TOP
> 記事閲覧
I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
件名 | : Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do? |
投稿日 | : 2009/05/31 00:00 |
投稿者 | : Kaz.Ueda |
参照先 | : |
【タイトル】I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482068 (2147483647)
【 日時 】06/04/12 01:33
【 発言者 】tomo
不運なことっていうのは起こってほしくないときに限って起こるものだ。
窓の外の流れる景色を見ながら、僕はそう思った。
前方に広がる紅いビル群と後方を侵食する夜の帳。そのちょうど真ん中を僕の乗る電車が進んでいく。
じわじわとその面積を広げる黒い闇は僕の心にあせりを誘う。
この期に及んで今更じたばたしてもしょうがないとは思いつつも、僕は誘われるまま右腕の時計を見てしまう。
17:40
デジタル時計の数字はきっちりとした刻を教えてくれる。
(この時計、電波時計だから殆ど常に正しい時刻を表示するんだっけ……)
無意味に思い出した知識が余計に自分を心配させる。
そんな自分に、思わず苦笑する。
(こういうの、内罰的っていうのかな……)
かつての同居人の言葉を思い出す。同時に、彼女は今、どうしてるんだろう、なんて思ったりもしてみる。
ブルブルブル………
現実逃避しかけた僕の意識を、左胸の振動が強制的に引き戻す。
少しだけ体を硬直させて、僕はジャケットのうちポケットから携帯を取り出した。
『新着メールを受信しました』
誰からなのかはわかってる。その内容も。流れるようにボタンを押す。
『From:綾波
[件名Re:ごめん。ちょっと遅れそう]
[本文]
わかった。』
見事なまでのワンワード・メッセージ。
それが意味することは、たぶん、一つだけ。
(怒ってる、よな……やっぱ……)
もともと全てが僕のせいというわけではない。
最も不可抗力なのは電車が遅れたことだ。
いつも使っていて、めったに遅れることのない環状線が今日に限って5分遅延していた。
まぁ、この点に関しては彼女も許してくれるだろう。
問題はその先だ。
一番初めのきっかけは、大学の授業が10分伸びたこと。
これもどちらかといえば僕のせいではないといえる。
続いて授業が伸びたせいで連鎖的に起こったのは、次の授業のために教室の外で待っていた知り合いに声をかけられたことだ。
この点に関してはたぶん、僕が悪い。
さっさと切り上げればよかったのにその場で少し話し始めてしまったのだから。
しかも、だ。
決定的なのは、その知り合いがサークルの後輩の女の子だった点だ。
これはもうどうしようもないくらい僕が悪い。
ここで失った10分は申し開きの仕様がない。
(……謝るしか、ないよな、やっぱり)
人から話しかけられたのに途中で打ち切ることが僕にとって結構大変であるということを彼女だって知っている。
知ってるからこそ、余計に怒る。
その理由はよくわからないけれど、その気持ちはなんとなくでもわかりたいと思ってる。
そう思ってくれる彼女を大切にしたい、とも。
ガタン
少しだけゆれて、電車が停まる。
僕は体をできる限り角によせて、降りる人が下りやすく、乗る人が乗りやすくするためスペースを空ける。
プシュン。
ドアのしまり際、視界の片隅に駅名が飛び込んでくる。
(……あと、3駅……)
わざわざ確認しなくてもわかっていた事実を心の中で繰り返しながら、僕はゆっくりと流れ出した景色に目をやった。
電車を降りると、外は既に暗闇に包まれていた。
もう春だというのに、吹き抜ける風は結構な寒さを携えている。
その寒さが僕の心を絶望的に暗くした。
(はやく待ち合わせ場所にいかないと………)
今にも駆け出そうとする足。
対照的にゆったりとしか動かない人の波。
心と体がアンチノミーになりながら、僕はやっとのことで改札を出る。
そこでようやくまばらになる人の群れ。
僕は彼女が待っているであろう場所に急いだ。
そこに着いたとき、僕はもうほとんど走っている状態に近かった。
息を整えるのももどかしく、僕は彼女を探す。
そして。
僕は彼女を見つけた。
目印とした背の高い時計塔。その下のベンチに彼女はいた。
「ごめん、綾波……」
開口一番、僕は謝った。
この場所で、日の沈む、まさにその最後の光を見取ったであろう彼女には、そうすべきだと思ったから。
ゆっくりと、本当にゆっくりとした動きで彼女は手に持っていた文庫本を閉じると、それを鞄にしまい、立ち上がる。
顔を上げた彼女は、メガネの奥のその瞳で僕を捉える。
ライトグレーの色をしたメガネの、流れるような流線型フォルムがとても美しかった。
目線が合ったと思ったのに、彼女はすぐ下を向いてしまう。
左腕の腕時計で彼女は時間を確認した。
「…30分……私はこのとても寒いなかで、30分間待ちぼうけを食らったわけね」
「そ、そうだね……」
怒るでもなく、なじるでもなく。ただ、事実を告げる。
光の加減でメガネが反射してしまって、彼女の瞳は見ることができない。
僕の鼓動は最高潮に達していた。
「ホントにごめん……この埋め合わせはなんでもするから……」
「そう……何でもしてくれるの……なら」
そこまで言って、彼女はメガネをはずした。
「強く抱きしめてくれる?今、いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
あまりにも淡々と。
彼女はすごいことを言ってのけた。
「えっ………あ…こ、ここで?」
「ええ」
「でっ……でも」
「してくれないの? ……」
紅い瞳がかすかに揺れる。
いろんな意味で追い詰められていた僕には、それはこれ以上ないくらいの決め手だった。
カサッ。
かすかに服のかすれる音がして、僕は彼女を抱きしめた。
そうしてみて改めて感じる。彼女の体が冷たくなっていることに。
彼女の頭に顎を少しだけ乗っけながら、僕は彼女の甘い匂いをいっぱい吸い込んでいた。
「クスクスクスクス………」
しばらくそうしていたら、僕の胸の中で彼女が小さく笑い始めた。
「どうしたんだよ」
「別に……ただちょっと、ね」
「? ……ちょっと、なんだよ」
彼女が顔を上げる。
