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ヱヴァンゲリオン新劇場版:破 超SSS
件名 | : Re: ヱヴァンゲリオン新劇場版:破 超SSS |
投稿日 | : 2009/07/06 20:19 |
投稿者 | : のの |
参照先 | : |
まあこっちもネタバレになりますね、当然(笑)
「食べると喜ぶ……ですか?」は僕も完全にNGでした。それを言ったら「ぽかぽか」もノーグッドですわ。
やはりその「どこまでが綾波か」という部分に於いてちょっとなあって。むしろ第10使徒に特攻した時の
「碇くんがもう、エヴァに乗らなくていいようにする!」っていう台詞にグッとくるものがありました。
これじゃただの「破」トークだ(爆)
閑話休題。
この話ではお弁当エピソードだけどもテレビ版の綾波レイらしくいこうと。だからひたすら自己分析。
プラス人の目が気になっちゃうという要素を足してみました。
それだけだとぼんやりしちゃうのでトウジと小話。ここはお弁当食べてから昼寝するまでのつなぎとして
完全に思いつき。
>> 「……ええ」
> トウジとの屋上での会話で、書き手がののさんで、ここが「うん」でなかった理由が知
りたいところ。
最初は「うん」にしようと思ったんですよ、やっぱりトウジと屋上にいたら(笑)
ただあまりに短い話だし、それより眠たいレイに「おなかいっぱい」と言わせるためのSSなので(爆)
ここではいいかな、と。
「食べると喜ぶ……ですか?」は僕も完全にNGでした。それを言ったら「ぽかぽか」もノーグッドですわ。
やはりその「どこまでが綾波か」という部分に於いてちょっとなあって。むしろ第10使徒に特攻した時の
「碇くんがもう、エヴァに乗らなくていいようにする!」っていう台詞にグッとくるものがありました。
これじゃただの「破」トークだ(爆)
閑話休題。
この話ではお弁当エピソードだけどもテレビ版の綾波レイらしくいこうと。だからひたすら自己分析。
プラス人の目が気になっちゃうという要素を足してみました。
それだけだとぼんやりしちゃうのでトウジと小話。ここはお弁当食べてから昼寝するまでのつなぎとして
完全に思いつき。
>> 「……ええ」
> トウジとの屋上での会話で、書き手がののさんで、ここが「うん」でなかった理由が知
りたいところ。
最初は「うん」にしようと思ったんですよ、やっぱりトウジと屋上にいたら(笑)
ただあまりに短い話だし、それより眠たいレイに「おなかいっぱい」と言わせるためのSSなので(爆)
ここではいいかな、と。
件名 | : Re: ヱヴァンゲリオン新劇場版:破 超SSS |
投稿日 | : 2009/07/06 00:27 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
なんというかレスもネタバレですよ(笑)。
書く人なら恐らく誰でも「こう書けばそこそこ綾波らしくなる」という基準みたいなも
のはあって、同時に「ここまでは許容範囲」「ここまでやると綾波ではない」というのも
あるはず。その基準が書く人によって違うのは当然なんだけど、他の人が書いたものを読
むときは「許容範囲外だけどちゃんと綾波してる」と思う場合がある。
今回の破の場合は私的には「秘密」が微妙なところで、「ぽかぽか」もほぼ範囲外で。
「喜ぶ……ですか」(だっけ?)は完全に範囲外。「ぽかぽか」は碇くん好き好きモード
に突入したEOEアフター(という言葉も死語になるのだろうか)ものなら、まぁ使える。
というかネタは浮かんだ。
この話はどきどきレイちゃんだけど、それを自分で冷静に分析してるのがいかにも彼女
らしくてかわいい。醤油入れまでしっかり洗うんだよな(笑)。
屋上に行くとトウジがいるというアイディアは秀逸。やり取りもちゃんとしてる。「気
