「綾波レイの幸せ」掲示板 四人目/小説を語る掲示板・ネタバレあり注意
TOP
> 記事閲覧
ひとりぼっちのあなたへ/緒形ゆう
投稿日
: 2009/05/31 00:00
投稿者
:
tamb
参照先
:
【Date:】 23 May 2009 03:17:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 ひとりぼっちのあなたへ/緒形ゆう
碇シンジという少年は、旧劇場版の印象が強いせいか自分では何も決めず周囲に流され
て周囲の意のままに動くという印象が強い。実際には「僕が乗ります」と言ったわけだし、
「僕が初号機パイロット碇シンジです」もそうだし、そうでもないんだけど。
ここでのシンジは、少なくとも自分から墓参りに行きたいと言ったわけではない。行き
たいと思っていたのかどうかも定かではない。「逃げちゃダメだ」が言われた事はちゃん
とやろうということなのか墓参りをしようという気持ちなのかも良くわからない。ただ、
墓参りに行きたい行きたくないよりもゲンドウに会いたくないという気持ちが強い。
結局シンジは墓参りを果たすことなく逃げ出す。そのシンジは「あのときの、僕」でし
かない。「戻りたくなんかない」と願っているにもかかわらず。
そのシンジを見て、レイは生命力に満ちていると感じる。それはシンジに「気持ち」が
あるからだと思える。
シンジがレイのことを気にするのは、自分にも彼女にも絆がないと感じたからだろう。
あまりに印象的なのは、「きっとこの子には絆ができる」ことを「それが今僕がもてる
微かな希望」と言っていること。ラストでの彼は解放されている。レイに絆ができるとい
うことがシンジの絆でもあるということだ。見ず知らずの、レイにできるであろう何らか
の絆が。
果たしてシンジは本当の涙を見つけることができたのだろうか。
作品はこちら。
http://tamb.cube-web.net/cont/ogatayu/ogatayu02.htm
【Date:】 23 May 2009 22:34:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: ひとりぼっちのあなたへ/緒形ゆう
『ひとりぼっちのあなたへ』をお読みいただいた方、ありがとうございました。
tamb様
いつものように辛抱強く編集作業にお付き合いいただき、また丁寧なご感想まで残してい
ただきありがとうございます。毎度のことながらtambさんには深く感謝しております。
たしか以前どこかで「読者の読みが作品の強度を高める」みたいなことを言いまいたが、
今回書いていただいたtambさんのご感想(解説?)がまさに当てはまると思いました。自分
で言うのもなんですが「やべ、こんなにいい作品だったっけ?(汗)」などと思ってしまい
ました(笑)もちろんtambさんのように読んでいただける読者も期待していましたが、まさ
かここまで整然と、魅力的な文章の解説がつけられてしまうとは……恐れ入ります。正直作
品の方が解説に「負けて」いると感じます(爆)素晴らしい文章ありがとうございました。
もしかしたら「野暮」な話を聞きたいかもしれない皆様
繰り返しになりますが、『ひとりぼっちのあなたへ』を読んでいただきありがとうござい
ました。
一応簡単に作品を作った経緯だけ述べておきます。興味のない方はスルーしてください。
もともと『ひとりぼっちのあなたへ』を作ろうと思ったきっかけは、tambさんが『アイの
あいさつ』を読んだときに頂いた「登場人物の名前を変えてもそれなりに成立してしまうFF
に関しては否定的」というお言葉でした(もちろん前後の文脈はありますが、とりあえずこ
こではこれだけで大丈夫です)。『アイのあいさつ』はそのわりと典型的なFFでした。
じゃあ今度はその反対のものを作ろうと思いました。反対かどうかはわかりませんが、と
りあえずできたのは「登場人物の名前が出てこないが、確かにエヴァの世界観に則った作品」