「反応が良すぎるって、思っただけよ」
その言葉の真意がわからなくて、ちょっと考える。
そうして。
彼女の言っているコトの意味に思い至ったとき、僕は思わず、彼女から体を離してしまう。
「あ、綾波……」
自分の声がひどく間抜けに聞こえる。
でも、そんな僕にかまわなずに彼女はすっと後ろを向いた。
「ほら。桜、見に行くんでしょ?」
そういって横顔を僕に見せる。
その顔は、やっぱり、笑顔だった。
「え……あ、う、うん」
僕がそう返事をしたときには、彼女はもう数歩先を歩いている。
(綾波って、ほんと、ときどきすごいよなぁ)
彼女の背中を追いながら、僕はそんなことを考えていた。
夜の闇はどんどんと深さをまし、時折吹く風はまだ少し冷たい。
でも。
僕の心はとても温かみに満ちている。
きっと、彼女もそう思ってくれている。
遅刻はしてしまったけれど。
僕は、彼女をお花見に誘って本当に良かったと感じていた。
【記事番号】-2147482068 (2147483647)
【 日時 】06/04/12 01:33
【 発言者 】tomo
不運なことっていうのは起こってほしくないときに限って起こるものだ。
窓の外の流れる景色を見ながら、僕はそう思った。
前方に広がる紅いビル群と後方を侵食する夜の帳。そのちょうど真ん中を僕の乗る電車が進んでいく。
じわじわとその面積を広げる黒い闇は僕の心にあせりを誘う。
この期に及んで今更じたばたしてもしょうがないとは思いつつも、僕は誘われるまま右腕の時計を見てしまう。
17:40
デジタル時計の数字はきっちりとした刻を教えてくれる。
(この時計、電波時計だから殆ど常に正しい時刻を表示するんだっけ……)
無意味に思い出した知識が余計に自分を心配させる。
そんな自分に、思わず苦笑する。
(こういうの、内罰的っていうのかな……)
かつての同居人の言葉を思い出す。同時に、彼女は今、どうしてるんだろう、なんて思ったりもしてみる。
ブルブルブル………
現実逃避しかけた僕の意識を、左胸の振動が強制的に引き戻す。
少しだけ体を硬直させて、僕はジャケットのうちポケットから携帯を取り出した。
『新着メールを受信しました』
誰からなのかはわかってる。その内容も。流れるようにボタンを押す。
『From:綾波
[件名Re:ごめん。ちょっと遅れそう]
[本文]
わかった。』
見事なまでのワンワード・メッセージ。
それが意味することは、たぶん、一つだけ。
(怒ってる、よな……やっぱ……)
もともと全てが僕のせいというわけではない。
最も不可抗力なのは電車が遅れたことだ。
いつも使っていて、めったに遅れることのない環状線が今日に限って5分遅延していた。
まぁ、この点に関しては彼女も許してくれるだろう。
問題はその先だ。
一番初めのきっかけは、大学の授業が10分伸びたこと。
これもどちらかといえば僕のせいではないといえる。
続いて授業が伸びたせいで連鎖的に起こったのは、次の授業のために教室の外で待っていた知り合いに声をかけられたことだ。
この点に関してはたぶん、僕が悪い。
さっさと切り上げればよかったのにその場で少し話し始めてしまったのだから。
しかも、だ。
決定的なのは、その知り合いがサークルの後輩の女の子だった点だ。
これはもうどうしようもないくらい僕が悪い。
ここで失った10分は申し開きの仕様がない。
(……謝るしか、ないよな、やっぱり)
人から話しかけられたのに途中で打ち切ることが僕にとって結構大変であるということを彼女だって知っている。
知ってるからこそ、余計に怒る。
その理由はよくわからないけれど、その気持ちはなんとなくでもわかりたいと思ってる。
そう思ってくれる彼女を大切にしたい、とも。
ガタン
少しだけゆれて、電車が停まる。
僕は体をできる限り角によせて、降りる人が下りやすく、乗る人が乗りやすくするためスペースを空ける。
プシュン。
ドアのしまり際、視界の片隅に駅名が飛び込んでくる。
(……あと、3駅……)
わざわざ確認しなくてもわかっていた事実を心の中で繰り返しながら、僕はゆっくりと流れ出した景色に目をやった。
電車を降りると、外は既に暗闇に包まれていた。
もう春だというのに、吹き抜ける風は結構な寒さを携えている。
その寒さが僕の心を絶望的に暗くした。
(はやく待ち合わせ場所にいかないと………)
今にも駆け出そうとする足。
対照的にゆったりとしか動かない人の波。
心と体がアンチノミーになりながら、僕はやっとのことで改札を出る。
そこでようやくまばらになる人の群れ。
僕は彼女が待っているであろう場所に急いだ。
そこに着いたとき、僕はもうほとんど走っている状態に近かった。
息を整えるのももどかしく、僕は彼女を探す。
そして。
僕は彼女を見つけた。
目印とした背の高い時計塔。その下のベンチに彼女はいた。
「ごめん、綾波……」
開口一番、僕は謝った。
この場所で、日の沈む、まさにその最後の光を見取ったであろう彼女には、そうすべきだと思ったから。
ゆっくりと、本当にゆっくりとした動きで彼女は手に持っていた文庫本を閉じると、それを鞄にしまい、立ち上がる。
顔を上げた彼女は、メガネの奥のその瞳で僕を捉える。
ライトグレーの色をしたメガネの、流れるような流線型フォルムがとても美しかった。
目線が合ったと思ったのに、彼女はすぐ下を向いてしまう。
左腕の腕時計で彼女は時間を確認した。
「…30分……私はこのとても寒いなかで、30分間待ちぼうけを食らったわけね」
「そ、そうだね……」
怒るでもなく、なじるでもなく。ただ、事実を告げる。
光の加減でメガネが反射してしまって、彼女の瞳は見ることができない。
僕の鼓動は最高潮に達していた。
「ホントにごめん……この埋め合わせはなんでもするから……」
「そう……何でもしてくれるの……なら」
そこまで言って、彼女はメガネをはずした。
「強く抱きしめてくれる?今、いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
あまりにも淡々と。
彼女はすごいことを言ってのけた。
「えっ………あ…こ、ここで?」
「ええ」
「でっ……でも」
「してくれないの? ……」
紅い瞳がかすかに揺れる。
いろんな意味で追い詰められていた僕には、それはこれ以上ないくらいの決め手だった。
カサッ。
かすかに服のかすれる音がして、僕は彼女を抱きしめた。
そうしてみて改めて感じる。彼女の体が冷たくなっていることに。
