Re: 突発短編集(予定)《掌話的小 ( No.12 ) |
- 日時: 2014/06/08 11:59
- 名前: 何処
【親父こーふく論】
「?」
碇が今朝から様子がおかしい。
否、考えてみればここ最近妙だ。
時計を気にしたり、不意に手帳を眺め何やら書きこんだり、貧乏揺すりをしたり…
その癖は嫁に止められたのではなか…あ。
そうか…
その理由に思い当たった私は碇の前に立ち、こう切り出した。
「なぁ碇…」
「何だ冬月。」
「今日明日のスケジュールだがそれ程立て込んではおらんよな?」
「ああ、責任者が居れば済む話ばかりだ。」
「梅雨が近いせいか、どうも最近腰痛が出てな。 整体へ行くのに明日休もうかと思うのだが大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ、問題無い。」
「で、碇。見た所お前もそろそろ腰痛が出る年だ。痛める前に整体へ行ったらどうだ?」
「必要無い。」
「いや、皆そう思って痛めてから後悔するのだ。行ける時に行っておけ。 おお、そう言えば今日は儂一人おれば済む話だけだったな。 善は急げだ、今地図を書いてやるからもう休んで行ってこい。」
「冬月…」
「あー、ここが駅だろ、そしてここに花屋、通りの反対側に玩具屋がある。そしてここが本屋でこっちが老舗の洋菓子店、で、更に進んでこの角の看板の右三軒目の二階だ。」
「…」
「どうした?何なら届けは儂が出しておこう。ほれ早く行かんか。」
「…そうだな。では試しに行ってみよう。」
「ああ、それが良い。」
「…では冬月先生、後を頼みます。」
「おお。シンジ君とユイ君に宜しくな。」
そそくさと席を立ち荷物を纏め出口へ向かう碇の背中を見送る。
「“可愛い所”か…成る程…」
流石に奴も自分の息子の誕生日は大切か。 可愛い盛りの二歳児なら尚更だな。しかし…
「クックッ…」
つい玩具屋で真剣に幼児向けの玩具を選ぶ碇の姿を想像してしまい、私は暫く含み笑いを止められなかった。
※このスレはアヤナミストに監視されています※
ドーモ・何処-サン-デス。 問題無イ繋ガリデ貼ッテオク。 (意味ハ無イ。慈悲ハ無イ。自費モ無イ。俳句ヲ読メ。アィエェェー!?) http://www.youtube.com/watch?v=TT_sWZCeVwQ&sns=em
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Re: 突発短編集(予定)《掌話的小話》 ( No.13 ) |
- 日時: 2014/06/08 14:55
- 名前: 史燕
- ゲンドウのそわそわする様子が頭に浮かんで、思わずクスリ、と笑ってしまいました
冬月じゃなくても、ほほえましく思ってしまいますね
ゲンドウの”可愛いところ”を目の当たりにするとは思いませんでした
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Re: 突発短編集(予定)《掌話的小話》 ( No.14 ) |
- 日時: 2014/06/08 20:48
- 名前: tamb
- アマゾンとかで物色、という手もあるかとは思うが(笑)、やっぱ嫁さんと相談せにゃあな。二歳とかなら特に。特にでもないか(爆)。
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Re: 突発短編集(予定)《掌話的小 ( No.15 ) |
- 日時: 2014/06/14 20:29
- 名前: 何処
- 【夕立後記】
碇君が私の膝の上で寝息を立てている。
夕立後の縁側を緩やかに風が流れる。 駿雨名残の雨垂れが地を叩く不規則に規則的なリズム、風にたなびく蚊取り線香の煙、涼しげに鳴る風鈴、汗をかいたグラスの中、琥珀に溶ける氷の軽やかに澄んだ音。
未だ明るい空もじきに透明な群青へ溶けていくだろう。
そっと目を閉じる
静かな音、硬質な音、音、音、音…
世界は音に充ちている。
その音の一つ、規則的な、低い、静かな、音に、ゆっくり、ゆっくりと、私の、鼓動が
「う…ん…」
「起きた?」
2人閉じていた瞼が開き、私は自分が微笑んでいる事を何故か不思議にも思わずに碇君にそう問い掛けていた。
明日も暑くなるだろう。 夕立も降るかも知れない。 又、碇君の膝枕を出来るだろうか。
見下ろす膝の上、見上げる碇君。
碇君と私、二人暫し互いを見詰め合う。
…
碇君が 笑う
膝の上、碇君の頭は乗ったまま。
息を吸い込みながら空を見上げる
…空は群青に溶け始めていた…
《黒猫》 http://www.youtube.com/watch?v=L5zeM-zxBTE&sns=em
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Re: 突発短編集(予定)《掌話的小話》 ( No.16 ) |
- 日時: 2014/06/15 03:14
- 名前: tamb
- 膝枕をする幸せ、に思いを馳せてみる。
というか、最初に膝枕をした奴、させた奴ってのは天才だな。マジで。
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Re: 突発短編集(予定)《掌話的小話》 ( No.17 ) |
- 日時: 2014/06/21 10:56
- 名前: 何処
- 【綾波さん・かっとばす】
こんにちは
綾波レイです。
ただいま私、碇君の後ろに立っています。
暫く立っていますが気付いた様子はありません。
…正確にはもう10分30秒を過ぎてます。
何故碇君の背後に立っているのかと言えば…
『弐号機パイロット』
『ヒッ!?な、な、何だエコヒイキか、いきなり背後から声掛けないでよビックリするじゃない!』
『…さっきから呼んでたわ。あなたが碇君との話に気を取られていただけ。』
