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未来を求めて・・・
件名 | : Re: 未来を求めて・・・ |
投稿日 | : 2009/05/31 00:00 |
投稿者 | : メフィスト |
参照先 | : |
【タイトル】未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482069 (2147483647)
【 日時 】06/05/10 03:41
【 発言者 】メフィスト
未来を求めて・・・
すべてが終わりを迎えた世界…。
少年はそこにいた。
そこにはただ赤い海が静かに広がっていた。
すべての生命を飲み込んだLCLの海として一人の少年の目前にその身を湛えている。
少年の名前は碇シンジ。
エヴァンゲリオン初号機のパイロットである。
彼は血のように赤いLCLの海岸で目覚めた。
「…」
目の前には動かなくなった巨大な綾波レイの、まるで刀で真っ二つにしたような顔の片方が横たわっているのを見た。
呆然と、その綾波だったものを見つめていると横から服の擦れる音が聞こえた。
視線を前から、音のした方に移す。
アスカだ。
アスカは右目や右腕に包帯を巻き痛々しい格好でその身を白い砂浜に横たえていた。
瞬間、シンジの脳裏に自分を拒絶し罵るアスカが浮かんできた。
シンジはその身を静かに起こし二号機パイロットであるアスカの上に馬乗りになると苦悶の表情を浮かべそっと両手をアスカの白い首に這わせた。
そして一気に両手に力を込めた。
「う…ぁぁ……」
アスカは僅かに声を漏らすと、そっと右腕をシンジの頬に伸ばす。
そして優しくその頬を撫でた。
「…ぁあ…うぐぅ……うぅ…」
シンジは泣いていた。
シンジは我に返ったのか、そっと首から手を離した。
それから泣き崩れるように体を丸めた。
「気持ち悪い・・・」
アスカはそう一言つぶやくと静かに息を引き取ってしまった。
しばらくしてシンジはアスカの体温が徐々に失われていくのを感じた。
そしてシンジは赤いLCLの海が広がる世界で一人きりになってしまった。
シンジはその真実を否定するかのように自分の殻に閉じこもった。
心を暗闇の奥底に沈めるように・・・。
その傍らには木で作られた十字架があった。
アスカの亡骸がその下に埋まった十字架である。
シンジはすべての気力を失い、生きているのか死んでいるのかもわからない抜け殻の状態になっていた。
だがサードインパクトの依り代として神の子となったシンジは死ぬことすら許されない。
それは終局を迎える際、量産型エヴァンゲリオンと初号機のS2機関から神の力とも呼べる膨大なエネルギーがシンジに流れ込んだ。
生身の人間がその莫大なエネルギーに適応するためにはエヴァや使徒と同じS2機関をシンジの細胞に組み込む必要があった。
そのため彼女はシンジを守るため身体をLCLから人の形をした使徒に近いものに作り変えた。
本人が望んでいなくても…。
「僕はなぜ…生きている…みんな…いなくなってしまった…一人はもういやだ…もう疲れた……」
(…もういいの?…)
「?…だれ…」
(…もう…いいの?…)
シンジの頭に響く優しい心地よい声。
それは絶望の淵にいたシンジに僅かな気力を与えた。
「母さん…?」
(…シンジ…もう…いいの…?)
「母さんなんだね…」
シンジは静かにその瞳を閉じてそう呟いた。
その閉じられた瞳からは一筋の涙が流れた。
(…もう…いいの?…)
彼が母と呼ぶその声はもう一度そう呼びかけた。
その言葉をシンジは遮り、彼は自分の中身をすべて出し切るかのように言葉を吐き出した。
「何を言ってるの…もう全部終わっちゃったじゃないか……アスカも…ミサトさんも綾波もトウジもケンスケもみんないなくなっちゃったじゃないか!!!今更何をいってるんだ!!」
消え入りそうな声は徐々に悲痛な叫びに変わっていた。
(…もういいの?…)
なおも静かに諭すようにその声はシンジの頭の中に響いてくる。
シンジは崩れるように、泣き叫ぶように言葉を紡いだ。
「いいわけない!!……いいわけないよ!!…返してよ…みんなに会いたいよ…みんなを返してよ……」
(…そう…それがあなたの願いなのね…シンジ…)
絶望の淵にいたシンジはその優しい声に導かれるように上を向いた。
その瞬間シンジの目の前が真っ白になった。
シンジは暖かな白い光に包まれて終末を迎えた世界から姿を消した。
シンジは光のなかで目を覚ました。
「ここは…」
シンジは静かにそしてゆっくと周りを見渡した。
周りは真っ白で光に包まれていた。
上も下もわからない。
自分が立っているのかすらわからない。
そんな不思議な感覚に捕われていた。
(ここは…ここにあって…ない所…)
「ここにあってここにない?どうゆうことさ!…意味がわからないよ母さん!!」
(ここはあなたの心の中…だからここにあって、ないところ…)
「ここが僕の心?じゃあ何で母さんはここにいるの?」
(私は碇ユイ…そう…あなたの母親…今まで初号機の中にいたのよ…シンジを守るために…)
(でももうその必要はなくなったのよ…初号機はその使命を終え…私は初号機から解放された…)
シンジの目の前に輝く人影が現れた。
徐々にその輝きがなくなると、そこにはユイの姿があった。
「かあさん!!!!」
シンジは驚きのあまりそれきり固まってしまった。
ユイは静かに微笑んで言葉を紡いだ。
(シンジ…私は魂だけの存在…今あなたの目の前に見えているのはただの幻よ…そう…夢…とでも言うのかしらね…)
静かに、そして優しく微笑みながらユイはそういって、さらに言葉を続けた。
(あなたに幸せになってほしい…そう望んできたのだけれど…結局はあなたを苦しめていたのね…)
「母さん…」
(本当にごめんなさい…シンジ…あなたには言葉でいくら謝っても謝りきれないわ…)
「…」
(でも償いはさせて…)
ユイの瞳から一筋の光・・涙が零れ落ちた・・・。
(あなたは望んでいなかった…けれど神の力があなたには宿っているわ…その力を使えばあなたの思うとおりのことができるはずよ…そう…時を戻すことも…)
そういってユイは顔を伏せた。
「時を戻す…?それに神の力…?」
シンジは自分の両の手の平に目を落とした。
(そう…シンジ、あなたは強大な力を手に入れているの…使い方がまだわからないだけ…でも気づいているはずよ…自分の体の、心の変化に…)
「そんなこと言われてもわからないよ。神の力なんて言われてもアスカを助けることすらできなかった…それに…僕は…アスカを…殺そうとした…そして死んでしまった…」
「そんな僕に力なんてあるわけない!!僕はただ逃げることしかできなかった…ただの臆病者なんだ!!」
シンジは俯いたままそう叫んだ。
(いいえ…でも確かに今まではそうだったかもしれないわね…でもシンジ…あなたは本当にただ力の使い方がわからないだけ…私はその力の使い方を教えるためにここに来たのよ…だからシンジ自分を責めないで…)
そう言うとユイはシンジにゆっくりとすべるように近寄ると優しくシンジを抱きしめた。
「か…あ…さん…」
(シンジ…これがこの世界で私がしてあげられる最初で最後の償いよ…)
そう言った瞬間ユイはシンジの身体に溶けるように消えていった。
シンジはすべてを理解した。
ユイが自分のために与えてくれた力を…。
神の力の強大さとその使い方を…。
「母さん…ありがとう…僕にできるかもしれない事が見つかったよ…」
シンジは上を向いてそうつぶやくと両手を広げて身体を十字架のようにすると背中からオレンジ色の十二枚の翼が現れた。まるで天使のような翼が・・・。
六対十二枚の翼がシンジを覆うように被さっていく。
そしてすべての翼がシンジを覆いつくすとシンジはその場から消えていた。
【記事番号】-2147482069 (2147483647)
【 日時 】06/05/10 03:41
【 発言者 】メフィスト
未来を求めて・・・
すべてが終わりを迎えた世界…。
少年はそこにいた。
そこにはただ赤い海が静かに広がっていた。
すべての生命を飲み込んだLCLの海として一人の少年の目前にその身を湛えている。
少年の名前は碇シンジ。
エヴァンゲリオン初号機のパイロットである。
彼は血のように赤いLCLの海岸で目覚めた。
「…」
目の前には動かなくなった巨大な綾波レイの、まるで刀で真っ二つにしたような顔の片方が横たわっているのを見た。
呆然と、その綾波だったものを見つめていると横から服の擦れる音が聞こえた。
視線を前から、音のした方に移す。
アスカだ。
アスカは右目や右腕に包帯を巻き痛々しい格好でその身を白い砂浜に横たえていた。
瞬間、シンジの脳裏に自分を拒絶し罵るアスカが浮かんできた。
シンジはその身を静かに起こし二号機パイロットであるアスカの上に馬乗りになると苦悶の表情を浮かべそっと両手をアスカの白い首に這わせた。
そして一気に両手に力を込めた。
「う…ぁぁ……」
アスカは僅かに声を漏らすと、そっと右腕をシンジの頬に伸ばす。
そして優しくその頬を撫でた。
「…ぁあ…うぐぅ……うぅ…」
シンジは泣いていた。
シンジは我に返ったのか、そっと首から手を離した。
それから泣き崩れるように体を丸めた。
「気持ち悪い・・・」
アスカはそう一言つぶやくと静かに息を引き取ってしまった。
しばらくしてシンジはアスカの体温が徐々に失われていくのを感じた。
そしてシンジは赤いLCLの海が広がる世界で一人きりになってしまった。
シンジはその真実を否定するかのように自分の殻に閉じこもった。
心を暗闇の奥底に沈めるように・・・。
その傍らには木で作られた十字架があった。
アスカの亡骸がその下に埋まった十字架である。
シンジはすべての気力を失い、生きているのか死んでいるのかもわからない抜け殻の状態になっていた。
だがサードインパクトの依り代として神の子となったシンジは死ぬことすら許されない。
それは終局を迎える際、量産型エヴァンゲリオンと初号機のS2機関から神の力とも呼べる膨大なエネルギーがシンジに流れ込んだ。
生身の人間がその莫大なエネルギーに適応するためにはエヴァや使徒と同じS2機関をシンジの細胞に組み込む必要があった。
そのため彼女はシンジを守るため身体をLCLから人の形をした使徒に近いものに作り変えた。
本人が望んでいなくても…。
「僕はなぜ…生きている…みんな…いなくなってしまった…一人はもういやだ…もう疲れた……」
(…もういいの?…)
「?…だれ…」
(…もう…いいの?…)
シンジの頭に響く優しい心地よい声。
それは絶望の淵にいたシンジに僅かな気力を与えた。
「母さん…?」
(…シンジ…もう…いいの…?)
