「綾波レイの幸せ」掲示板 四人目/小説を語る掲示板・ネタバレあり注意
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fld_nor.gif 少年と少女
投稿日 : 2013/08/23 22:51
投稿者 のの
参照先
 こんなになっても、一緒だよ。



少年と少女の日常vol.1



 綾波レイは自分と付き合うことになった、という事実を受け止めるのにまだ時間がかかる様子だったので、シンジは授業後、トウジとケンスケのところに行った。
「ほな帰るかー。今日も暑いから、アイスでも喰うてくか?」
「いいけど、お前のガリガリ君2本食いは見てるこっちが恥ずかしくなるんだよなあ」
 ケンスケのボヤきにシンジは笑いながら窓際のレイをほんの少しだけ、ちらりと一瞥。彼女はまだ座りながら斜め向こうの空を見ていたが、シンジに気づいたのか少しだけ首を傾けちらりと一瞥。
「まあいいじゃん、トウジと小学生が一緒に食べてるの見てると、僕は和むな」
「ほれ見いケンスケ、わかるやつにはわかるねん」
「それはどうだろう、どうだろうトウジよ、それは。まあそれはいいけど、俺んち来る?ゲームしかないけど」
「ゲームがあるならええやん」
「だろお?」
「あ、今日は僕も行くよ。訓練、ないし」
 お、珍しなセンセ!トウジの声が教室に響いた。
 ケンスケの家に着くころ、シンジの携帯電話が鳴る。ネルフから支給されている方に、レイからのメールだった。二人に誰だとは気づかれないように何食わぬ顔で携帯を開く。
【さようなら。】
 とだけ打たれていた。
 え、うそ、もう終わり?
「え、あれ、うそ、あれ、なにこれ?」
 声に出ていた。










つづく
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件名 Re: 少年と少女
投稿日 : 2013/09/11 00:34
投稿者 tamb
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 読みやすいのか読みにくいのかよくわからないなあ、と思いながらもすらすらと読めて
しまう。これぞのの節ってやつですね。文体も硬いわけではないけれど、さりとてイージ
ーでもない。イージーな文体ってどんなんだってのはともかく。

 一般的な中学生にとって、付き合う、というのはどういうことなんだろうかとふと思う。
肉体関係のあるなしじゃなかろうし(ないよな?)、付き合ってるからキスしますっても
んでもないだろうし。端的に言えば意思確認ってことになるんだろうけれど、それで何か
変わるわけじゃない。あるとすれば安心感なんだろうけど、だからこその不安ってのもあ
るんだよな。青春だ。
 そしてこれも続き待ちだ。
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件名 Re: 少年と少女
投稿日 : 2013/09/09 00:29
投稿者 のの
参照先
 さて、オムライスを作ろうという予定を変えられるほど食材が豊富なわけではないので、三人分を四人分に分けなければならない。多少ボリュームが寂しくなりそうだが、玉ねぎを多めに入れてごまかすとしよう。レイの肉嫌いは結構なものなので入れようと思っていたソーセージも入れられない。まあ、そのあたりは臨機応変にやるしかないだろう。
「アスカ、ピーマンて大丈夫だったよね?」
「生っぽいのはキライだけどねー」
 面倒なのでやめよう。適当にスープを作れば、まあそれなりの体裁は保てるだろう。それにしてもだ、それにしたってこんなタイミングでレイに会うというのは良いのか悪いのか、とても良いとは思えないが。
「ミサト、なんだって?」
「え、ああ、綾波も来るって」
「あ、っそう」
 言葉は素っ気ない。態度も素っ気ない。素っ気無さすぎるのが困る。不愉快ですと言っているようなもんなのだ、そんなのは。まあいい、まあしかたがない、しかたがないが困る、自分だってぎくしゃくするに決まっているのにアスカにまでいられて自分に都合いい状況になるだなんて思えない。付き合いはじめただなんて話、しているわけもないのだし。
 いつもよりずっとのろくさい手つきで準備をしていて、水中で動いているかのような緩慢さでというか、中学生がよく体験授業で味わう、高齢者体験のために鉛を仕込んだベストと黄色いゴーグルをはめながら作業をしているかのようとでも言おうか、まあとにかく生来怠け者であったかのように、あるいははたまた本来の中学生らしい手つきで料理をしていた。それでも対外的な几帳面さが一定のリズム感を維持させてはいるところがシンジらしいといえば、らしい。
 電話が鳴った。短時間に珍しい。玉ねぎ臭い手で受話器を取ると、またミサトからである。
「ごめんごめん、レイなんだけど、追加のテストが入っちゃって来られなくなっちゃったわ!ごめん!」
 なんとまあ、勝手な話である。勝手な話なのだが、正直助かった。はいわかりました、仕方がないですもんね、とぶっきらぼうに言って切ってアスカにその旨伝えると、ミサトもメーワクねえ、と呆れた様子である。
 なんとまあ、だ。なんとまあなんというか、そうだ、自分は彼女と付き合っていることになったはずなのだが、それからちっとも話していない。実は今日もらったメールを会話とするなら、それも数日ぶりのことであることを思いだし、フライパンを荒っぽく置くことで息をごまかした。まったくもって、ろくな話じゃない。