彼女の頭に顎を少しだけ乗っけながら、僕は彼女の甘い匂いをいっぱい吸い込んでいた。
「クスクスクスクス………」
しばらくそうしていたら、僕の胸の中で彼女が小さく笑い始めた。
「どうしたんだよ」
「別に……ただちょっと、ね」
「? ……ちょっと、なんだよ」
彼女が顔を上げる。
「反応が良すぎるって、思っただけよ」
その言葉の真意がわからなくて、ちょっと考える。
そうして。
彼女の言っているコトの意味に思い至ったとき、僕は思わず、彼女から体を離してしまう。
「あ、綾波……」
自分の声がひどく間抜けに聞こえる。
でも、そんな僕にかまわなずに彼女はすっと後ろを向いた。
「ほら。桜、見に行くんでしょ?」
そういって横顔を僕に見せる。
その顔は、やっぱり、笑顔だった。
「え……あ、う、うん」
僕がそう返事をしたときには、彼女はもう数歩先を歩いている。
(綾波って、ほんと、ときどきすごいよなぁ)
彼女の背中を追いながら、僕はそんなことを考えていた。
夜の闇はどんどんと深さをまし、時折吹く風はまだ少し冷たい。
でも。
僕の心はとても温かみに満ちている。
きっと、彼女もそう思ってくれている。
遅刻はしてしまったけれど。
僕は、彼女をお花見に誘って本当に良かったと感じていた。
件名 | : Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do? |
投稿日 | : 2009/05/31 00:00 |
投稿者 | : tomo |
参照先 | : |
【タイトル】I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482068 (2147483647)
【 日時 】06/04/10 00:30
【 発言者 】tomo
不運なことっていうのは起こってほしくないときに限って起こるものだ。
窓の外の流れる景色を見ながら、僕はそう思った。
前方に広がる紅いビル群と後方を侵食する夜の帳。そのちょうど真ん中を僕の乗る電車が進んでいく。
じわじわとその面積を広げる黒い闇は僕の心にあせりを誘う。
この期に及んで今更じたばたしてもしょうがないとは思いつつも、僕は誘われるまま右腕の時計を見てしまう。
17:40
デジタル時計の数字はきっちりとした刻を教えてくれる。
(この時計、電波時計だから殆ど常に正しい時刻を表示するんだっけ……)
無意味に思い出した知識が余計に自分を心配させる。
そんな自分に、思わず苦笑する。
(こういうの、内罰的っていうのかな……)
かつての同居人の言葉を思い出す。同時に、彼女は今、どうしてるんだろう、なんて思ったりもしてみる。
ブルブルブル………
現実逃避しかけた僕の意識を、左胸の振動が強制的に引き戻す。
少しだけ体を硬直させて、僕はジャケットのうちポケットから携帯を取り出した。
『新着メールを受信しました』
誰からなのかはわかってる。その内容も。流れるようにボタンを押す。
『From:綾波
[件名Re:ごめん。ちょっと遅れそう]
[本文]
わかった。』
見事なまでのワンワード・メッセージ。
それが意味することは、たぶん、一つだけ。
(怒ってる、よな……やっぱ……)
もともと全てが僕のせいというわけではない。
最も不可抗力なのは電車が遅れたことだ。
いつも使っていて、めったに遅れることのない環状線が今日に限って5分遅延していた。
まぁ、この点に関しては彼女も許してくれるだろう。
問題はその先だ。
一番初めのきっかけは、大学の授業が10分伸びたこと。
これもどちらかといえば僕のせいではないといえる。
続いて授業が伸びたせいで連鎖的に起こったのは、次の授業のために教室の外で待っていた知り合いに声をかけられたことだ。
この点に関してはたぶん、僕が悪い。
さっさと切り上げればよかったのにその場で少し話し始めてしまったのだから。
しかも、だ。
決定的なのは、その知り合いがサークルの後輩の女の子だった点だ。
これはもうどうしようもないくらい僕が悪い。
ここで失った10分は申し開きの仕様がない。
(……謝るしか、ないよな、やっぱり)
人から話しかけられたのに途中で打ち切ることが僕にとって結構大変であるということを彼女だって知っている。
知ってるからこそ、余計に怒る。
その理由はよくわからないけれど、その気持ちはなんとなくでもわかりたいと思ってる。
そう思ってくれる彼女を大切にしたい、とも。
ガタン
少しだけゆれて、電車が停まる。
僕は体をできる限り角によせて、降りる人が下りやすく、乗る人が乗りやすくするためスペースを空ける。
プシュン。
ドアのしまり際、視界の片隅に駅名が飛び込んでくる。
(……あと、3駅……)
わざわざ確認しなくてもわかっていた事実を心の中で繰り返しながら、僕はゆっくりと流れ出した景色に目をやった。
電車を降りると、外は既に暗闇に包まれていた。
もう春だというのに、吹き抜ける風は結構な寒さを携えている。
その寒さが僕の心を絶望的に暗くした。
(はやく待ち合わせ場所にいかないと………)
今にも駆け出そうとする足。
対照的にゆったりとしか動かない人の波。
心と体がアンチノミーになりながら、僕はやっとのことで改札を出る。
そこでようやくまばらになる人の群れ。
僕は彼女が待っているであろう場所に急いだ。
そこに着いたとき、僕はもうほとんど走っている状態に近かった。
息を整えるのももどかしく、僕は彼女を探す。
そして。
僕は彼女を見つけた。
目印とした背の高い時計塔。その下のベンチに彼女はいた。
「ごめん、綾波……」
開口一番、僕は謝った。
この場所で、日の沈む、まさにその最後の光を見取ったであろう彼女には、そうすべきだと思ったから。
ゆっくりと、本当にゆっくりとした動きで彼女は手に持っていた文庫本を閉じると、それを鞄にしまい、立ち上がる。
顔を上げた彼女は、メガネの奥のその瞳で僕を捉える。
ライトグレーの色をしたメガネの、流れるような流線型フォルムがとても美しかった。
目線が合ったと思ったのに、彼女はすぐ下を向いてしまう。
左腕の腕時計で彼女は時間を確認した。
「…30分……私はこのとても寒いなかで、30分間待ちぼうけを食らったわけね」
「そ、そうだね……」
怒るでもなく、なじるでもなく。ただ、事実を告げる。
光の加減でメガネが反射してしまって、彼女の瞳は見ることができない。