「母さんなんだね…」
シンジは静かにその瞳を閉じてそう呟いた。
その閉じられた瞳からは一筋の涙が流れた。
(…もう…いいの?…)
彼が母と呼ぶその声はもう一度そう呼びかけた。
その言葉をシンジは遮り、彼は自分の中身をすべて出し切るかのように言葉を吐き出した。
「何を言ってるの…もう全部終わっちゃったじゃないか……アスカも…ミサトさんも綾波もトウジもケンスケもみんないなくなっちゃったじゃないか!!!今更何をいってるんだ!!」
消え入りそうな声は徐々に悲痛な叫びに変わっていた。
(…もういいの?…)
なおも静かに諭すようにその声はシンジの頭の中に響いてくる。
シンジは崩れるように、泣き叫ぶように言葉を紡いだ。
「いいわけない!!……いいわけないよ!!…返してよ…みんなに会いたいよ…みんなを返してよ……」
(…そう…それがあなたの願いなのね…シンジ…)
絶望の淵にいたシンジはその優しい声に導かれるように上を向いた。
その瞬間シンジの目の前が真っ白になった。
シンジは暖かな白い光に包まれて終末を迎えた世界から姿を消した。
シンジは光のなかで目を覚ました。
「ここは…」
シンジは静かにそしてゆっくと周りを見渡した。
周りは真っ白で光に包まれていた。
上も下もわからない。
自分が立っているのかすらわからない。
そんな不思議な感覚に捕われていた。
(ここは…ここにあって…ない所…)
「ここにあってここにない?どうゆうことさ!…意味がわからないよ母さん!!」
(ここはあなたの心の中…だからここにあって、ないところ…)
「ここが僕の心?じゃあ何で母さんはここにいるの?」
(私は碇ユイ…そう…あなたの母親…今まで初号機の中にいたのよ…シンジを守るために…)
(でももうその必要はなくなったのよ…初号機はその使命を終え…私は初号機から解放された…)
シンジの目の前に輝く人影が現れた。
徐々にその輝きがなくなると、そこにはユイの姿があった。
「かあさん!!!!」
シンジは驚きのあまりそれきり固まってしまった。
ユイは静かに微笑んで言葉を紡いだ。
(シンジ…私は魂だけの存在…今あなたの目の前に見えているのはただの幻よ…そう…夢…とでも言うのかしらね…)
静かに、そして優しく微笑みながらユイはそういって、さらに言葉を続けた。
(あなたに幸せになってほしい…そう望んできたのだけれど…結局はあなたを苦しめていたのね…)
「母さん…」
(本当にごめんなさい…シンジ…あなたには言葉でいくら謝っても謝りきれないわ…)
「…」
(でも償いはさせて…)
ユイの瞳から一筋の光・・涙が零れ落ちた・・・。
(あなたは望んでいなかった…けれど神の力があなたには宿っているわ…その力を使えばあなたの思うとおりのことができるはずよ…そう…時を戻すことも…)
そういってユイは顔を伏せた。
「時を戻す…?それに神の力…?」
シンジは自分の両の手の平に目を落とした。
(そう…シンジ、あなたは強大な力を手に入れているの…使い方がまだわからないだけ…でも気づいているはずよ…自分の体の、心の変化に…)
「そんなこと言われてもわからないよ。神の力なんて言われてもアスカを助けることすらできなかった…それに…僕は…アスカを…殺そうとした…そして死んでしまった…」
「そんな僕に力なんてあるわけない!!僕はただ逃げることしかできなかった…ただの臆病者なんだ!!」
シンジは俯いたままそう叫んだ。
(いいえ…でも確かに今まではそうだったかもしれないわね…でもシンジ…あなたは本当にただ力の使い方がわからないだけ…私はその力の使い方を教えるためにここに来たのよ…だからシンジ自分を責めないで…)
そう言うとユイはシンジにゆっくりとすべるように近寄ると優しくシンジを抱きしめた。
「か…あ…さん…」
(シンジ…これがこの世界で私がしてあげられる最初で最後の償いよ…)
そう言った瞬間ユイはシンジの身体に溶けるように消えていった。
シンジはすべてを理解した。
ユイが自分のために与えてくれた力を…。
神の力の強大さとその使い方を…。
「母さん…ありがとう…僕にできるかもしれない事が見つかったよ…」
シンジは上を向いてそうつぶやくと両手を広げて身体を十字架のようにすると背中からオレンジ色の十二枚の翼が現れた。まるで天使のような翼が・・・。
六対十二枚の翼がシンジを覆うように被さっていく。
そしてすべての翼がシンジを覆いつくすとシンジはその場から消えていた。
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投稿日 | : 2009/05/31 00:00 |
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【記事番号】-2147482069 (2147483647)
【 日時 】06/04/28 00:22
【 発言者 】メフィスト
未来を求めて・・・
すべてが終わりを迎えた世界・・・。
少年はそこにいた。
そこにはただ赤い海が静かに広がっていた。
それはすべての生命を飲み込んだ一つの液体、LCLの海・・・。
その少年の名前は碇シンジ。
エヴァンゲリオン初号機のパイロットである。
彼は血のように赤いLCLの海の海岸で目覚めた。
「・・・」
目の前には動かなくなった巨大な綾波レイの、まるで刀で真っ二つにしたような顔の片方が横たわっているのを見た。
呆然と、その綾波だったものを見つめていると横から服の擦れる音が聞こえた。
視線を前から、音のした方に移すと横たわっている存在に気がついた。
アスカだ。
アスカは右目や右腕に包帯を巻き痛々しい格好でその身を白い砂浜に横たえていた。
シンジはその身を静かに起こし二号機パイロットであるアスカの上に馬乗りになると苦悶の表情を浮かべそっと両手をアスカの白い首に這わせた。
そして一気に両手に力を込めた。
「う・・・・ぁぁ・・・・・・・」
アスカは僅かに声を漏らすと、そっと右腕をシンジの頬に伸ばす。
そして優しくその頬を撫でた。
「・・・ぁあ・・・・うぐぅ・・・・・うぅ・・・・」
シンジは泣いていた。
そして我に返ったのか、そっと首から手を離した。
それから泣き崩れるように体を丸めて泣いていた。
「気持ち悪い・・・」
アスカはそう一言つぶやくと静かに息を引き取ってしまった。
それからしばらくしてシンジはアスカの息がすでに無いことを知ると、泣きながら穴を掘り静かにアスカを葬った。
そしてシンジは赤いLCLの海が広がる世界で一人きりになってしまった。
シンジはその真実を否定するかのように自分の殻に閉じこもった。
心を暗闇の奥底に沈めるように・・・。
その傍らには木で作られた十字架があった。
アスカの亡骸がその下に埋まった十字架である。
シンジはすべての気力を失い生きているのか死んでいるのかもわからない抜け殻の状態になっていた。
だがサードインパクトの依り代として神の子となったシンジは死ぬことすら許されない。
すべての絶望の果てに永遠の命を得たのだ。
本人が望んでいなくても・・・。
「僕はなぜ・・生きている・・みんな・・・いなくなってしまった・・・・一人はもういやだ・・・・・もう疲れた・・・・・」
(・・・もういいの?・・・)
「?・・だれ・・・」
(・・もう・・いいの?・・)
シンジの頭に響く優しい心地よい声。
それは絶望の淵にいたシンジに僅かな気力を与えた。
「母さん?・・・」
(・・シンジ・・もう・・いいの?・・・)
「母さんなんだね・・・」
シンジは静かにその瞳を閉じてそう呟いた。
その閉じられた瞳からは一筋の涙が流れた。
(・・・・もう・・いいの?・・・・)
彼が母と呼ぶその声はもう一度そう呼びかけた。
しかしその言葉をシンジは遮り、彼は自分の中身をすべて出し切るかのように言葉を吐き出した。
「何を・・言ってるの・・もう全部終わっちゃったじゃないか・・・・・アスカも・・ミサトさんも綾波もトウジもケンスケもみんないなくなっちゃったじゃないか!!!今更何をいってるんだ!!」
シンジは徐々に声を張り上げていた。
自分でも驚くほどの声を出していた。
(・・もういいの?・・)
しかしなおも静かに諭すようにその声はシンジの頭の中に響いてくる。
シンジは崩れるように、泣き叫ぶように叫んだ。
「いいわけない!!・・・・いいわけないだろ!!・・返してよ・・みんなに会いたいよ・・みんなを返してよ・・・・」
(・・・そう・・・それがあなたの願いなのね・・・シンジ・・・・)
絶望の淵にいたシンジはその優しい声に導かれるように上を向いた。
その瞬間シンジの目の前が真っ白になった。
そしてシンジは暖かな白い光に包まれて終末を迎えた世界から姿を消した。
シンジは光のなかで目を覚ました。
「ここは・・・」
シンジは静かにそしてゆっくと周りを見渡した。
周りは真っ白で光に包まれていた。