の利く弁当」って言葉はすごい。
レイとあくびってのは、想像するととてつもなく可愛い。シンジ君、明日以降はどう弁
当を作るか迷わざるを得ないな(笑)。
> 「……ええ」
トウジとの屋上での会話で、書き手がののさんで、ここが「うん」でなかった理由が知
りたいところ。
書く人なら恐らく誰でも「こう書けばそこそこ綾波らしくなる」という基準みたいなも
のはあって、同時に「ここまでは許容範囲」「ここまでやると綾波ではない」というのも
あるはず。その基準が書く人によって違うのは当然なんだけど、他の人が書いたものを読
むときは「許容範囲外だけどちゃんと綾波してる」と思う場合がある。
今回の破の場合は私的には「秘密」が微妙なところで、「ぽかぽか」もほぼ範囲外で。
「喜ぶ……ですか」(だっけ?)は完全に範囲外。「ぽかぽか」は碇くん好き好きモード
に突入したEOEアフター(という言葉も死語になるのだろうか)ものなら、まぁ使える。
というかネタは浮かんだ。
この話はどきどきレイちゃんだけど、それを自分で冷静に分析してるのがいかにも彼女
らしくてかわいい。醤油入れまでしっかり洗うんだよな(笑)。
屋上に行くとトウジがいるというアイディアは秀逸。やり取りもちゃんとしてる。「気
の利く弁当」って言葉はすごい。
レイとあくびってのは、想像するととてつもなく可愛い。シンジ君、明日以降はどう弁
当を作るか迷わざるを得ないな(笑)。
> 「……ええ」
トウジとの屋上での会話で、書き手がののさんで、ここが「うん」でなかった理由が知
りたいところ。
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四人目の掲示板に劇場版鑑賞済みの方向けのSSSを書きました。
軽いネタバレというか、劇場版エピソードを使った話なので、映画を見た人のみが読むべきかなと思います。
べつにネタバレバッチ来いというならば、いいのですけど、念のため。
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ここまで
以下本文
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熱にあてられてしまいました。
口と食べ物の痴話喧嘩。
もぐもぐ、もぐもぐ。
午睡
「あの、これ」
近づいてきた彼がためらいがちに差し出してきた茶色い巾着包みの意味が分からず、わたしは戸惑ってし
まった。
「お昼、いつも食べてないみたいだから」
差し出されているものがお弁当だという事を、初めてそこで理解した。理解して、困った。2号機パイ
ロットがこちらを見ているのが視界の端で確認できる。碇くんの友達が驚いているのがひと目でわかる。
クラス中がそれとなくこっちを見ている。
「肉は入れてないから、綾波でも平気だよ」
お弁当に肉が入っているかどうかで困っているのではないのに。
この間、わたしが肉を食べられないと言っていたことを憶えていてくれた。碇くんの些細な一言それだけ
で、わたしはわたしの体調管理に奔走しなければならない。今日は体が勝手に動き出す病。彼が差し出すお
弁当を、落とさないよう両手で、しっかり受け取った。
エアコンの音が耳についた。周りの視線を始めて鬱陶しく感じた。背中に広がっているはずの景色が、こ
の瞬間だけ急に心もとないものになる。全て知っている授業を聞くよりずっと良かったいつもの景色が、後
退を許さない状況を作るのに一役買っている事に気づいた。碇くんの笑顔を見つけて、見ていられなくなっ
た。
こんな時に使うべき言葉をちゃんと発音できるかどうか、自信がなかった。
「……ありがとう」
脈拍がおかしなリズムの刻み方をする。わたしはそれを許してないのに、心臓だけがいつもとちがう。そ