僕の鼓動は最高潮に達していた。
「ホントにごめん……この埋め合わせはなんでもするから……」
「そう……何でもしてくれるの……なら」
そこまで言って、彼女はメガネをはずした。
「強く抱きしめてくれる?今、いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
あまりにも淡々と。
彼女はすごいことを言ってのけた。
「えっ………あ…こ、ここで?」
「ええ」
「でっ……でも」
「してくれないの?……」
紅い瞳がかすかに揺れる。
いろんな意味で追い詰められていた僕には、それはこれ以上ないくらいの決め手だった。
カサッ。
かすかに服のかすれる音がして、僕は彼女を抱きしめた。
そうしてみて改めて感じる。彼女の体が冷たくなっていることに。
彼女の頭に顎を少しだけ乗っけながら、僕は彼女の甘い匂いをいっぱい吸い込んでいた。
「クスクスクスクス………」
しばらくそうしていたら、僕の胸の中で彼女が小さく笑い始めた。
「どうしたんだよ」
「別に……ただちょっと、ね」
「? ……ちょっと、なんだよ」
彼女が顔を上げる。
「反応が良すぎるって、思っただけよ」
その言葉の真意がわからなくて、ちょっと考える。
そうして。
彼女の言っているコトの意味に思い至ったとき、僕は思わず、彼女から体を離してしまう。
「あ、綾波……」
自分の声がひどく間抜けに聞こえる。
でも、そんな僕にかまわなずに彼女はすっと後ろを向いた。
「ほら。桜、見に行くんでしょ?」
そういって横顔を僕に見せる。
その顔は、やっぱり、笑顔だった。
「え……あ、う、うん」
僕がそう返事をしたときには、彼女はもう数歩先を歩いている。
(綾波って、ほんと、ときどきすごいよなぁ)
彼女の背中を追いながら、僕はそんなことを考えていた。
夜の闇はどんどんと深さをまし、時折吹く風はまだ少し冷たい。
でも。
僕の心はとても温かみに満ちている。
きっと、彼女もそう思ってくれている。
遅刻はしてしまったけれど。
僕は、彼女をお花見に誘って本当に良かったと感じていた。
【記事番号】-2147482068 (2147483647)
【 日時 】06/04/10 00:30
【 発言者 】tomo
不運なことっていうのは起こってほしくないときに限って起こるものだ。
窓の外の流れる景色を見ながら、僕はそう思った。
前方に広がる紅いビル群と後方を侵食する夜の帳。そのちょうど真ん中を僕の乗る電車が進んでいく。
じわじわとその面積を広げる黒い闇は僕の心にあせりを誘う。
この期に及んで今更じたばたしてもしょうがないとは思いつつも、僕は誘われるまま右腕の時計を見てしまう。
17:40
デジタル時計の数字はきっちりとした刻を教えてくれる。
(この時計、電波時計だから殆ど常に正しい時刻を表示するんだっけ……)
無意味に思い出した知識が余計に自分を心配させる。
そんな自分に、思わず苦笑する。
(こういうの、内罰的っていうのかな……)
かつての同居人の言葉を思い出す。同時に、彼女は今、どうしてるんだろう、なんて思ったりもしてみる。
ブルブルブル………
現実逃避しかけた僕の意識を、左胸の振動が強制的に引き戻す。
少しだけ体を硬直させて、僕はジャケットのうちポケットから携帯を取り出した。
『新着メールを受信しました』
誰からなのかはわかってる。その内容も。流れるようにボタンを押す。
『From:綾波
[件名Re:ごめん。ちょっと遅れそう]
[本文]
わかった。』
見事なまでのワンワード・メッセージ。
それが意味することは、たぶん、一つだけ。
(怒ってる、よな……やっぱ……)
もともと全てが僕のせいというわけではない。
最も不可抗力なのは電車が遅れたことだ。
いつも使っていて、めったに遅れることのない環状線が今日に限って5分遅延していた。
まぁ、この点に関しては彼女も許してくれるだろう。
問題はその先だ。
一番初めのきっかけは、大学の授業が10分伸びたこと。
これもどちらかといえば僕のせいではないといえる。
続いて授業が伸びたせいで連鎖的に起こったのは、次の授業のために教室の外で待っていた知り合いに声をかけられたことだ。
この点に関してはたぶん、僕が悪い。
さっさと切り上げればよかったのにその場で少し話し始めてしまったのだから。
しかも、だ。
決定的なのは、その知り合いがサークルの後輩の女の子だった点だ。
これはもうどうしようもないくらい僕が悪い。
ここで失った10分は申し開きの仕様がない。
(……謝るしか、ないよな、やっぱり)
人から話しかけられたのに途中で打ち切ることが僕にとって結構大変であるということを彼女だって知っている。
知ってるからこそ、余計に怒る。
その理由はよくわからないけれど、その気持ちはなんとなくでもわかりたいと思ってる。
そう思ってくれる彼女を大切にしたい、とも。
ガタン
少しだけゆれて、電車が停まる。
僕は体をできる限り角によせて、降りる人が下りやすく、乗る人が乗りやすくするためスペースを空ける。
プシュン。
ドアのしまり際、視界の片隅に駅名が飛び込んでくる。
(……あと、3駅……)
わざわざ確認しなくてもわかっていた事実を心の中で繰り返しながら、僕はゆっくりと流れ出した景色に目をやった。
電車を降りると、外は既に暗闇に包まれていた。
もう春だというのに、吹き抜ける風は結構な寒さを携えている。
その寒さが僕の心を絶望的に暗くした。
(はやく待ち合わせ場所にいかないと………)
今にも駆け出そうとする足。
対照的にゆったりとしか動かない人の波。
心と体がアンチノミーになりながら、僕はやっとのことで改札を出る。
そこでようやくまばらになる人の群れ。
僕は彼女が待っているであろう場所に急いだ。
そこに着いたとき、僕はもうほとんど走っている状態に近かった。
息を整えるのももどかしく、僕は彼女を探す。
そして。
僕は彼女を見つけた。
目印とした背の高い時計塔。その下のベンチに彼女はいた。
「ごめん、綾波……」
開口一番、僕は謝った。
この場所で、日の沈む、まさにその最後の光を見取ったであろう彼女には、そうすべきだと思ったから。
ゆっくりと、本当にゆっくりとした動きで彼女は手に持っていた文庫本を閉じると、それを鞄にしまい、立ち上がる。
顔を上げた彼女は、メガネの奥のその瞳で僕を捉える。
ライトグレーの色をしたメガネの、流れるような流線型フォルムがとても美しかった。
