TOP
> 記事閲覧
Day Tripper!!(出張版)
件名 | : Re: Day Tripper!!(出張版) |
投稿日 | : 2012/07/28 04:52 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
実に久々に読んだ「Day Tripper!!」、設定を忘れている(笑)。マナって貧乏キャラだっけ。
底抜けの明るさはないけれどあくまでも脳天気。これぞ「Day Tripper!!」です。だったっけ?
なんにしても書き続けることが大事ですよね、のの兄さん。
底抜けの明るさはないけれどあくまでも脳天気。これぞ「Day Tripper!!」です。だったっけ?
なんにしても書き続けることが大事ですよね、のの兄さん。
Day Tripper!!(出張版)
『夏休み』
Written By NONO
「いやはや皆さん夏休みをいかがおすごしのおつもりかな?」
日本語として正しいかどうかも実に怪しい相変わらずの愚兄・渚カヲルが終業式後の皆に言いました。あ、こうして
語るのもお久しぶりです、綾波レイです。
「はい山岸さん、君はどうするつもりかな?」
珍しくいきなり指名してくる愚兄は今日に限って何故か伊達眼鏡をかけていた。下級生および上級生がそんな彼とすれ
違う度に昔のミュージック・ビデオみたいに「WAO!」という反応を示していたのが凄かった。
いきなり指名された山岸さんはびっくりしながら反射的に「夏期講習ですっ」と答えた。すごい、超模範解答。
「ほほう、それじゃあ夏は涼しい自習室で顔が青白くなるまで暗記暗記ってわけかい、楽しそうだねえ」
なにこの感じ悪い態度。
「カヲル君は終業式も香ばしいですなあ、流石ですなー」
マナがアスカからもらった先週の週刊誌のスイーツ特集ページをめくりながら言った。彼女は毎週こうして……アスカ
のお下がりを……もらっているのです……。
「そんな霧島君はどうなんだい?名で体を表すが如くどっかの島にでも行ってこんがり小麦色になるとか?」
「そんなわけないっしょー、知ってんじゃん、私の夏がどうなるかっつーことはさあ。あぁ、想像しただけで眩暈しそう」
この次のマナの台詞は「ねえシンジぃ~、ちょっと肩貸して~」だと思う。
「マナ、大丈夫?」
「ううん、ねえシンジぃ~、ちょっと肩借りるね」
「くぉら」
しなだれかかるマナをアスカが引っ張る。
「カヲルも、マナが中学生の分際でアルバイトしなきゃいけないのは知ってんでしょうが。このクソ貧乏学生は大変なん
だから同情してあげなさいよ。昨日のお弁当だって見たでしょ?」
「エノキともやしの炒め丼……アレは歴代中でもケッサクやったなあ……」
鈴原君が遠く青い空を見つめた。皆が一瞬マナから眼を逸らす。そんな時のフォローは私たちのミューズ、洞木ヒカ
リ委員長。彼女が一番早く立ち直って、元気な声で言った。
「ネギの青いところとか入れたら、大分彩りが良くなったと思うけどね」
「ああなるほど、確かに」
と碇くんがつづく。あれ、なんだか碇くん……脇役みたい……ううん、でもいいの、わたしにとっては間違いなく主役
ですもの。ですものー。
「なによ、なによみんなして、あたいのことよってたかってさあっ……そりゃ、この見るからに金持ち坊ちゃんの優男と、
服の四割がユニクロの私とじゃ違うかもしんないけどさあっ……」
「四割かあ、俺もそんな感じかなあ!」
呑気な相田君の相槌にマナは一瞬無表情。
「四割はリアルだねえ。でも大丈夫だよ霧島さん、僕だってパンツや靴下はそういうところで買っているからさ!」
「アンタは黙ってなさいっつの!」
アスカの過剰なつっこみが愚兄の心臓を打った。ぐぼっ、というくぐもった呻き声を上げて机にごろりと仰向けになる。
両手足がだらりと垂れ下がっているのはしかし、なんだか手足の長さを自慢したそうにも見える。ていうか、多分そう。
「大体あんたの今日の絡み方はなんなのよ、昭和の酔っ払いオヤジじゃないんだから」
「い、いやね、僕んちのエアコン壊れちゃって、修理が明後日なんだよね……それで誰か一緒に遊んでくれないかなって……」
「そうならそうと素直に言えば良いのに」
「コイツの暇つぶしのために、私の決死のホワイト丼が虚仮にされただなんて」
あ、固有名詞、あるんだ。
まあどうせ皆ひまだし、ということでなんとなく聞いてみる。
「どっか遊ぶのは暑いわ」
「僕はプールがいいなあ、ねえみんな、そうだろ!」
ああ……もう……。
「要するに、夏休みではしゃいどるんやな」
「なるほどね……でもしかし、こりゃあ……」
「鬱陶しいですね」
山岸さん、怒ってます。
「僕はねえ、こういう話になることも見越して実は水着もねえごばあぁっ!!」
わ、ラリアット。アスカって本当に頼もしい。