のせいで熱くなっていく顔、普通なら不快のはずの現象は、ただひたすらにわたしの胸を疼かせる。それだ
けに留まり、それが続く。
一日に必要な分の栄養は朝と夕方にきちんとサプリメントを摂っているから、わたしに昼食は必要ない。
食べてもそれは栄養の過剰摂取にしかならないのに受け取ってしまった。栄養の事なんて考えていなかっ
た。お弁当箱を開くと白や黄色、茶色に緑が窮屈そうに彩っていた。学校で食事をするのは初めてだった。
「あ、あの、じゃあ、食べ終わったら、容器だけ返してね」
「……ちゃんと、洗って返すから」
ちゃんとした言葉が出てきたので、少し気分が緩んだ。
「いいよ別に、そんな事」
碇くんにとって些細な事かもしれない。でもわたしにとってはそんな事では済ませられない事だった。あ
りがとう、でもいいの。そんなやりとり、聞いた事しかなかった。
「うん、じゃあ……」
碇くんが首を自分の友達の方にめぐらせて、最後に一言残して戻っていった。「食べられなかったら、残
していいから」
肉が入ってないので、食べられるものばかりだった。コンビニのお弁当で食べるものより味つけは控え
めで、食べやすい。小さな箱に並ぶおかずの味がどれもひとつひとつ別だったので、碇くんの大変さが少し
わかる。宿題をしていてで用意きなかった、と以前2号機パイロットに説明していたのもわかる気がする。
お弁当を食べた後の昼休みは屋上ですごすことにした。少し胃が重いけど、気持ち悪くはない。陽射しは
いつも通りの強さ。食事のせいで少し高い体温との相性は悪くないかもしれない。
「なんや、綾波か」
後ろで声がした。入り口に立っている鈴原君は意外そうな顔で、いつもより滑らかな動きで柵に寄り掛
かって空を見た。
「珍しいな」
「そう?」
「いつもは教室におるやろ」
「……ええ」
「まあ腹ごなしは大事やしな」
わしは昼寝やけど、と言って、彼は日陰を見つけて身体を滑り込ませた。黒い猫みたいだった。振り返っ
て笑う口と眼の、つまらなさそうな眠そうな、どうとでも取れる顔も似ていた。わたしには、どうとも取り
様がなかった。
「シンジの弁当、どないやった?」
「……おいしかった」
「気の利く弁当やったろ」
「……そうかもしれない」
「女も、弁当貰うと嬉しいんかなあ」
わしはよう知らんからな、と付け足す彼の言い方は、無関心そうな声ではなかった。彼はそれに短い言
葉を付け足した。どやった?
「……わからない」
「さよか」
それきり彼は眼を閉じた。エレベーターが自分の目の前で閉まる、あの感じ。
教室に戻ると、いつも通り男子はほとんどいなかった。女子はほとんどがグループになっておしゃべり、
おしゃべり。
いつもの様にいつもの景色を眺める。授業が始まってもそれは同じ。内臓だけが活発に動く以外はいつも
通りの午後一時半。瞼が重かった。これはいつも通りではなかった。小さなあくびをひとつ、ふたつ。
エアコンの音と先生の声が近いはずなのに遠くなる。勝手に閉店準備を進める脳。
「……ふぁ……」
声にならない音が咽喉から零れた。
右後ろの鈴原君をこっそり窺うと、彼はやっぱりつまらなさそうな顔だった。わたしと眼を合わせると、
彼は少しだけ笑い、自分はさっさと机に突っ伏してしまった。
わたしは彼を見習って腕を組んだ。完全に伏せてしまうのは良くない気がするけれど、もう瞼は赤い眼を
隠すためにしか働いてくれなかった。
腕の中に頭を沈める。顔を右に向けると、碇くんが眼だけをこっちに向けていた。
「どうかしたの?」
と、碇くんの口が動いた。少し心配そうな、意外そうな、碇くんらしい、何時もみていたくなってしまう
表情。
「おなか、いっぱいだから」
と、わたしは口を動かした。
それから眼を閉じると、意識は驚く程早く床の下へと沈んでいった。目を醒ました時に碇くんが目の前に
いたらいいのに、と思った。