で、それが『ひとりぼっちのあなたへ』です(ですので、これができたのは『アイのあいさ
つ』完成直後です。わけあって『幸せをつくろう』公開が先になりました)
作品中には「シンジ」も「レイ」出てきません。「司令」は微妙ですが、まぁぎりで一般
名詞と言うことで(笑)もちろん「ユイ」も。ですので、エヴァを知らない人が読んだらこ
の文章は意味不明でしょう。しかし、エヴァを知っている人ならたぶん大丈夫だと思います
(そこは私の文章力も大きく関わりますが)。エヴァっぽい世界観なのに、エヴァっぽい用
語が出てこない、そんな作品をめざしました。(VTOL機は、まぁ、エヴァでなくても出
てくると言うことで笑)
もう少し踏み込むと、これはアニメ版の設定に乗せたものです。漫画版ではなくなってい
ましたが、アニメ版には「シンジとゲンドウはシンジが第三新東京市に来る3年前にユイの
墓参りで会っていて、シンジはそのとき逃げ出した」という微妙な設定がありました。「そ
のときもしレイに会っていたら」と言うのが、『ひとりぼっちのあなたへ』です。なので彼
らがこの後どうなるかは……これ以上しゃべるとtambさんの素晴らしい解説が台無しになる
のでやめます(笑)ちなみに「先生」もアニメの設定です。性別は知りません(爆)
とりあえずこんなところです。大まかに言えば「名前はなくてもエヴァFF」です。たぶ
んそういう作品はたくさんあると思います。それに『ひとりぼっちのあなたへ』を読んで、
「レイ視点の文章がおかしい」とか「シンジと拳!?うわぁ~」みたいな突っ込みは多数あ
ると思います。とりあえずどういう経緯でできたかご理解いただけたら、嬉しい限りでござ
います。読んでいただきありがとうございました。
【Date:】 27 May 2009 16:46:00
【From:】 "潜伏期間中の人"
【Subject:】 Re: ひとりぼっちのあなたへ/緒形ゆう
緒形ゆう様
またまた素敵な作品、ありがとうございます。
私はアニメ(DVD)のエヴァしか知りません、漫画は読んでいません。
そんな私でも(だからかな?)情景がはっきりと思い浮かびました。
>作品中には「シンジ」も「レイ」出てきません。
でも、不思議ですね、私の脳裏には、シンジやレイが動き、話し、色が有って、動いています。
まるで、アニメの1シーンの様です。
>「泣くほど悔しいのなら、どうして戦わなかったの?」
レイ素敵!かっこいい!
>「私は、涙出ないから」
>「泣いたことがないから、よくわからない」
え!?ちょっぴり疑問……泣く事や涙がわからないのに、上のアドバイスのセリフは……?です。
でもでも、緒形ゆう様のファンとして、素敵な作品をありがとうです!
もっと、もっと、作品プリーズです!^^
【Date:】 27 May 2009 23:59:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: ひとりぼっちのあなたへ/緒形ゆう
潜伏期間中の人様
お読みいただき、またご感想までいただきありがとうございます。
>でも、不思議ですね、私の脳裏には、シンジやレイが動き、話し、色が有って、動いてい
ます。
かなりの部分潜伏期間中の人さんの想像力に助けられたようですね。ありがとうございま
す。
>泣く事や涙がわからないのに、上のアドバイスのセリフは……?です
たしかにそうですね……甚だ疑問です(笑)
彼女の心境を想像するとしたら……心を動かすほど悲しいことや辛いこと、悔しいこと、
嬉しいことがあると涙は出ると言うことはわかるけど、そんな気持ちになったと思う瞬間が
今までなかったから、泣くことがその当人にとって情けないことなのか、恥ずかしいことな
のか、気持ちのいいことなのか、苦しいことなのかよくわからない、と言うことだと思いま
す。あと一応、「泣くほど悔しいのなら、どうして戦わなかったの?」は彼にとってはアド
ヴァイスかもしれませんが、彼女にとってはただの疑問なのだろうと思います。
私も強く引っかかりますが、強引に噛み砕いてみました。
>もっと、もっと、作品プリーズです!
