「綾波レイの幸せ」掲示板 四人目/小説を語る掲示板・ネタバレあり注意
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訪問者のプレゼント
投稿日
: 2009/05/31 00:00
投稿者
:
のの
参照先
:
【タイトル】訪問者のプレゼント
【記事番号】-2147483357 (2147483647)
【 日時 】05/03/31 01:50
【 発言者 】のの
「ああ、君が碇シンジ君ですか」
校長先生が目を細めた。
「なるほど、お母さんに……似ているね」
「知ってるんですか」
「冬月先生のゼミ生の後輩だったんだ、彼女は」
「そうですか」
「そうそう、似ていると言えばあの子だよ。綾波さん」
階段の踊り場にいる僕たちの方を見て、細長く巻いてある大きな画用紙を何本もかかえて不自由そうな女の子は目を見開いた。
「彼に校舎を案内してあげてくれますか、転入生で……おそらくクラスメートになるでしょうから」
「……はい」
「それでは碇君、書類は受理しましたので。6日にお待ちしています」
「はい、ありがとうございました」
「いえいえ」
にっこりと笑って、校長先生は職員室に戻っていった。階段を下りた先の突き当たりを曲がったのを確認して、僕も階段を下りた。
「おはよう」
「……」
綾波は不機嫌そうな顔をしていた。
「いつ、こっちに来たの?」
「今朝」
「どうして言わなかったの?昨日のメールのときに」
「いや、ちょっと驚かそうかなと思って。学校で会えるとか、考えてなかったけど」
「意味がないわ」
「怒らないでよ」
「……怒るに、決まってるじゃない」
彼女はちょっと本気で怒っていた。まずい。別にこれが別れる切れるに発展することはないんだけど(だってくっついてないもんな)、というかくっついてないだけにこれ以上離れる可能性はあるわけで、それがどんな些細なきっかけかなんてわかったもんじゃない。ネルフを通して3ヶ月に1度くらいはみんなが集まれるんだけども、彼女の住む街に引っ越すことが許されたのはついひと月前のことだ。軽くフライング気味なんだけど。
「知らなかったのはわたしだけ?」
「さあ……よく、わからないよ」
「どうして?」
「僕は冗談半分だったんだけどね。実際、教えない人がいないなんていないと思ってたから」
「誰も教えてくれなかったわ」
「ごめん」
「……別に、いいわ」
「ありがとう」
「だって、もう、ここにいるもの。文句、言えないわ」
「ごめん」
「碇くんは、会うといつも謝ってる気がするわ」
「……昔、アスカにそんなこと言われたよ」
「変わってないのね」
「ちょっとは、変われたと思ってるけど」
「そう思うわ」
「どこが?」
彼女と僕はいま、さっきとは別の階段をのぼっていた。彼女は先に上りきると、振り返ってこっちを見た。太陽を背にした彼女を見るのははじめてのような気がする。
そして、いつかみたいに笑ってくれた。
「こうやって、話をしてるわ」
「それなら、綾波だって変わったよ」
僕は彼女に追いついて、昔に比べて身長差のある目線で言った。「こんな話をしてるよ」
「うん」
お互い頷き合った。
僕は綾波が好きで、たぶん、綾波も僕のことが好きなんだろうと思う。でもそれを言うのは、いつだろう?
