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綾波レイがズボラな理由
件名 | : Re: 綾波レイがズボラな理由 |
投稿日 | : 2021/07/18 10:36 |
投稿者 | : 史燕 |
参照先 | : |
〇tambさん
感想ありがとうございます。
「よっぱレイ」以前もお話が出たなーと思ったら「さくら」の時でした。正規投稿ではなく初稿を四人目に投稿した時。
>十年という月日を考えるとズボラというより鈍い(笑)。
おっしゃる通り。鈍感系主人公なんて言葉がありましたが、二人ともちょっと鈍すぎますよね。アスカの「さっさとはっきりさせなさいよ」というのが周囲の本音だと思います。とはいえ、この二人だからこれでいいのかもしれないと個人的には思っています。
>レイがシンジ並みの料理の腕を持たねばならぬ
なれるかなあ。もう10年くらいシンジの指導で修業して子供が小学校に上がるまでには、何とかなってほしいところ。道は険しい。
でも、ズボラを装う理由はなくなったのでちゃんとやるかも、いや無理かも。
「できないのじゃなくてやらないの」なんて言ってそうな気がします。
>ネタバレ掲示板でなければ書けない
そうですね。ここだから安心してお聞きできるお話でした。
>長文派。でも作品に一万字は無理(笑)。なんでだろう?
よくわかります。なぜか作品は長くできない。なんででしょうね?
感想ありがとうございます。
「よっぱレイ」以前もお話が出たなーと思ったら「さくら」の時でした。正規投稿ではなく初稿を四人目に投稿した時。
>十年という月日を考えるとズボラというより鈍い(笑)。
おっしゃる通り。鈍感系主人公なんて言葉がありましたが、二人ともちょっと鈍すぎますよね。アスカの「さっさとはっきりさせなさいよ」というのが周囲の本音だと思います。とはいえ、この二人だからこれでいいのかもしれないと個人的には思っています。
>レイがシンジ並みの料理の腕を持たねばならぬ
なれるかなあ。もう10年くらいシンジの指導で修業して子供が小学校に上がるまでには、何とかなってほしいところ。道は険しい。
でも、ズボラを装う理由はなくなったのでちゃんとやるかも、いや無理かも。
「できないのじゃなくてやらないの」なんて言ってそうな気がします。
>ネタバレ掲示板でなければ書けない
そうですね。ここだから安心してお聞きできるお話でした。
>長文派。でも作品に一万字は無理(笑)。なんでだろう?
よくわかります。なぜか作品は長くできない。なんででしょうね?
件名 | : Re: 綾波レイがズボラな理由 |
投稿日 | : 2021/07/18 01:22 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
かつて「よっぱレイ」という言葉があってだな(笑)。
大抵は手に負えなくなるのであるが、酔った人間は概ね手に負えないのであって、レイも例外ではないというそういう話ではある。ではあるが、通常時との落差が大きいので楽しい。
さてズボラレイであるが、十年という月日を考えるとズボラというより鈍い(笑)。シンジも十年も黙って見てたのかよと突っ込みたくなるが、まことにシンジらしくもある。こんな機会、何回もあったろうに。まあでも、
>「青い鳥を籠から出すほど、僕は寛容じゃないんだよ」
こんなセリフを言える程度には大人にならないと機会を捉えることも出来なかった、ということなのかも。
問題はこのセリフだ。
>「碇くんを、全部私にちょうだい」
全部ということは料理の腕も含むということであり、シンジの料理の腕をもらうということは、レイがシンジ並みの料理の腕を持たねばならぬという解釈ができる。これはある種曲解であるが、恐らく大人であるシンジ君によって丸め込まれるであろう。僕程度には料理ができるようになってもらうよ、と。シンジも超絶料理人というわけではないと思われるので、全く不可能とは思われないが、十年間ほぼ何もせずコンビニ弁当で生きてきたツケは大きく、基礎の基礎から学ばねばならぬので道は険しいと思うが頑張って頂きたい(笑)。
と、「碇くんを、全部私にちょうだい」から一気にここまで妄想が広がったわけで、さすがにこれはネタバレ掲示板でなければ書けないであろうと、そういうお話しでございました。長文派。でも作品に一万字は無理(笑)。なんでだろう?
