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好きだから
件名 | : Re: 好きだから |
投稿日 | : 2010/01/03 15:25 |
投稿者 | : yo1 |
参照先 | : |
>ちゃんと二人っきりになれる場所を用意して欲しいって。
は、はい!す、直ぐに準備させて頂きます。
>裸を見て、綺麗だって言って欲しいって。
は、はい!み、見させて頂きます。と、とっても綺麗だと思います。
バタリ (o_ _)o ~~~ †
だ、誰か…助けて…鼻からの出血が酷いの…
は、はい!す、直ぐに準備させて頂きます。
>裸を見て、綺麗だって言って欲しいって。
は、はい!み、見させて頂きます。と、とっても綺麗だと思います。
バタリ (o_ _)o ~~~ †
だ、誰か…助けて…鼻からの出血が酷いの…
件名 | : Re: 好きだから |
投稿日 | : 2010/01/01 19:51 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
> 展開がちょっとクサイところとか、シンジ君がオッサンくさいところとか。
特に反論はございませんw
オチやシンジ君のキャラはともかく、論理的な思考の末にたどり着いた結論が天然でした
的な綾波さんはとても好きなので(笑)、この手のはこれからも書いていくでしょう。誰が
何と言おうと。
特に反論はございませんw
オチやシンジ君のキャラはともかく、論理的な思考の末にたどり着いた結論が天然でした
的な綾波さんはとても好きなので(笑)、この手のはこれからも書いていくでしょう。誰が
何と言おうと。
件名 | : Re: 好きだから |
投稿日 | : 2009/12/30 13:06 |
投稿者 | : タン塩 |
参照先 | : |
いかにもtambさんだ(笑)
展開がちょっとクサイところとか、シンジ君がオッサンくさいところとか。
~((((*^o^*)ニゲ
展開がちょっとクサイところとか、シンジ君がオッサンくさいところとか。
~((((*^o^*)ニゲ
件名 | : Re: 好きだから |
投稿日 | : 2009/12/29 01:16 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
「勝負パンツ?」
体育の授業の後。聞きなれないセリフに、私は着替えの手を止めて顔を上げた。
「そう。あんたって、いっつも白のパンツばっかりでしょ? そりゃあんたのイメージに
は合ってるかもしんないけど、たまにはカラフルなパンツを身に着けたいとは思わない?
ブラとおそろいで」
「別に……」
「薄いピンクとか、バカシンジの奴も喜ぶと思うけど」
「碇くんが?」
私も白の下着しか持っていないわけではない。水色や薄いピンクの下着も持っている。
だがそれらを着用する事は、最近は全くない。それは惣流さんも言ったようにイメージの
問題だった。
みんなは私のことを清楚とか世間知らずとか非常識とか独善的とか天然とかいうイメー
ジで捉えているらしい。
間違った悪いイメージは払拭し、正しく良好なイメージを広める必要がある。
例えば、今の私はシャワーを浴びたあと全裸で出てきてはいけないということを知って
いる。周囲と協調して行動する事の大事さも教えてもらった。だから非常識でも独善的で
もない。こういうイメージは間違いだ。
一方、清楚とか純真無垢とか初々しいとか可憐とか一途とか物静かとか、そういうイメ
ージは大事にしなければならない。それは、碇くんはそういう女の子のことを好きだと思
われるからだ。葛城さんの部屋で暮らすようになってから彼のことを緻密に観察し、鈴原
君や相田君から聞き取り調査を行った結果だ。まず間違いないと思われた。
そもそも清楚とか純真無垢とかいうのがどういうものなのかはよく分からなかったが、
清楚といえば白いパンツらしい。清楚で可憐で純真無垢で初々しい私に白いパンツはベス
トマッチングなのだ。イメージ戦略は重要だ。だからパンツは白しかありえない。
