「綾波レイの幸せ」掲示板 四人目/小説を語る掲示板・ネタバレあり注意
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fld_nor.gif サイト開設十周年カウントダウン企画・十一月
投稿日 : 2010/11/02 04:40
投稿者 tamb
参照先
月々のお題に沿って適当に書いて投下して頂こうという安易な企画です。作品に対するものは
もちろん、企画全体に対する質問や感想等もこのスレにどうぞ。詳細はこちらをご覧下さい。
http://ayasachi.sweet-tone.net/kikaku/10y_anv_cd/10y_anv_cd.htm

今月のお題は

・息も絶え絶え
・こんにちは、使徒です。いつもお世話になってます。
・雨を見たかい

です。
八月~十月の企画及び1111111ヒット記念企画も鋭意継続中です。

お題の困難さに拍車がかかってますが、頑張ってください。私も頑張ります。
では、どうぞ。
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< 123>
件名 Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・十一月
投稿日 : 2010/11/22 02:03
投稿者 tamb
参照先
■タン塩さん
 何が文学で何がブンガクで何がそうでないかという議論はさておき、

> 片岡義男とか村上春樹とか、その手は読んだことない(爆)

> つまり、ブンガクは苦手です(笑)

 片岡義男って文学か? と思ったのは事実です(笑)。いや、結構好きだけど。文学を志向し
てないならブンガクでもないよなとは思うんだけど。

> フロイス日本史全訳

 驚くほど興味がない(笑)。レビューを見ると、読むと面白いんだろうなとは思うけど。古本
屋にもそうそう並んでないだろうしな。というか、そういうコーナーに行かないし(^^;)。

> ぶっちゃけこの作品はメセニー的なものをイメージして書きました。

 パットメセニーには造詣が深くないので「やっぱりな」とは思わんのだけど(^^;)、私にと
ってのメセニーは独特のスライドとマークイーガンの「ぱああぁぁん」というフレットレスな
ので(あと歯ブラシも)、これよりはAirstreamの方がそれらしい。同じアルバムだけど。普
通の人には何をいってるのかわからんと思うけど(^^;)、そーゆーこと。


■罪無き罪/何処
( No.11 )

 流行ったよなーマジックテープの財布。回りにも結構持ってる奴がいたけど、あれは当時か
ら謎だった。あまりにも必要性がないわな。あれって今でもあるの?
 それはそれとして「いくらどんがたべたかったわー」が頭から離れないんですけど。なんと
かしてもらえませんかね?


■息も絶え絶えに/JUN
( No.12 )

 ぶっちゃけ色々お世話しなくていいから寝かせてやれよという気もしなくもないが(^^;)、
まあこれはこれでいいかなと。というか、普通に主婦業をやってて無理して体調崩すならそれ
はあまりに虚弱体質なので、まずは体力増強をお勧めしたい(笑)。
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件名 Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・十一月
投稿日 : 2010/11/21 13:29
投稿者 JUN
参照先
無理やりすぎてごめんなさい
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件名 Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・十一月
投稿日 : 2010/11/21 13:28
投稿者 JUN
参照先
息も絶え絶えに



