「綾波レイの幸せ」掲示板 四人目/小説を語る掲示板・ネタバレあり注意
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fld_nor.gif 10年後の君へ
投稿日 : 2009/05/31 00:00
投稿者 らいど
参照先
【タイトル】10年後の君へ
【記事番号】-2147482554 (2147483647)
【 日時 】05/10/29 17:11
【 発言者 】らいど

「ただいまぁ」

ガチャリと扉を開け、玄関に入る。

「お帰りなさい、お疲れさま。今日は遅かったのね」

いつもと変わらない、妻の出迎えと労いの声。

「うん。課長が付き合えって煩くてさ」
「まったくもう・・・・。あのコ寝ちゃったわよ、パパの帰り待ってたのに」

ごく普通に会社に勤め、妻と娘の待つ家に帰る。
何気ない日常。

「あ、そっかぁ。おやすみのキスして欲しかったんだけどなぁ」
「ふふ、何言ってるんだか。早く着替えてお風呂にでも入ってきたら?
 ビールとおつまみぐらい出しておくから」
「あ、ありがとう。じゃ、ちょっと寝顔を見てから行こうかな・・・・・・」

あの暑かった『永遠の夏』から10年。
これが僕の、幸せな現実---


  ~  10年後の君へ  ~


「あのコ暑がりなのかな? 布団から脚出して寝てたけど」

とても女の子とは思えないような寝相の悪い我が娘の姿を思い出しながら、
僕は缶ビールのプルダブを引っ張りあげた。
カシュッという軽い金属音とともに、アルコールの匂いがぷんと広がる。

「そうね。私に似たのかしら?」

そう言いながら、つまみの乗った皿を手にキッチンを出てくる妻。
結婚して4年。家事に子育てに、本当に良くやってくれていると思う。

「え? 君はただ寝相が悪いだけじゃなく?」
「あ、そーいうこと言う? それを言うならあなただって、寝る頃に
 なるとおなかがぐーぐーと鳴り響いて、まるで何も食べさせてない
 みたいじゃ---」
「あ~、わかったわかった。反省、スミマセン、前言撤回」
「ったくもう」

ふふ、とお互いの顔に笑みが浮かぶ。
室内には、今日起きたニュースを知らせるアナウンサーの声が
静かに流れていた。
音の源は、TV嫌いの妻が買ってきたアンティーク調の木製ラジオ。
リビングにTVがないのはいくら何でも寂しいだろうと思ったが、
これがなかなか風情があっていいものだった。
アニメを見れない娘にとっては物足りないのかもしれないけど、ね。
そのラジオに耳を傾けると、相変わらず物騒な事件が世間を
賑わせていることが判る。
ストーカーによる殺人や、子供の列に自動車が突っ込み死傷者が
出た事故、未だに止まぬ各地での無差別テロ---。
世界は相変わらず混沌に満ちてはいるけれど、それでも僕の周りの
時間は穏やかに流れ、暖かく幸せな時間が紡がれている。

「ちょっとタバコ吸ってくるよ」

空き缶を手に立ち上がると、僕はバルコニーに足を向けた。
あのコが生まれてから、『子供の身体に良くないから』と
外に追いやられることになったけれど、それには僕も同感だから
特に文句もない。

「涼しくなってきたから、風邪引かないようにね」

背中から聴こえる妻の声に感謝しながら、僕は外に出て行った。


冬が近づいているのか、アパートの2階のこの場所を吹き抜ける風も、
随分ひんやりとしたものを感じさせる。
ふと見上げると、夜空には大きな月が姿を見せていた。
真円を描き、柔らかな光を放つ闇夜の宝玉。
その儚く美しい姿を目にすると、僕は否応なしに思い出してしまう。
僕の心を捉えて離さなかった、あの少女のことを---