すいません。実は、もうすでに残弾もエネルギーも底を尽きています。なので私も潜伏し
ます(笑)それが一ヶ月になるか三ヶ月になるか一年になるか、ずっとになるかはわかりま
せんが、とりえあずはもう少し書き表せるだけのいろんなものを溜め込んでみようと思いま
す。そのときもし、また機会がありましたら読んでいただけるとうれしいです。たぶん「綾
幸」様に投稿させていただくような傾向の作品になることに変わりはありませんから。自分
なりに精一杯作りますのでよろしくお願いします。
それでは本当にありがとうございました。
編集
件名
スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
表示
非表示
URL
画像添付
暗証キー
画像認証
(右画像の数字を入力)
コメント
-
WEB PATIO
-
【Date:】 23 May 2009 03:17:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 ひとりぼっちのあなたへ/緒形ゆう
碇シンジという少年は、旧劇場版の印象が強いせいか自分では何も決めず周囲に流され
て周囲の意のままに動くという印象が強い。実際には「僕が乗ります」と言ったわけだし、
「僕が初号機パイロット碇シンジです」もそうだし、そうでもないんだけど。
ここでのシンジは、少なくとも自分から墓参りに行きたいと言ったわけではない。行き
たいと思っていたのかどうかも定かではない。「逃げちゃダメだ」が言われた事はちゃん
とやろうということなのか墓参りをしようという気持ちなのかも良くわからない。ただ、
墓参りに行きたい行きたくないよりもゲンドウに会いたくないという気持ちが強い。
結局シンジは墓参りを果たすことなく逃げ出す。そのシンジは「あのときの、僕」でし
かない。「戻りたくなんかない」と願っているにもかかわらず。
そのシンジを見て、レイは生命力に満ちていると感じる。それはシンジに「気持ち」が
あるからだと思える。
シンジがレイのことを気にするのは、自分にも彼女にも絆がないと感じたからだろう。
あまりに印象的なのは、「きっとこの子には絆ができる」ことを「それが今僕がもてる
微かな希望」と言っていること。ラストでの彼は解放されている。レイに絆ができるとい
うことがシンジの絆でもあるということだ。見ず知らずの、レイにできるであろう何らか
の絆が。
果たしてシンジは本当の涙を見つけることができたのだろうか。
作品はこちら。
http://tamb.cube-web.net/cont/ogatayu/ogatayu02.htm
【Date:】 23 May 2009 22:34:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: ひとりぼっちのあなたへ/緒形ゆう
『ひとりぼっちのあなたへ』をお読みいただいた方、ありがとうございました。
tamb様
いつものように辛抱強く編集作業にお付き合いいただき、また丁寧なご感想まで残してい
ただきありがとうございます。毎度のことながらtambさんには深く感謝しております。
たしか以前どこかで「読者の読みが作品の強度を高める」みたいなことを言いまいたが、
今回書いていただいたtambさんのご感想(解説?)がまさに当てはまると思いました。自分
で言うのもなんですが「やべ、こんなにいい作品だったっけ?(汗)」などと思ってしまい
ました(笑)もちろんtambさんのように読んでいただける読者も期待していましたが、まさ
かここまで整然と、魅力的な文章の解説がつけられてしまうとは……恐れ入ります。正直作
品の方が解説に「負けて」いると感じます(爆)素晴らしい文章ありがとうございました。
もしかしたら「野暮」な話を聞きたいかもしれない皆様
繰り返しになりますが、『ひとりぼっちのあなたへ』を読んでいただきありがとうござい
ました。
一応簡単に作品を作った経緯だけ述べておきます。興味のない方はスルーしてください。
もともと『ひとりぼっちのあなたへ』を作ろうと思ったきっかけは、tambさんが『アイの
あいさつ』を読んだときに頂いた「登場人物の名前を変えてもそれなりに成立してしまうFF
に関しては否定的」というお言葉でした(もちろん前後の文脈はありますが、とりあえずこ
こではこれだけで大丈夫です)。『アイのあいさつ』はそのわりと典型的なFFでした。
じゃあ今度はその反対のものを作ろうと思いました。反対かどうかはわかりませんが、と
りあえずできたのは「登場人物の名前が出てこないが、確かにエヴァの世界観に則った作品」
