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後方腕組彼氏の事情
件名 | : Re: 後方腕組彼氏の事情 |
投稿日 | : 2021/07/31 02:06 |
投稿者 | : 史燕 |
参照先 | : |
〇tambさん
感想ありがとうございます。
原作の委員会の時まで付いてきちゃうシンジ君ということで、じゃあレイちゃんも同じようにするんじゃないかなと思い、気づいたらこのような形になりました。
おっしゃる通り「ずっと見ていたい、こんなにかわいい(かっこいい)彼女(彼氏)」そんな感じです。むしろそれしかありません。
>いや、久々にゲロ甘で転がったわ。こういうの、私の中ではゲロ甘だけどイチャラブとは違うんだよな。まあそれはどうでもいいんだけどね(笑)。
たしかに、ゲロ甘とイチャラブはどことなく違う部分があって、原作者のヨシヲさんにも初見時に「綾幸の香りがして笑顔になっちゃいました。」という望外の評価をいただいていて、綾幸の香りってことはやっぱりゲロ甘だよね、と思いました。
感想ありがとうございます。
原作の委員会の時まで付いてきちゃうシンジ君ということで、じゃあレイちゃんも同じようにするんじゃないかなと思い、気づいたらこのような形になりました。
おっしゃる通り「ずっと見ていたい、こんなにかわいい(かっこいい)彼女(彼氏)」そんな感じです。むしろそれしかありません。
>いや、久々にゲロ甘で転がったわ。こういうの、私の中ではゲロ甘だけどイチャラブとは違うんだよな。まあそれはどうでもいいんだけどね(笑)。
たしかに、ゲロ甘とイチャラブはどことなく違う部分があって、原作者のヨシヲさんにも初見時に「綾幸の香りがして笑顔になっちゃいました。」という望外の評価をいただいていて、綾幸の香りってことはやっぱりゲロ甘だよね、と思いました。
件名 | : Re: 後方腕組彼氏の事情 |
投稿日 | : 2021/07/30 22:41 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
この話の元絵、シンジ君の笑顔もそうだけど後方腕組み彼氏という単語がスゲーなと思ったのですが、昨今ではそういう言葉がある模様。編み出したやつ、すごい。そして後方腕組み彼女という単語はヒットしない。これ、重要。というか不思議。
正直に言うと、ただ待ってるとかならともかく、委員会とかに出てる彼女が心配、という感覚は共有し難い。が、後方腕組みおじさん的な側面から考えると、要するに「おれの彼女スゲーだろ」ということだと思われるので(おじさん的には「おれの彼女」という感覚が勘違いなのだが)、つまりおれの可愛い彼女をずっと見ていたい我慢できないってことで、それならわかる。というか我慢しろよ(笑)。そして彼女の恥ずかしいという感覚も無論わかる。
そしてこれは男女をひっくり返してもそのまま成立する。つまり自分が恥ずかしいという感覚よりも、おれの(私の)可愛い(かっこいい)彼女を(彼氏を)ずっと見ていたい我慢できない、という感情が優先されるということで、結論としては好きにしろと(笑)。
いや、久々にゲロ甘で転がったわ。こういうの、私の中ではゲロ甘だけどイチャラブとは違うんだよな。まあそれはどうでもいいんだけどね(笑)。
正直に言うと、ただ待ってるとかならともかく、委員会とかに出てる彼女が心配、という感覚は共有し難い。が、後方腕組みおじさん的な側面から考えると、要するに「おれの彼女スゲーだろ」ということだと思われるので(おじさん的には「おれの彼女」という感覚が勘違いなのだが)、つまりおれの可愛い彼女をずっと見ていたい我慢できないってことで、それならわかる。というか我慢しろよ(笑)。そして彼女の恥ずかしいという感覚も無論わかる。
そしてこれは男女をひっくり返してもそのまま成立する。つまり自分が恥ずかしいという感覚よりも、おれの(私の)可愛い(かっこいい)彼女を(彼氏を)ずっと見ていたい我慢できない、という感情が優先されるということで、結論としては好きにしろと(笑)。
いや、久々にゲロ甘で転がったわ。こういうの、私の中ではゲロ甘だけどイチャラブとは違うんだよな。まあそれはどうでもいいんだけどね(笑)。