上も下もわからない。
自分が立っているのかすらわからない。
そんな不思議な感覚に捕われていた。
(ここは・・光の部屋・・)
「光の・・部屋?・・・」
(そう・・ここにあって・・ここにない所・・・)
「ここにあってここにない?どうゆうことさ!・・意味がわからないよ母さん!!」
(ここはあなたの心の中・・だからここにあって、ないところ・・・)
「ここが僕の心?じゃあ何で母さんはここにいるの?」
(私は碇ユイ・・そう・・あなたの母親・・今まで初号機の中にいたのよ・・シンジを守るために・・・
でももうその必要はなくなったのよ・・初号機はその使命を終え・・・私は初号機から解放された・・・)
そしてシンジの目の前に輝く人影が現れた。
そして徐々にその輝きがなくなると、そこにはユイの姿があった。
「かあさん!!!!」
シンジは驚きのあまりそれきり固まってしまった。
ユイは静かに微笑んで言葉を紡いだ。
(シンジ・・・私は魂だけの存在・・・今あなたの目の前に見えているのはただの幻よ・・・そう・・夢・・とでも言うのかしらね・・・)
静かに、そして優しく微笑みながらユイはそういって、さらに言葉を続けた。
(あなたに幸せになってほしい・・そう望んできたのだけれど・・・結局はあなたを苦しめていたのね・・)
「母さん・・・」
(本当にごめんなさい・・シンジ・・あなたには言葉でいくら謝っても謝りきれないわ・・・)
「・・・」
(でも償いはさせて・・・)
ユイの瞳から一筋の光・・涙が零れ落ちた・・・。
(あなたは望んでいなかった・・・けれど神の力があなたには宿っているわ・・・その力を使えばあなたの思うとおりのことができるはずよ・・・そう・・・時を戻すことも・・・)
そういってユイは顔を伏せた。
「時を戻す・・?それに神の力・・・?」
シンジは自分の両の手の平に目を落とした。
(そう・・・シンジ、あなたは強大な力を手に入れているの・・・使い方がまだわからないだけ・・・でも気づいているはずよ・・・自分の体の、心の変化に・・・)
「そんなこと言われてもわからないよ。神の力なんて言われてもアスカを助けることすらできなかった・・・それに・・・僕は・・アスカを・・・殺そうとした・・・そして死んでしまった・・・」
「そんな僕に力なんてあるわけない!!僕はただ逃げることしかできなかった・・・ただの臆病者なんだ!!」
シンジは俯いたままそう叫んだ。
(いいえ・・・でも確かに今まではそうだったかもしれないわね・・・でもシンジ・・・あなたは本当にただ力の使い方がわからないだけ・・・私はその力の使い方を教えるためにここに来たのよ・・・だからシンジ自分を責めないで・・・)
そう言うとユイはシンジにゆっくりとすべるように近寄ると優しくシンジを抱きしめた。
「・・か・・あ・さん・・」
(シンジ・・・これがこの世界で私がしてあげられる最初で最後の償いよ・・・)
そう言った瞬間ユイはシンジの身体に溶けるように消えていった。
そしてシンジはすべてを理解した。
ユイがすべてを教えてくれた。
神の力の強大さとその使い方を・・・。
「母さん・・・ありがとう・・そしてさようなら・・・僕はもう一度最初からやり直してみるよ。みんなの幸せのために・・・」
シンジは上を向いてそうつぶやくと両手を広げて身体を十字架のようにすると背中からオレンジ色の十二枚の翼が現れた。まるで天使のような翼が・・・。
「いってきます・・・」
静かにそう呟くと十二枚の翼がシンジを覆うように被さっていく。
そしてすべての翼がシンジを覆いつくすとシンジはその場から消えていた。
そう、サードインパクトを止めるために。
そしてみんなと平和に暮らすために。
【記事番号】-2147482069 (2147483647)
【 日時 】06/04/28 00:22
【 発言者 】メフィスト
未来を求めて・・・
すべてが終わりを迎えた世界・・・。
少年はそこにいた。
そこにはただ赤い海が静かに広がっていた。
それはすべての生命を飲み込んだ一つの液体、LCLの海・・・。
その少年の名前は碇シンジ。
エヴァンゲリオン初号機のパイロットである。
彼は血のように赤いLCLの海の海岸で目覚めた。
「・・・」
目の前には動かなくなった巨大な綾波レイの、まるで刀で真っ二つにしたような顔の片方が横たわっているのを見た。
呆然と、その綾波だったものを見つめていると横から服の擦れる音が聞こえた。
視線を前から、音のした方に移すと横たわっている存在に気がついた。
アスカだ。
アスカは右目や右腕に包帯を巻き痛々しい格好でその身を白い砂浜に横たえていた。
シンジはその身を静かに起こし二号機パイロットであるアスカの上に馬乗りになると苦悶の表情を浮かべそっと両手をアスカの白い首に這わせた。
そして一気に両手に力を込めた。
「う・・・・ぁぁ・・・・・・・」
アスカは僅かに声を漏らすと、そっと右腕をシンジの頬に伸ばす。
そして優しくその頬を撫でた。
「・・・ぁあ・・・・うぐぅ・・・・・うぅ・・・・」
シンジは泣いていた。
そして我に返ったのか、そっと首から手を離した。
それから泣き崩れるように体を丸めて泣いていた。
「気持ち悪い・・・」
アスカはそう一言つぶやくと静かに息を引き取ってしまった。
それからしばらくしてシンジはアスカの息がすでに無いことを知ると、泣きながら穴を掘り静かにアスカを葬った。
そしてシンジは赤いLCLの海が広がる世界で一人きりになってしまった。
シンジはその真実を否定するかのように自分の殻に閉じこもった。
心を暗闇の奥底に沈めるように・・・。
その傍らには木で作られた十字架があった。
アスカの亡骸がその下に埋まった十字架である。
シンジはすべての気力を失い生きているのか死んでいるのかもわからない抜け殻の状態になっていた。
だがサードインパクトの依り代として神の子となったシンジは死ぬことすら許されない。
すべての絶望の果てに永遠の命を得たのだ。
本人が望んでいなくても・・・。
「僕はなぜ・・生きている・・みんな・・・いなくなってしまった・・・・一人はもういやだ・・・・・もう疲れた・・・・・」
(・・・もういいの?・・・)
「?・・だれ・・・」
(・・もう・・いいの?・・)
シンジの頭に響く優しい心地よい声。
それは絶望の淵にいたシンジに僅かな気力を与えた。
「母さん?・・・」
(・・シンジ・・もう・・いいの?・・・)
「母さんなんだね・・・」
シンジは静かにその瞳を閉じてそう呟いた。
その閉じられた瞳からは一筋の涙が流れた。
(・・・・もう・・いいの?・・・・)
彼が母と呼ぶその声はもう一度そう呼びかけた。
しかしその言葉をシンジは遮り、彼は自分の中身をすべて出し切るかのように言葉を吐き出した。
「何を・・言ってるの・・もう全部終わっちゃったじゃないか・・・・・アスカも・・ミサトさんも綾波もトウジもケンスケもみんないなくなっちゃったじゃないか!!!今更何をいってるんだ!!」
シンジは徐々に声を張り上げていた。
自分でも驚くほどの声を出していた。
(・・もういいの?・・)
しかしなおも静かに諭すようにその声はシンジの頭の中に響いてくる。
シンジは崩れるように、泣き叫ぶように叫んだ。
「いいわけない!!・・・・いいわけないだろ!!・・返してよ・・みんなに会いたいよ・・みんなを返してよ・・・・」
(・・・そう・・・それがあなたの願いなのね・・・シンジ・・・・)
絶望の淵にいたシンジはその優しい声に導かれるように上を向いた。
その瞬間シンジの目の前が真っ白になった。
そしてシンジは暖かな白い光に包まれて終末を迎えた世界から姿を消した。
シンジは光のなかで目を覚ました。
「ここは・・・」
シンジは静かにそしてゆっくと周りを見渡した。
周りは真っ白で光に包まれていた。
上も下もわからない。
自分が立っているのかすらわからない。
そんな不思議な感覚に捕われていた。
(ここは・・光の部屋・・)
「光の・・部屋?・・・」
(そう・・ここにあって・・ここにない所・・・)
「ここにあってここにない?どうゆうことさ!・・意味がわからないよ母さん!!」
(ここはあなたの心の中・・だからここにあって、ないところ・・・)
「ここが僕の心?じゃあ何で母さんはここにいるの?」
(私は碇ユイ・・そう・・あなたの母親・・今まで初号機の中にいたのよ・・シンジを守るために・・・
でももうその必要はなくなったのよ・・初号機はその使命を終え・・・私は初号機から解放された・・・)
そしてシンジの目の前に輝く人影が現れた。
そして徐々にその輝きがなくなると、そこにはユイの姿があった。
「かあさん!!!!」
シンジは驚きのあまりそれきり固まってしまった。
ユイは静かに微笑んで言葉を紡いだ。
