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描くココロ/JUN
日時: 2010/03/03 20:43
名前: tamb

 静かで暖かな出だしから、レイが失声症(というらしい)であるという事実が明かされる流
れは結構凄い。
 でも、そこでの作品に対する期待感を後半部が受けきれなかった感は、正直ある。
 レイが言葉を必要としなくなったという流れは説得力があるし、金庫の比喩もなるほどと思
う。「私がいなくなった」というフレーズは凄いし、ケンスケは健気だ。
 じゃあ何がダメなのかというと、もちろんあくまでも個人的意見だけど、「無視する」とい
う手法がアリなのかどうかを考えた時に、そりゃナシだろ、と思ってしまったのですよ。
 人によってアイディアの出し方はいろいろだと思うけど、レイが失声症というアイディアが
あって、そこから回復というプロセスを考えた時、私なら最初に何を喋らせたいかを考えるわ
な。で、ぱっと浮かんだのは「何を言うのよ」と「いじわる」だった。これだけでストーリー
はほぼゲロ甘決定となってしまうのが何ともあれなんだけど(^^;)。

 それはともかく、「無視する」というネタがどういう流れで出てきたのかが気になるところ。
失声症から即「無視」を思いついたのか、それとも、例えばシンジに逃げさせるという行為を
取らせるために思いついたのか、とか。

 全体的な流れは悪くないし、文章も水準以上なだけに、ちょっと惜しい感じ。
 誤解を解くとか謝るというのは言葉を尽くさなければならないことのひとつではあるんで、
そこをもう少し押せればな、と思います。

 急に思いついた。「綾波は、喋らないからね」というシンジのセリフをレイに聞かせると、
異常に残酷な話になるかもしれん。シンジにとってもレイにとっても。

 ゲロ甘度はJUNさん比では結構低め。でも絶対値としてはそこそこある(笑)。ラスト付近で
小悪魔っぽくなるのはJUNさんの持ち味か。

作品はこちら。
http://tamb.cube-web.net/cont/jun/jun04.htm

メンテ

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Re: 描くココロ/JUN ( No.1 )
日時: 2010/03/03 21:42
名前: JUN

tambさん、公開、ありがとうございます。
失語症というアイデアそのものは、割と前からあって、アマイココロを書く前から書くことを決めていました。
影響下に二つの商業作品があり、一つはドラマ化もされたりして、僕の認識ではかなり有名な作品です。失語症はここから受けました。
もう一つは最近友人にもらった本で、作者は有名な方です。奇しくもその本も失語症で、音楽だけが意思疎通の唯一の方法、という少女の話です。
問題の無視、ですがここから受けていて、彼女のバイオリンを取り上げ、唯一信頼しているおじいさんも冷たく突き放す、とそんな話です。言葉に出したい、その心が彼女の言葉を取り戻させるような話です。まんまですね(汗)
で、レイもシンジに依存しているだけじゃダメだなと。一回距離とろうぜと。アマイココロの後だからかもしれませんが(苦笑)嫉妬も書きたかったし。
いつかゲロ甘と宣言した段階では、前者の商業作品の路線だったのです。
アイデアは受けてますが、フレーズだけはオリジナル(鉛筆の以外)という、かなり変な話です(汗)
以上、言い訳でした(笑)
メンテ
Re: 描くココロ/JUN ( No.2 )
日時: 2010/03/03 22:33
名前: タン塩

うーむ「惜しい!」という感想はtambさんと一緒なんですが、その理由はtambさん
とは違ったり。「レイが失声症」という設定を見た瞬間キタ━━━(゜∀゜)━━━!!と
思ったんですが、後半流れが緩み過ぎるというか、ベタになり過ぎというか。
無視もアリかな、とは思うしケンスケとの絡みもアリだろうと思うのですが、
口きけるようになったレイとシンジのやり取りがちょっとベタ過ぎるというか、
喋り過ぎだろレイ、と。二人の仲に嫉妬を絡めるのはいいんですが、ちょっと
こじれさせ過ぎて、そのあとの和解がご都合主義っぽく見えてしまったりとか。

しかしこれまでのJUNさんの作品と比べて、野心的な構想が素晴らしい。
この方向性で行ってほしいと思います。
メンテ
Re: 描くココロ/JUN ( No.3 )
日時: 2010/03/03 23:22
名前: JUN

タン塩さん、コメントありがとうございます。
失語症のネタそのものは結構気に入っているので褒めていただけて光栄です。後半はいい流れが思いつかず、結局どこかで見たような流れになってしまいました(泣)
この方向性で行きたいというのは僕も同じなのですが、こういうのをちょくちょく思いつけるかは正直かなり自信がないので、というか無理なので、また退行してしまうかもしれません(汗)
温かい目で見守って欲しいと思います。
メンテ
Re: 描くココロ/JUN ( No.4 )
日時: 2010/03/06 01:47
名前: calu

こんばんは。caluです。

失語症という設定。そして物語前半の二人の描写もすごくいいですよね。やや極端とも思える表現とかは、やはり若さ故、でしょうか(笑)
しかしそれをカバーして余る程に、登場人物に対しての思いやりもヒシヒシと伝わってきますよね。

一点だけ、
>最初に気がついたのは、やはりシンジだった。
の部分ですが、サードインパクトを乗り越えてレイがどんな風に帰ってきたのかは解らないのですが、ネルフも元通りだったのでしたら、
最初に気づいたのは、やはり……リツコだったのではないかなと思います。それでシンジが気付いたタイミングで、既にリツコはあるシナリオ
と共に動いていた――、なんて同時進行させると物語に厚みが加わるような気がするのですが…なんて生意気なコメントをご容赦ください。

最後は、お約束のJUNさん節で糖分補給させて頂きました。いずれにしましてもJUNさんの新たな気概を感じる作品でした。
次作も楽しみですね。
メンテ
Re: 描くココロ/JUN ( No.5 )
日時: 2010/03/06 19:54
名前: JUN

caluさん、コメントありがとうございます。
確かにシンジが先に気づいたというのは無理があるかもしれませんね(汗)
ストーリーを同時進行で展開させる、というのは思いつきませんでしたが、いずれやってみてもいいかもしれません。
その辺のセンスはさすがcaluさんです(笑)
多分そういうのを書くとしてもリツコを悪人に出来ないあたりが僕の弱さですが。
余談ですが、キャラを極端に黒くすることが僕には間違いなくできないということを追記しておきましょう。ですが、そのアイデアはいずれどこかでやってみようと思います。
次はどうするかはまだまるで分かりませんが、また読んで頂けたら光栄の極みです。
caluさんの作品も、首を長くして待ってます!
メンテ

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