 味噌汁の匂い。鰹出汁だな、とシンジは一瞬で判断した。この匂いで目覚める幸せを、シンジは噛みしめていた。朝起きたら朝食が出来ている。それは素晴らしいことだ
 枕元にある時計は、七時を回る少し前だった。そろそろ起きよう、と瞼に纏わりつく眠気を指先で拭い、上半身を起こす。寝起きは悪い方ではないにしろ、冬に入ると布団から出たくなくなるのは人の性だろう。
 寝室を出、台所へ向かう。匂いの源に会うために。
「レイ、おはよう」
「おはよう、シンジさん……」
 見慣れたエプロン姿の背中に声をかける。眠いのか、声色はどこかふわふわとして捉えどころがない。珍しいことでもないので、テーブルに置かれた新聞を広げる。
 一面に一通り目を通したところで、目の前に塩じゃけとご飯、そして味噌汁が置かれる。相変わらずタイミングがいいな、とシンジは感心せずにいられない。
「ありがとう」
 言って早速味噌汁をすする。うん、完璧だ。
「おいしいよ、レイ」
「よかった」
 エプロンの後姿が答える。弁当を作っているのだろう。それに満足したシンジは、ハンガーにかけられたワイシャツに腕を通し、スーツを羽織る。アイロン当てはあの頃から得意だ。一人暮らしをしていたのだから、当然といえば当然だが。
 振り向くと、レイが弁当箱を差し出していた。特に抵抗もなく受け取る。
「シンジさん、お弁当」
「ありがと。じゃあ――」
 行ってきます、いつものように抱き締めて言おうとした時、シンジの動きが止まった。
「……レイ、熱がない?」
「え……」
 腕の中のレイは、いつもより異常に熱い。足元も、どこか覚束ないように見える。半ば反射的に、シンジはレイの額に手を当てた。
「やっぱり。レイ、熱がある」
「…………」
「熱があるなら、僕も今日は会社――」
「ダメ!」
 普段とは想像もつかない鋭い声で、レイは叫んだ。
「わたし……は、大丈夫だから。シンジさんは、会社…………」
 強引に腕を振り解くと、レイはシンジの背を押した。その力も、今となっては幾分弱々しい。
「レイ!」
 振り向きざまにレイの肩を掴み、シンジは言った。
「無理しないで。今日は休む。レイがなんて言っても、僕は休むからね」
 シンジがそう言った途端――――レイは、その場に崩れ落ちた。



 息も絶え絶えのレイをベッドに運び、そっと布団をかける。頬は普段の雪のように白い肌とは想像もつかないほどに紅潮しており、異変に気づけなかった自分を恥じるには十分すぎるものだった。
「ごめんね、レイ……」
 いつの間にか“当たり前”になってしまっていたのかもしれない。いつでもレイは、会社に行くシンジを笑顔で送り出してくれた。何の不満も漏らさず、いつでも手を抜かず弁当を作り、帰ってくると既に温かい夕食が出来ている。そしてそれをシンジが帰ってくるまで食べずに待っていてくれる。それがどんなに温かく優しいことか、シンジが理解できないはずはなかったのに。
 水で濡らしたタオルを額にそっとのせ、シンジはレイの頬を撫でた。眼の下には、うっすらとクマができていた。知らない間に無理をさせていたことに、シンジは改めて気づいた。
「シンジ、さん……」
 弱々しくレイが声を上げ、閉じられた瞼が震えながら開く。
「レイ、レイ」
 細い手首を握り、指を絡めると、レイは一筋涙を流した。
「シンジさん。ごめんなさい、ごめんなさい…………」
「何言ってるのさ。レイに謝ることなんて――」
「だって、家のことはちゃんとするって、シンジさんと、約束、したのに……」
「……レイ。僕は召使いが欲しくてレイと結婚した訳じゃないんだよ。レイと一緒に生きていきたいと思ったから、レイを幸せにしたいと思ったから、結婚したんだ」
 ゆっくり諭すように言うと、レイはようやく表情を和らげた。
「レイ、食欲ある?」
「……あんまり」
「じゃあ、お粥と雑炊、どっちがいい?」
「……お雑炊が、いい」
「分かった。すぐ作るからね」
 手早くエプロンをつけ、台所に向かう。一人分だけでいいだろう。自分はレイの作ってくれたお弁当を食べればいい。
 昨日の寄せ鍋の残り汁から手早く雑炊を作る。たまには料理もしなくちゃな。なまっちゃうよ。
「七味は?」
「おねがい、します」
「分かった」
 辛すぎない程度にふりかけ、出来上がり。悪くない、とシンジは一人ごちた。
お盆に載せベッドに横たわるレイの元へ運ぶ。折りたたみ式の小さなテーブルを取り出し、その上に置く。
 レイの上半身を背中から支えて起こし、レンゲを手に取る。
「レイ。ほら、あーん」
「…………」
「どうしたの?」
「子供みたいだわ」
「気にしたら負けだよ。いいじゃない、たまには」
 微笑むシンジに、レイも毒気を抜かれたのか、小さな口をぱくっと開けた。息を吹きかけ冷ました雑炊を、レイの口元に運ぶ。
「おいしい?」
「うん」