目線が合ったと思ったのに、彼女はすぐ下を向いてしまう。
左腕の腕時計で彼女は時間を確認した。
「…30分……私はこのとても寒いなかで、30分間待ちぼうけを食らったわけね」
「そ、そうだね……」
怒るでもなく、なじるでもなく。ただ、事実を告げる。
光の加減でメガネが反射してしまって、彼女の瞳は見ることができない。
僕の鼓動は最高潮に達していた。
「ホントにごめん……この埋め合わせはなんでもするから……」
「そう……何でもしてくれるの……なら」
そこまで言って、彼女はメガネをはずした。
「強く抱きしめてくれる?今、いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
あまりにも淡々と。
彼女はすごいことを言ってのけた。
「えっ………あ…こ、ここで?」
「ええ」
「でっ……でも」
「してくれないの?……」
紅い瞳がかすかに揺れる。
いろんな意味で追い詰められていた僕には、それはこれ以上ないくらいの決め手だった。
カサッ。
かすかに服のかすれる音がして、僕は彼女を抱きしめた。
そうしてみて改めて感じる。彼女の体が冷たくなっていることに。
彼女の頭に顎を少しだけ乗っけながら、僕は彼女の甘い匂いをいっぱい吸い込んでいた。
「クスクスクスクス………」
しばらくそうしていたら、僕の胸の中で彼女が小さく笑い始めた。
「どうしたんだよ」
「別に……ただちょっと、ね」
「? ……ちょっと、なんだよ」
彼女が顔を上げる。
「反応が良すぎるって、思っただけよ」
その言葉の真意がわからなくて、ちょっと考える。
そうして。
彼女の言っているコトの意味に思い至ったとき、僕は思わず、彼女から体を離してしまう。
「あ、綾波……」
自分の声がひどく間抜けに聞こえる。
でも、そんな僕にかまわなずに彼女はすっと後ろを向いた。
「ほら。桜、見に行くんでしょ?」
そういって横顔を僕に見せる。
その顔は、やっぱり、笑顔だった。
「え……あ、う、うん」
僕がそう返事をしたときには、彼女はもう数歩先を歩いている。
(綾波って、ほんと、ときどきすごいよなぁ)
彼女の背中を追いながら、僕はそんなことを考えていた。
夜の闇はどんどんと深さをまし、時折吹く風はまだ少し冷たい。
でも。
僕の心はとても温かみに満ちている。
きっと、彼女もそう思ってくれている。
遅刻はしてしまったけれど。
僕は、彼女をお花見に誘って本当に良かったと感じていた。
【記事番号】-2147482068 (2147483647)
【 日時 】06/04/09 02:37
【 発言者 】tomo
不運なことっていうのは起こってほしくないときに限って起こるものだ。
窓の外の流れる景色を見ながら、僕はそう思った。
前方に広がる紅いビル群と後方を侵食する夜の帳。そのちょうど真ん中を僕の乗る電車が進んでいく。
じわじわとその面積を広げる黒い闇は僕の心にあせりを誘う。
この期に及んで今更じたばたしてもしょうがないとは思いつつも、僕は誘われるまま右腕の時計を見てしまう。
17:40
デジタル時計の数字はきっちりとした刻を教えてくれる。
(この時計、電波時計だから殆ど常に正しい時刻を表示するんだっけ……)
無意味に思い出した知識が余計に自分を心配させる。
そんな自分に、思わず苦笑する。
(こういうの、内罰的っていうのかな……)
かつての同居人の言葉を思い出す。同時に、彼女は今、どうしてるんだろう、なんて思ったりもしてみる。
ブルブルブル………
現実逃避しかけた僕の意識を、左胸の振動が強制的に引き戻す。
少しだけ体を硬直させて、僕はジャケットのうちポケットから携帯を取り出した。
『新着メールを受信しました』
誰からなのかはわかってる。その内容も。流れるようにボタンを押す。
『From:綾波
[件名Re:ごめん。ちょっと遅れそう]
[本文]
わかった。』
見事なまでのワンワード・メッセージ。
それが意味することは、たぶん、一つだけ。
(怒ってる、よな……やっぱ……)
もともと全てが僕のせいというわけではない。
最も不可抗力なのは電車が遅れたことだ。
いつも使っていて、めったに遅れることのない環状線が今日に限って5分遅延していた。
まぁ、この点に関しては彼女も許してくれるだろう。
問題はその先だ。
一番初めのきっかけは、大学の授業が10分伸びたこと。
これもどちらかといえば僕のせいではないといえる。
続いて授業が伸びたせいで連鎖的に起こったのは、次の授業のために教室の外で待っていた知り合いに声をかけられたことだ。
この点に関してはたぶん、僕が悪い。
さっさと切り上げればよかったのにその場で少し話し始めてしまったのだから。
しかも、だ。
決定的なのは、その知り合いがサークルの後輩の女の子だった点だ。
これはもうどうしようもないくらい僕が悪い。
ここで失った10分は申し開きの仕様がない。
(……謝るしか、ないよな、やっぱり)
人から話しかけられたのに途中で打ち切ることが僕にとって結構大変であるということを彼女だって知っている。
知ってるからこそ、余計に怒る。
その理由はよくわからないけれど、その気持ちはなんとなくでもわかりたいと思ってる。
そう思ってくれる彼女を大切にしたい、とも。
ガタン
少しだけゆれて、電車が停まる。
僕は体をできる限り角によせて、降りる人が下りやすく、乗る人が乗りやすくするためスペースを空ける。
プシュン。
ドアのしまり際、視界の片隅に駅名が飛び込んでくる。
(……あと、3駅……)
わざわざ確認しなくてもわかっていた事実を心の中で繰り返しながら、僕はゆっくりと流れ出した景色に目をやった。
電車を降りると、外は既に暗闇に包まれていた。
もう春だというのに、吹き抜ける風は結構な寒さを携えている。
その寒さが僕の心を絶望的に暗くした。
(はやく待ち合わせ場所にいかないと………)
今にも駆け出そうとする足。
対照的にゆったりとしか動かない人の波。
心と体がアンチノミーになりながら、僕はやっとのことで改札を出る。
そこでようやくまばらになる人の群れ。
僕は彼女が待っているであろう場所に急いだ。
そこに着いたとき、僕はもうほとんど走っている状態に近かった。
息を整えるのももどかしく、僕は彼女を探す。
そして。
僕は彼女を見つけた。
目印とした背の高い時計塔。その下のベンチに彼女はいた。
「ごめん、綾波……」
開口一番、僕は謝った。