まあ、いいか。
「わたし、今日、誕生日なの」
「30日だもんね」
「憶えてた?」
だから無理して今日帰ってきたんだよ、実は。
「もちろん」
「春休み中だから、友達が誰もお祝いしてくれないの。メールばかりで」
「そうなんだ」
「碇くんは、このあと時間ある?」
ここでないという奴は豆腐のカドに頭をぶつけて死んだほうがいい。
「今日すること、まだ、終わってないけど」
「なにかあるの?」
また、ちょっとだけ不満そうな顔を見せるから、なんだか無防備な気がする。会うたびに僕は綾波に比べて子供だよなと思うけど、どうやら、少しだけ彼女が幼い部分もあるみたいだった。
さあチャンスだ。
「誕生日プレゼント、渡してないんだ」
【タイトル】訪問者のプレゼントについて。
【記事番号】-2147483356 (-2147483357)
【 日時 】05/03/31 01:52
【 発言者 】のの
こんな適当なSSをネットにさらしたことはありません(爆)
こんなだから巷でボロクソ言われるんだよな。
とりあえず「階下にいる画用紙持った子」は萩尾望都の「訪問者」のイメージです。
【タイトル】Re: 訪問者のプレゼント
【記事番号】-2147483348 (-2147483357)
【 日時 】05/04/01 02:17
【 発言者 】なお。
>太陽を背にした彼女を見るのははじめてのような気がする。
ここが好き。
綾波レイって月のイメージってのが浸透しちゃってるからそう感じることで変わったんだって思える。
それはレイが変わった事もあるけどシンジが思う印象でもあるので、そう取ったシンジも変わったんだって感じます。
>「今日すること、まだ、終わってないけど」
>「誕生日プレゼント、渡してないんだ」
いったい師匠は誰なんでしょw
【タイトル】Re: 訪問者のプレゼント
【記事番号】-2147483347 (-2147483357)
【 日時 】05/04/01 21:56
【 発言者 】tamb
>こんな適当なSSをネットにさらしたことはありません(爆)
と言うほど悪くはないわな。例えば「初めて書いたんですけどどうでしょう」って投稿がこれだったら天才だと大絶賛するでしょう。ののさんが書いたということを考えても、普通にいいと思われ。
>「碇くんは、このあと時間ある?」
レイの方が先にこう言ってしまうところがいいよなぁ。やっぱ嬉しいんだよね。
【タイトル】Re: 訪問者のプレゼント
【記事番号】-2147483340 (-2147483357)
【 日時 】05/04/02 23:48
【 発言者 】のの
綾波さんが「~わ」としか言ってないあたり、チャットしながらの一発書きの足下の弱さです。
>なお。さん
>>太陽を背にした彼女を見るのははじめてのような気がする。
>ここが好き
これは何気なくお気に入りだったりする。
「綾波は月のイメージ」とか、そういうセリフ好きじゃないんで。
言うわけねえだろそんなこと、とか思ってしまうのです。
だから裏返しの言い方でせめてみる。
>tambさん
>>「碇くんは、このあと時間ある?」
>レイの方が先にこう言ってしまうところがいいよなぁ。やっぱ嬉しいんだよね。
熱烈にじゃないけど、嬉しいのは隠さない。
そういう子になってたらええのう、という願望が入ってるセリフです(笑)
ああ、レポート出したんで色々復帰します。
今年はたくさん小説を書きたいな。
幸せな話を。
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【記事番号】-2147483357 (2147483647)
【 日時 】05/03/31 01:50
【 発言者 】のの
「ああ、君が碇シンジ君ですか」
校長先生が目を細めた。
「なるほど、お母さんに……似ているね」
「知ってるんですか」
「冬月先生のゼミ生の後輩だったんだ、彼女は」
「そうですか」
「そうそう、似ていると言えばあの子だよ。綾波さん」
階段の踊り場にいる僕たちの方を見て、細長く巻いてある大きな画用紙を何本もかかえて不自由そうな女の子は目を見開いた。
「彼に校舎を案内してあげてくれますか、転入生で……おそらくクラスメートになるでしょうから」
「……はい」
「それでは碇君、書類は受理しましたので。6日にお待ちしています」
「はい、ありがとうございました」
「いえいえ」
にっこりと笑って、校長先生は職員室に戻っていった。階段を下りた先の突き当たりを曲がったのを確認して、僕も階段を下りた。
「おはよう」
「……」
綾波は不機嫌そうな顔をしていた。
「いつ、こっちに来たの?」
「今朝」
「どうして言わなかったの?昨日のメールのときに」
「いや、ちょっと驚かそうかなと思って。学校で会えるとか、考えてなかったけど」
「意味がないわ」
「怒らないでよ」
「……怒るに、決まってるじゃない」
彼女はちょっと本気で怒っていた。まずい。別にこれが別れる切れるに発展することはないんだけど(だってくっついてないもんな)、というかくっついてないだけにこれ以上離れる可能性はあるわけで、それがどんな些細なきっかけかなんてわかったもんじゃない。ネルフを通して3ヶ月に1度くらいはみんなが集まれるんだけども、彼女の住む街に引っ越すことが許されたのはついひと月前のことだ。軽くフライング気味なんだけど。
「知らなかったのはわたしだけ?」
「さあ……よく、わからないよ」
「どうして?」
「僕は冗談半分だったんだけどね。実際、教えない人がいないなんていないと思ってたから」
「誰も教えてくれなかったわ」
「ごめん」
「……別に、いいわ」
「ありがとう」
「だって、もう、ここにいるもの。文句、言えないわ」
「ごめん」
「碇くんは、会うといつも謝ってる気がするわ」
「……昔、アスカにそんなこと言われたよ」
「変わってないのね」
「ちょっとは、変われたと思ってるけど」
「そう思うわ」
「どこが?」
彼女と僕はいま、さっきとは別の階段をのぼっていた。彼女は先に上りきると、振り返ってこっちを見た。太陽を背にした彼女を見るのははじめてのような気がする。
そして、いつかみたいに笑ってくれた。
「こうやって、話をしてるわ」
「それなら、綾波だって変わったよ」
僕は彼女に追いついて、昔に比べて身長差のある目線で言った。「こんな話をしてるよ」
「うん」
お互い頷き合った。
僕は綾波が好きで、たぶん、綾波も僕のことが好きなんだろうと思う。でもそれを言うのは、いつだろう?