 レイが食べ終わると、シンジは弁当を広げる。風邪で辛かった筈なのに、やはり手抜きはない。
「レイ、ごめんね。辛いのにお弁当なんて」
「ううん。いいの……」
 弱々しく微笑み、レイはかぶりを振った。シンジはそれに笑顔を返し、玉子焼きを口に運んだ。
「美味しいよ、レイ。さすがだね」
「うれしい……」
「レイの前でお弁当食べるの、考えると久しぶりだね」
「そう?」
「うん。一緒にご飯は食べてるけど、お弁当は久しぶりだな」
 そんな話をするうちに、シンジの弁当は早くも空になった。レイは思わず目を丸くする。
「早いのね、シンジさん」
「あ、うん。会社で早食いの習慣が付いちゃってさ。晩御飯はレイに合わせてるんだけど」
 軽く頭を掻きつつ、シンジは言った。
「会社は、どう?」
「悪くないよ。ただ、やっぱりレイに会いたいかな。寂しいし」
「……そう」

「汗、かかない?」
「少し」
「拭いてあげる。待ってて」
 シンジは立ち上がり、湯で濡らしたタオルを持って戻ってくる。レイは耳を紅くして俯き気味だ。
「脱いでくれるかな」
「へんなこと、しない?」
「しないよ。弱ってるレイを襲う趣味なんてないしね。恥ずかしかったら背中だけ拭くよ。前は自分で拭けるでしょ?」
「ん……」
 そこまで言われることかえって渋りづらいのか、レイはもぞもぞとパジャマを脱ぐ。シンジは微笑んで、レイの背中を優しくこすった。
「どう?」
「気持ちいい」
「そう、よかった。痛かったりしたら、言ってね」
「平気」
 背中の汗を拭き取り、そこで一度タオルを濡らし直して、今度はうなじと髪を拭いた。
「前、自分で拭く?」
「ううん。やっぱり平気」
「そっか」
 本当に邪気もなく、ただ愛おしさと労わりを込めて身体を拭うシンジに、レイは安心したように眼を閉じた。
「なんだか……お姫様になったみたい」
 うっとりして言うレイに、シンジはその身体を拭きながら笑って、
「昔から、レイはお姫様だよ。たった一人しかない、僕の宝物だからね」
 たった一人。そのフレーズに力を込めたと思ったのは、きっとレイの気のせいではないはずだった。
「……だから、勝手にいなくなったら、許さないから」
 レイはそれには応えず、ただシンジの胸に背中を預けた。それで十分だった。
「会社も、もしレイが寂しいなら、休み増やしてもらうよ。今はそんなに忙しい時期じゃないし……ていうか、NERVからもらったお金で、生活はどうとでもなるしね。だから――」
「ううん」
 シンジの言葉を遮り、レイは言った。
「大丈夫。私……少し寂しいけど、でも、シンジさんのご飯作って待ってるの、嫌いじゃないもの。それに――」
 シンジの胸から体を起こし、レイは言った。
「いつまでもNERVに頼ってるわけにいかないし、私、普通の主婦になりたいから」
「……そっか」
 シンジは言うと、レイに服を着せ、再び布団に寝かせた。
「明日には治るかな」
「多分」
「何か、して欲しいこと、ある?」
「……手、握って」
 レイが布団の端から腕を出すと、シンジはそれを優しく取った。
「たまにはこういう日もいいね」
「うん」
 もう大分よくなったのか、レイの表情も普段のそれと変わりなくなっていた。額に手を乗せ、シンジは嬉しげに微笑み、立ち上がった。
「晩御飯、今作るね」
「……待って」
「ん?」
「キス」
「へ?」
「早く」
 虚を衝かれたシンジはしばしうろたえていたが、それでも優しく覆いかぶさるようにして、レイの唇を奪った。
「ふ……」
 初めて交わしたキスも、そういえば看病中だったかもしれない。半ば不意打ちのような形ではあったが、彼女は怒らなかった。
 結局二人仲良く風邪を引くという失態を犯し、散々ミサトやアスカにからかわれたのも今となってはいい思い出だった。
「好き、シンジさん……」
「こら」
「痛っ」
 急に額を弾かれたレイが、涙ぐんでシンジを見る。心持ち表情を硬くしたシンジに、レイは抗議の目線を向けた。
「何するの」
「耳元でそんなイケナイこと囁くんじゃありません」
「シンジさんがちゃんと空気を読んでたら、でこピンなんてしないわ」
「空気を読んだらキスで終わんなくなることくらい、レイもそろそろ理解して」
「……ばか」
 と、一応言ってはみるが、シンジが耳を紅くしていただけでも、レイは十分に満足だった。
「ほら、もう寝て。明日は元気になれるように」
「わかった。……ねえ、シンジさん」
「ん?」
「今度、お休みが取れたら……旅行に行きたい」
 シンジはにっこり笑って、頬をそっと撫でた。
「分かった。今月末にはどこか行こう。どこがいい?」
「……食べ物が美味しいところ」
「ん、分かった。探しとくよ。お肉よりお魚がいいよね」
「うん」
「……下関でも行ってみようか。河豚食べようよ、河豚」
「素敵……」
「だから、おやすみ」
「おやすみなさい……」
 レイの目を掌で閉じて、シンジが電気を消す。シャワーは明日でいい。
 額は通常の体温に戻っていた。無理をさせた自分を反省する。ゆっくりでいいのだ。どんなものを手に入れても、彼女がいなければ意味が無いのだから。
「愛してるよ、レイ……」
 ちゅ、とレイの瞼に口付け、隣に横たわる。普段は少し距離を取るダブルベッドも、今日はそっと寄り添った。
「ぅうん……」
 シンジが横たわるやいなや寝返りを打ち、胴に抱きつく。ふくよかな胸が押し付けられ、シンジは瞬時息を止めた。
「シンジさん、だいすき……」
天然でこれをしてるんだから、恐ろしいな。そう苦笑しながら、シンジも眼を閉じた。