で、それが『ひとりぼっちのあなたへ』です(ですので、これができたのは『アイのあいさ
つ』完成直後です。わけあって『幸せをつくろう』公開が先になりました)
作品中には「シンジ」も「レイ」出てきません。「司令」は微妙ですが、まぁぎりで一般
名詞と言うことで(笑)もちろん「ユイ」も。ですので、エヴァを知らない人が読んだらこ
の文章は意味不明でしょう。しかし、エヴァを知っている人ならたぶん大丈夫だと思います
(そこは私の文章力も大きく関わりますが)。エヴァっぽい世界観なのに、エヴァっぽい用
語が出てこない、そんな作品をめざしました。(VTOL機は、まぁ、エヴァでなくても出
てくると言うことで笑)
もう少し踏み込むと、これはアニメ版の設定に乗せたものです。漫画版ではなくなってい
ましたが、アニメ版には「シンジとゲンドウはシンジが第三新東京市に来る3年前にユイの
墓参りで会っていて、シンジはそのとき逃げ出した」という微妙な設定がありました。「そ
のときもしレイに会っていたら」と言うのが、『ひとりぼっちのあなたへ』です。なので彼
らがこの後どうなるかは……これ以上しゃべるとtambさんの素晴らしい解説が台無しになる
のでやめます(笑)ちなみに「先生」もアニメの設定です。性別は知りません(爆)
とりあえずこんなところです。大まかに言えば「名前はなくてもエヴァFF」です。たぶ
んそういう作品はたくさんあると思います。それに『ひとりぼっちのあなたへ』を読んで、
「レイ視点の文章がおかしい」とか「シンジと拳!?うわぁ~」みたいな突っ込みは多数あ
ると思います。とりあえずどういう経緯でできたかご理解いただけたら、嬉しい限りでござ
います。読んでいただきありがとうございました。
【Date:】 27 May 2009 16:46:00
【From:】 "潜伏期間中の人"
【Subject:】 Re: ひとりぼっちのあなたへ/緒形ゆう
緒形ゆう様
またまた素敵な作品、ありがとうございます。
私はアニメ(DVD)のエヴァしか知りません、漫画は読んでいません。
そんな私でも(だからかな?)情景がはっきりと思い浮かびました。
>作品中には「シンジ」も「レイ」出てきません。
でも、不思議ですね、私の脳裏には、シンジやレイが動き、話し、色が有って、動いています。
まるで、アニメの1シーンの様です。
>「泣くほど悔しいのなら、どうして戦わなかったの?」
レイ素敵!かっこいい!
>「私は、涙出ないから」
>「泣いたことがないから、よくわからない」
え!?ちょっぴり疑問……泣く事や涙がわからないのに、上のアドバイスのセリフは……?です。
でもでも、緒形ゆう様のファンとして、素敵な作品をありがとうです!
もっと、もっと、作品プリーズです!^^
【Date:】 27 May 2009 23:59:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: ひとりぼっちのあなたへ/緒形ゆう
潜伏期間中の人様
お読みいただき、またご感想までいただきありがとうございます。
>でも、不思議ですね、私の脳裏には、シンジやレイが動き、話し、色が有って、動いてい
ます。
かなりの部分潜伏期間中の人さんの想像力に助けられたようですね。ありがとうございま
す。
>泣く事や涙がわからないのに、上のアドバイスのセリフは……?です
たしかにそうですね……甚だ疑問です(笑)
彼女の心境を想像するとしたら……心を動かすほど悲しいことや辛いこと、悔しいこと、
嬉しいことがあると涙は出ると言うことはわかるけど、そんな気持ちになったと思う瞬間が
今までなかったから、泣くことがその当人にとって情けないことなのか、恥ずかしいことな
のか、気持ちのいいことなのか、苦しいことなのかよくわからない、と言うことだと思いま
す。あと一応、「泣くほど悔しいのなら、どうして戦わなかったの?」は彼にとってはアド
ヴァイスかもしれませんが、彼女にとってはただの疑問なのだろうと思います。
私も強く引っかかりますが、強引に噛み砕いてみました。
>もっと、もっと、作品プリーズです!
すいません。実は、もうすでに残弾もエネルギーも底を尽きています。なので私も潜伏し
ます(笑)それが一ヶ月になるか三ヶ月になるか一年になるか、ずっとになるかはわかりま
せんが、とりえあずはもう少し書き表せるだけのいろんなものを溜め込んでみようと思いま
す。そのときもし、また機会がありましたら読んでいただけるとうれしいです。たぶん「綾
幸」様に投稿させていただくような傾向の作品になることに変わりはありませんから。自分
なりに精一杯作りますのでよろしくお願いします。
それでは本当にありがとうございました。