『さよなら』
夜の双子山で、月の光を背にはっきりと別れの言葉を告げた彼女。
『ありがとう・・・・』
思わず口をついて出た初めての言葉に、戸惑いを見せていた彼女。
『何を、言うのよ・・・・』
思いがけない問いかけに、珍しく照れた表情を見せていた彼女。
『碇くんとひとつになりたい、私のココロ---』
命の散るその瞬間に垣間見せた、本当の想い---


ざわっと一際大きな風が吹き抜け、僕は思わず顔を下ろした。
周囲が落ち着き目を開けると、視線の先、闇の中にアパートの前を走る
道路が目に入る。
その一角は街灯による光で丸く照らされ、夜の世界に1つの舞台を
作り出していた。
そして、そこに浮かぶ演者の影。
制服を着た女の子だった。
何をするでもなく立ち尽くしたまま、こちらを見て・・・・いる?
その不可思議な状況に、僕は目を凝らして光の中を見つめた。
何となく、見覚えのある制服。
中学生くらいに見える、細く華奢な背格好。
そして何より、青銀色に煌く髪の・・・・色?


まさか・・・・そんな!?


そう思った瞬間だった。

「あなた、ちょっと~」

部屋の中から声が聞こえてきた。
そちらの方に気を取られて、一瞬注意が逸れてしまう。
そして次に外に目を向けたとき----


・・・・・・彼女の姿は、跡形もなく消え去っていた。


今しがた目にした光景を振り払うように、僕は頭を左右に振った。
彼女が、ここに、いるはずがない。
だって彼女はもう、この世界にはいないのだから。
だとすると。
今のは夢?
それとも幻?
気持ちを落ち着かせようと、固く目を瞑る。
ココロの片隅で、真実を確かめようと・・・・・・あの『永遠の夏』を
追いかけていこうとする気持ちが、微かに動き出すのが判る。


だけどそれは----

10年前の自分なら・・・・いや、これが5年前だったとしても、
気持ちの赴くまま、一も二もなく駆け出していだんだと思う。

今はとても小さなもので----

でも今は、現実を見つめることができる。
守るべきものが、ここにはある。

僕はオトナになってしまったんだと----

「あなた?」
妻の呼ぶ声が、部屋の奥から聞こえてくる。

改めて気づかされてしまっていた----


空き缶の上で吸いかけのタバコをもみ消し、開いていた缶の口に
それを放り込む。
特に臭いが好きだった訳でもなく、早く大人になりたいと思い、
格好をつけるためだけに吸い始めた煙の草束。
真実を追い求めて逝ってしまったあの人に少しは近づけた
のだろうか・・・・と、ふと思った。
室内に通じるテラス戸を開け、刹那の夢の世界から現実へ戻る。
リビングには誰もおらず、ラジオの音だけが部屋の中を満たしていた。

『・・・・今夜はこの曲でお別れです。ラジオネーム「夢幻の住人」さん
 からのリクエストで、「Fly me to the moon」。
 それでは、今宵も良い夢を・・・・・・』

イントロを奏でる弦楽器の荘厳な調べが、スピーカーから
ゆったりと響いてくる。
やがて聴こえてくる、女性ボーカルの透き通った歌声。
10年前によく耳にしたこの曲が---あの『夏』が僕の中で広がっていく。


  あの暑い暑い夏が終わってから、もう10年が過ぎたんだね。
  あっという間のことで、そんなに刻が流れたとはとても
  思えないけれど。
  あのときに感じた様々な想いは、未だに僕の中に残っているよ。
  今じゃもうすっかり落ち着いた生活を送ってはいるけれど、
  あの夏があったからこそ、今の僕があるんだと思う。

  君はちっとも変わってないんだろうね。
  大人になった君に会うことは、もうできないんだとは思ってる。
  でも、不思議と悲しさは感じないんだ。
  それは、僕の中にちゃんと君がいるからなんだと思う。
  いつ何時も、決して離れることなく。
  『希望』となって、僕のココロに棲みついているから。
  そして。
  君を知るみんなの傍にも、『希望』の灯が絶えることなく
  息づいているからだと思うんだ。