(シンジ・・・私は魂だけの存在・・・今あなたの目の前に見えているのはただの幻よ・・・そう・・夢・・とでも言うのかしらね・・・)
静かに、そして優しく微笑みながらユイはそういって、さらに言葉を続けた。
(あなたに幸せになってほしい・・そう望んできたのだけれど・・・結局はあなたを苦しめていたのね・・)
「母さん・・・」
(本当にごめんなさい・・シンジ・・あなたには言葉でいくら謝っても謝りきれないわ・・・)
「・・・」
(でも償いはさせて・・・)
ユイの瞳から一筋の光・・涙が零れ落ちた・・・。
(あなたは望んでいなかった・・・けれど神の力があなたには宿っているわ・・・その力を使えばあなたの思うとおりのことができるはずよ・・・そう・・・時を戻すことも・・・)
そういってユイは顔を伏せた。
「時を戻す・・?それに神の力・・・?」
シンジは自分の両の手の平に目を落とした。
(そう・・・シンジ、あなたは強大な力を手に入れているの・・・使い方がまだわからないだけ・・・でも気づいているはずよ・・・自分の体の、心の変化に・・・)
「そんなこと言われてもわからないよ。神の力なんて言われてもアスカを助けることすらできなかった・・・それに・・・僕は・・アスカを・・・殺そうとした・・・そして死んでしまった・・・」
「そんな僕に力なんてあるわけない!!僕はただ逃げることしかできなかった・・・ただの臆病者なんだ!!」
シンジは俯いたままそう叫んだ。
(いいえ・・・でも確かに今まではそうだったかもしれないわね・・・でもシンジ・・・あなたは本当にただ力の使い方がわからないだけ・・・私はその力の使い方を教えるためにここに来たのよ・・・だからシンジ自分を責めないで・・・)
そう言うとユイはシンジにゆっくりとすべるように近寄ると優しくシンジを抱きしめた。
「・・か・・あ・さん・・」
(シンジ・・・これがこの世界で私がしてあげられる最初で最後の償いよ・・・)
そう言った瞬間ユイはシンジの身体に溶けるように消えていった。
そしてシンジはすべてを理解した。
ユイがすべてを教えてくれた。
神の力の強大さとその使い方を・・・。
「母さん・・・ありがとう・・そしてさようなら・・・僕はもう一度最初からやり直してみるよ。みんなの幸せのために・・・」
シンジは上を向いてそうつぶやくと両手を広げて身体を十字架のようにすると背中からオレンジ色の十二枚の翼が現れた。まるで天使のような翼が・・・。
「いってきます・・・」
静かにそう呟くと十二枚の翼がシンジを覆うように被さっていく。
そしてすべての翼がシンジを覆いつくすとシンジはその場から消えていた。
そう、サードインパクトを止めるために。
そしてみんなと平和に暮らすために。
件名 | : Re: 未来を求めて・・・ |
投稿日 | : 2009/05/31 00:00 |
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【タイトル】未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482069 (2147483647)
【 日時 】06/04/17 00:28
【 発言者 】メフィスト
未来を求めて・・・
すべてが終わりを迎えた世界・・・。
少年はそこにいた。
そこにはただ赤い海が静かに広がっていた。
それはすべての生命を飲み込んだ一つの液体、LCLの海として一人の少年の目前に広がっていた。
その少年の名前は碇シンジ。
エヴァンゲリオン初号機のパイロットである。
彼は血のように赤いLCLの海の海岸で目覚めた。
「・・・」
目の前には動かなくなった巨大な綾波レイの、まるで刀で真っ二つにしたような顔の片方が横たわっているのを見た。
呆然と、その綾波だったものを見つめていると横から服の擦れる音が聞こえた。
視線を前から、音のした方に移すと横たわっている存在に気がついた。
アスカだ。
アスカは右目や右腕に包帯を巻き痛々しい格好でその身を白い砂浜に横たえていた。
シンジはその身を静かに起こし二号機パイロットであるアスカの上に馬乗りになると苦悶の表情を浮かべそっと両手をアスカの白い首に這わせた。
そして一気に両手に力を込めた。
「う・・・・ぁぁ・・・・・・・」
アスカは僅かに声を漏らすと、そっと右腕をシンジの頬に伸ばす。
そして優しくその頬を撫でた。
「・・・ぁあ・・・・うぐぅ・・・・・うぅ・・・・」
シンジは泣いていた。
そして我に返ったのか、そっと首から手を離した。
それから泣き崩れるように体を丸めて泣いていた。
「気持ち悪い・・・」
アスカはそう一言つぶやくと静かに息を引き取ってしまった。
それからしばらくしてシンジはアスカの息がすでに無いことを知ると、泣きながら穴を掘り静かにアスカを葬った。
そしてシンジは赤いLCLの海が広がる世界で一人きりになってしまった。
シンジはその真実を否定するかのように自分の殻に閉じこもった。
心を暗闇の奥底に沈めるように・・・。
その傍らには木で作られた十字架があった。
アスカの亡骸がその下に埋まった十字架である。
シンジはすべての気力を失い生きているのか死んでいるのかもわからない抜け殻の状態になっていた。
だがサードインパクトの依り代として神の子となったシンジは死ぬことすら許されない。
すべての絶望の果てに永遠の命を得たのだ。
本人が望んでいなくても・・・。
「僕はなぜ・・生きている・・みんな・・・いなくなってしまった・・・・一人はもういやだ・・・・・もう疲れた・・・・・」
(・・・もういいの?・・・)
「?・・だれ・・・」
(・・もう・・いいの?・・)
シンジの頭に響く優しい心地よい声。
それは絶望の淵にいたシンジに僅かな気力を与えた。
「母さん?・・・」
(・・シンジ・・もう・・いいの?・・・)
「母さんなんだね・・・」
シンジは静かにその瞳を閉じてそう呟いた。
その閉じられた瞳からは一筋の涙が流れた。
(・・・・もう・・いいの?・・・・)
彼が母と呼ぶその声はもう一度そう呼びかけた。
しかしその言葉をシンジは遮り、彼は自分の中身をすべて出し切るかのように言葉を吐き出した。
「何を・・言ってるの・・もう全部終わっちゃったじゃないか・・・・・アスカも・・ミサトさんも綾波もトウジもケンスケもみんないなくなっちゃったじゃないか!!!今更何をいってるんだ!!」
シンジは徐々に声を張り上げていた。
自分でも驚くほどの声を出していた。
(・・もういいの?・・)
しかしなおも静かに諭すようにその声はシンジの頭の中に響いてくる。
シンジは崩れるように、泣き叫ぶように叫んだ。
「いいわけない!!・・・・いいわけないだろ!!・・返してよ・・みんなに会いたいよ・・みんなを返してよ・・・・」
(・・・そう・・・それがあなたの願いなのね・・・シンジ・・・・)
絶望の淵にいたシンジはその優しい声に導かれるように上を向いた。
その瞬間シンジの目の前が真っ白になった。
そしてシンジは暖かな白い光に包まれて終末を迎えた世界から姿を消した。
シンジは光のなかで目を覚ました。
「ここは・・・」
シンジは静かにそしてゆっくと周りを見渡した。
周りは真っ白で光に包まれていた。
上も下もわからない。
自分が立っているのかすらわからない。
そんな不思議な感覚に捕われていた。
(ここは・・光の部屋・・)
「光の・・部屋?・・・」
(そう・・ここにあって・・ここにない所・・・)
「ここにあってここにない?どうゆうことさ!・・意味がわからないよ母さん!!」
(ここはあなたの心の中・・だからここにあって、ないところ・・・)
「ここが僕の心?じゃあ何で母さんはここにいるの?」
(私は碇ユイ・・そう・・あなたの母親・・今まで初号機の中にいたのよ・・シンジを守るために・・・
でももうその必要はなくなったのよ・・初号機はその使命を終え・・・私は初号機から解放された・・・)
そしてシンジの目の前に輝く人影が現れた。
そして徐々にその輝きがなくなると、そこにはユイの姿があった。
「かあさん!!!!」
シンジは驚きのあまりそれきり固まってしまった。
ユイは静かに微笑んで言葉を紡いだ。
(シンジ・・・私は魂だけの存在・・・今あなたの目の前に見えているのはただの幻よ・・・そう・・夢・・とでも言うのかしらね・・・)
静かに、そして優しく微笑みながらユイはそういって、さらに言葉を続けた。
(あなたに幸せになってほしい・・そう望んできたのだけれど・・・結局はあなたを苦しめていたのね・・)
「母さん・・・」
(本当にごめんなさい・・シンジ・・あなたには言葉でいくら謝っても謝りきれないわ・・・)
「・・・」
(でも償いはさせて・・・)
ユイの瞳から一筋の光・・涙が零れ落ちた・・・。
(あなたは望んでいなかった・・・けれど神の力があなたには宿っているわ・・・その力を使えばあなたの思うとおりのことができるはずよ・・・そう・・・時を戻すことも・・・)