『あれは口論って言うのよ!大体馬鹿シンジが』 『碇君は馬鹿じゃ無い。』
『あんた存在感無い癖に何でそんな威圧的なのよ!』 『…存在感?』
『そーよ!さてはあんた実は霊からニンジャソウルを伝承してニンジャの力を授かったオンナニンジャね! さっきのだって気配を殺して敵の背後を取ってハイクを読ませて殺す練習でしょ! 普段はネオサイタマやニューシズオカでイビルニンジャやソーカイヤと戦ったりシンジュク地下ダンジョンでヤクザソルジャーやメカスモートリ相手にスモークグレネードやシュ…シュ…シュレケンだか何だかってスローイングナイフ投げつけてクリティカルで首はねたりしてんでしょ! あたし相手にそんな練習しないでよ!』
『…弐号機パイロット、貴女の最近の読書傾向は大体把握したわ。…でもあれフィクションよ。』
『…』
『…』
『…わ、わ、判ってるわよそんな事!なな何冗談真に受けてんのよバッカじゃない!』
『…冗談なの?』
『とと当然じゃない!それよりあんたその存在感の無さどうにかしなさいよ!』
『どうにか?』
『そーよ、あんたの存在感の薄さだとドンカンウスラボケなナナヒカリ『碇君をナナヒカリと呼ぶのは間違っている。』』
『ハイハイ言い直します!シンジならなんかあんたに真後ろに立たれてもコッチから声掛けなきゃいつまでも気付かないでしょーね!』
『いつまでも?』
『あーもーメンドクサイオンナねあんた!比喩よ例えよコトバのアヤよ!…でもま、30分は気付かないんじゃない?』
『…』
…と言う訳で実際どの程度気付かれないでいられるかか実証実験中…
『弐号機パイロット』
『ヒッ!?な、なな、何だエコヒイキか、前にも言ったけど背後から声掛けないでよビックリするじゃない!』
『…さっきから呼んでたわ。あなたが洞木さんとの話に気を取られていただけ。』
『う!う、うるさいわねぇ全く…で、何の用?』
『碇君相手に実証実験をしたの。』
『実証実験?』
『私の存在感の薄さだとドンカンウスラボケなナナヒカリなんか後ろに立たれてもこちらから声掛けないといつまでも気付かない…貴女の発言を追証してみたの。』
『あんた馬鹿ぁ!?存在感無い癖に何でそんな行動的なのよ!』
『…結論から言うわ、二時間彼の背後に居たけど一度も振り返らずに彼はいたわ…トイレに入った彼が出て来て私を見て『あ、綾波居たの!?』ですって。』
『…』『…』
―――
『あれ?どったのみんな?』
『…見た方が早いわ。』
『?…何あれ?』
『何って…見ての通りですよ。』
『…さっきからレイちゃんがシンジ君の後をくっついて歩いてんすよ。』
『何か背後霊と言うかカルガモの雛みたいに…』
『…何で?』『『『『さぁ?』』』』
『(…振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だ振り返っちゃ駄目だぁぁぁっっ!)』
http://www.youtube.com/watch?v=fa_H3wnUbfE&sns=em
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Re: 突発短編集(予定)《掌話的小話》 ( No.18 ) |
- 日時: 2014/06/22 06:42
- 名前: tamb
- かっとばしてますな(笑)。
存在感が薄いというか、足音がしないんですな。体重的に異様に軽いのだろうか。靴がそういう靴とか。あ、A.T.フィールド……。
> 貴女の最近の読書傾向は大体把握したわ。
大変興味があるというか追体験したいので、ネタ元があったら教えて下さい(笑)。
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Re: 突発短編集(予定)《掌話的小話》 ( No.19 ) |
- 日時: 2014/06/22 23:36
- 名前: 何処
- ドーモ・何処-サン・デス。
tamb様
ご質問の件賜りました。
詳しくはこちらを御覧下さい http://www.youtube.com/watch?v=_D6YLsGd1bU&sns=em
続編はこちら http://www.youtube.com/watch?v=qBEsDPHcucc&sns=em
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Re: 突発短編集(予定)《掌話的小話》 ( No.20 ) |
- 日時: 2014/06/28 02:16
- 名前: tamb
- ありがとうございます。見てみました。背景も含めて面白そうです。
図書館にはないだろうなぁ……。
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Re: 突発短編集(予定)《掌話的小 ( No.21 ) |
- 日時: 2014/08/03 21:50
- 名前: 何処
- 【碇ユイさんから二次創作者の皆様への伝言】
※( )内は各々で補完して下さい
『この描き尽くされた世界で、この子( )は生きて行くのか…』
『大丈夫、紙と筆がある限り、どこだって生きていれば書く事は出来るわ。 だって、生きているんですもの。』
『…』
『…』
『…なあユイ。』
『何?あなた。』
『…似た台詞を聞いた覚えがある。 確か中華の詩家だ…否、日本の武将も似た事を…ローマの芸術家だったか中世魔女狩りの頃の科学者だったか… …駄目だ、思い出せない…誰だったかな?』
『漫画の神様よ。』
『…』
『…』
《クワガタにチョップしたらタイムスリップした》 http://www.youtube.com/watch?v=qtcvZ9kwJzQ&sns=em
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