「ぱぱぁ~」

  もちろんここにも、ね。


曲が終わりCMに入ると同時に、廊下の奥からとてとてとこちらに
駆けてくる娘の姿が目に入った。
妻もその後ろからゆっくりと歩いてくる。

「おや~、玲依。どうしたんだい? こんな時間に」
「おねしょしそうになったのよね~」
「ちがうもんっ。ちゃんとおトイレにいってひとりでできたもん!」
「お、ちゃんとできたのか。エラいぞ~」

ちょっと寝癖の付いた髪を、くしゃくしゃと撫でてあげる。

「ったくもう、玲依には甘いんだから」
「うふふ、ぱぱぁ~」

まだ短い腕を精一杯伸ばして、愛しい娘が僕のところへ抱きついてくる。
子供特有の甘い匂いと柔らかな暖かさが、胸の奥まで広がってくる。

「ど~れ、じゃあお部屋までお送りいたしましょうか? お姫様」

小さい背中をぽんぽんと叩きながら声を掛けた、そのときだった。

『---ありがとう---』

耳元で、大人びた声がした。
誰のものかは、考えるまでもなく判った。
忘れるはずもない、彼女の声。

「あなた、どうかしたの?」

よっぽどぼんやりしていたのだろう、妻が不審そうに声を掛けてきた。

「今、何か聴こえた?」
「え? 別に何も聴こえなかったけど・・・・」
「ぱぁぱぁ、はやくぅ~。いっしょにおやすみしよ?」
「ああ、ゴメンゴメン。じゃ一緒におやすみしような~」

ただの空耳だったのかもしれない。
ただの見間違いだったのかもしれない。
でもたまには、こんな夜があってもいいんじゃないかと思う。
あの頃に---彼女のことに想いを馳せる夜があっても。

「ゴメン。後片付けよろしく」
「はい。じゃ玲依のことお願いね」

最愛の妻にそう声を掛け、可愛い娘を抱いて子供部屋に向かう。
そして一言、ココロの中で呟いた。
幸せになってほしいと皆が願う、月の女神に手向ける想い。
今までも、そしてこれからもずっと。
感謝のコトバ。


『---ありがとう---』


                  ~ Fin ~


【タイトル】Re: 10年後の君へ
【記事番号】-2147482553 (-2147482554)
【 日時 】05/10/29 17:22
【 発言者 】らいど

エヴァTV放送10周年記念作品! ということにしておこうかな(笑)。

今までとは違う雰囲気の話を書きたいな~と思って書いてみたら、
なぜかこんな話に。
どうなんだろうなぁと思いつつ、折角書いたのでUPしてみました。
どんな反応があるのか何だか不安(^^;。
皆さん、あんまり叩かないでね(爆)


【タイトル】Re: 10年後の君へ
【記事番号】-2147482552 (-2147482554)
【 日時 】05/10/30 01:11
【 発言者 】なお。

読みましたよ。別段、叩く要素なんてありませんてw
大人になって、初恋を振り返る感じがよく表現されているのではないでしょうか。
妻とは3人目のレイで、幻の少女が2人目だと思っていたけど、妻はレイではなさそうですね。

子供の漢字の読みはレイで合ってるのかな?
たまたまその名前なんだろうか、奥さんはレイを知っているのだろうか。
シンジがレイを想って付けたのだとすると…奥さんの気持ちを考えると微妙かな。


> だけどそれは----

ここからの読み方に、つまづいてしまったけど、ここの書き方は好きです。


ニユース関連については、先日のもののような気がします。
地元では、バラバラ事件があったとか、ほんと物騒です。
荒みそうな心に、この作品は、ちょっとした清涼剤になりました。どうもです。


