「綾波レイの幸せ」掲示板 四人目/小説を語る掲示板・ネタバレあり注意
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fld_nor.gif ペニー・レイン
投稿日 : 2005/03/27 00:00
投稿者 のの
参照先

ペニー・レイン - のの 04/10/28-23:24 No.465
 ペニー・レインについて - のの 04/10/28-23:27 No.466
 Re: ペニー・レイン - のの 04/10/28-23:30 No.467
 Re: ペニー・レイン - なお。 04/10/29-18:32 No.468
 Re: ペニー・レイン - tamb 04/10/29-22:06 No.470
 Re: ペニー・レイン - のの 04/10/30-14:47 No.471
  Re^2: ペニー・レイン - tama 04/11/07-19:39 No.495
   Re^3: ペニー・レイン - パッケラ 04/11/07-22:19 No.500

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タイトル : ペニー・レイン
記事No : 465
投稿日 : 2004/10/28(Thu) 23:24
投稿者 : のの <nono0203○po1.dti2.ne.jp>


雨に合わせてリズムを刻む。

リズムに合わせて通りすがる夢を眺める。


雨だ。

雨の中だ。

雨粒がそこらじゅうを濡らしていく、その中にいた。

小雨だったのは救いなのか。物足りなさを感じるけれど。

ブランコに乗ってるからって、楽しそうなフリをしてるわけじゃない。

ただ、どうでもよくなっただけだった。

なんでもいいや、誰でもいいや。

そんな風に思ってしまってる自分に気づいてしまっただけだ。

だから歩かない。急いで帰っていいことはない。

雨がやむのを、雨に降られながら待っている。

遠くで、誰かが手を振っているような気がした。

そうしていてほしいと、願ってるだけだった。


この灰色の空の向こうから、彼が笑って手招きしてくれてればなあ。


現実は甘くない。

お腹が鳴った。最後にご飯を食べたのはいつだったっけ。

バカにしたようにまずい食堂のサンドイッチを半分食べたきりか。それだって、丸一日前の話だ。

このまま死ねれば、どれだけ楽だ?

その迷惑さよりも魅力が勝った。

そうだ、死んでしまえばいい。

そうすれば、もう苦しい思いはしないで済む。

楽しいことは、もう訪れそうにないし。

どうやって、死のうか。オーソドックスに首でも吊ろうか。

それとも、同居人の引き出しにある黒い武器で頭をぶち抜いてしまおうか。

その方が、確実かな。

でも、もうここを立つのも億劫だ。ここに座ったまま死ぬ方法を考えよう。


「ははっ」


ずいぶんあっさり死に方を考えられるもんだなあ。

肩を揺らして、笑った。


「なにが可笑しいの?」


その透き通った声に、顔を上げた。


「なんでもないよ」


それだけ言うのが精一杯だった。

僕の身体を濡らしてくれる雨が、僕のところだけやんでいる。

彼女が傘を差している所為だ。

「なにか用?」

最後に会うのが彼女というのも、なにかの運命か。

思えば、はじめて会ったときからなにか、ひっかかるものがある子だった。

エヴァに乗ることをためらわず、父さんのことを酷く言うと怒ってきて、わからない人だった。

月夜に照らされた笑顔は、月よりもきれいで、愛らしかった。

僕には彼女がわからない。

一万回に一回だけ模様が変わる万華鏡みたいなものだ。どういうつもりだと訊きたくなった。


「あなたがここにいたから」


彼女は機械のように正確に言葉を造り出す。

僕が濡れないように傘を出しているせいで、彼女が濡れてしまっていた。


「三人目なんだろ、憶えてないんだろ、こんなこと、いいよ。やめてよ」


僕も機械のようだ。

声が震えているのを除きさえすれば。

彼女の様にに完璧にはいかなかった。


「だからって、わたしは機械じゃない」


彼女が、機械のように言葉を紡ぎ出す。


「碇くんが濡れていたから、こうしているの」


「わたしは三人目だけど、綾波レイだから、こうしているの」


僕はどこを見るわけでもなくふらふらとさせていた視線を、彼女に合わせた。

彼女は最初から僕を見ていた。

しばらく、僕らはこうしているのだろうかと思うと、そうではなかった。彼女が言った。


「行きましょう」

「どこに?」

「このままだと、風邪をひくわ」

「……そうだね」


僕は立ち上がった。まだ、立ち上がることができた。

彼女が右肩を濡らして、歩く。僕は左肩を濡らして、彼女と並ぶ。

視界がにじむのは雨の所為ではないかと思ったが、濡れた頬の暖かさが、それを否定した。

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タイトル : ペニー・レインについて
記事No : 466
投稿日 : 2004/10/28(Thu) 23:27
投稿者 : のの <nono0203○po1.dti2.ne.jp>

パッケラさんがぶっとんだハナシを書いたので、じゃあ何か書こうと思い、重いやつを書きました(爆)

なんとなく、こういう話を書きたいなあと思ってたので。
といっても10分で書くようなやつじゃなく、
こってりじっくり書きたいんだからこんな風に出しちゃうのも惜しいのだが(なら書くな)

