Re: ドリップ・トリップ ( No.1 ) |
- 日時: 2021/05/26 19:42
- 名前: のの
- pixivにて公開。
もともと2015年4月ごろに書いていたものらしい。 すういちさんの『ドリップ・ドライブ』みたいな短編を書きたいと思って思うがままに書いていったらかなり深くて暗いところに来てしまったのでボツにした記憶があります。
タイミング的に、ちょうど妻の初産がボチボチだ、ということと、長期の育児休暇を僕が取ることを決意したタイミングと重なります。 出産・子育て・仕事に対する価値観のアップデートなどが津波のように押し寄せて、自分が過去に抱いていた価値が変わったり、未来の不透明性であったり、にも関わらず着現在が未来を食いつぶして過去が積み上げられていくことに対する不安が露骨に出ている。だからボツにしたのかもしれない。書き上げてうんざりした記憶がある。
かように、FFを書く燃料は作品ではなく自分の中にある。 ネタ自体は外にある。 それらは案外別々なのだと思う。
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Re: ドリップ・トリップ ( No.2 ) |
- 日時: 2021/05/26 20:31
- 名前: tamb
- どう反応したらいいものか困惑する、という点も含めて、とてもののさんらしい話。書き上げてうんざりはよくわからないけれど、らしからぬ視点のブレも含め、絶望感みたいなのは良く伝わってくる。爽快感とかカタルシスみたいなものは望むべくもなく、ひたすら内向し堕ちていくというのはある意味でとてもエヴァらしいとも思う。
背筋が凍るもすごいけど、希望の欠片もないラストがすごすぎる。何もかもが時間と共に色褪せ、崩れてゆく。そこから逃れる術はない。
有名なSFは最初に「たったひとつの冴えたやりかた」が浮かんだ。セットでエリスンの名前が出てきたけど、それは「世界の中心で〜」だった。次に「夏への扉」が浮かんだけど、それはまぁいいや。最近SFも読んでないな。
歌は事変か林檎か。たぶん離れ始めた頃で、あんまり聞き込んでない。
燃料、ネタはわかる気がする。ただ燃料は補給しないとガス欠になる。決して抜いてはならない懐に忍ばせた真剣も、気がつくと錆びている。忍ばせていたのが本当に真剣なのかももうわからない。実は竹光だったのかもしれない。でもそれは大した問題じゃない。 しかしこんなことpixivじゃ書けないぜ(笑)。
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Re: ドリップ・トリップ ( No.3 ) |
- 日時: 2021/05/27 08:41
- 名前: のの
- >tambさん
感想ありがとうございます。 そうなんですよね、pixivでは無理なんですよ、こういうの笑 そう思うと、書いたものについて語り合うまでが二次創作なのでは、という気がしました。僕はあんまりそういうこと思ってこなかったんですけど、発表の場を移してみるとそう思う。
これ、tambさんの仰る、僕って感じですよね、これはすごいわかる。 たぶんその濃度が高すぎてうんざりもしたのかも。 歌は『ポルターガイスト』ですね。 今となっては何でこれを引用したのかは思い出せない…。 本は多分『夏への扉』ですね。 おそらく一生読むことなくカバンに入れ続ける、と想定しています。 いつか読んで、大切に本棚にしまって、時折開けるようになってほしいけれど。
ラストの希望のなさは、pixivでの紅茶のやりとりを見て、最後の一文を紅茶から引用することにして強固になりました。 視点の揺らぎも含めて脇の甘い話ですけれど、ラストの強度はお気に入りです。
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Re: ドリップ・トリップ ( No.4 ) |
- 日時: 2021/05/27 21:52
- 名前: tamb
- そういう意味では住み分けられるかな、とは思います。向こうは向こうでいい部分あるし。人が多いとか(笑)。
あ、紅茶は加筆なのか。これはすごい。これがあるとないとでは全く強度が違う。うーむ。
夏への扉はね、いいですよ。猫がかわいい(笑)。そしてタイトル!
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Re: ドリップ・トリップ ( No.5 ) |
- 日時: 2021/05/27 22:29
- 名前: 史燕
- ちゃんとした感想を申し上げていませんでした。
重複になりますが、この作品が没ネタだったとは信じられず、拝読できてよかったと思います。 tambさんが「エヴァらしい」とおっしゃった部分が、強く引き付けられるこの作品の魅力の一つだと思います。 レイが居なくなって、彼女がいないという事実から来る切なさと、ここにいない彼女をそれでも想い続けるという追憶と、それが彼だけが世界から切り離された彼女を必死に自分の中でつなぎとめようというシンジの必死さが伝わってきました。 風にさらされる砂絵のように失いつつ記憶の中で、彼女のことを少しでも形にしようとする彼の姿から、なぜかKameさんの「Portrait」を思い出しました。たぶん、レイの姿をスケッチに留めるという点からの変な連想ですので、あまり気にしないでください。
>かように、FFを書く燃料は作品ではなく自分の中にある。 >ネタ自体は外にある。 そうですね。同感です。 書きたいという意欲は内側から湧いてくる、ネタは日常の中や何でもないところから飛び出てくる、そんな感じです。
>ラストの希望のなさは、pixivでの紅茶のやりとりを見て、最後の一文を紅茶から引用することにして強固になりました。 これはすごい。ほんとに。 シンジがレイに強く執着していることがわかる部分なだけに、よく効いてる文章ですね。
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