この場所で、日の沈む、まさにその最後の光を見取ったであろう彼女には、そうすべきだと思ったから。
ゆっくりと、本当にゆっくりとした動きで彼女は手に持っていた文庫本を閉じると、それを鞄にしまい、立ち上がる。
顔を上げた彼女は、メガネの奥のその瞳で僕を捉える。
ライトグレーの色をしたメガネの、流れるような流線型フォルムがとても美しかった。
目線が合ったと思ったのに、彼女はすぐ下を向いてしまう。
左腕の腕時計で彼女は時間を確認した。
「…30分……私はこのとても寒いなかで、30分間待ちぼうけを食らったわけね」
「そ、そうだね……」
怒るでもなく、なじるでもなく。ただ、事実を告げる。
光の加減でメガネが反射してしまって、彼女の瞳は見ることができない。
僕の鼓動は最高潮に達していた。
「ホントにごめん……この埋め合わせはなんでもするから……」
「そう……何でもしてくれるの……なら」
そこまで言って、彼女はメガネをはずした。
「強く抱きしめてくれる?今、いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
あまりにも淡々と。
彼女はすごいことを言ってのけた。
「えっ………あ…こ、ここで?」
「ええ」
「でっ……でも」
「してくれないの?……」
紅い瞳がかすかに揺れる。
いろんな意味で追い詰められていた僕には、それはこれ以上ないくらいの決め手だった。
カサッ。
かすかに服のかすれる音がして、僕は彼女を抱きしめた。
そうしてみて改めて感じる。彼女の体が冷たくなっていることに。
彼女の頭に顎を少しだけ乗っけながら、僕は彼女の甘い匂いをいっぱい吸い込んでいた。
「クスクスクスクス………」
しばらくそうしていたら、僕の胸の中で彼女が小さく笑い始めた。
「どうしたんだよ」
「別に……ただちょっと、ね」
「? ……ちょっと、なんだよ」
彼女が顔を上げる。
「反応が良すぎるって、思っただけよ」
その言葉の真意がわからなくて、ちょっと考える。
そうして。
彼女の言っているコトの意味に思い至ったとき、僕は思わず、彼女から体を離してしまう。
「あ、綾波……」
自分の声がひどく間抜けに聞こえる。
でも、そんな僕にかまわなずに彼女はすっと後ろを向いた。
「ほら。桜、見に行くんでしょ?」
そういって横顔を僕に見せる。
その顔は、やっぱり、笑顔だった。
「え……あ、う、うん」
僕はそう返事したときには、彼女はもう数歩先を歩いている。
(綾波って、ほんと、ときどきすごいよなぁ)
彼女の背中を追いながら、僕はそんなことを考えていた。
夜の闇はどんどんと深さをまし、時折吹く風はまだ少し冷たい。
でも。
僕の心はとても温かみに満ちている。
きっと、彼女もそう思ってくれている。
遅刻はしてしまったけれど。
僕は、彼女をお花見に誘って本当に良かったと感じていた。
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482067 (-2147482068)
【 日時 】06/04/09 02:43
【 発言者 】tomo
どうもこんばんわ。tomoです。
今回のテーマは『萌え』です。
私なりの『萌え』を考えてみました。
楽しんでいただけたら、幸いです。
追伸:タイトルのスペルが間違ってます。ごめなさい。
直そうとしたのですが、記事は直せてもタイトルはなおせないのでしょうか?できませんでした。
正しくは
『I was waiting for you for 30 minutes.So,what do you do?』
です。
やっぱり、なれない英語なんて使うもんじゃありませんね(壊)
【タイトル】Re: I was waiting for you for
【記事番号】-2147482058 (-2147482068)
【 日時 】06/04/09 20:05
【 発言者 】なお。
遅刻して、間に合わない。その心理描写が良かったです。電車に揺られ、これ以上急ぎようがないときに色々と考えてしまったりするところとかね。そのときの不条理感とかね。
ひょっとしてリアルで遅刻しましたか?
> 「強く抱きしめてくれる?今、いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
これは素晴らしい罰ですね。
> 「反応が良すぎるって、思っただけよ」
ヽ(´Д`;)ノアゥ...ソンナツモリジャ
でも、男と女の関係だろうな、この二人。
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482057 (-2147482068)
【 日時 】06/04/09 23:44
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>
>追伸:タイトルのスペルが間違ってます。ごめなさい。
直そうと思ったんですが、修正時は文字数の制限があるみたいです。これをどう設定するかわかりませんでした(^^;)。レスがついてない段階なら全部消してもう一回書き込むのがいいでしょうね。
まぁなんちゅうか、待ち合わせ時間は余裕をもって設定しろと言うかなんというか(笑)。
しかし時間がない時に限って電車って遅れるんだよな。後ろの電車との間隔調整で停車しますとか言いやがって、ご迷惑をおかけしますがって、わかってるなら発車しろっての(笑)。
で、駅に着いたら着いたでみんな歩くのが遅いわけだ。携帯でメールを打ちながら歩くなど以下略(笑)。
個人的にはこの話の最大のポイントは、
>そこまで言って、彼女はメガネをはずした。
メガネレイちゃん萌え(爆)。
しかし、レイの本編との乖離具合はののさん風だと思うけど、ののさんの描くレイとは違うんだよな。どこが違うんだろ。ののさんなら「クスクスクスクス」は書かないかなとは思うけど。
mailto:tamb○cube-web.net
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482052 (-2147482068)
【 日時 】06/04/10 18:55
【 発言者 】tomo
なお。さんにtambさん、感想ありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。私の『萌え』は?(壊)
>なお。さん
>ひょっとしてリアルで遅刻しましたか?
