有限の日々4/tokia |
- 日時: 2009/05/31 00:00
- 名前: tamb
- 【タイトル】有限の日々4/tokia
【記事番号】-2147481395 (2147483647) 【 日時 】06/12/18 21:55 【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>
レイは月、アスカは太陽に喩えられることが多いわな。ここでのレイは本当に冷静で、太陽との対比という意味で月と呼ぶにふさわしいような気がする。でも同時に母親的な慈愛にも満ちている。
tokiaさんともメールで話してるんだけど、今回は、
> 「でしたら、弐号機パイロットの身分を返上します」
> エヴァのパイロットであること。それは彼女の全てだった。だが、身分惜しさに命令に従うという > プライドのない真似は、絶対にしたくなかった。
改行位置は変更してますが、ここに注目したい。 エースであり続けるプライドと身分を返上するというプライド。 ここでの彼女には、迷いがない。それが嬉しいんだよな。私は。
作品はこちら。次回最終話を待て。
http://tamb.cube-web.net/cont/tokia/tokia01d.htm
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【タイトル】Re: 有限の日々4/tokia 【記事番号】-2147481392 (-2147481395) 【 日時 】06/12/21 02:47 【 発言者 】tokia
実はこの「有限の日々」というのは、私がエヴァ2をプレイしている最中に実際に起きた展開から生まれた話です。それは第4話〜第 5話に相当する部分であるため、まず終盤の構想が出来上がってから、逆算して、第1話時点での人間関係や序盤の展開を決めることに なりました。最初に考えた箇所であり一番書きたかった箇所でもある第4話にようやく辿り着けたなぁ、というのが今の素直な気持ちで す。 今回の話に備えて、第1話の段階からアスカとシンジの関係、カヲルとシンジの関係というものを折に触れて描写してきたつもりです し、逆にレイの影はわざと薄くしてきたつもりですが、果たして効果を挙げていますかどうか。みなさんの御感想をお聞かせくだされば 幸いに思います。
> エースであり続けるプライドと身分を返上するというプライド。 > ここでの彼女には、迷いがない。それが嬉しいんだよな。私は。
この局面でアスカが「迷わない」ことが不自然ではないよう、何とか描けましたかね。 家族だと思える少年や、心が壊れそうな時に傍にいてくれた少女もまた、今の彼女を支えているのだ――と本文中に書こうかとも思っ たのですが、やめました。そこまで書いてしまうとあざとくなりそうでしたし、アスカのキャラを考えると少々微妙でしたから。
初稿の段階では、
> エヴァのパイロットであること。それは彼女の全てだった。だが、身分惜しさに命令に従うという > プライドのない真似は、絶対にしたくなかった。
の直後が「もういい、下がれ」「はい、失礼します……って、まだ何か?」な遣り取りでした。人類なんか知ったことじゃない、とい う自己中心的精神全開な思考は後から付け加えた部分です。なのに今ではこの後付け部分が一番気に入っているのですから、我ながら分 からないものですね。 まだ十年ちょっとしか生きていない女の子でなければ言えない、あるいは、そういう女の子だからこそ言える「人類なんかより私自身 の誇りと想いの方が大事」。私はこれを彼女に言わせるためにこの小説を書き始めたのかもしれない――今ではそうとさえ思います。
後は最終話を残すのみ。上手く着地させられるよう、頑張ります。
> でも同時に母親的な慈愛にも満ちている。
……言えない。私がイメージしていたのは母親や慈愛の対極にある「漢らしいたくましさ」だったなんて、tambさんにはとても言えな い。まして「レイは全キャラ中屈指の漢前だと思います。『萌え』というより『燃え』ですよ!」なんて口が裂けても言えない……!(笑)
【タイトル】Re: 有限の日々4/tokia 【記事番号】-2147481390 (-2147481395) 【 日時 】06/12/21 21:27 【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>
> 果たして効果を挙げていますかどうか。
最終話待ち(笑)。
> 人類なんかより私自身の誇りと想いの方が大事
これはね、色々言われますが、そうあるべきだと思うんですよ。人類を滅ぼす事が自身の誇りと想いに照らし合わせてどうなのか、という問題は、その先にあるべきなんです。
> 私がイメージしていたのは母親や慈愛の対極にある「漢らしいたくましさ」だったなんて
母性の究極ってたくましさだと思いますよ。両極ってのは紙一重なんです。ですが、
> レイは全キャラ中屈指の漢前だと思います。
これは看過し難い(笑)。 というか、そんなに漢前を目指さなくてもいいのにと思うんですが。
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【タイトル】Re: 有限の日々4/tokia 【記事番号】-2147481388 (-2147481395) 【 日時 】06/12/22 22:43 【 発言者 】あいだ
もしかすると、tokiaさんの作品に感想を書くのは初めてかもしれません。
意図的に初めまして、とでも申し上げましょうか(笑)
4話、キましたね。
私は自他共に認めるアンチLAK派(LAK書くぐらいならLASを書くと思っているぐらい)なんですが、この回のアスカにはやられました。
全編剥き出しの少女。生の感情が心に突き刺さりました。 読み返した3話のカヲルの気持ちにも震えるものがあります。 精神のトレースでは描ききれない情感の襞とでも言えばいいでしょうか。
サブに回った側のキャラクターもうまく要所要所でいい役どころを演じていると思います。