そういってユイは顔を伏せた。
「時を戻す・・?それに神の力・・・?」
シンジは自分の両の手の平に目を落とした。
(そう・・・シンジ、あなたは強大な力を手に入れているの・・・使い方がまだわからないだけ・・・でも気づいているはずよ・・・自分の体の、心の変化に・・・)
「そんなこと言われてもわからないよ。神の力なんて言われてもアスカを助けることすらできなかった・・・それに・・・僕は・・アスカを・・・殺そうとした・・・そして死んでしまった・・・」
「そんな僕に力なんてあるわけない!!僕はただ逃げることしかできなかった・・・ただの臆病者なんだ!!」
シンジは俯いたままそう叫んだ。
(いいえ・・・でも確かに今まではそうだったかもしれないわね・・・でもシンジ・・・あなたは本当にただ力の使い方がわからないだけ・・・私はその力の使い方を教えるためにここに来たのよ・・・だからシンジ自分を責めないで・・・)
そう言うとユイはシンジにゆっくりとすべるように近寄ると優しくシンジを抱きしめた。
「・・か・・あ・さん・・」
(シンジ・・・これがこの世界で私がしてあげられる最初で最後の償いよ・・・)
そう言った瞬間ユイはシンジの身体に溶けるように消えていった。
そしてシンジはすべてを理解した。
ユイがすべてを教えてくれた。
神の力の強大さとその使い方を・・・。
「母さん・・・ありがとう・・そしてさようなら・・・僕はもう一度最初からやり直してみるよ。みんなの幸せのために・・・」
シンジは上を向いてそうつぶやくと両手を広げて身体を十字架のようにすると背中からオレンジ色の十二枚の翼が現れた。まるで天使のような翼が・・・。
「いってきます・・・」
静かにそう呟くと十二枚の翼がシンジを覆うように被さっていく。
そしてすべての翼がシンジを覆いつくすとシンジはその場から消えていた。
そう、サードインパクトを止めるために。
そしてみんなと平和に暮らすために。
【記事番号】-2147482069 (2147483647)
【 日時 】06/04/17 00:28
【 発言者 】メフィスト
未来を求めて・・・
すべてが終わりを迎えた世界・・・。
少年はそこにいた。
そこにはただ赤い海が静かに広がっていた。
それはすべての生命を飲み込んだ一つの液体、LCLの海として一人の少年の目前に広がっていた。
その少年の名前は碇シンジ。
エヴァンゲリオン初号機のパイロットである。
彼は血のように赤いLCLの海の海岸で目覚めた。
「・・・」
目の前には動かなくなった巨大な綾波レイの、まるで刀で真っ二つにしたような顔の片方が横たわっているのを見た。
呆然と、その綾波だったものを見つめていると横から服の擦れる音が聞こえた。
視線を前から、音のした方に移すと横たわっている存在に気がついた。
アスカだ。
アスカは右目や右腕に包帯を巻き痛々しい格好でその身を白い砂浜に横たえていた。
シンジはその身を静かに起こし二号機パイロットであるアスカの上に馬乗りになると苦悶の表情を浮かべそっと両手をアスカの白い首に這わせた。
そして一気に両手に力を込めた。
「う・・・・ぁぁ・・・・・・・」
アスカは僅かに声を漏らすと、そっと右腕をシンジの頬に伸ばす。
そして優しくその頬を撫でた。
「・・・ぁあ・・・・うぐぅ・・・・・うぅ・・・・」
シンジは泣いていた。
そして我に返ったのか、そっと首から手を離した。
それから泣き崩れるように体を丸めて泣いていた。
「気持ち悪い・・・」
アスカはそう一言つぶやくと静かに息を引き取ってしまった。
それからしばらくしてシンジはアスカの息がすでに無いことを知ると、泣きながら穴を掘り静かにアスカを葬った。
そしてシンジは赤いLCLの海が広がる世界で一人きりになってしまった。
シンジはその真実を否定するかのように自分の殻に閉じこもった。
心を暗闇の奥底に沈めるように・・・。
その傍らには木で作られた十字架があった。
アスカの亡骸がその下に埋まった十字架である。
シンジはすべての気力を失い生きているのか死んでいるのかもわからない抜け殻の状態になっていた。
だがサードインパクトの依り代として神の子となったシンジは死ぬことすら許されない。
すべての絶望の果てに永遠の命を得たのだ。
本人が望んでいなくても・・・。
「僕はなぜ・・生きている・・みんな・・・いなくなってしまった・・・・一人はもういやだ・・・・・もう疲れた・・・・・」
(・・・もういいの?・・・)
「?・・だれ・・・」
(・・もう・・いいの?・・)
シンジの頭に響く優しい心地よい声。
それは絶望の淵にいたシンジに僅かな気力を与えた。
「母さん?・・・」
(・・シンジ・・もう・・いいの?・・・)
「母さんなんだね・・・」
シンジは静かにその瞳を閉じてそう呟いた。
その閉じられた瞳からは一筋の涙が流れた。
(・・・・もう・・いいの?・・・・)
彼が母と呼ぶその声はもう一度そう呼びかけた。
しかしその言葉をシンジは遮り、彼は自分の中身をすべて出し切るかのように言葉を吐き出した。
「何を・・言ってるの・・もう全部終わっちゃったじゃないか・・・・・アスカも・・ミサトさんも綾波もトウジもケンスケもみんないなくなっちゃったじゃないか!!!今更何をいってるんだ!!」
シンジは徐々に声を張り上げていた。
自分でも驚くほどの声を出していた。
(・・もういいの?・・)
しかしなおも静かに諭すようにその声はシンジの頭の中に響いてくる。
シンジは崩れるように、泣き叫ぶように叫んだ。
「いいわけない!!・・・・いいわけないだろ!!・・返してよ・・みんなに会いたいよ・・みんなを返してよ・・・・」
(・・・そう・・・それがあなたの願いなのね・・・シンジ・・・・)
絶望の淵にいたシンジはその優しい声に導かれるように上を向いた。
その瞬間シンジの目の前が真っ白になった。
そしてシンジは暖かな白い光に包まれて終末を迎えた世界から姿を消した。
シンジは光のなかで目を覚ました。
「ここは・・・」
シンジは静かにそしてゆっくと周りを見渡した。
周りは真っ白で光に包まれていた。
上も下もわからない。
自分が立っているのかすらわからない。
そんな不思議な感覚に捕われていた。
(ここは・・光の部屋・・)
「光の・・部屋?・・・」
(そう・・ここにあって・・ここにない所・・・)
「ここにあってここにない?どうゆうことさ!・・意味がわからないよ母さん!!」
(ここはあなたの心の中・・だからここにあって、ないところ・・・)
「ここが僕の心?じゃあ何で母さんはここにいるの?」
(私は碇ユイ・・そう・・あなたの母親・・今まで初号機の中にいたのよ・・シンジを守るために・・・
でももうその必要はなくなったのよ・・初号機はその使命を終え・・・私は初号機から解放された・・・)
そしてシンジの目の前に輝く人影が現れた。
そして徐々にその輝きがなくなると、そこにはユイの姿があった。
「かあさん!!!!」
シンジは驚きのあまりそれきり固まってしまった。
ユイは静かに微笑んで言葉を紡いだ。
(シンジ・・・私は魂だけの存在・・・今あなたの目の前に見えているのはただの幻よ・・・そう・・夢・・とでも言うのかしらね・・・)
静かに、そして優しく微笑みながらユイはそういって、さらに言葉を続けた。
(あなたに幸せになってほしい・・そう望んできたのだけれど・・・結局はあなたを苦しめていたのね・・)
「母さん・・・」
(本当にごめんなさい・・シンジ・・あなたには言葉でいくら謝っても謝りきれないわ・・・)
「・・・」
(でも償いはさせて・・・)
ユイの瞳から一筋の光・・涙が零れ落ちた・・・。
(あなたは望んでいなかった・・・けれど神の力があなたには宿っているわ・・・その力を使えばあなたの思うとおりのことができるはずよ・・・そう・・・時を戻すことも・・・)
そういってユイは顔を伏せた。
「時を戻す・・?それに神の力・・・?」
シンジは自分の両の手の平に目を落とした。
(そう・・・シンジ、あなたは強大な力を手に入れているの・・・使い方がまだわからないだけ・・・でも気づいているはずよ・・・自分の体の、心の変化に・・・)
「そんなこと言われてもわからないよ。神の力なんて言われてもアスカを助けることすらできなかった・・・それに・・・僕は・・アスカを・・・殺そうとした・・・そして死んでしまった・・・」
「そんな僕に力なんてあるわけない!!僕はただ逃げることしかできなかった・・・ただの臆病者なんだ!!」
シンジは俯いたままそう叫んだ。
(いいえ・・・でも確かに今まではそうだったかもしれないわね・・・でもシンジ・・・あなたは本当にただ力の使い方がわからないだけ・・・私はその力の使い方を教えるためにここに来たのよ・・・だからシンジ自分を責めないで・・・)