大抵は手に負えなくなるのであるが、酔った人間は概ね手に負えないのであって、レイも例外ではないというそういう話ではある。ではあるが、通常時との落差が大きいので楽しい。
さてズボラレイであるが、十年という月日を考えるとズボラというより鈍い(笑)。シンジも十年も黙って見てたのかよと突っ込みたくなるが、まことにシンジらしくもある。こんな機会、何回もあったろうに。まあでも、
>「青い鳥を籠から出すほど、僕は寛容じゃないんだよ」
こんなセリフを言える程度には大人にならないと機会を捉えることも出来なかった、ということなのかも。
問題はこのセリフだ。
>「碇くんを、全部私にちょうだい」
全部ということは料理の腕も含むということであり、シンジの料理の腕をもらうということは、レイがシンジ並みの料理の腕を持たねばならぬという解釈ができる。これはある種曲解であるが、恐らく大人であるシンジ君によって丸め込まれるであろう。僕程度には料理ができるようになってもらうよ、と。シンジも超絶料理人というわけではないと思われるので、全く不可能とは思われないが、十年間ほぼ何もせずコンビニ弁当で生きてきたツケは大きく、基礎の基礎から学ばねばならぬので道は険しいと思うが頑張って頂きたい(笑)。
と、「碇くんを、全部私にちょうだい」から一気にここまで妄想が広がったわけで、さすがにこれはネタバレ掲示板でなければ書けないであろうと、そういうお話しでございました。長文派。でも作品に一万字は無理(笑)。なんでだろう?
Written by 史燕
私、綾波レイはズボラである。
自分で認めたくはないのだけれど、料理も洗濯もあまり得意ではない。
掃除は、そもそも部屋に物を置かないようにしているので、必要性は最小限。
料理は、コンビニやスーパーって便利だと思うの。
だって、もう買って食べるだけで済むのだから。
赤木博士には、「あなたがちゃんと食べ物を食べるようになっただけ、良しとすることにするわ」なんて、あきらめた口調で言われてしまった。
そもそも、碇司令との外食か、サプリメントで栄養補給は十分だと思っていたから、昔から料理をしようという意欲はわかなかった。
もう10年来となる親友のアスカに言わせれば「アンタ、なんでもう女を捨ててるのよ」ということだけれど、必要性を感じないのだから仕方がない。
「綾波、いるー?」
でも、私がズボラな理由は、この来訪者にある。
「鍵は開いているわ」
「僕だからよかったけど、せめて鍵ぐらいかけてよ。不用心だよ」
「いいの、別に」
「僕はよくないんだけどなあ」
同じく10年来の付き合いとなる碇くん。
お互いに別々の職場に就職したのに、なにかにつけてこうして私の部屋を訪ねてくれる。
「アンタたち、さっさとはっきりさせなさいよ」と、アスカにはよく言われるけれど、恋とか愛とか、たぶんそんな関係じゃないのだ。
「渚くんと幸せだからと言って、幸せの押しつけはしないでほしい」
「ばっ、バカレイ。そういう意味じゃないわよ。まったく、こっちは心配してあげてるのに」
「ありがとう。でも、いいの」
「いいって、アンタね」
「碇くんが女の子に人気なのは、わかっているもの」
「わかってるって」
「だから、いいの」
強く否定して、アスカに二の句を継がせなかった。
わかっているのだ、彼はこんなところにいていい人間ではないのだと。
わかっていても、縋りたくなってしまうのだけれど。
「綾波、またコンビニ弁当?」
「ええ」
「体に良くないからやめてほしいんだけどなあ」
「でも、おいしいわ」
「そういう問題じゃないよ」
「問題ないわ」
「そこで父さんの真似をしても誤魔化されないからね」
碇くんはそう言うと、いつものように「仕方がないなあ」と言いながら、台所に立つ。
そして、テキパキと包丁を使い、鍋を温め、あっという間にパンとスープが目の前に。
「せめて、これはちゃんと食べてね」
「お腹は空いていないのだけれど」
「い・い・か・ら・食・べ・る」
「はい、わかりました」
料理のこととなると、碇くんは少し人が変わったように怖くなる。
少なくとも食べ残しは許されない。
完食するまで目の前から離れないのだ。
実は、それを見越してコンビニで買ったのは小さなおにぎり一つ。
これ見よがしに机の上にレジ袋を置いていたの。
碇くんは、完全な善意だけれど、私に好意はない。
それはわかっている。
わかっているからこそ、わざとズボラな、世話の焼ける昔なじみの友人という地位を演出しているのだ。
だって、そうすれば今だけは、この時だけは私を見てくれるから。
将来はわからない。
