Re: スターライトマジック ( No.1 ) |
- 日時: 2022/02/08 20:11
- 名前: のの
- 参照: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16960963
- 本日pixivに投稿した内容と全く同じですが、セルフレビューしたくなっちゃったので。
やっぱり、ここに残すと、そうそうこれこれ、って思っちゃいましたね。
本作は、最近たまにTwitterでやってる、 お題を募ってショートショートを書くというやつで、 史燕さんとれいさんからいただいた2つのお題がベースになってます。 『星』 『夜中にベッドから転げ落ちる』 幸い、2つのお題が時制に共通点があるので繋げやすかったです。 最初は、流星群を見る約束してたけど、ベッドでハッスルして寝ちゃった2人が慌てて目を覚ましたときにひっくり返る、という話を考えましたが、なんとなくボツ。 次に、まあなんとなく書き出してみた序文から思いついたストーリーラインがあったんですが、重すぎてボツ。 この時には『プラネタリウム』という小道具は思いつけてたので、それを見ていたレイがおっちょこちょい的に転がり落ちる絵を想像して、それに合う形を展開しようと。
最近、貞や庵や新といったレイヤーについて考えさせられることが多いのですが、試みとしては『どのレイヤーかわからないけど、それを気にしなくても面白いやつ』の方向性でいこうと。 イメージとしては、でーちゃんが書く不思議学園ものみたいなやつ。 確実に原作から改変されているキャラクター造形がされているんだけど、でも、じゃあ、何エヴァかは気にしなくて良さそうな。 ということで、やや抽象度の高いお話になりました。
ラスト、そこまでいく必要あるか?と思ったんですが、余興的な要素も多い書き方だし、それくらい、エイヤッと飛躍したっていいじゃない、FFだもの、ということで。
でも、ラストの着地はあらかじめ考えていたものではないので、そういうところにたどり着けた話は、書き手としての満足度は高いですね。 お楽しみいただけたら幸いだぎゃー。
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Re: スターライトマジック ( No.2 ) |
- 日時: 2022/02/12 00:10
- 名前: tamb
- ののさんは時々こういう話を書くようなイメージがある。いわゆるのの節の中にある、少しだけ常識の――あるいは綾波レイという少女から受けるイメージの範疇から外れた綾波レイの姿。話しかけられて背筋を伸ばすレイはかわいいよね。
プラネタリウムをセットする時、シンジに目を瞑っていて欲しいと思うのは、彼に驚いて欲しいという気持ち以外にはない。そう思う彼女の中に、たとえわずかでも恋心のようなものがあるのかどうか、シンジにはわからない。ただ危機的状況にあるということを自覚するだけだ。もちろん読んでいる方にもわからない。シンジ視点を徹底するなら、シンジが知らないことは書けない(ついでに言うと、一人称で書かれていないことは注目に値する)。 わからない、わからせない、というのは実は重要なことで、わからせないままであるからこそ最後の一行が美しい。近づこうとするまで、あと5秒。実際に近づいたかどうかは、誰にもわからない。恐らくは、作者にも。
安物のプラネタリウムで星が投影できる程度に、部屋は暗かったはずだ。星を見ずにシンジを見ていたレイに、シンジの瞳の中の星は、恐らく見えない。もちろんシンジにも。 それでも、きっと同じ星が見えたと思う二人の気持ちが、美しいと思う。
その星と、同じくらいに。
だからシンジも近づこうとしたのだと、そう思う。
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Re: スターライトマジック ( No.3 ) |
- 日時: 2022/02/12 00:19
- 名前: tamb
- 学生の頃の話。真夏、友人の車に乗ってどこかに移動していた。彼の車はエアコンが壊れていた。本当に暑く、ぼくたちはただひたすら煙草をふかすしかなかったのだけれど、信号待ちで止まった時、ぼくたちは同時に言った。死ぬぞ。
その時、どこに向かっていたかは憶えていない。でもたぶん、そのままパチンコ屋かゲーセンに行ったのだと思う。ぼくたちの日常はそんなものだったし、冷房の効いている場所もそんなものだった。 彼とは今でもたまに連絡を取っている。お互い老境にさしかかり、離婚したり持病があったりで大変だ。歳を取ってからの病気自慢というのは本当だ。でもそれも悪くない、と思う。死んだ仲間もいる。生きていなければ病気自慢もできないからね。
同居人Aが部屋で涼んでいるなら、麦茶を買って来いと言うのは暴論ではないのではないか、と同居人Aに少しだけ賛同する。 そして恐らくシンジは帰りが遅くなり麦茶を買い忘れ素麺の買い置きもなく罵詈雑言を浴びることになるであろう。 その瞬間、あの時に見た星を思い出せるかどうかはわからない。恐らくは、作者にも(笑)。 いま我々にできるのは、願うことだけだ。
碇シンジに幸多からんことを。
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Re: スターライトマジック ( No.4 ) |
- 日時: 2022/02/17 08:49
- 名前: のの
- tambさん、コメントありがとうございますー。
書いたものについて長々語り合うのも含めて文字書きの楽しさであるなと感じます。
>ののさんは時々こういう話を書くようなイメージがある。
近作だと『素直が一番』とか、わけわかんない系書いて以来ですけれど、こういう微妙なずらし方はすごく久しぶりだった気がします。 綾波レイなんだけど「あの」綾波レイとはちょっと違う、みたいなの出せたらいいなと思ってたので、
>話しかけられて背筋を伸ばすレイはかわいいよね。
ここを指摘いただけたのはうれしい。
>シンジ視点を徹底するなら、シンジが知らないことは書けない
ですね。自分のことを言語化できるなんて14歳には無理だよん、みたいな決めつけがある(SNSが発達している今、文字によるコミュニケーションスキルは基本的に高くなりやすいと思いますので、現役14歳はどうだろうか。スタンプと絵文字とテンプレ的会話から逃れなければ厳しいか>)ので、 僕にとってはある程度語り部本人から距離を取れる三人称の方が書きやすいですね、今は。 『Grrowing Comedian』のときは育休子育て真っ最中だったので、自分の生活している世界がめちゃくちゃ狭くて、その狭さをそのままアウトプットした結果、一人称シンジ君を描き切った感がありますが。
>わからせないままであるからこそ最後の一行が美しい
先日Twitterでデーちゃん、史燕さんとのお喋りで本作をネタにセルフレビューしてたんですが、デーちゃんと盛り上がったのが『室内プラネタリウムという装置が、ロマンチック発生装置としてヤバい。簡単にロマンチックになる』という点でした。 そしておじさん二人は「わけえのはすぐロマンチックになりたがる……」と、しみじみ。 斯様にシチュエーションはすでに存分に温まっているので、ここで「近づくまで、あと5秒」とか「近づいた」だと、ロマンが過ぎるぜと思って、トータルのロマンチック濃度を調整したのでした。
>同居人Aが部屋で涼んでいるなら、麦茶を買って来いと言うのは暴論ではないのではないか、と同居人Aに少しだけ賛同する。
正論が時に暴力たり得る、みたいなことかもしれません。シンジ君にとっては暴論(おめーがいけよ、コンビニはすぐそこだろがい)なのかもですね。
> 安物のプラネタリウムで星が投影できる程度に、部屋は暗かったはずだ。星を見ずにシンジを見ていたレイに、シンジの瞳の中の星は、恐らく見えない。もちろんシンジにも。 > それでも、きっと同じ星が見えたと思う二人の気持ちが、美しいと思う。
ここまで思ってもらえるだけで書いた甲斐はありました。ありがたや〜。
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