そう言うとユイはシンジにゆっくりとすべるように近寄ると優しくシンジを抱きしめた。
「・・か・・あ・さん・・」
(シンジ・・・これがこの世界で私がしてあげられる最初で最後の償いよ・・・)
そう言った瞬間ユイはシンジの身体に溶けるように消えていった。
そしてシンジはすべてを理解した。
ユイがすべてを教えてくれた。
神の力の強大さとその使い方を・・・。
「母さん・・・ありがとう・・そしてさようなら・・・僕はもう一度最初からやり直してみるよ。みんなの幸せのために・・・」
シンジは上を向いてそうつぶやくと両手を広げて身体を十字架のようにすると背中からオレンジ色の十二枚の翼が現れた。まるで天使のような翼が・・・。
「いってきます・・・」
静かにそう呟くと十二枚の翼がシンジを覆うように被さっていく。
そしてすべての翼がシンジを覆いつくすとシンジはその場から消えていた。
そう、サードインパクトを止めるために。
そしてみんなと平和に暮らすために。
【記事番号】-2147482069 (2147483647)
【 日時 】06/04/09 18:28
【 発言者 】メフィスト
未来を求めて・・・
そべてが終わりを迎えた世界・・・。
少年はそこにいた。
そこにはただ赤い海が静かに広がっていた。
それはすべての生命を飲み込んだ一つの液体、LCLの海として一人の少年の目前に広がっていた。
その少年の名前は碇シンジ。
エヴァンゲリオン初号機のパイロットである。
彼は血のように赤いLCLの海の海岸で目覚めた。
「・・・」
目の前には動かなくなった巨大な綾波レイの、まるで半分に刀で真っ二つにしたような顔の片方が横たわっているのを見た。
そして隣に横たわっている存在に気がついた。
アスカだ。
アスカは右目や右腕に包帯を巻き痛々しい格好でその身を白い砂浜に横たえていた。
シンジはその身を静かに起こし二号機パイロットであるアスカの上に馬乗りになると苦悶の表情を浮かべそっと両手をアスカの白い首に這わせた。
そして一気に両手に力を込めた。
「う・・・・ぁぁ・・・・・・・」
アスカは僅かに声を漏らすと、そっと右腕をシンジの頬に伸ばす。
そして優しくその頬を撫でた。
「・・・ぁあ・・・・うぐぅ・・・・・うぅ・・・・」
シンジは泣いていた。
そして我に返ったのか、そっと首から手を離した。
それから泣き崩れるように体を丸めて泣いていた。
「気持ち悪い・・・」
アスカはそう一言つぶやくと静かに息を引き取ってしまった。
それからしばらくしてシンジはアスカの息がすでに無いことを知ると、泣きながら穴を掘り静かにアスカを葬った。
そしてシンジは赤いLCLの海が広がる世界で一人きりになってしまった。
シンジはその真実を否定するかのように自分の殻に閉じこもった。
心を暗闇の奥底に沈めるように・・・。
その傍らには木で作られた十字架があった。
アスカの亡骸がその下に埋まった十字架である。
シンジはすべての気力を失い生きているのか死んでいるのかもわからない抜け殻の状態になっていた。
だがサードインパクトの依り代として神の子となったシンジは死ぬことすら許されない。
すべての絶望の果てに永遠の命を得たのだ。
本人が望んでいなくても・・・。
「僕はなぜ・・生きている・・みんな・・・いなくなってしまった・・・・一人はもういやだ・・・・・もう疲れた・・・・・」
(・・・もういいの?・・・)
「?・・だれ・・・」
(・・もう・・いいの?・・)
シンジの頭に響く優しい心地よい声。
それは絶望の淵にいたシンジに僅かな気力を与えた。
「母さん?・・・」
(・・シンジ・・もう・・いいの?・・・)
「母さんなんだね・・・」
シンジは静かにその瞳を閉じてそう呟いた。
その閉じられた瞳からは一筋の涙が流れた。
(・・・・もう・・いいの?・・・・)
彼が母と呼ぶその声はもう一度そう呼びかけた。
しかしその言葉をシンジは遮り、彼は自分の中身をすべて出し切るかのように言葉を吐き出した。
「何を・・言ってるの・・もう全部終わっちゃったじゃないか・・・・・アスカも・・ミサトさんも綾波もトウジもケンスケもみんないなくなっちゃったじゃないか!!!今更何をいってるんだ!!」
シンジは徐々に声を張り上げていた。
自分でも驚くほどの声を出していた。
(・・もういいの?・・)
しかしなおも静かに諭すようにその声はシンジの頭の中に響いてくる。
シンジは崩れるように、泣き叫ぶように叫んだ。
「いいわけない!!・・・・いいわけないだろ!!・・返してよ・・みんなに会いたいよ・・みんなを返してよ・・・・」
(・・・そう・・・それがあなたの願いなのね・・・シンジ・・・・)
絶望の淵にいたシンジはその優しい声に導かれるように上を向いた。
その瞬間シンジの目の前が真っ白になった。
そしてシンジは暖かな白い光に包まれて終末を迎えた世界から姿を消した。
シンジは光のなかで目を覚ました。
「ここは・・・」
シンジは静かにそしてゆっくと周りを見渡した。
周りは真っ白で光に包まれていた。
上も下もわからない。
自分が立っているのかすらわからない。
そんな不思議な感覚に捕われていた。
(ここは・・光の部屋・・)
「光の・・部屋?・・・」
(そう・・ここにあって・・ここにない所・・・)
「ここにあってここにない?どうゆうことさ!・・意味がわからないよ母さん!!」
(ここはあなたの心の中・・だからここにあって、ないところ・・・)
「ここが僕の心?じゃあ何で母さんはここにいるの?」
(私は碇ユイ・・そう・・あなたの母親・・今まで初号機の中にいたのよ・・シンジを守るために・・・
でももうその必要はなくなったのよ・・初号機はその使命を終え・・・私は初号機から解放された・・・)
そしてシンジの目の前に輝く人影が現れた。
そして徐々にその輝きがなくなると、そこにはユイの姿があった。
「かあさん!!!!」
シンジは驚きのあまりそれきり固まってしまった。
ユイは静かに微笑んで言葉を紡いだ。
(シンジ・・・私は魂だけの存在・・・今あなたの目の前に見えているのはただの幻よ・・・そう・・夢・・とでも言うのかしらね・・・)
静かに、そして優しく微笑みながらユイはそういって、さらに言葉を続けた。
(あなたに幸せになってほしい・・そう望んできたのだけれど・・・結局はあなたを苦しめていたのね・・)
「母さん・・・」
(本当にごめんなさい・・シンジ・・あなたには言葉でいくら謝っても謝りきれないわ・・・)
「・・・」
(でも償いはさせて・・・)
ユイの瞳から一筋の光・・涙が零れ落ちた・・・。
(あなたは望んでいなかった・・・けれど神の力があなたには宿っているわ・・・その力を使えばあなたの思うとおりのことができるはずよ・・・そう・・・時を戻すことも・・・)
そういってユイは顔を伏せた。
「時を戻す・・?それに神の力・・・?」
シンジは自分の両の手の平に目を落とした。
(そう・・・シンジ、あなたは強大な力を手に入れているの・・・使い方がまだわからないだけ・・・でも気づいているはずよ・・・自分の体の、心の変化に・・・)
「そんなこと言われてもわからないよ。神の力なんて言われてもアスカを助けることすらできなかった・・・それに・・・僕は・・アスカを・・・殺そうとした・・・そして死んでしまった・・・」
「そんな僕に力なんてあるわけない!!僕はただ逃げることしかできなかった・・・ただの臆病者なんだ!!」
シンジは俯いたままそう叫んだ。
(いいえ・・・でも確かに今まではそうだったかもしれないわね・・・でもシンジ・・・あなたは本当にただ力の使い方がわからないだけ・・・私はその力の使い方を教えるためにここに来たのよ・・・だからシンジ自分を責めないで・・・)
そう言うとユイはシンジにゆっくりとすべるように近寄ると優しくシンジを抱きしめた。
「・・か・・あ・さん・・」
(シンジ・・・これがこの世界で私がしてあげられる最初で最後の償いよ・・・)
そう言った瞬間ユイはシンジの身体に溶けるように消えていった。
そしてシンジはすべてを理解した。
ユイがすべてを教えてくれた。
神の力の強大さとその使い方を・・・。
「母さん・・・ありがとう・・そしてさようなら・・・僕はもう一度最初からやり直してみるよ。みんなの幸せのために・・・」
シンジは上を向いてそうつぶやくと両手を広げて身体を十字架のようにすると背中からオレンジ色の十二枚の翼が現れた。まるで天使のような翼が・・・。
「いってきます・・・」
静かにそう呟くと十二枚の翼がシンジを覆うように被さっていく。
そしてすべての翼がシンジを覆いつくすとシンジはその場から消えていた。
そう、サードインパクトを止めるために。
そしてみんなと平和に暮らすために。
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482060 (-2147482069)
