Re: ロールプレイ ( No.1 ) |
- 日時: 2022/03/01 01:14
- 名前: みれあ
- 初出は pixiv です。
急に思い立って書いた割には書けたので普段の自分の腰の重さに思いを馳せたり、而してあとから読み返すともっと詰められるところもたくさんあったなと思ったり。 アスカの帰国に際してアスカとレイが話すこと、零号機の自爆を絡めて際どいやりとりをすること、というのがネタ帳にあった元のネタなのですが、最終的にそこがあまり本筋にならなかったのは(でてきた作品の良し悪しとは別の次元で)筆のコントロールが下手だなあと思った話題でもあります。結果的にはこのオチに落とせたのには満足している。
今回は pixiv の改ページ機能を使う前提で段落を切りました。改ページをめくるという操作が挟まれば前後の多少の飛躍を許してもらえるのではないか、という甘えが出ている気もする。
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Re: ロールプレイ ( No.2 ) |
- 日時: 2022/03/15 15:56
- 名前: tamb
- 最近忘れがちなので最初に書いておきたいが、これは素晴らしい作品である。
かつてのアスカは周囲からの期待に過剰に適応し、ある意味では期待される姿を演じてきた。そして壊れた。 その事情はレイにしても大きな違いはないと言える。自分は何かということを考えることもなく、ただ無を指向し続けた。そこには周囲からの期待しかなく、他には何もなかった。自分というものを含めて。
この作品は、その過去を乗り越え、なりたい自分になろうとしている二人を描いている。自分探し的な出口の無い迷宮を乗り越え、あるいは突き抜け、自分のあるべき姿、ありたい姿に向けて自分の過去を脱構築している。
だからこそ、お約束のロールプレイでじゃれ合うこともできる。今は軽々しく口にできる言葉ではないけれど、やはり戦友なのだろうと感じる。 「よかった、そう言いかけたのを飲み込んで「ええ」とだけ返す。」 この「よかった」があまりに沁みる。
レイの一人称で語られるこの話には、例えば「わたしはそっと見ないふりをした」の「わたし」の入れ方とか、「彼女の話の尻尾は捕まえたけど、このままではパフェを取り逃がしてしまう。」、「危険すぎるボリューム」とか、上の「よかった」もそうだし、いいフレーズ、言葉の使い方がたくさんある。いかにも一歩踏み出したレイが言いそうだし、それを自然に引き出せるのはすごい。脱帽するしかない。 単にパフェが美味しそうという事実を、美味しそう、という言葉を使わずに表現し切るという筆力。そしてこの世界にもインスタはあると思われる(笑)。
レイも、アスカとなら「わたしも、もうやらない」とか、「命令なら、そうするわ」とか、際どい会話ができる。でも「今のわたしでも碇くんとはこんな話はしない」のがとてつもなく良い。アスカも笑顔で返せる。「命令ね」と言える。ラストの二人は、とても素敵な笑顔だったのだろう。もう一度書くが、それはロールプレイでじゃれあう姿なのかもしれないが、同時に過去を乗り越えてこそ、乗り越えつつあるからこその笑顔なのだ。
これは傑作として後年に語り継がれる性質の作品ではないかもしれないが、こういう二人を描いた作品があったと、いつまでも記憶の中に残り続けるだろう。
本当に良い作品でした。ありがとう。柳井ミレアという作家が今ここにいることが、本当に嬉しい。それを言語化するのにこれだけの時間がかかってしまった。それは笑って許して欲しい。
最後に、”前後の多少の飛躍”は全く気にならなかったことを付記しておきます。
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Re: ロールプレイ ( No.3 ) |
- 日時: 2022/03/20 04:10
- 名前: みれあ
- ■tambさん
ありがとうございます。正直なところ、こんなに暖かい感想をいただけるとは思っていませんでした。tambさんの琴線に触れるところがあったのなら嬉しい限りです。
改めて読み返しても今作は作者(ぼく)の願望であるのだなと思うのです。二次創作なんてだいたいそうなのですが。本編の、とくに終盤での過酷な有りようを乗り越えて、若者らしく可能性と未来のある時代を前向きに生きていてほしい。そして、本編であったことを悪しき過去として封印するのではなくて、乗り越えた上でコミュニケーションのタネにできるくらいにはポジティブな思い出、過去であってほしい。碇くんのことは特別であってほしいけど、アスカとはそれとまた違う特別な仲を築いていてほしい。今作は読み切りなので何がどうなったらこういう状況になったのかという過程は放り出しているわけですが、そういう結果に到達していてほしいという願いなのだなと思いました。
>そしてこの世界にもインスタはあると思われる(笑)。
間違いないでしょう(笑)。インスタはエヴァとタイアップしてくれなさそうだし、フィクション世界特有の微妙に名前の違う何かがきっとあるはずw
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