いえ、最近はしてないですね、遅刻。
(というかそもそも待ち合わせる機会がなかったりして(爆))
冒頭の部分は昔遅刻したときの経験がモチーフ
といえばモチーフになってます。
小心者(?)な私は、電車の中の方が帰って
あせってしまったりするのでした。
>でも、男と女の関係だろうな、この二人。
そうですね。一応、漠然とですけど、
そんなイメージは持ってました。
だから、ってわけじゃないですけど、
年齢設定が大学生なのです。
>tambさん
>タイトルの字数制限
なるほど。それでいくら入力しても文字が出なかったのですね。今度からは、一度全部消してって
方法で直すことにします。
>電車の遅れ。
そうなんですよ!!
私が前遅刻したときも、電車が遅れて、
ダメージが増大したのです。
電車の送れって、個々の遅れが5分ぐらいでも
乗り継ぎがあったりすると、複合ワザで20分とか
遅れたりして、もう最悪だったりするんですよね~
>メガネレイちゃん
そうですか。萌えていただけましたか。
何よりです。
このレイにはメガネを絶対にかけさせるというポリシーをもって書いたので、うれしいです。
>ののさんのレイとの違い。
う~ん、どうなんでしょうか。
あんまり意識はしていませんでした。
私自身は、ののさんのレイの方が透明感があるような気がしますけど。
ここで描かれたレイは今までの私が描いていたレイとは違う、新しいレイのイメージで書いてます。
このレイのイメージをひらめいたときは、とても新鮮でした。
(あくまで自分の中でだけの話ですけど)
実は、シンジとの付き合いの馴れ初めとか、
いろんな初体験(?)のエピソードとか
結構、妄想は進んでいて、今後形にできると
いのですけど。
そんなわけで、また形にできたらここに投稿しようと思います。(確約は全くできませんけど、ね。)
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482051 (-2147482068)
【 日時 】06/04/10 22:33
【 発言者 】牙丸
内容以前にタイトルから。
後半が全角になっているセンスは凄いと思います。
絶対思いつかないです。ここから脱帽。
内容は、自分のせいではないとはいえ、相手を待たせているのは凄く焦ります。
その落ち着きのなさ的な感じが、にじみ出てていい感じです。
>「強く抱きしめてくれる?今、いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
このセリフに萌えました。
甘えてる感じはなく、むしろ突っ放してる感じを受けるのですが、レイらしいと思います。
それでも淡々としている感じではなく、どこか人間くささが出ているというか……
レイがそのまま成長したら、こんな感じになりそう。
にしても、このレイ、エリートっぽそうなイメージが。
メガネのせいでしょうか?
>実は、シンジとの付き合いの馴れ初めとか、
>いろんな初体験(?)のエピソードとか
>結構、妄想は進んでいて、今後形にできると
>いのですけど。
ぜひ、形にして下さい。楽しみにしてます。
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482040 (-2147482068)
【 日時 】06/04/11 23:57
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>
>なるほど。それでいくら入力しても文字が出なかったのですね。
タイトルの文字数は設定してあって、その範囲内で修正できないんだからcgiのバグかなと思うんだけどな……。
>後半が全角になっているセンスは凄いと思います。
ほんとはフォントを変えるのがいいんだろうと思いますけど、掲示板ではそうもいかず。
>「強く抱きしめてくれる?今、いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
こういう「?」とかの後ろはスペースを取るべきなんじゃないかなって話は時々してて(tomoさんには言わなかったかな)、まぁ結局は好みでいいんだろうと思うけど、例えば、
「強く抱きしめてくれる? 今。いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
だと相当ニュアンスが違ってくるわな。スペースを取って丸にした。つまりこれだと「いま強く抱き締めて欲しい」になるわけだ。スペースはなくても同じだけど、「強く抱きしめてくれる?今。いろんな~」だと見た目が変だ(笑)。まぁスペースをつけても見た目はちょっと変だけど。つまり今抱き締めろって話なら文を変えるべしってことになるのかもしれんけど、今回のケースだと「抱き締め」と「今」が物理的にちょっと近いんじゃないかなと思ったんだわ。でも今読み直したらそんなに違和感なかった(爆)。
何が言いたいんだオレわ。
mailto:tamb○cube-web.net
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482039 (-2147482068)
【 日時 】06/04/12 01:46
【 発言者 】tomo
>牙丸さん
感想ありがとうございます。
タイトルのフォントは、当初は単に全角・半角を打ち込むとき間違っただけだったのですが、これはこれでいけるんじゃないかと思いまして、そのままいきました。
怪我の功名ってやつでしょうか(ちょっと違うか)
>強く~
この台詞に萌えていただいたようで、作者の思惑通りで、とてもうれしいです。
ぶっちゃけ、このお話は、この台詞を書くために書いたようなものですから、ここで萌えていただかないと、もう萌える場所はないに等しいという(オイ)。
>ぜひ、形にして下さい。楽しみにしてます。
そういわれたので、このお話と同時に思い浮かんで途中で一旦あきらめた作品をサルベージしてみました。
よかったら、どうぞ♪
(あまりにも単純な私ですいません)
>tambさん
スペースの話はうかがっていました。ここは意図的です。息継ぎのない、すらすらと言っている感じを出すとき、どうしてもスペースが邪魔のような気がしたからです。
あと、「今」は「ぬくもりが欲しい」にかけるつもりで書いたので、
>「強く抱きしめてくれる? 今。いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
は却下しました。
なので、スペースを空けると、
>「強く抱きしめてくれる? 今、いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
こうなりますね。
今見返すと、途切れた感じもそうは受けませんね。
>「抱きしめ」と「今」が物理的に近い
この点については、そうは思えなかったとしかいえません。
もっというと、近いとなにかおかしいですか?
よければおしえてくださいませ。
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482029 (-2147482068)
【 日時 】06/04/13 01:25
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>
とりあえずここだけレス。
>もっというと、近いとなにかおかしいですか?
