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アリオーソってなんだっけ?
件名 | : Re: アリオーソってなんだっけ? |
投稿日 | : 2022/12/09(Fri) 21:35 |
投稿者 | : 史燕 |
参照先 | : |
○tambさん
感想ありがとうございます。
tambさんのくださった会話文がむしろ元なのですが、楽しく読んでいただけてうれしいです。
勘違いから来るちょっとした一コマを描けていたらいいなあと思います。
感想ありがとうございます。
tambさんのくださった会話文がむしろ元なのですが、楽しく読んでいただけてうれしいです。
勘違いから来るちょっとした一コマを描けていたらいいなあと思います。
件名 | : Re: アリオーソってなんだっけ? |
投稿日 | : 2022/12/08(Thu) 02:42 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
もはやどういう原文を投げたのかあんまり覚えていないけれど。
二人の間では、何が上手くできただのなんだの、という感じの料理に関する会話は日常的にあったと類推できる。この仮定が正しいとするなら、綾波さんの勘違いも無理はないと思われる。冒頭で「アリオーソってなに?」と聞けばよかったのだろうが、食べ物だと思い込んでいればそれは不可能である。というプロセスを経ての
>「し、知ってるわ」
このあたふた感がたまらん(笑)。
顔が真っ赤なんだろうなぁ、きっと。
とても平和で良いです。
二人の間では、何が上手くできただのなんだの、という感じの料理に関する会話は日常的にあったと類推できる。この仮定が正しいとするなら、綾波さんの勘違いも無理はないと思われる。冒頭で「アリオーソってなに?」と聞けばよかったのだろうが、食べ物だと思い込んでいればそれは不可能である。というプロセスを経ての
>「し、知ってるわ」
このあたふた感がたまらん(笑)。
顔が真っ赤なんだろうなぁ、きっと。
とても平和で良いです。
件名 | : Re: アリオーソってなんだっけ? |
投稿日 | : 2022/07/24 20:04 |
投稿者 | : 史燕 |
参照先 | : |
みなさんお久しぶりです。
そろそろなにか書かねばと思い、本作を書き上げました。
当初ネタが思い浮かばず何の脈絡もないまま「アリオーソと玉子焼きが頭の中をぐるぐるしている」という状態だったのですが、tambさんから「アリオーソを食べ物と類推してしまい、碇くんと会話が噛み合わない綾波さん」という素晴らしいアドバイスを頂き、無事形になりました。
会話文も、実はtambさんの原案をほぼそのまま使用させていただいております。
tambさん、本当にありがとうございます。
みなさま、楽しんでいただけたでしょうか?
そろそろなにか書かねばと思い、本作を書き上げました。
当初ネタが思い浮かばず何の脈絡もないまま「アリオーソと玉子焼きが頭の中をぐるぐるしている」という状態だったのですが、tambさんから「アリオーソを食べ物と類推してしまい、碇くんと会話が噛み合わない綾波さん」という素晴らしいアドバイスを頂き、無事形になりました。
会話文も、実はtambさんの原案をほぼそのまま使用させていただいております。
tambさん、本当にありがとうございます。
みなさま、楽しんでいただけたでしょうか?
学校からの帰り道、シンジはふと思い出して言った。
「昨日、アリオーソが上手にできたんだよね」
特に他意のないただの雑談のネタだ。
バッハの作曲であるこの曲は、チェリストの間ではレパートリーから外すことのできない名曲として知られている。
「そうなの? 今度教えてほしい」
教える、綾波もチェロをやってみたいってことかな、と少年は思った。
「いや、初心者には難しいと思うんだけど」
「そうなの? いくつかのレパートリーは、上手にできるようになったのだけど」
「いつの間に、そんなに上達したの?」
「先週の土日で、たくさん試してみたの」
少女がチェロに興味を持ってくれたのはうれしいけれど、さすがに最初に大曲を教えるのはシンジにとっては気が引けた。できれば、ウェルナーの教則本に載っているコラールあたりから手を付けさせたいところだ、しかしいくつかレパートリーを持っているというならば、まずはそれを聴いてみてから……、とついには指導計画を脳内で練り始めていた。
「せっかくだし食べてみたいわ。この間の玉子焼きもおいしかったから」
そのひと言が投下されて、少年にN2爆雷並の衝撃が与えられるまでは。
隣を歩く少女がとんでもない勘違いをしていることに気づき、少年は天を仰いだ。
(あー、大きな入道雲だなあ)
徒労感から思わず遠くを見つめてしまったが、気を取り直して少年は少女に向き直った。
「あのね、綾波」
「なに」
「アリオーソって食べ物じゃないよ?」
二人の間を、びゅうっと、夏にしてはやけに冷たい風が通り抜けた。
「し、知ってるわ」
誤魔化していることがありありとわかるくらい、目を泳がせながら少女は言った。
「えっと、じゃあアリオーソってなんだっけ?」
少女がわかっていないことをわかったうえで、少年は確認のために問いかける。
「……飲み物」
「そっかあ、レチタティーヴォは食べてみたいなぁ」
案の定の回答にシンジは改めて虚空を眺めながら言った。
「わたしも」
少女も、薄々間違えていると勘づいていながら、少年に追随する。
「じゃあ、今度作ってよ」
「がんばる」
少女にしてみれば、後は野となれ山となれ、だ。
「レチタティーヴォは食べ物?」
「いじわる」
少女の発言を皮切りに、少年の大きな笑い声が、夏の空に響いた。