ヨシヲさん、素敵なイラストをいつもありがとうございます。
原作のURLはこちら。
https://twitter.com/yoshio_296/status/1420365964831461379?s=20
後方腕組彼氏の事情
Written by 史燕
高校生になり、全生徒が「委員会」なるものに所属するという規則に僕たちは縛られることになった。
文化祭を取り仕切る文化委員、清掃活動の美化委員、図書室の受付・整理を行う図書委員といったものだ。
「決まりだから仕方ないのだけど」
「大丈夫、すぐに終わるわ」
そう、決まりだから仕方がない。
それはわかっている。
とはいえ、僕たちの関係をたかが規則ごときに引き裂かれることを是認したくはないのだった。
「その結果が、アレ?」
「はい」
「碇くん、ちょっと、いえかなり反省して」
「はい、申し開きのしようもございません」
帰宅後、僕は彼女の前で正座していた。
綾波の声色は、いつもと比べて10度ほど冷たい。
というのも、彼女の委員会が終わるまで――たった2時間のことだ――会議室の奥で壁に寄りかかって待っていたのだが、それが彼女の逆鱗に触れたらしい。
「ただ心配だっただけなのだけど」
ぼそりと、思ったことを口にする。
「それが悪いと言っているのだけれど」
「はい」
「あの後、なんて言われたか知っている?」
「いいえ」
「『後方腕組彼氏』」
「はい」
「わかっているの?」
「いえ、でも、もう3回目だし。みんな見逃してくれるし」
「それがなお悪いのよ。彼女の私のほうが恥ずかしい」
綾波の声の温度が、またワンランク冷たくなった。
「これ」
「はい」
「隣のクラスの委員、相田くんが撮ってくれた写真」
「はい」
「『すごくいい笑顔だった』ですって」
「はい」
「弁解は?」
「申し訳ございませんでした」
すっごくいい笑顔だよ僕。
しかも若干ナナメに体を傾けてカッコつけて。
「わかった? 私が恥ずかしいの」
「はい」
彼女のお説教はようやくひと段落ついたようだ。
よし、ここはこの写真を出そう。
「それじゃあ綾波、僕からも」
「なに?」
とげとげしい態度は崩せそうにないが、僕にだって言い分はあるのだ。
「この写真をどうぞ」
「なに、これ」
「図書室で僕の当番が終わるまで、本棚の前で見張っていた可愛い彼女の写真」
「かっ、かわいい。いいえそこじゃないわ」
「おとといケンスケから貰いました。3時間ほど立っていてつらくなかった?」
「ちょっと太ももが……、いえ違うの、見張っていたわけではないの。私は本を読んでいただけなの」
「写真の本、逆さまだけど?」
「うそっ、そんなはず」
「やっぱり見張っていたんじゃないか」
「騙したのね」
「本が反対なのはホント」
「ううっ」
「何か弁解は?」
「申し上げようもございません」
――綾波も一緒じゃないか。
――碇くんは人気なのよ。
口にするでもなくお互いに言いたいことは共有できたらしい。
「だって、綾波へのラブレター、もう100通を超えたよ?」
「だって、碇くんへの告白、20件から先は数えていないのよ?」
二人同時に口にするのは全く以て同義の懸念。
とどのつまり僕たち二人とも、お互いに相手のことが心配なのだ。
「で、結局、今月も碇が『後方腕組彼氏』を務めていると」
「ええ、そうなの」
「碇、椅子出そうかー?」
「いや、待っているだけだからいいよ」
「せめて廊下に変更できないのか?」
「嫌だ」
「あー、はいはい了解。さあ委員長、会議を始めましょうか」
ケンスケは一応のお義理からいくつか僕に妥協案を提示したけど、受け入れる余地がないことを伝えるとあっさりと先輩方に進行を促した。
チラチラと各クラスの委員の視線が向くけど、そんなことは関係ない。
「それでは今月の活動報告について……」
こうしてまた、2時間が過ぎた。
とぼとぼと影を並べて、僕たち二人は帰路を歩く。
「みんな納得してくれたみたいだね」
「図書委員も、碇くんに色目を使う娘がいなくなってよかったわ」
「それで、今日のおやつはシュークリーム? フルーチェ?」
懸念は解決したので、目下の課題は今日の夕食と彼女のご機嫌。
「いえ、そのどちらもいらないわ」
「そう?」
珍しいことがあるものだと考えた瞬間、目の前が碧い髪色に覆われた。
あっと思う間もなく、唇が塞がれていたのだ。
「ごちそうさま、後方腕組彼氏くん」