【タイトル】Re: 10年後の君へ
【記事番号】-2147482551 (-2147482554)
【 日時 】05/10/30 22:08
【 発言者 】北並

大人になった少年の今と回想というイメージでしょうか。とてもさわやかな話でしたね。

>その一角は街灯による光で丸く照らされ、夜の世界に1つの舞台を
>作り出していた。
>そして、そこに浮かぶ演者の影。

このくだりが、とてもうまいと思いました。
街灯の灯りをスポットライトのようにたとえていて、
幻想的な光景がとてもよく表されていると思います。

そして、最後までよく見返してみて思いました。


この話の主人公である「僕」、実はらいどさん本人なんじゃないですか?(笑)


【タイトル】Re: 10年後の君へ
【記事番号】-2147482544 (-2147482554)
【 日時 】05/10/31 20:35
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

 話としてはいい感じかと。長さ的にも必要十分です。文章的にも手馴れてる感じ。
 「あの夏があったからこそ、今の僕があるんだと思う。」の通り、彼女がいたから今の自分がココにいるみたいな、もう癒えてはいるけれども確実に残る傷痕を振り返って見てる感じがします。ある種、kameさんの「Holiday」にも通ずる感じ。いいと思います。

>「ぱぱぁ~」
>
>  もちろんここにも、ね。

 私的にはここがすごく良かった。傷はもう思い出なんだって感じがすごくする。


>皆さん、あんまり叩かないでね(爆)

 ではリクエストにお応えして(爆)。

 話のリアリティとして、課長に付き合って食事をしてくるなら、あらかじめ奥さんには「ご飯いらない」と電話をしておかないと逆鱗に触れることになるはずで、であるならば「今日は遅かったのね」とか「課長が付き合えって煩くてさ」とかいうセリフは少し変。もっと言えば説明的過ぎるかと。これが不自然でないとするなら、遅くなろうが何しようが連絡など入れることはなく、奥さんも晩ご飯の用意などしないという子供のみが絆の冷え切った夫婦ということになり、それはいかがな物かと(笑)。
 それから、その手の付き合いなら基本的に酒は飲んでいるはずで、にもかかわらず帰ってきて缶ビールを飲むというのもどうかなという気がします。
 普通に残業でご飯も食べてきたっていう状況がナチュラルな感じもしますが、だとしたら「課長が付き合えって煩くてさ」はやはり変でしょう。
 細かい話ですな(^^;)。
 細かいついでに書きますと、愛娘はもう一人でトイレに行けるんですから、「あのコ暑がりなのかな?」って気づくのが遅すぎる(爆)。

>アニメを見れない娘にとっては物足りないのかもしれないけど、ね。

 この「ね」はちょっと浮いてるかな。

>「あなた、ちょっと~」

 わざわざ外に出てタバコ吸ってるときに下らない用事で呼ばれると腹立つんだよな(爆)。

>可愛い娘を抱いて子供部屋に向かう。

 たぶん、まだ子供部屋で一人寝は無理でしょう。


>>その一角は街灯による光で丸く照らされ、夜の世界に1つの舞台を
>>作り出していた。
>>そして、そこに浮かぶ演者の影。
>
>このくだりが、とてもうまいと思いました。

 ここは上手い。でも一歩間違うと浮く。

>この話の主人公である「僕」、実はらいどさん本人なんじゃないですか?(笑)

 この手の話だと、ある程度それは避けられない(爆)。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 10年後の君へ
【記事番号】-2147482542 (-2147482554)
【 日時 】05/11/02 00:42
【 発言者 】なお。

スルーしろと書くと、取り上げられる。
叩かないでと書くと、ぶっ叩かれる。

じゃあ、
「ああん、もっとぶって~アタシをみて~ん」
と、書いておけばスルーされる上に放置されるのか?

