雲をつかめ

                                             Written By NONO








 また、ざらついた砂を吸っていました。

 いまさら、誰を思えばいいのかもわからないまま。

 何を話したいのかは、わかっているのです。

 ただ、それをぶちまける相手が雲の向こう、空の彼方におでかけしているだけで。


「ねえ、どう思う?」

 彼女は言う。そんなこと聞かないわよ普通、って。つれないな。
 全てを共有したいなんて、サラリと言ってみせるから悪いんだ。
 だから僕は、素直に愛し続けてる人の話をしただけだ。
 それがベッドの上だって、別にいいじゃないか。ねえ?

「こうして暮らしているけど」

 霞を食って生きてるわけじゃない。そりゃないな。
 なにしろ命があるんで、飯を食っていかなきゃなんないんだ。
 まさか君と生きていたいなんて大それた話を、今でも平気でしているよ。
 それがベッドの上だとしても。

「わかっていました」

 僕はあなたを想っています。
 あなたのことばかりなんです。が、人間て痛い。
 痛がるのを嫌がる人がいるだけで、痛い。
 僕もそういう存在の一部なのが、また問題です。

「ごめんなさい」

 もしかしたら、僕は不幸かもしれません。
 あなたから見ても、そう映るかもしれません。
 僕自身、ロクでもないと思ってるくらいで。
 君という存在の成分の一部になりたいと、祈ってるのですから。

「会いに行くよ」

 まだ、ざらついた砂を噛んでいました。
 なお、噛みつづけたかったんです。が、人間でいたい。
 だから僕は、素直に愛している君の話をしています。
 どうやらそっちに行けそうには、ありませんので。


 雲をつかむような夢物語です。

 君と一緒に暮らせたらなんて、それこそ、ね。

 それでも計画として進行中です。

 会いましょう、それから、一緒に食事でもどうですか。

 僕たち二人と手をつなぐ子供の未来について話せたらいいのにね。


 雲をつかむような夢物語です。







































あとがき

ふと思いついて衝動的に「3人目」に書き込んだもの。
なんなんですかね、これ。
大した話じゃないとは多くの人が思うだろうけど、僕自身はちょっとびっくりしました。
ほんとに自分から出た言葉なのか疑いたくなるような感じ?

これを糧に重い、いい話を書いていきたいです☆(←気持ち悪い)



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