたくて書き始めました（笑）
レイなら素直に言うだろうな、と。
【タイトル】Re: 嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？
【記事番号】-2147481571 (-2147481586)
【 日時 】06/08/28 00:21
【 発言者 】パッケラ
偏屈な紙、いやティシュペーパーより薄い神が言いますた
キャラの意思介入を認めない、つか勝手に動くなｗ
例え多分裂する人格の一つが破滅を求めても
それは唯の例だ
我々には義務は無いが権利は有る
物語をハッピーエンドにする権利が
駄菓子下肢、神はラーマ（昔のマーガリンの商標）より軽かった
早々ハッピーなぞにしてやらん、その方が面白いからｗ
【タイトル】Re: 嫌いな話を、嫌いといってはいけませんか？
【記事番号】-2147481527 (-2147481586)
【 日時 】06/09/25 01:04
【 発言者 】なお。
> 読み辛いのではなくて、読み取り辛いな、と思いました。
ええ、読み取りずらかったっすよ。
ぶつくさ文句を付けるなら、納得のいく話ってやつを自分で書いてみろって暗に言われているようで（爆）
そんなつもりはもちろんないのでしょうが、それだけ最近何も書いてないと自分で気にしてるんですね（笑）
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