明日のお弁当は、久しぶりに自分で作ろう……

彼女に初めて作ったお弁当のおかずは、たしか――



                 おしまい
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件名 Re: サイト開設十周年カウントダ
投稿日 : 2010/11/20 22:51
投稿者 何処
参照先
ネッ、ネッ、ネルフの大爆笑~♪

…え?あ!す、すいません、い、碇シンジです今晩は!

女の子って良く判かりませんよね?例えば…


【罪無き罪】


◇◆◇


「ん…あれ?綾波?どうしたの?」

「碇君…」

「何?急に一体?」

「…」

「?」

「…」

「…?ど、どうしたの?」

「…ごめんなさい…」

「は?」

「もう…駄目なの…」

「え?」

「…さよなら…」

「ち、ちょっと待って綾波?綾波!?綾波!!」


◆◇◆


「はぁ、はぁ、あ、綾波何処に…あれ?」

キーコ、キーコ…

「こ、こんな所にいた…はぁぁ~、さ、探したょぉ綾波ぃ。」

「碇…君…」

「…理由を…聞かせて」

「…言えない…」

「へ?」

「だって…碇君は悪く無い…うっ…うっうっ…」

「あああ綾波ななな泣かないで泣かないでぇ…」

「ひくっ…うぅっ…」

「ああぁぁ、ど、どうしようか…」

ギュキャキャー!ガウン!キュキキキィィ~~!バタム!

「あ、ミサ」「貴様何女の子泣かしとるかぁ!!」

ボクッ!