「ああ~ん放置しないでぇ~」

キモイw
放置プレイどころか削除される可能性大(爆)


【タイトル】Re: 10年後の君へ
【記事番号】-2147482540 (-2147482554)
【 日時 】05/11/02 19:11
【 発言者 】らいど

相変わらず遅レスでスミマセンです。
叩かれてブルーになってた訳じゃないですよ、念のため(笑)。

■なお。さん

いつも素早い感想ありがとうございます(^^)。

>妻とは3人目のレイで、幻の少女が2人目だと思っていたけど、
>妻はレイではなさそうですね。

そうですね。エヴァやネルフとは全く関係ない、普通の女性という設定です。

>シンジがレイを想って付けたのだとすると…奥さんの気持ちを考えると微妙かな。

娘の名前はそのまま「レイ」です。奥さんの気持ちはそこまで考えて
ませんでした(^^;。シンジが何て理由話したのか聞いてみたいところ。
自分も気をつけねば(笑)。

>> だけどそれは----
>ここからの読み方に、つまづいてしまったけど、ここの書き方は好きです。

ありがとうございます(^^)。「ハチクロ」風モノローグと呼んでます。
ええ、自分だけです(笑)。ちなみに「ハチクロ」は最近話題のマンガ
「ハチミツとクローバー」のことです。

>スルーしろと書くと、取り上げられる。
>叩かないでと書くと、ぶっ叩かれる。

そうすると一番いいのは、ええと、
「アタシを見ないで、もっとぶって~」かな。
・・・・・・目隠しSMプレイ(爆)?

■北並さん

いつも感想ありがとうございます(^^)。

>街灯の灯りをスポットライトのようにたとえていて、
>幻想的な光景がとてもよく表されていると思います。

おお、嬉しいです~! ちょっとクサいかなと消そうかとも思ったんですが、
残しておいて良かったかな。tambさんにも何とかOKみたいだし(^^;。

>この話の主人公である「僕」、実はらいどさん本人なんじゃないですか?(笑)

そう言われるかとも思いましたが(笑)、「僕」とカブってる
部分はごく一部です(^^;。
10周年をネタにして何か書こうと思ったときに、主人公と一緒に
読み手もこの10年を振り返れるような話もいいんじゃないかと思い
こんな話になりました。なのでこの「僕」は、シンジでありらいど本人であり
読んでくれたみなさんであるということで(^^;。


■tambさん

優しい愛のムチ(笑)、ありがとうございます~!

>もう癒えてはいるけれども確実に残る傷痕を振り返って見てる感じがします

シンジ的には正にその通りです。今は幸せだけれど、それはあの
戦いの日々を乗り越えたからであり、彼女がいたからだと。
「ありがとう」報告というところかな。

では、言い訳コーナーの始まりです(爆)。

>課長とお酒の件

上司に付き合って飲みに行くと気を使ってあまり飲めないので、
家に帰ってきてからすっきりとして飲むってことありません? え、ない?(^^;

>「~、ね」が浮いてる件

ここも消すかどうか迷って残したとこでした。地の文が続くので、
一区切りでちょっと軽くしようと思ったんだけど、ちと失敗かな(^^;。

>「あのコ暑がり」な件
>「子供部屋で一人寝」な件

まさにその通りですよね(笑)。子供がいないのがまる判り(^^;。
話のリアリティ、自分ではある程度気にして書いているつもりだけど、
いいなと思うシチュエーションが思い浮かぶとそれに引きずられて
OKだと思い込んでしまう。気をつけないといけないですね~。


【タイトル】Re: 10年後の君へ
【記事番号】-2147482539 (-2147482554)
【 日時 】05/11/02 23:42
【 発言者 】なお。

> 「ハチミツとクローバー」

残念、知りません(A^-^;


>> 課長とお酒の件

これがクレヨンしんちゃんの野原ひろしやサザエさんのマスオさんだったらあまり
違和感がなかったりするw どちらも連絡するときもあれば、しないときもありそ
うというか、どちらのパターンも見たような気がして。(自信ない)
まあ、連絡なしで遅くなったら、どちらの奥さんもそれなりの文句は言っていそう
な気はしますが、夫婦間は問題なさそう。

こんな理由で私としてはスルーというか気にならないところでした。単に薄情なのか
もしれません(爆)


> 家に帰ってきてからすっきりとして飲むってことありません?