つづく
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件名 Re: 少年と少女
投稿日 : 2013/09/01 23:15
投稿者 のの
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 結局、トウジもケンスケも「よくわからない」という結論しか出せずにいるのでシンジは話を切り上げゲームに興じた。興じられれば良いがそこで切り替えられるほどの心を持っているなら電車の中で幼い自分と対峙するような夢を見ない。それこれとが関係あるかはさておき、シンジはボロカスと言っていいほど負け続け、ただでさえ憂鬱な気分に拍車をかける友人に恨み言をひとつふたつかけながら夕方5時のチャイムを聞いて帰った。
 なにしろ夕飯を作らなくてはならない。
 とはいえ、今晩はパンの賞味期限を忘れて炊いてしまった今朝のご飯がまるまる残っているので、それを使ったオムライスにすると決めていたので特に買い出しの必要はなかったが、記憶の片隅にあった通りプリンとコーヒーゼリーが特価88円だったので、それだけ買い足して帰宅した。すでにアスカは帰ってきており、居間月曜から今日まで、撮りためた四日分の朝ドラを見ていた。
「それ、何曜日の?」
 着替えてしたくをする前にお茶を淹れようとしたシンジはアスカの背中に声をかける。
「昨日の」
 シンジは朝の支度のほとんどは台所でのお弁当づくりなのでながら見しているのだが、そのころアスカはシャワーを浴びているので見られない。それより学校から帰って、訓練から戻ってゆっくり見るのがアスカの日課になっていた。
「お茶飲む?」
「うん」
「何茶がいい?」
「あったかい番茶」
 アスカの好みはどんどん変わってきていた。おかしいなあ、ドイツ人クォーターなのに、とひとり微笑むシンジだが、それが誰のせいかを考えないところが彼の無邪気で子供樽所以であるが、当人はもちろん気づいていない。
 アスカに相談できることではない、と本能的に判断したシンジは、自分の悩みを口に出すのは控えて時計を観た。6時前。ちょうど電話が鳴った。取るとミサトからで、これからレイを連れて帰るという。晩ご飯ご馳走しようと思ってね、とのことだった。
 これが初めてということでもないので、はいわかりましたとだけ返事をした。しかし困った、嫌われた相手と会いたくないタイミングで会わなければならないとは。
 しかも、アスカに言うだけで面倒だ。少なくとも、ドラマを見終えてからの方が良い。シンジはひとまず冷蔵庫を開けて食材の在庫を確認することにした。
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件名 Re: 少年と少女
投稿日 : 2013/08/27 01:51
投稿者 のの
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vol.2



「ねえ、ごめん、あのさ、例えばその、いきなりメールでばいばいとかさよならとか送られてきたらどう思うかな」
 ケンスケが出してくれた麦茶に手をつける前にシンジは口を開いた。ゲームをはじめるところだった二人は別の意味で、というかそのままの意味でぽかんと口を開けていた。
「なんやセンセ、いきなりヤブからボーに」

 いかにも「先だって覚えてきましたで候」と言わんばかりに使われた慣用句にケンスケがハズレと書かれたアイスの棒をくわえながら笑う。
「もしや流行りのいじめの相談か?いやでも、今の話じゃシンジがいじめる側の話……!?」
「いや、違うって。そういうんじゃないけど、」
 このあいだ友達がそういうメール送られて困っててさ、と続けようと思ったが止まった。この街でシンジだけが知っている友だちなどいやしないのだ。
「まあそりゃ、いじめやないんなら大真面目やな」
「キレた女子とか、いかにもありそうだよな」
「せやなあ!特に委員長なんぞ、怒らせたらそういうつれなーーーーいメールいかにも送りそう……って、まさかシンジ、その相手て!委員長なんか!?」
「いやいやいや、違うって!大体、僕、委員長のアドレスなんか知らないから!」
一人相撲極まれり、という言葉を飲み込みながらシンジは大慌ててかぶりを振った。
「それに、仲悪くないし」
「そらまあ、せやけど、のう」
 なぜか不満げなトウジにシンジは首をかしげ、ケンスケが二人に知られない程度の一瞬にやりと笑う。

「まあ男女かかわらず、もし冗談じゃないなら大真面目で、大真面目なら問題ってことじゃないのかな」
「やっぱり……でもさ、そんなメール送られても、どう返せばいいのかわかんないよ」
「放っておいてもろくなことがなさそうやけどなあ」
「それもそうなんだけど、でも、わかんないよ」
「まあ考えてからでもいいんじゃないの?僕にはよくわかんない話っぽいから、悪いけどパス」
「わしもや、っちゅうと薄情やけど、原因はセンセが自分で考えやー。女は怖いさかい、わいもパスや」
「そっか……」
 うなだれた瞬間、丸めた雑誌がシンジの後頭部にぱかんと当たった。なんたる快音。
「否定せいっちゅうねん!」





つづく
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