【 日時 】06/04/09 20:38
【 発言者 】メフィスト
皆さん始めまして。
今まで色々なエヴァのSSを読んできて自分も何か書いてみたいと思いまして、初めて書いてみました。
今まで読んだ中でも特に面白そうと感じたものが逆行で自分なりに書けないものかと挑戦していました。
ここでなら何か意見をもらえるのでは?と、かってながら投稿させていただきました。
続きもあるのですが書いている自分がすでにわけのわからない状態に陥っている始末です・・。
もし感想などを頂けたら幸いです。
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482059 (-2147482069)
【 日時 】06/04/09 23:44
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>
管理人のtambと申します。はじめまして。
ここは比較的人が薄くて、常駐してる人もそれなりに忙しかったりするので、私を含めて反応が鈍いことがあると思いますが、一つよろしく御願いします。
初めて書くということなので、とりあえずひたすら書くというのが一番大事なんだと思いますが、人に見せようと思う場合は、とりあえず矛盾なく書くことが大事です。この話のように真っ正面から逆行させようという場合(アフター物でもそうですが)、なぜアスカの首を締めたのかという部分に自分なりの解釈を見つけておくのは大事かもしれません。その解釈を物語の中で書くかどうかは別にしても。というか、全能の神なら、やっぱとりあえずさっき自分の手で殺してしまったアスカを復活させろよって気がするんで(笑)。
でもって、まだプロローグ段階で作品そのものの評価は出来ませんが、
>そべてが終わりを迎えた世界・・・。
すべて、ですよね(笑)。いきなりこの誤字はさすがに萎えます(笑)。こういう誤字があったから作品の質が落ちるというものでもないと思いますが、こういうのは読み返せば必ず見つかります。で、何回も読み返していると、この文章は変だなとか、客観的に読むと意味が分からないかもなとか、そういう部分が見つかります。書いてる時は当然わかって書いてますから(自分で意味が分からず書いてたらダメだw)、なかなか意味の通らない文というのは見つけにくいものですが、それも何回も読み返してこそです。
とりあえずひたすら書く。行き詰まったら読み返す。書き直す。ひたすら書く。この繰り返しでしょう。
頑張って下さい。誰でも初めて書いた瞬間はあったのですから。
mailto:tamb○cube-web.net
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482050 (-2147482069)
【 日時 】06/04/10 00:33
【 発言者 】なお。
はじめましてメフィストさん。なお。と申します。どうかよろしくお願いします。
自分でも書いてみたい、という気持ちがあって習作のつもりで書いたのならば、その努力は認めます。
書けるだろうと思うのと、実際書いてみるのとでは大違いだからです。意味はちゃんと通じてますので、
ストーリーにもちゃんとなっています。アスカの首を絞めたのは、原作になぞって謎であろうという前提
で、ですけど。そして、文章自体はあまり上手なものとは言えません。
抽出すると、こんなところとか。
> 目の前には動かなくなった巨大な綾波レイの、まるで半分に刀で真っ二つにしたような顔の片方が横た
> わっているのを見た。
まるで半分にと書いて、更に真っ二つと書いてますが、これだと二つという意味が重複してしまうので
クドくなってしまいます。強調させるのにそう使うならそれもいいのですが、私には強調とも読めません
でした。
もし強調するなら、
「顔の中心線に添ってちょうど半分、良く切れる刀で綺麗に真っ二つにされたかのような~」
なんて具合で書くと良いかと思います。強調するなら大袈裟にするのがコツです。この場合は刀を、良
く切れる刀、なんてしてますね。うん、あざといですね。
そしてすぐ後の文も
> そして隣に横たわっている存在に気がついた。
ここは書きっぱなしじゃなくて、どうして気付いたのか、それがわかる文があるとより良いでしょう。
遠くにあるレイの顔。それはとても大きくしかも真っ二つ。今まで経験してきた事を思うと自失呆然と
視線がそれに釘付けになってもおかしくはないでしょう。だから隣に居ても、動きもせず声も出さないア
スカにはそうそう気付けない。気配とかあるかもしれないけど、ここではすぐに死んでしまうので、でき
れば生を感じさせないほうが良いでしょう。
ですから、何気なく地面に着いた手に触れた感触を追って隣を見たらアスカが居た、とか、そういう感
じで気付かせると不自然もないし、状況としてもわかりやすいかと思います。もっと簡単にするには、ア
スカのうめき声が聞こえたのでわかった、なんてのもアリだし、半分になったレイに責められているよう
で辛くなり顔を背けた先にいた、とか。
とにかくいきなり行動させたり気付かせたりさせないで、何かしら理由を付けましょう。って事です。
簡単でもいいから、それだけでもかなり変わると思います。
本末転倒になりますが、このまま書くにしても、私だったら、
「そしてすぐ隣にも、何か横たわる存在がいたのに気付いた。」
なんて感じにします。すぐ隣というのがポイントですね。視点が遠くから近くに動いたという表現を入
れたのです。これは無くても意味は通じるかもしれませんが、そこは比較の問題ですね。直前に、遠くの、
しかも大きなレイの横たわる様を見てますので、同じ横たわるでも、大きさも距離も変わったと明確にわ
からせた方が親切だろうという配慮です。じつはそこまで深く考えてそうした訳ではありませんでしたが、
解説するとこうなりました。驚いた事に、案外理にかなっていそうですよね。そういうところが実にあざ
といですね、私の場合。
> 続きもあるのですが書いている自分がすでにわけのわからない状態に陥っている始末です・・。
しっかりとしたビジョンができ上がっているのなら、このまま続きを書くのも止めませんが、どうもそ
うではなさそうですので、連載になりそうなくらい長いものは避けた方が良いでしょう。私も未だに連載
を書く自信を持てません。その前に短編すら書き上げられなくなってます……。どんなに叩かれようが、
何も書かないでうだうだ言ってる私のようなやつよりも、コツコツと向上心を持って書いている人の方が、
ずっと尊敬できます。エヴァFFに限らずこれからも書いていくなら、そういう人を目指して下さい。
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482049 (-2147482069)
【 日時 】06/04/10 01:32
【 発言者 】メフィスト
tambさん、なお。さん、ご意見ありがとうございます。大変参考になりました。
tambさん、すみません。いきなりの誤字まったく気づきませんでした・・。
やはり繰り返しが大切ですね。心にしかと刻み込んでおきます。
なお。さん、ありがとうございます。こんなにも長く感想を頂けてうれしい限りです。
というかやはり自分の文がそれだけ幼稚ということですね・・。今回頂いたアドバイスでその事を痛感いたしました。これからはもっと情景を豊かに違和感無く表現できるように頑張ります。
それにいつか自分もなお。さんやtambさんや他の人たちに負けないような文を書けるように努力していきたいと思います。
今回はお忙しい中ありがとうございました。
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482048 (-2147482069)
【 日時 】06/04/10 15:35
【 発言者 】tomo
はじめましてこんばんわ♪
tomoと申します。
ここにはたまに表れては感想を書いたり、拙い作品を投下しているものです。
ここの掲示板のいいところは、管理人のtambさんを
はじめ、レス職人(?)のなお。さんなどが
懇切丁寧な感想と指摘をしてくれるところです。
自分の作品に感想と指摘が付いていたときは、本当にうれしいものですからね。
そのような感想を糧にこつこつと書き進んでいけば、いつかきっと自分でも満足のいく作品が書けると思います。
だから、一緒にがんばって生きましょうね、メフィストさん♪
では(?)私からも指摘を一つだけさせて下さい。
えっとですね、メフィストさん、もう一度今回の文章のそれぞれの行の頭文字だけ見てみてください。
「そ」が多いとおもいませんか?