◇◆◇


「…ミサト、一つ質問があるんだけど。」

「あによ?」

「…泣いてるファーストはともかくさぁ…何でシンジが気絶して簀巻きにされてる訳?」

「…シンジ君がレイの事泣かせてたからよ。全く男って奴は皆」「えくっ、違うんです…」

「…ファースト、何も馬鹿シンジの事庇わなくても」「碇君は馬鹿じゃない!」

「…あり?」「ミサト…何か違わなくない?」

「悪いのは私…ご、ごめんなさい碇君…うぇ…」

「…ねえファースト、一体何で泣いてるの?理由を聞かせて?」

「ヒック…わ…私…私…とんでもない事を…」

「…ねえレイ、一体何をしたの?」

「い…碇君に…い、いつも面倒みてもらってるから、えぐ…お、お礼に、さ、財布を買って…プレゼントしたの…」

「は?」「財布?」

「…そ、そうしたらい、碇君喜んでくれて…」

「?いい話じゃない?」
「?なのに何か問題あったの?」

「う、ううっ…そ、それでお礼にって碇君が、ご、ご飯を一緒に、た、食べに出ようって…」

「何よりじゃない。」「ねえ、何処で何食べたの?」

「イタ、イタリア料理…」

「おおー、シンジ君たらやるじゃない!」「ま、これもあたしの教育の賜物ね!」

「…碇君が、一度連れて来たかったんだって…」

「ふんふん。」「それで?」

「お、お会計の時、碇君が払ってくれて…」

「ほー、シンジも一応気を利かせる様になったか。」
「…アスカ、貴女もシンジ君見習ったら?」
「っさいわね!で、ファーストそれでどうしたの?」

「…お、お会計したら…お会計したら…う、うぁぁ…」

「ち、ちょっとファースト、泣いてちゃわからないわよ、一体どうしたのよ!?」
「ああ泣かない泣かない、ほら話聞いたげるから。鼻かんで」

「チーン…あ゙…有難うございます…その…皆引いたの…財布の音に…」
「へ?」「音?」

「私…知らなかったの…碇君に買った財布が…財布が…」

「あ」「まさか…」

「お財布がマジックテープ止めだったなんて!」

「…あ~あ~あ~…」「やっちゃったわね…」

「あの…あのベリベリ音に…あの視線に…た、耐えられなくて…わ、私、私!」

「…逃げたのね…」
「判る!判るわファースト!!」

「でも…でも私!碇君見捨てて逃げた!ああごめんなさい碇君!」

「…仕方ないわ…」
「…正解よ、ファーストあんたは悪くない!」

「…グスッ…あ…有難うございます葛城さん…セカンド…」


◇◆◇


…結局瀕死の僕が解放されたのは翌朝でした…

息も絶え絶えな僕にミサトさんは「ごっみ~ん忘れてたぁ!」の一言。
「あんたはつくづくウルトラ馬鹿ね、雰囲気読みなさいよ!」とアスカには何故か怒られ。
泣いて謝る綾波の手前「…もういいですよ…」と答えたけど…



ねえ、何で僕が問答無用で殴られて気絶したまま簀巻きにされて次の日まで放置されなきゃならなかったの?

ちなみに綾波から貰った財布は使用禁止だそうで…


何で?



【彼氏の財布がマジックテープ式だった】歌・初音ミク
http://www.youtube.com/watch?v=iPZruZY0pno&sns=em
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件名 Re: サイト開設十周年カウントダ
投稿日 : 2010/11/18 10:01
投稿者 タン塩
参照先
■caluさん
お待たせして申し訳ない(笑)お題がなかなか合わない。波長が合うとすぐ書け
るんですが。しかしいろんなところに行ってますね(`∀´)

■tamb組長
片岡義男とか村上春樹とか、その手は読んだことない(爆)一番影響を受けたの
は獅子文六かな。古い(笑)一番最近買った本は『フロイス日本史全訳「第一巻
:将軍義輝の最期及び自由都市堺」』これは面白い。16世紀のポルトガル人宣教
師の、当時の日本人とも今の日本人とも全く違う発想や思考回路が面白い。
つまり、ブンガクは苦手です(笑)


ぶっちゃけこの作品はメセニー的なものをイメージして書きました。というと、
tamb組長あたりからは「やっぱりな」と言われそうな気が。舞台がカンザスなの
はそういう訳だ。As falls Wichita.
編集 編集
件名 Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・十一月
投稿日 : 2010/11/18 06:37
投稿者 tamb
参照先
■ラブラブ仕様/何処
( No.1 )

 男の場合、こういう状況(いきなり呼び出した的な)だとジーンズにトレーナー的なラフな
格好の方が萌えるし、お風呂上りで髪が濡れてたりしたら完全に失神するものなのだが、女の
子はそうは思わないのであろう。そのほうが男の子は喜ぶ、と理解するのはもう少しお互いを
知ってからになる。でもこうやってじたばたするのは本当に恋する女の子だ。
 使徒が関西弁っぽいのは良い(笑)。

 初音ミクのライブ映像は、これが観客含めてフルCGだったらすげえぞと思ったけど、こうい
うイベントがあったんだな。初音ミクそのものはどうやって投影したんだろう?
 どうしても気になるので調べてみた。DILADボードなるそれ用の透明なスクリーンに投影し
たんだそうだ。なるほど。


■Have you ever seen the rain?/タン塩
( No.2 )

 満を持してタン塩さん登場。まるで片岡義男の小説に出てくるような古き良きアメリカ。
 自己嫌悪的な部分も含めてお互いがお互いの部分になっているような、ある意味では老夫婦
のような境地に達している感じがいい。期待に違わぬ小品でした。良かった。