います。私の友人の一人がまさにそうです。スッキリなのかどうかは知らんけど、ま
だ飲むのかって呆れるくらい。


> 自分ではある程度気にして書いているつもりだけど、いいなと思うシチュエーショ
> ンが思い浮かぶとそれに引きずられてOKだと思い込んでしまう。

これは自分ではなかなか気付けない。誤字脱字ならともかく文章として間違いではな
いですからね。気を付けているつもりでも、作中の時間におけるキャラクターの心理
ばかりに気を取られて、過去に起こったであろう経験なんかを見落としがちに。
FFならではの過去における経験は、キャラクターイメージとしてあるから見落とす事
も少ないけど、未来の話しを書くとなると原作終了時点の時間から書いている時間ま
での、歴史というか、どんな経験をしてきたかというところを配慮しなければならな
くて、それはFF小説ばかり書いているうちは改善しにくいものかもしれません。

要するに元からある背景に頼リ過ぎてしまうから、自分で考えるべきところが雑にな
ってしまうという話。これができない限りオリジナルの小説は書けないであろう。

ああ、私?
もちろん無理に決まってます。


【タイトル】Re: 10年後の君へ
【記事番号】-2147482537 (-2147482554)
【 日時 】05/11/04 20:44
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>

>子供がいないのがまる判り(^^;。

私も子供はおらんわけだが。想像力ですよ。妄想力ともいいますが(笑)。

>> 家に帰ってきてからすっきりとして飲むってことありません?
>います。私の友人の一人がまさにそうです。

いるのか(笑)。私なら別の店で飲んで帰るけど。まぁそのまま帰って寝る方が多いけど。

>スルーというか気にならないところでした。

いけません。アスカ様の逆鱗に触れます。

>要するに元からある背景に頼リ過ぎてしまうから、自分で考えるべきところが雑にな
>ってしまうという話。これができない限りオリジナルの小説は書けないであろう。

これは逆も言えるかなと。つまりオリジナルなら全部説明しないといけないわけだから、抜けるということはあんまりない(と思う)。FFだと全部説明する必要はない、というか、自明のことを説明しすぎるとくどいわけですから、省略すべき部分もある。ここは自明だと思って省略した部分が読み手と共通の理解ではなかったりすると「違和感がある」とか「これじゃ誰々じゃないよな」とか言われるわけだ(笑)。

設定考えたりキャラ立てなくていい分だけFFの方が楽かなとは思うけど。

mailto:tamb○cube-web.net


【タイトル】Re: 10年後の君へ
【記事番号】-2147482525 (-2147482554)
【 日時 】05/11/11 00:15
【 発言者 】tomo

はじめまして、らいどさん。tomoと申します。
遅ればせながら、この作品を含めて、この掲示板に投稿されている一連の作品を読ませていただきました。
他の二つの作品も素直に萌え♪させてもらいましたが、私はこの作品が一番印象に残りました。

私、この作品を一読したとき、「僕」はシンジではなく、現実世界の人だと思ってました。
きっと、この「僕」の気持ちに私自身がとても共感していたからだと思います。

ちょっと私自身の話をさせてくださいね。何度か書いたことがありますけど、私がエヴァをTVで見たとき、14歳でした。そして、これははじめて話すのですけれど、ちょうどその時期、私には友達がいなくて、どうやったら友人関係を築けるのだろうってとても悩んでいました。そんな時だからかもしれませんが、シンジというキャラクターは私自身に似ている気がして、惹かれる、というよりは、同族意識でしょうか、そんな感じを抱いたのでした。私にとってエヴァが特別であり続けるのは、たぶん、そんな理由があるからなんだと思います。