10年後は、きっと気立てのいいお嫁さんをもらって、かわいい赤ちゃんを連れているのだろう。
会社の同僚ですらない私とは、年末年始の挨拶だけを交わす関係になるのは目に見えている。
だからこそ、今だけはズボラな友人として、彼の時間を独占するのだ。
今はまだ私のことを見てくれるから。
「碇くん、おビール飲みたい」
「またあ? ここのところ毎日じゃないか」
「碇くんも、飲も?」
「かわいくい言えば許すと思ってるの?」
「ダメ?」
「うっ、一杯だけだよ」
なんだかんだで、強く押せば晩酌に付き合ってくれる彼が、どこかで悪い女に引っ掛からないか少し心配。
いえ、私自身が相当タチの悪い女に分類される自覚はあるけど。
「やっぱりまたえびちゅが増えてる」
「ミサトさんがこの間置いていってくれたのよ」
「加持さん、奥さんの行動くらい止めてよ」
「中学生の前で2桁以上飲んでいた人に今さら何を言うのよ」
「そうだけど、そうだけどさあ。綾波が飲んでいい理由にはならないよね」
「私も25,立派な大人の女よ」
「いい大人が古い友人に晩飯の世話をさせる現状についてコメントは?」
「いつもお世話になっております」
「開き直るんだからなお悪いよね」
「そんなところまでミサトさんに似ないでほしかった」とこぼす彼には悪いけれど、これもわざと。彼が保護者であったかつての同居人との生活を楽しんでいたのは知っているから、せめてそれを彷彿させるように振舞っているの。
ほんとはお酒、そこまで好きじゃないの。
「いかりく~ん、だっこして」
「綾波、もう酔っぱらってるの!?」
嘘、合法的に彼に甘える口実としてお酒は大好きだ。
「あれは酔っていたの」なんて本来は言い訳にならないけれど、人のいい彼は騙されてくれる。ああ、碇くんの匂い、大人の男って感じがする。
「ちょっと綾波、僕たちの性別わかってる?」
「いかりくんも~、あたしがおんなをすててる~なんて言うの~?」
「ダメだこりゃ、全然話が通じない」
「いかりくんのおはなし~、なんでもきくよ~」
「ほんとに?」
「うんうん、ほんと~」
頭の中がほわほわするけれど、言葉の意味は分かっているつもり。
大丈夫、お世話になっている碇くんのためなら何でもお願いは聞くつもり。
「じゃあ、僕のお願い聞いてくれる?」
「いいわよ~」
「後になって『あれは酔ってたの』なんて言い訳聞かないからね」
「いいわよ~、いかりくんのおねがいだもの~」
「よし、録音してるからね」
「え~、しんようないのね~」
そこまで信用無いのはちょっとショックだけれど、日ごろの行いを省みると反論できない。
しかし、このときもっとしっかりと対応していればよかったと、後々になって後悔することになるとは思いもしなかった。
「じゃあ、綾波」
「うん、なに~?」
「綾波を僕にちょうだい」
「えっ」
「綾波の残りの人生、僕にちょうだい」
「ちょ、ちょっと言ってることがわからないの」
「録音してる。言質は取った。なかったことにはさせないからね」
まずい、アルコールで朦朧とするなかでそれだけは思った。
話の内容がわからなかったわけではない。
しかし、碇くんは間違っているのだ。
一時の気の迷いと情にほだされて、こんな地雷女を選ぶ必要はないのだ。
他にもいっぱい、世の中にはいい女がいるのだ。
もっと胸が大きかったり、一途だったり、面倒見がよかったり、経済的に豊かだったり。
「わたしには、なにもないのよ」
「何もなくても、綾波が居れば、それでいい。いや、綾波が必要なんだ」
「わたし、たぶんおんなのこのなかでもおおはずれよ」
「そんなことはないさ。僕は、君がいいんだ」
「まって、ちょっとまって。りかいがおいつかないの」
「綾波が悪いんだよ。止めたのにお酒なんか飲むから」
「いかりくんはなんでへいきなの?」
「ミサトさんに鍛えられたから。それに惚れた女の前で醜態を晒すのは、男のマナーだって加持さんに教わったから」
「ずるいわ」
「知らなかった? 結構ずるい男なんだよ、僕は」
「さあ返事は」と言われて、拒否する選択肢が残されていなかった。
いえ、もっと言えば、YESと言うまで解放されそうになかった。
抱き着いたのは私からなのに、今となってはぎゅっと捕まえられて、放してもらえそうにない。
「はなしてほしいの」
「青い鳥を籠から出すほど、僕は寛容じゃないんだよ」
うん、無理。もう限界。碇くんには、やっぱり敵わないの。
「いいわ」
「ほんとに?」
「ええ、私も、私の人生も、全部、ぜーんぶ、碇くんにあげるわ」
「やった」
「その代わり――」
「その代わり?」
「碇くんを、全部私にちょうだい」
“もう一生、あなたのことを放さないわ”