■雨を見たかい/何処
( No.3 )

 これはいい話だ。今の話と昔の話が交互に出てくるのがすごく効果的で、しかもあざとさが
ない。そして過去が今に生きてる。こういう話はなかなか書けない。
 そして

> 私達はお日様に内緒で唇を交わした。

 このフレーズがあまりに秀逸。
 脱帽です。


■ごちそうさま/何処
( No.4 )

 これはこれでとても面白いが感想は書きにくい(笑)。
 そういや新婚の奥さんとビデオチャットだかなんだかやってた人がいたな。ああいうのって、
マジで何を話すんだろう? 愛してるとかなんとか? マジで?
 ほんとに「ごちそうさま」だ。


■【Have you ever seen the rain?】(裏)/のの
( No.5 )

 こういう一シーンを切り取って書くことに関してはまさにお家芸とも言えるほど安定感があ
る。
 レイがとてつもなくレイらしい。「家路の途中で雨に降られていることを碇くんに知って」
もらうことが贅沢だと感じてしまうレイ。このレイが、かつて良く書いていた大学生くらいの
レイに繋がると思うと、やっぱり嬉しくなる。
編集 編集
件名 Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・十一月
投稿日 : 2010/11/15 12:52
投稿者 calu
参照先
タン塩さん

まさしくキター!ですね。お待ち申し上げておりました。(レス遅くてスイマセン^^;;)

>薄汚れたレースのカーテンみたいな雨が、泥混じりの雪玉みたいな白
>と灰色と黒の雲にぶら下がっていた。
凄い情景描写です。個人的な経験で恐縮なのですが、かつて見たイベリアの
砂漠の地平線に降りしだく雨を思い出してしまいました。

この作品好きです。またの投下をお待ちしてます。

ps. タン塩さんに焚きつけられた『婚前旅行/バリ島編』は20行位書いたところで突然死に(爆)
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件名 Re: サイト開設十周年カウントダ
投稿日 : 2010/11/09 19:11
投稿者 タン塩
参照先
最近裏づいてますなののさん。さすが綾幸の裏番長(爆)裏はウェルカムだす。
というかののさんに作品を褒めてもらったのは初めてな気が。
企画が始まってから何も書いてないので、焦って2時間でデッチ上げたインチキ
作品にアンサーソングを頂いて、汗顔の至りでござるの巻。

追記:
改めてエヴァを見直したら、アメリカのNERV第二支部はネバダ州だった。
まいったねこりゃ(笑)ネバダだと砂漠ばかりで雨が降りそうにないし。
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件名 Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・十一月
投稿日 : 2010/11/08 18:01
投稿者 のの
参照先
感想は後日。

上記の【Have you ever seen the rain?】(裏)は、タン塩さんの投下作品にインスパイアされて書いたものです。
勝手に(裏)とかつけるのは失礼千万とは思いつつ、承諾も得ないまま投下してしまいました。タン塩さん、すみません。

まあ、どこらへんが影響受けたんだって、ほんとに一文です。

>あの時はあの時で後悔したけれど

ってところを、14歳当時のレイを設定に書いてみました。
タン塩さんの今回の投下作品。すげえdoc_itohさんの短編ぽい(ちがうんだけど)気がしました。大好きです。嬉しくなってついつい乗っかって書いちゃいました。
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件名 Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・十一月
投稿日 : 2010/11/08 17:54
投稿者 のの
参照先
 手で打った感触。

 手に触れた感触。

 その残滓。



【Have you ever seen the rain?】(裏)



 涙を溜めながら歩く小さな女の子を見た日の夕方、わたしは偽りの黄昏時に包まれたジオフロントを歩
きながら、その女の子のことを思い出していた。必死に表情を保ち、まるでまばたきをしたら死んでしま
うかのように必死で目を開き続けていたその子は、どうして涙を流すのをこらえていたのだろう。

 戦闘の爪痕が嫌と言うほど残るジオフロントには死の匂いがする。それを感じるのはなにもわたしだけ
ではなく、前はよく見かけた、休憩する職員の姿や、時間をかけても庭園を回ってからリニアへ向かう人
を見なくなった。倒れた石造やひび割れた石畳を好んで見たがる人はいない、と副指令が司令室からジオ
フロントを見下ろしながら言っていたことを思い出す。

