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11秒97/のの
日時: 2009/05/31 00:00
名前: tamb


【Date:】 3 Sep 2008 23:50:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 11秒97/のの

 これも消滅した「Eternal Moment」からのサルベージ。

 超えるべき壁っていうのは、カヲルの破れなかった壁であると同時にシンジとレイの壁
でもあるのかな、と読んで思った。
 レイは誰かを殴りたかったんだろうし、シンジは殴って欲しかったように思える。それ
はやむにやまれぬ衝動かもしれないし、もしかするとそうすることでカヲルの死を乗り越
えられるような気がしたのかもしれない。でもそれは無理な話で、だからシンジはカヲル
の超えられなかった壁を超えようとする。でも所詮、死者を超えることはできない。だと
したら走りつづけるしかない。
 もうひとつ問題になるのは、レイがどうやってカヲルを超えるのか、だと思う。

 実は、死者をいかに超えていくかが主題であるという点においては「Life Work」と同
じであろう、と私は読んだのだった。「Life Work」は超えられない絶望を、あえて書け
ば純文学的に描き、「11秒97」は追いつづける希望を描いたのではないかと。

作品はこちら。
http://tamb.cube-web.net/cont/nono/nono_em_1197.htm



【Date:】 4 Sep 2008 00:41:00
【From:】 "のの"
【Subject:】 Re: 11秒97/のの

たまたま公開時につけたのです。
なのでレスが超早いよ。

なにしろ6年も前なので意図やらなにやらほとんどさっぱり忘れてしまった。
ただ、tambさんの感想を読んで、17歳の僕だから書いたんだなと思います。
死んだら自分の思いは伝えられない、という捉え方をするシンジ君ですが、
こっちに限って言えばレイがそれを見てどう思うかで、色々変わってくる
のかな。もちろん個人でなんとかせにゃならんけれど、死んだ人よりも歳
喰ってくし、生きてる人とは一緒に老いるのだから、そこは生きてる人
同士で肩貸し合うときがあってもいいと思う。

■余談
「君は僕を許さなくていい」というのは、
萩尾望都氏の『ポーの一族』のエドガーの台詞からきておりますです。
愛憎半ばの相手に「許すな」という強さが、このレイにどう影響を及ぼしたのかなあ。


どうにも昔の自分の精神構造研究みたいになって、うまく言えない(汗)




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