まあ、いいか。
「わたし、今日、誕生日なの」
「30日だもんね」
「憶えてた?」
だから無理して今日帰ってきたんだよ、実は。
「もちろん」
「春休み中だから、友達が誰もお祝いしてくれないの。メールばかりで」
「そうなんだ」
「碇くんは、このあと時間ある?」
ここでないという奴は豆腐のカドに頭をぶつけて死んだほうがいい。
「今日すること、まだ、終わってないけど」
「なにかあるの?」
また、ちょっとだけ不満そうな顔を見せるから、なんだか無防備な気がする。会うたびに僕は綾波に比べて子供だよなと思うけど、どうやら、少しだけ彼女が幼い部分もあるみたいだった。
さあチャンスだ。
「誕生日プレゼント、渡してないんだ」
【タイトル】訪問者のプレゼントについて。
【記事番号】-2147483356 (-2147483357)
【 日時 】05/03/31 01:52
【 発言者 】のの
こんな適当なSSをネットにさらしたことはありません(爆)
こんなだから巷でボロクソ言われるんだよな。
とりあえず「階下にいる画用紙持った子」は萩尾望都の「訪問者」のイメージです。
【タイトル】Re: 訪問者のプレゼント
【記事番号】-2147483348 (-2147483357)
【 日時 】05/04/01 02:17
【 発言者 】なお。
>太陽を背にした彼女を見るのははじめてのような気がする。
ここが好き。
綾波レイって月のイメージってのが浸透しちゃってるからそう感じることで変わったんだって思える。
それはレイが変わった事もあるけどシンジが思う印象でもあるので、そう取ったシンジも変わったんだって感じます。
>「今日すること、まだ、終わってないけど」
>「誕生日プレゼント、渡してないんだ」
いったい師匠は誰なんでしょw
【タイトル】Re: 訪問者のプレゼント
【記事番号】-2147483347 (-2147483357)
【 日時 】05/04/01 21:56
【 発言者 】tamb
>こんな適当なSSをネットにさらしたことはありません(爆)
と言うほど悪くはないわな。例えば「初めて書いたんですけどどうでしょう」って投稿がこれだったら天才だと大絶賛するでしょう。ののさんが書いたということを考えても、普通にいいと思われ。
>「碇くんは、このあと時間ある?」
レイの方が先にこう言ってしまうところがいいよなぁ。やっぱ嬉しいんだよね。
【タイトル】Re: 訪問者のプレゼント
【記事番号】-2147483340 (-2147483357)
【 日時 】05/04/02 23:48
【 発言者 】のの
綾波さんが「~わ」としか言ってないあたり、チャットしながらの一発書きの足下の弱さです。
>なお。さん
>>太陽を背にした彼女を見るのははじめてのような気がする。
>ここが好き
これは何気なくお気に入りだったりする。
「綾波は月のイメージ」とか、そういうセリフ好きじゃないんで。
言うわけねえだろそんなこと、とか思ってしまうのです。
だから裏返しの言い方でせめてみる。
>tambさん
>>「碇くんは、このあと時間ある?」
>レイの方が先にこう言ってしまうところがいいよなぁ。やっぱ嬉しいんだよね。
熱烈にじゃないけど、嬉しいのは隠さない。
そういう子になってたらええのう、という願望が入ってるセリフです(笑)
ああ、レポート出したんで色々復帰します。
今年はたくさん小説を書きたいな。
幸せな話を。