もう語られている事ですが、アスカの最後のシーン。 余計な台詞や情景描写、説明がなく、アスカの言葉そのもので語られているところが良しかと。 私なら、多分tokiaさんがあえて省いた部分を書いてしまっているような気がします。
一つだけ個人的に残念なところがあるとすれば、アフターでもアナザーでもないが故の贅沢な注文なんですが、アスカはこんな言葉遣いするかな? って思ってしまいました(笑) まぁそれだけなんですが^^;
個人的傑作として私の心には残るでしょう。
あとは最終話を待つのみです。
【タイトル】Re: 有限の日々4/tokia 【記事番号】-2147481382 (-2147481395) 【 日時 】06/12/26 02:47 【 発言者 】aba-m.a-kkv
この静かなゾクゾク感は久々です。 浸るというよりも、飲まれてしまいました。
LAKの場合、シンジやレイの描写が疎かになる(私の場合ですが)ことが多いような気がするんですが、 tokiaさんのこの四話ではシンジもレイも重要な役割を演じていて、なんとも素晴らしかったです。 レイとアスカのやり取りが、なんとも沁みました。
>……『アスカもきっと待ってるよ』って言ったら、カヲル君……泣きそうな顔をしていたよ?」 シンジのこの言葉にグッと来るものがありました。
本編でのカヲル君はどうやっても生還する術を持ち得ない印象を覚えましたが、三話の心理描写とアスカの存在、 カヲル君が生きようとする想いに繋がった部分がこの一言に凝縮されているような気がして、それがLAKなんですが、 これ以上シンプルで的確なものはないなと思いました。
ラストのアスカの毅然とした部分がLAK的アスカ好きな私としてはとても嬉しかったです。 tambさんと同じですね。 流星群なんかでも書きましたが、私はLAKの中でアスカにはエヴァを中核とした存在意義への固執から解放してあげたいと思っています。 私はその役をカヲル君にやってもらうことが多いのですが。 カヲル君がきっかけであれ、アスカが自分自身から自分自身を縛っていたものを解くのを見れたのはとても嬉しいです。
全体を通して、tokiaさんの心理描写は目を見張るものがあります。 素晴らしいです。
次が最終話、とても楽しみにしています。
【タイトル】Re: 有限の日々4/tokia 【記事番号】-2147481379 (-2147481395) 【 日時 】06/12/27 03:41 【 発言者 】tokia
■あいださん
では私の方からも、初めましてと御挨拶させていただきます(笑)。
LAKにあまり興味のない方にも読んでいただけたらいいなぁ、と思っていましたが、まさかアンチLAKな方に評価していただけ るとは……! ありがとうございます!
わがままに、我(われ)がままに――。昔読んだ漫画の中にあったこのフレーズが、執筆中に何度も頭に蘇りました。 レイが良くも悪くも漢前(笑)なイメージなのに対し、アスカは良くも悪くも少女でしかないと思います。本人が思っているほど大 人じゃない、わがままな子供。ただ、そんな彼女だからこそ出来ることや言えることがあり、そんな彼女だからこそ好きになった少年 がいる。突然の事態に狼狽し、泣き叫んでも、それだけで終わったりしなくて、最終的には自分の足で立ってみせるアスカが書きたかっ たのでした。
>アスカはこんな言葉遣いするかな?
違和感がありましたか……。自分の中のイメージばかりが先行し、原作とは食い違ってしまっているかもしれません。精進します。
■aba-m.a-kkvさん
な、何だか色々とお褒めに預かり、身に余る光栄です。 下手な最終話を書いて失望されないように頑張らねば(汗)。
設定の拝借元であるエヴァ2が、タブリスと対峙するのはあくまでシンジ一人ということにしているため、この話でもカヲルの説得 はシンジにやらせると最初から決めていました。では二人が戻ってくるまでの間、アスカは誰と絡ませるかとなると……やはりレイし かいません。そういう経緯で、物語上でのシンジとレイの位置付けが自然と決定したわけです。 タブリス戦込みの話である以上、アスカ以外のキャラとの絡みも織り込んだ方が、カヲルの孤独感や「ここで生きていけたら……」 という想いを描きやすいだろうとの計算もありました。成功しているかどうかは、tambさんのおっしゃっている通り最終話次第なので しょうが。
事に及ぶまでのカヲルの心情は3話で描き切ったつもりですので、4話内に彼の直接描写は一切入れなくても、「アスカもきっと 待ってるよ」と言われてどんな気持ちだっただろうかと、読み手の方に想像していただけることを期待しました。汲み取っていただ けて嬉しいです。
>流星群なんかでも書きましたが、私はLAKの中でアスカにはエヴァを中核とした存在意義への固執から解放してあげたいと思っています。
エヴァに乗らなくても(乗れなくても)アスカはアスカなのですし、エヴァ以上に大切なものだって持てるはずなんですよね。その ことに大切なものが出来てから気付くか、そのことに気付くことで大切なものが出来た自分を悟るのか。どちらが先であるにせよ、い つかは呪縛から解き放たれてほしいものです。
【タイトル】Re: 有限の日々4/tokia 【記事番号】-2147481370 (-2147481395) 【 日時 】06/12/30 17:45 【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>
> >アスカはこんな言葉遣いするかな? > 違和感がありましたか……。
アスカとゲンドウの会話は本編にはなくて、貞本版で「期待しているぞ」「はい、頑張ります!」っていう会話があっただけ(だったと思う)ですから、カヲルをどう描くかと同じく難しいですよね。それぞれにイメージがありますから。 私的にはそんなに違和感がなかったというか、ああこういう風に話すんだなと思ってしまいました(笑)。 ぶっちゃけどうなんでしょうね。もう少し緊張感があるべきなのかもしれませんが、状況的な問題で開き直ってしまえばこんな感じなのかもしれません。
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