何が言いたいかって言いますと。
文章の頭に「そ」が多いってことは、「その」とか
「それ」とか「そして」とか、指示語、接続語が
多いってことをさすと思います。
指示語、接続語を多用することそれ自体が悪いって
ほどのことじゃないのでしょうけど、でも、やっぱり、なんていうか、『うまくない』印象を受けると思います。
特に指示語はできる限り押さえたほうがいい、っていうことを言っている人もいます。
それに、指示語をつかわないようにすると、情景の描写に気を配ったり、文章の流れに気を配ったりできて、より良い文章をかけると思います。
(指示語、接続語は文の流れをあるていど無理やり作れてしまうので、流れに気を配らなくなってしまいがちです)
実は、私自身も指示語、接続語を多用するほうでして、自分でも気をつけてるところであったりします。
なので、具体的にこうしたら、っていうアドバイスはできないのですけど(爆)、
もしよかったら、指示語、接続詞にも気をつけて
見てください。
ながながとわかりにくい指摘でごめんなさい、デス。
メフィストさんの次回作、楽しみにしてますね。
それでは、また。
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482047 (-2147482069)
【 日時 】06/04/10 22:21
【 発言者 】牙丸
初めまして、牙丸と申します。
大体のことは言われてしまってますが、私からも。
・・・を使っているようですが、どちらかというと…(三点リーダー)を使った方がすっきりするかと。
私も最初・を使っていたのですが、…の方がくどくないかと思います。
大抵は……と2個セットが一般的です。
私は好みで…単独で使うこともありますけど(笑)
そして話の内容ですが、プロローグだけでは正直何とも言えないです。
このような展開なら、よくあるパターンですし。
なので、ここからどう作者独自の展開になるかですね。
長編は、自分が訳分からなくなったらダメです。(短編もダメですけど、長編は特に)
回を重ねるごとに、混乱が積み重なって、矛盾が増えていってしまったらどうしようもないです。
長編を書くときは大雑把なプロット(あらすじ)を何かに書いておくとスムーズになります。
あと推敲はしましょう。出来れば最低5回はじっくりと読み直したいところです。
あと、矛盾を無くすためのポイントですが
1:全てのことに、何故?と自問する。
例えばです。(ここから先、揚げ足取りっぽくなりますが、ご了承下さい)
>すべての絶望の果てに永遠の命を得たのだ。
とありますが、何故永遠の命を得ることが出来たのでしょうか?
サードインパクトが起きたとしても、永遠の命が手にはいるとは限りません。
でもその直前に、シンジは特別で神の子になったからという説明がありますね?だから永遠の命が手に入ったと。
ですが、永遠の命を得るという設定は何故、必要だったのでしょうか?
そのように細かいところまで、自分でツッコミを入れるのです(爆)
読んだ相手が思うことを先回りして考えておく。そうすれば自然と人が納得しやすい文章になるかと思います。
逆に、その質問に答えられないということは、自分でもそこはなんとなく決めたとか、あやふやになっているところになります。
2:日にちをおいて推敲する。
一度書き終えたら、何日か放置した後に読み直すと、冷静に文章を読むことが出来ます。
とりあえずは、こんなところでしょうか。
まだ私も駆け出しの方なのですが、偉そうなことを言ってしまってすみません。
最初から長編は、正直かなり難しいです。
特に逆行は、どの作品も同じ展開になりがちです。
なるべくだったら短編、もしくは2~5話編成ぐらいの中編から始めるのをオススメします。
とにかく、まずは自分が納得するまで書く。
次に推敲を重ねて投稿なり投下なりをする。
そして感想をつけてもらって、いいところ悪いところを把握して、次に生かす。
その繰り返しが、上達のコツです。
掲示板に投下でしたら、長編よりは短編の方がいいと思います。先が見えないから何も言えないと言うことが無くなるので。
では、長々と失礼しました。
一緒に精進しましょう。
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482037 (-2147482069)
【 日時 】06/04/11 23:56
【 発言者 】tamb <tamb○cube-web.net>
皆さんの書いてらっしゃる事は全てそれなりに正しいのですが、ある意味では最初っから上手く書こうというのは無理なんで、そういう細かい部分は全部すっ飛ばしてとりあえず書く、ひたすら書くというのも大事かもしれません。特に最初のうちは。
なんにしても考えてるだけではダメです。書かないと上手くなりません。下手でもいいから書くというのは大事です。
で、とりあえず書いたら投下なり投稿していただくと、みんなで叩きます(爆)。そうするとまた見えてくることがあると思うんですよね。今はまだ見えないようなことが。その繰り返しです。誰でもそうです。頑張ってくださいまし。
mailto:tamb○cube-web.net
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482004 (-2147482069)
【 日時 】06/04/15 19:32
【 発言者 】メフィスト
tomoさん、牙丸さん、tambさん、ありがとうございます。
tomoさん、専門的なご指摘ありがとうございます。やはり自分は文章の勉強をした方がいいですね。接続詞など全体のバランスを見ながら偏らないように努力します。
牙丸さん、詳しい説明ありがとうございます。
客観的に自分の文章を読めるようにし、かつ自分に対しての問いかけを忘れないようにがんばります。
それにやっぱり長編をいきなり書くには無理があったみたいですね。アドバイスのようにまずは短編を書いてみます。
tambさん、どうもです。これからとりあえずひたすら書いてみたいと思います。
ひたすら書いて書き終えたらまた投稿させていただきます。
そのときは皆様またご指導よろしくお願いします。
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482003 (-2147482069)
【 日時 】06/04/16 03:52
【 発言者 】なお。
いろいろ指摘されてたけど、私も似通った欠点を持っているのに気付き、自分が指摘されているようで、頭が痛い部分もありました(爆)
がんばって。
こちらも負けずに精進します!
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482002 (-2147482069)
【 日時 】06/04/16 19:29
【 発言者 】メフィスト
がんばります、なお。さん。
正直かなりダメージ受けました‥。
でもくじけず頑張りたいと思います。
感想を言ってくれる人がいるのは幸せなことですから(^^)。
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482001 (-2147482069)
【 日時 】06/04/16 23:24
【 発言者 】tomo
私も偉そうなことをいってしまってごめんなさい。
私自身も指摘される身なので、指摘はあくまで私の感想に過ぎませんから。
突っ込まれるとやっぱりつらいですよね。
でも。
これだけのツッコミ(?)をしっかりと受け止めることのできるメフィストさんなら、きっと良い文章が書けるようになると思います。(私だったら絶対投げ出しそう)
これからもぜひがんばってくださいませ♪
【タイトル】Re: 未来を求めて・・・
【記事番号】-2147482000 (-2147482069)
【 日時 】06/04/16 23:42
【 発言者 】メフィスト
tomoさん、ありがとうございます。頑張ります。
でも実際かなり凹んでますが感想を言ってもらえないより全然いいです。
アドバイスや指摘があればそれだけ文を書き直したり、書き足したり色々とやれるわけですから。
皆さんには感謝の一言では足りませんよ。
これからも機会があれば投稿したいと思いますので、tomoさん、よろしくお願いします♪