まず結論だけ書くと、おかしくないです(爆)。
ただし、あくまでも私の場合はなんですが、文字と文字の間にスペースがあるとそこで区切って読みます。「。」と「、」は小さくて下の方にあるので、等幅フォントであれば充分なスペースがあります。対して「?」の場合はそれなりに存在感があります。従って、「くれる?今、いろんな」とあった場合、「今」の前後で見た時に、「る」と「今」の方が「今」と「い」よりも結びつきが強く見えます。というわけで、「強く抱きしめて、今」と一瞬読めるわけです。もちろん誤読です。
本来「?」は「。」的な意味も持っているはずですが、よりその役割を持たせるためにスペースを取って「くれる? 今、いろんな」にすれば、いかな私でも「る」と「今」が強く結びつくとは思えません。まぁ誤読ですからいいんですけど。つか、まともに読めば誰でもわかるわな。
>息継ぎのない、すらすらと言っている感じを出すとき、どうしてもスペースが邪魔
これはその通りでしょう。ですが、これも個人的な感覚かもしれませんが、「?」は語尾が上がってると思います。語尾を上げつつすらすら言うというのはちょっと想像しにくいです。
>強く抱きしめて、今いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから
ってのはアリかもしれません。あ、
>強く抱きしめてくれる?今いろんな意味で、あなたのぬくもりが欲しいから
これは十分アリだな。
mailto:tamb○cube-web.net
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482007 (-2147482068)
【 日時 】06/04/16 22:31
【 発言者 】tomo
>tambさん
わざわざご説明ありがとうございました。
文字と文字のスペースで単語のつながりを感じるという感覚は私にも良くわかりますので、tambさんの
誤読(?)もわからなくはなかったです。
>これはその通りでしょう。ですが、これも個人的な感覚かもしれませんが、「?」は語尾が上がってると思います。語尾を上げつつすらすら言うというのはちょっと想像しにくいです。
なるほど。それで「?」などの後をあけるわけですね。(いま気付いた)
たしかに、言われてみればその通りだと思います。
自分で問題の台詞を言ってみたときでも、たしかに、「?」の後は少し間が空く感覚がありました。
細かな説明ありがとうございます、デス。
>強く抱きしめて、今いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから
個人的には、これはなしですね。この場合だったら、、私だったら、「、」では鳴く「…」にしたいところです。
そうするとまた文の印象が少し変ってしまいますけど。
>強く抱きしめてくれる?今いろんな意味で、あなたのぬくもりが欲しいから
これはアリですね。
元の文章の印象に一番近い感じがします。
【タイトル】Re: I was waiting for you for
【記事番号】-2147482006 (-2147482068)
【 日時 】06/04/16 23:43
【 発言者 】なお。
強く抱きしめてくれる? 今いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから。
ずっと思ってたんだけど、これじゃダメ?
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147482005 (-2147482068)
【 日時 】06/04/17 00:09
【 発言者 】メフィスト
ども(^^)tomoさん、作品読ませていただきました。なんか大人(?)って感じがしました。
>「…30分……私はこのとても寒いなかで、30分間待ちぼうけを食らったわけね」
この台詞自分的にすごく好きな気がします。シンジ君の冷や汗が流れてるところが目に浮かびます(笑)
自分は指摘できるような読解力はまったく無いので自分が思ったことを書いてみました。すいません。
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147481990 (-2147482068)
【 日時 】06/04/17 17:31
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>
>>強く抱きしめて、今いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから
>個人的には、これはなしですね。この場合だったら、、私だったら、「、」では鳴く「…」にしたいところです。
私なら「。」にする(笑)。いろんな方面で「。」の代わりに「、」ってのが流行ってるんで使ってみたんだけど、こなれてないわな(^^;)。
>強く抱きしめてくれる? 今いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから。
>ずっと思ってたんだけど、これじゃダメ?
全然OKでしょう。この文章には必要不可欠な読点はありませんから。ただこれはセリフですし、作者のメッセージを込めた読点というのはそれなりにあっていいかと。それこそレイがすらすら喋っているかどうかを含めて。
私なら、私の中にあるレイの姿という意味も含め、二つに分割します。「強く抱きしめてくれる?」「今、あなたのぬくもりが欲しいから」ですね。「いろんな~」は削除。間に何を入れるかは考えどころ。僕は彼女の紅い瞳を見つめた、とかでもいいだろうし、「あまりにも淡々と。 彼女はすごいことを言ってのけた。」でもいいかな。
>自分が思ったことを書いてみました。すいません。
いや、みんな自分が思ったことを書いてるだけですから何ら問題ないっす。
mailto:tamb○cube-web.net
【タイトル】Re: I was waiting for you for
【記事番号】-2147481983 (-2147482068)
【 日時 】06/04/17 22:47
【 発言者 】なお。
>自分が思ったことを書いてみました。すいません。
思った事を書いたなら、それは一番素直な感想です。だから気にする必要なんて、まったくありません。
もし読みに自信がなくて、何かわからないところでもあれば、わからなかった、でもいいのです。とりあえずでも書き込んでおけば、作者もしくは誰かしらからレスが──たぶんですが──付き、ちゃんと解説してくれるでしょう。
そこでわかればスッキリ。それでもわからないならそこで議論するもよし。元からそういう場なんで、迷惑どころか逆に有難いです。
【タイトル】Re: I was waiting for you for 30 minutes.So,what do yu do?
【記事番号】-2147481969 (-2147482068)
【 日時 】06/04/22 22:17
【 発言者 】tomo
>メフィストさん
お読みくださって&感想を下さってありがとうございます♪
それと、返信が送れて申し訳ありません、デス
>この台詞自分的にすごく好きな気がします。
ここは、この作品2番目のポイントでした。
最初に浮かんだ、
「強く抱きしめてくれる?今、いろんな意味であなたのぬくもりが欲しいから」
という台詞をもっと生かせる(?)ようにセットにして浮かんできた台詞だからです。
だから、スキって言って頂けて、本当に嬉しいです。
>自分は指摘できるような読解力はまったく無いので自分が思ったことを書いてみました。すいません。
この気持ち、よくわかります。
私もついこの間まで何を感想として書いていいのか全然わかりませんでしたから。
でも。
こうやって、感想をいただける側になってみたら、
本当に感想をいただけるだけですっごく嬉しいものだって言うのが実感できて、今ではほんと、好きなように感想を述べる勇気(?)が沸いてきました。
だから。
こうやって思ったことを率直に書いていただいて、
それがしかも、作者の期待通りの反応だったのですから、こんなに嬉しいことはありません。
そういうわけですから、これからも、感想を頂けると嬉しいです。
>tambさん
そのあたりのシーンは、なお。さんとのチャットで、良い解決法(?)が浮かびました。
というわけで、改訂したら、投稿させていただきます(ちょっと先になりそうですが)