 偽りの調和を望む人には耐えられない光景。死の臭い。

 わたしにとってはわたしの戦いの、弐号機パイロットの戦いの傷跡そのものになる。だからそれ自体は
何も珍しくないので、わたしはいつものように噴水のある庭園に行っている。さっきも行ってきた。

 ネルフの人たちは戦いに対して淡白と言えるほど自然に受け入れていると思っていた。

 それは間違いだった。この人気のなさが物語っている。唯一生命力を感じさせる家庭菜園を守ろうとす
る二人の人間を思うと、なんとなく、気分が落ち着いた。生命に対して向き合っていると感じたからかも
しれない。

 さっき別れたばかりの碇くんは、入院中なのにそれを気にして外に出てきていた。わたしはその時のこ
とと小さな女の子のことを思い出しながら、リニアに乗って地上へと上る。


『土で汚してはいけないわ』
 わたしはサンダルで畑に上がろうとする彼を見つけて声をかけた。あのとき、どうしてわたしの声はあ
んなに高かったか、あんまりよくわからない。何故だか妙に声が高かった気がする。
『別にいいんだ、そんなこと』
 彼は、とても珍しく、きっぱりと言い切って、本当に畑に入って、落ちていた如雨露を使って水やりを
始めた。
『尊敬する人からお願いされたんだ』
 ていねいなのか雑なのか、容量悪そうに水やりを終えた彼は、土で黒くなった足を水飲み場で洗って、
濡れた足を投げ出してベンチに腰掛けた。わたしは黙って、噴水の水に手をつけた。水はぬるく、体温よ
りは低く、わたしの手にまとわりつく。冷静になれば奇妙に感じるその感触。この手を熱くさせたのは、
この手が温かいと感じ取ったのは、碇くんに触れたからだった。叩いたからだった。
『ごめんなさい』
『え、なにが?』
 顔だけ彼に向けたわたしに、彼は水をまく前の土の色をした顔を向けた。自分が何について謝罪したの
か、わたし自身が言葉に出来なかったので、それからわずかな間、心地の良くない沈黙が生まれた。何分
間にも感じた。
 碇くんが握ってくれた手だった。
碇くんを叩いた手でもあった。
それを思い出してしまった。カメラのフラッシュのように一瞬思い出し、怒りに身を任せた自分を思い
出し、顔が熱くなった。言葉にするには思い出した時間は短かった。ほんとうに、ほんの一瞬で頭の奥
に押し込めてしまったから。
『綾波が謝るようなこと、何もないよ』
 碇くんはいつも以上にくたびれた表情で微笑んだ。こんなわたしなんかに。
『じゃあ、僕、戻らなくちゃいけないから』
 わたしは彼と同時に立ち上がって、病院の入り口まで勝手についていった。彼は何も言わず、わたしの
右手と触れそうになるほど近づいた方の手の指を、所在なさそうに折り曲げては伸ばしていた。握られる
事も開かれることもない彼の手と近づいていたわたしの手は、距離を少しでも離さないよう、ほとんど前
後に揺れることなく垂れ下がったままだった。


 ――明日は、碇くんに会えない?
自分の予定を思い出しながら改札を出ると、湿気を多く含んだ空気を感じた。床が滑りやすくなってい
るので、少し気をつけながら階段を上がる。階段の下からわずかに見えた空は灰色ではなかった。雨音も
ないので安心して地上へ出ると、相変わらず静かな、とても静かな再開発地区の十字路に出た。見渡して
も誰もいなかった。会社もほとんどない中止された再開発地区なので当たり前のこと。歩き出すと同時に、
ネルフと繋がるリニアの階段を振り返った。通りの奥に広がる空は晴れていると思っていたのに、実際に
は濃い灰色混じりで、虹がかかってもいない。それどころか、やんだはずの雨粒が落ちてきた。

 わたしは構わず、いつも通りの速さで歩いた。雨の擬音があんな表現をすることにとても納得させられ
る音が水溜りから聞こえる。
ぽつん。
ぽつり、ぽつり、ぽつりと。
ぽつん。
その空の下を歩いて帰るわたしを誰ひとりとして知らない。それならせめて、わたしが家路の途中で雨
に降られていることを碇くんに知って欲しかったけれど、そんな贅沢は考えてはいけないような気がした
ので、軽く頭を振って、少し早足で帰る事にした。
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