・・・・・・ごめんなさい、なんだか変な話をしてしまいました。
えっと、だから、10年たった今、私にとってもエヴァの世界は『永遠の夏』なんです。この作品の「僕」のように。
そういった意味で、この作品は私自身の10年経った思いと通じるところがあって、とても印象に残っています。

分かりにくい文章を長々とごめんなさい。関係ない自分の話しもしてしまいました。10年経っても、自分の思いはうまく言葉にできない私です。こんな私ですけど、今後のらいどさんの作品、楽しみに待っています。(期待してもいいですよね?)
それでは、また。tomoでした。


【タイトル】Re: 10年後の君へ
【記事番号】-2147482509 (-2147482554)
【 日時 】05/11/14 01:50
【 発言者 】らいど

すっかりご無沙汰してしまって申し訳ありません~。
仕事関係の資格試験があってすっかり沈んでました。
結果は聞かないで(笑)。

■なお。さん

>要するに元からある背景に頼リ過ぎてしまうから、自分で考えるべきところが雑にな
>ってしまうという話。

雑というか、行き届かないんでしょうね。自分ではそれなりにちゃんと
考えているつもりでいても、他の人から見れば「変だぞ?」って
思えるところが出てきてしまう。その辺はtambさんの「共通理解」の話とも
絡んでくると思いますが・・・・これを直すのって難しいですよね。
もっとちゃんと考えるっていっても自分では考えてるつもりな訳だから(笑)。
日々精進して人生経験を積むのが一番の近道でしょうか(^^;。

■tambさん

>ここは自明だと思って省略した部分が読み手と共通の理解ではなかったり
>すると「違和感がある」とか「これじゃ誰々じゃないよな」とか
>言われるわけだ(笑)。

共通理解。これも人によって感覚が違う訳だから、大体みんなが
どれくらいの許容範囲を持っているのか気にして書かないといけない
ですよね。特に原作から遠い性格付けをしたキャラ
なんかを書く場合は。
「綾波レイ」の場合は、26話の学園パートがあったおかげで許容範囲が
かなり広がったんじゃないかと思います。あれがなかったら
明るいレイなんてとても考えられない(笑)。
でもまあ、未だにエヴァのFFを読んだり書いたりしている人たちは
かなり許容範囲が広いはずだから、そこに期待していろんな可能性を
書いてみてもいいんじゃないかとも思ったり(^^;。

■tomoさん

こちらこそ遅ればせながら初めまして! 感想貰えるのはいつに
なっても嬉しいですよ~(^^)。

>私、この作品を一読したとき、「僕」はシンジではなく、現実世界の人だと思ってました。
>きっと、この「僕」の気持ちに私自身がとても共感していたからだと思います。

tomoさんのこの感想、自分の中でもめちゃめちゃ嬉しかったです。
前にも述べてますが、読んだ人にそう思って貰えたらいいなと
思って書いたまさにその通りでしたので。
なのでシンジであってシンジでないような、シンジと確定できるような
要素を極力省いて書いたつもりです。それがtomoさんにも伝わったようで、
とても嬉しいです(^^)。

自分がEVAの本放送を見たときは、もうグッズを買い漁れるような
年齢になってましたが(笑)、人間関係について考えるところもあったので、
そういった面からもエヴァに惹かれていたのかもしれませんね。
そして物語に、キャラたちに惹かれてこうして未だに自分も
「永遠の夏」に囚われている訳ですが(^^;。

自分の想いを人に伝えるというのは本当に難しいものだし、
それはこのネットの文章だけの世界ではなおさらのこと。
それでもFFを書いたり感想を書いたりして、自分の想いを少しでも
人に伝えたいと思う。スゴく良いことですよね。
こうして皆さんからレスが貰える訳だし(笑)。
tomoさんの期待に応えられるよう、またちょっとづつガンバっていきたい
と思います。
最近時間がなかったのでtomoさんの連載の方まだ読めてないんですが(^^;、
これからのtomoさんの作品も楽しみにしてます!
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