だが、碇くんが喜ぶとなれば話は別だ。碇くんが喜ぶ。聞き捨てならないセリフだった。
意識して周囲を見渡してみると、クラスの女の子たちの下着は様々な色やデザインで彩
られていた。ピンク、水色、オレンジ。チェック、ストライプ、水玉。イチゴやクマさん
をあしらったものもある。
イメージ戦略などに囚われるあまり、出遅れていたのかもしれない。今までいったい何
をしていたのか。私は焦りを感じた。
だが、見せもしない下着のデザインにこだわったところで、なぜ碇くんが喜ぶのだろう
か。それが疑問だった。
下着姿を見せるわけにはいかない。怒られるからだ。以前、シャワーを浴びた後に全裸
のままリビングに出て行ったら、碇くんがバスタオルを持って飛んできたことがあった。
その時はめちゃくちゃに怒られた。全裸で出てきてはいけないと知ったのはその時だった。
もちろん碇くん以外の異性に裸を見られるのは嫌だったが、碇くんならかまわないと思っ
ていたのだ。以前に見られたことはあったし、その時は別に怒られなかったからだ。
では下着を身に着ければいいかと思い、次の時はパンツとブラだけで出たらもっと怒ら
れた。
葛城さんや惣流さんはバスタオルを巻いただけで出てくる。下着姿と機能的に差異はな
いはずだが、下着ではダメなんだそうだ。納得はできなかったが、世の中とはそういうも
のなのかもしれない。それが常識というものなのだろう。常識に従ってバスタオルを巻い
て出ると、さすがに何も言わなかったが複雑な表情をしていた。タンクトップとショート
パンツを試してみると、もっと複雑な表情だった。
なんだか面白くなり、体操服を試してみたら土下座された。頼むからパジャマを着てく
れないかと。次はスクール水着を試そうとしていたので、それは残念だったけれど、碇く
んに従う事にした。
彼が言うには、惣流さんや葛城さんのお風呂上りと私のお風呂上りでは、彼にとっての
意味合いが全く異なるのだそうだ。それは私のことを碇くんが特別視しているという事で、
それが嬉しかったからだ。
だから、彼に下着姿を見せるわけにはいかないのだ。かといって、身に着けていない状
態のパンツやブラを見せたところで何の意味があるのだろうか。私が所有している下着で
あるという部分に意味を見出すのだろうか?
「着てないと意味ないと思うけど。一部の変態を除けば」
惣流さんは呆れたような顔でそう言った。やはりそうだろう。碇くんは変態ではないの
だし。ではどうすればいいのか。
それを聞こうとしたところでチャイムが鳴った。私は慌てて着替えを再開した。
それで話は中途半端に終わってしまったが、このまま放置するわけにはいかなかった。
碇くんが喜んでくれるかもしれないのだ。
今日は赤木博士の診察を受ける日だ。赤木博士に聞いてみよう。
「勝負パンツ?」赤木博士は私の言葉を聞いて仰け反った。「勝負する気なの? もう?」
言われてみればもっともな疑問だった。勝負というからには誰かと何らかの勝負をする
はずだ。碇くんと勝負するつもりはないし、そもそも碇くんが喜んでくれるというなら、
勝負する相手が碇くんという事はないはずだ。勝負パンツとは一体何なのだろうか?
私は惣流さんとの会話を赤木博士に説明した。
「それは勝負パンツとは違うわね」赤木博士はほっとしたような笑顔で言った。「単に色
々なデザインやコーディネートを楽しみなさいということよ。あなたも今はいろいろ服を
持っているでしょう?」
「はい」
碇くんや惣流さんに連れられて買い物に行き、私の衣装もずいぶん増えた。
「可愛い服を着ると、シンジ君、可愛いねって言ってくれるでしょう?」
「……はい」
私はその時のことを思い出し、頬が赤くなるのを自覚した。
「基本的にはそれと同じよ。見えない部分でのおしゃれを楽しみましょうということ」
分かったような気がした。気はしたが、やはり何らかの方法で伝えなければ碇くんは喜
ばないだろう。伝えなければ私が白でないパンツを身に着けていると分かってもらえない
のだから。
「言えば? 口で」
その手があった。赤木博士はもう付き合っていられないと言わんばかりの口調だったが、
そんなことは気にしてはいられなかった。