タイトルは「ポーの一族」の中の1タイトルより。
アランがバンパネラに覚醒し、リデル人形がちらっと出てくる話。
このへんがうまいんだ、また。

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タイトル : Re: ペニー・レイン
記事No : 467
投稿日 : 2004/10/28(Thu) 23:30
投稿者 : のの <nono0203○po1.dti2.ne.jp>

シチュエーションが「このままこうして」とかぶってないかというツッコミは禁じます(^^;

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タイトル : Re: ペニー・レイン
記事No : 468
投稿日 : 2004/10/29(Fri) 18:32
投稿者 : なお。

前半のテンポの良さが、その後の投げやりな感じと上手くつながってるのが、ののさんらしい。

> バカにしたようにまずい食堂のサンドイッチを半分食べたきりか。

実際は旨くはなかったがそれ程不味い物でなく、単に食欲が無く食べなかったと勝手に想像。
それを反抗心を持った言葉で投げやりさを強調させて辛い状況から自己防衛してる感じ。

> それとも、同居人の引き出しにある黒い武器で頭をぶち抜いてしまおうか。

ミサトさん、そういう物はロッカーに鍵を掛けて保管して下さい。まったくズボラなんだから(笑

> 「わたしは三人目だけど、綾波レイだから、こうしているの」
> 視界がにじむのは雨の所為ではないかと思ったが、濡れた頬の暖かさが、それを否定した。

良かったね、ウンウン。

その後、会話も無く歩いていたシンジとレイ
いたたまれなくなったシンジが話し掛ける
「どこに行くの?」
「……考えてなかったわ」
「じゃあ何処か…」
見渡すと怪しいネオンが…

ダメだコリャ!!

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タイトル : Re: ペニー・レイン
記事No : 470
投稿日 : 2004/10/29(Fri) 22:06
投稿者 : tamb

>タイトルは「ポーの一族」の中の1タイトルより。

 ペニー・レインと言えばビートルズ。あるいは吉田拓郎の「ペニーレインでバー
ボンを」が先に思い浮かぶ。というか、「ポーの一族」は読んでないんだけど(^^;)。

 色々と思うことはある。とりあえず萌えの話(またか)。私はレイがシンジに甘え
まくってる話と、こういう話に萌える。この話はどう読んでも萌える話ではないと思
うが、それでも萌える。どこに萌えるか。

>「碇くんが濡れていたから、こうしているの」

 ここから先はずっと萌えまくり。自分でも理由はわからん。

 とにかくレイは、シンジのことを想っていることだけは間違いない。それだけで
充分です。理由なんかいらない。自分を想ってくれる人がいるとわかったときは、
泣いてもいいんだよな。

>わたしは三人目だけど、綾波レイだから

 ここが意味深です。


>ダメだコリャ!!

 ホントにダメです(--;)

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タイトル : Re: ペニー・レイン
記事No : 471
投稿日 : 2004/10/30(Sat) 14:47
投稿者 : のの <nono0203○po1.dti2.ne.jp>

タイトルをパッと見れば僕もビートルズが思い浮かびます。
ぱっぱっぱぱー、ぱっぱって(笑)
まああれは「通り」のレイン(表記としてはレーンかな)で、
こっちは雨の「レイン」。
でも漫画もきっと唄の方を意識してんだろうなあ。

>この話はどう読んでも萌える話ではないと思うが、それでも萌える。

僕はこのテのが1番萌えるかもしれません(笑)
やっぱり息抜きで書いているんですが、肩の力抜けてるから
剥き出しで書けるのだろうか。


とりあえず雨に濡れるシンジくんに傘を差しだすレイ、というシーンだけがあって、あとはアドリブ。
それでも形になってるのはいいか。
雨の多い時期なので、こんな話もアリでしょう。

>なお。さん

>ダメだコリャ!!

これはナシです(^^;

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タイトル : Re^2: ペニー・レイン
記事No : 495
投稿日 : 2004/11/07(Sun) 19:39
投稿者 : tama

>視界がにじむのは雨の所為ではないかと思ったが、濡れた頬の暖かさが、それを否定した。

この表現がすごくよいなぁと思いました。
この綾波とシンジも幸せになれと、本当思わせますね。

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タイトル : Re^3: ペニー・レイン
記事No : 500
投稿日 : 2004/11/07(Sun) 22:19
投稿者 : パッケラ

>パッケラさんがぶっとんだハナシを書いたので、じゃあ何か書こうと思い、重いやつを書きました(爆)

そうか、ぶっとんだのを書くとののさんがなんか書いてくれるのか(ニヤリ

>視界がにじむのは雨の所為ではないかと思ったが、濡れた頬の暖かさが、それを否定した。

最後「それを否定した。」で終わるのがなんかカッコイイ
暗い雰囲気なのにやっぱりマッタリ~ンしてるが最近の ののさん作品ぽい。
関係ないが「~の~」の後にののさんて書きにくいよ(縛

>>ダメだコリャ!!
>これはナシです(^^;

「碇くん・・・火照る・・・体がホテルの・・・」(核爆

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