私は全速力で部屋に帰った。
「ただいま」
「おかえり。早かったね」
私は返事もそこそこに、部屋に入って制服のまま急いでパンツをピンクのものに換えた。
「アイスティー、いれたよ」
「ありがとう」
彼はストローをくわえたまま私を見上げ、私が制服のまま着替えていない事に疑問を感
じたようだった。
「ね、碇くん」
「ん?」
「私、いま、ピンクのパンツなの」
彼は喉の奥でごふっと妙な音をさせ、悶絶した。
「だいじょうぶ?」
私は彼に駆け寄り、背中をさすった。彼は口を押さえたまま私を凝視した。まるで透視
しようとしているかのようだった。
そして、私から視線を引き剥がし、ごふごふともう一度むせ、何回か咳をしてから復活
した。
「ああ、苦しかった」
「だいじょうぶ?」
「う、うん、なんとか。そ、それでさ、綾波……」
「なに?」
「ぴぴ、ぴ、ピンクのパンツ?」
「うん」
彼は落ち着くためかまたアイスティーを一口飲んだ。
「ど、どうして急に?」
「碇くんが喜ぶって――」
私のその言葉を聞いて碇くんは硬直した。硬直したまま顔を赤くし、目線だけをやたら
とあちこちにさ迷わせている。スカートのあたりを凝視したかと思えば、無理矢理のよう
に目を逸らして虚空を睨みつける。またちらりとスカートのあたりを見て、慌てたように
私の瞳を見つめる。そしてまた虚空を睨む。
喜んでくれているのかどうか、理解に苦しむ。
もしかすると、と私は不意に思った。もしかすると、今が勝負の時なのかもしれない。
確かに下着姿をみだりに見せてはいけないと言われている。非常識かもしれない。だが、
一歩前に踏み出すために、時には常識を打ち破る事も必要なのではないだろうか。今がそ
の時、勝負の時なのだ。時は来たのだ。
だから私は、勇気を持ってこう言った。
「見る?」
彼は再び硬直した後、深くため息をついた。
「……綾波。誰にそそのかされたのかは聞かないけど――」
そして彼はこんこんとお説教をはじめた。だがその内容は支離滅裂だった。要約すると
こういう事のようだった。
みだりに下着姿を見せてはいけない。だが正直なところ、必ずしも見たくないわけでは
ない。むしろ見たい。僕だけにこっそり見せてくれると嬉しい。だがそれには時と場合と
いうか、タイミングというか雰囲気というか、そういうややこしいものがあって――。
私は正座をしてうなだれ、しおらしく聞くふりをしながら考えていた。碇くんは「そそ
のかされた」という言葉を使った。やはり私は「ピンクのパンツ見たい?」などと言って
はいけなかったのだ。イメージが崩れる。
だが、どうやら碇くんは見たいらしい。それなのに見せてはいけないなら、私はいった
いどうすればいいのだろうか。タイミングというのはどういうタイミングなのだろうか。
「綾波、聞いてる?」
「……え?」
「頼むからちゃんと聞いてくれないか。いいかい、綾波――」
碇くんの非論理的で矛盾に満ちたお説教は二順目に突入した。
綾波だって素っ裸で街中を歩こうとは思わないだろ? 僕と二人きりの時だってそれは
同じなんだよ。むしろより危険だとも言えるんだ。アスカやミサトさんがいつ帰ってくる
かわからないし、僕が綾波のパンツを見てるところをミサトさんに見られたら、明日には
ネルフ中に広まってるに違いないんだ。それも面白おかしく尾ひれをつけてさ。僕が綾波
をリビングのど真ん中で押し倒して、濃厚な……その、何かをしてたとかさ。綾波だって
そんな噂が立ったら嫌だろ? どうせ噂になるなら、完全に綾波と二人っきりになれる場
面を設定して、パンツを見せるだけじゃなくて――。
つまりどうしろというのだろうか。碇くんは私にどうして欲しいのだろうか。
はっきり言うよ。僕は綾波の下着姿なんて見たくない。いや、本当は見たい。すごく見
たい。でも本当に見たいのは下着もつけてない綾波の姿なんだ。見たいというより抱き締
めて触れていたいんだ。でもそれはまだ早いんだ。そういう姿を見たり見せたり触れたり
するのは本当に心から好きあっていないとダメなんだし――。
お説教を続ける碇くんの目は虚ろになっていた。自分でも何を言っているのか分かって
いないに違いない。
お腹も減ってきたし喉も渇いた。でもここでアイスティーなど飲んだらもっと怒られそ
うな気がして我慢した。
だから今、僕が本当に見たいのは綾波の笑顔なんだ。幸せで、いつも笑顔でいられる人
生を、綾波には送って欲しいんだ。僕は綾波が好きだ。だからその幸せを僕が綾波に贈っ
てあげられたら、僕もすごく幸せだ。でもそれは高望みなんだって、よくわかってる。だ
から、だからこそ僕は綾波のパンツを――。
「待って!」
私は電撃に打たれたようにそう叫んだ。
「碇くん、もう一度言って」
「え? 何を?」
「いま言ったこと」
碇くんは少し考え、頬を赤くして言った。
「僕は綾波のパンツを――」
「その前」
「僕が見たいのは、綾波の笑顔だって……」
「その後」
碇くんは一瞬だけ私から目を逸らし、それから真っ直ぐに顔を上げて言った。
「僕は綾波が好きだって、そう言った」
涙がこぼれた。
今、ようやく気づいた。
私が欲しかったのはその言葉だった。
パンツを見せるのが目的じゃない。
喜んでもらえて、好きだと言って欲しかったのだ。
イメージなんてどうでも良かった。ありのままの私を好きになって欲しかった。
だから私は、私のままでいようとしていた。
碇くんに好きと言ってもらうために自分を変えようとしたんじゃない。
彼の言うことに素直に納得できて、それが本当の自分だと思える私がいる。
碇くんの好みに自分を合わせようとしたんじゃない。
私の持っているありのままの本当の色が、彼の望む色でもある。それにやっと気づいた。
私の幸せは、碇くんがいなければ手に入らない。
幸せになりたい。碇くんを幸せにしたい。
「碇くん」私はうつむいて涙を隠し、彼のシャツをつかんで言った。「私は、私が碇くん
のことを幸せにしてあげられるなんて、考えたこともなかった」
彼は黙って私の肩を抱いてくれた。
「私も、碇くんのことが好き。好きよ。好きなの。だから私、幸せになる」
「……僕ももう一度言うよ。綾波、僕も綾波のこと、好きだ」
また涙がこぼれた。
「ねえ綾波。綾波の笑顔が見たいって言ったのも、ほんとなんだ。だからさ――」
彼も泣いていた。でも笑顔だった。
「笑ってごらん?」
私は笑顔になった。
頬は涙でぐしょぐしょで、はなをすすりながらの、変な笑顔だったと思う。
でも私は、幸せとはどういうことなのか、その時にようやくわかった。
それは碇くんが教えてくれたことの中で、一番大切なことだった。
epilogue
「結果的に、勝負パンツで勝負に勝ったってことになったわけね、レイは」
甘いカクテルを口に含み、リツコが言った。
ミサトが頬杖をついたまま答える。
「そういうことになるわね」
「で、それから?」
「レイったら、ちゃんと二人っきりになれる場所を用意して欲しいって。で、裸を見て、
綺麗だって言って欲しいって。シンちゃんもシンちゃんで、うんわかっただって」
リツコはカクテルを噴きそうになった。
「バカップルっていうかバカっていうか……。で、どうすんのよ。中二でしょ? あの子
たち。いくらなんでも早いわ」
「でもさぁ、あの場面で、さすがにあたしも『はいはいちょっとストップ』って出ていく
わけにはいかないわよ」
「で、あなたはそれからどうしたの?」
「静かに気づかれないように出て来て、そのままリツコ誘ってここに来たってわけ」
「じゃあキスくらいしてるかもしれないわね。そのあと」
「そのくらいはしてても自然ね。というより、してなければ不自然だわ」
「いいの?」
「いいんじゃない? キスくらいなら」
「そうね。勝負パンツなんて言われた時は何事かと思ったけど」
「とりあえず、レイの性教育はリツコに任せるから」
「いやよ。あなたがやりなさいよ。母親代わりで同居してるんだから」
「母親代わりっていうより、シンちゃんが家主であたしは居候みたいになってるけど」
憮然とした表情のミサトに、リツコは笑った。
「まあいいわ。とにかく乾杯しましょう」
「何に乾杯する?」
ミサトがビールジョッキを上げて聞く。
「もちろん、予想だにしなかったあの子たちの幸せに」
229~239。ちょっと長めで、約12Kあります。一部微修正。