「出来たわ!」
何処か地下深くにある秘密の実験室
そこで一人の女性が実験の成功に歓喜の声を上げた
「おめでとう!リッちゃん」
その隣に居た女性が声を掛ける
「ありがとうございます」
女性に感謝の言葉を返す『リッちゃん』と呼ばれた女性
見詰め合う二人
突如として展開されるユリの花々
すると
「違う〜〜〜〜〜」
リツコが涙ながらに手を振り回し、何故かユリの花々を払い散らす
その奥から
「素敵です、お二人とも・・・・・」
と目を潤ませながら呟くマヤの姿が現れた
おもいっきり顔に縦線を入れて引くリツコ
ユイは
「立派になって」
と、何が立派になったのか意味不明なままマヤに潤んだ目でニヤリ笑いしながら言った
そんな三人を見つめる一対の目が・・・・・
視線を辿ると
生まれたばかり位であろう女の赤ちゃんが水槽の中で親指をくわえた格好で丸まっていた・・・・・
その視線はまるで
「無様ね」
と言ってるかのようだった
赤木リツコの幸せ
綾波レイの幸せ外伝的電波SS
※このSSのキャラの性格は『綾波レイの幸せ』の性格と異なります(笑
「で、リッちゃん、この子の名前決めたの?」
ユイがリツコに問う
するとリツコは頬を紅く染めつつ
「ユリにしようかと思います」
そう答えた
するとユイは何を勘違いしたのか
「そ、そんなリッちゃん」
そう呟きつつよろけると・・・・・
「いくら私と貴女の細胞を掛け合わせた子だからって・・・・・
『百合』はあまりじゃないの!?
大体、私にはそんな趣味なんか無いわよ!!」
そう叫んだ
その言葉にか声の大きさにかよろけるリツコ
リツコはその場でしゃがみこむと
「ユイさんの『ユ』と私の名前、リツコの『リ』を合わせただけなのに・・・・・」
床にのの字を書きながらそんな事をブツブツと呟いていた
「「ただいま〜」」
リツコとユイの声にパタパタパタという音がして
「お帰りなさい」
奥からレイが現れた
が、レイは途中で止まると
「誰?」
リツコにそう聞いた
レイの視線の先には生まれたばかり位の赤ちゃん
リツコがその事に気付き説明しようと
「ああ、この子は『ユリ』と言って・・・・・」
そう言った時だった
「私は要らない亭主なのか〜〜〜〜〜!?」
突然、涙を流しつつ叫ぶゲンドウが現れた
そんなゲンドウに対して
「あら、知らなかったんですか?」
と答えるユイ
その瞬間、ゲンドウは何故かどこからともなく現れた四角いジャングルの隅にある椅子に腰掛、真っ白に燃え尽きてしまった
「へへ、燃え尽きちまったぜ・・・・・」
そんな言葉を呟きつつ・・・・・
ゲンドウを冷ややかな目で見つつ
「・・・・・そう、お義母さん達は・・・・・そうだったのね」
と呟くレイ
リツコはレイの態度に
「違う!違うのよ〜〜〜〜〜〜!!!!」
涙を流しつつ否定の声を上げた
「ははははははははは」
リヴィングに響くにぎやかな笑い声
「まったく、笑い事じゃないのよ?」
リツコは憮然とした顔でシンジ達に文句を言う
「ご、ごめんなさい」
目尻に溜まった涙を拭きつつ謝るシンジ
レイやユイはまだ笑っている
ゲンドウも何とか復活を果たし、リヴィングで新聞を読んでいるものの、よく見ると新聞と手が細かく震えている
「でも、可愛いですね」
シンジの言葉に笑うのを止め、全員の目がユリに向く
視線の先にはあどけない寝顔でベビーベッドで寝ているユリの姿と、そんなユリを眺めている聖夜の姿
「私とユイさんの遺伝子を掛け合わせた子がどれだけの才能を持っているのか知りたい
そんな私のエゴで生まれた子だけど・・・・・
出来れば普通に、幸せに育ってもらいたいものね」
そう呟くリツコに
「大丈夫ですよ。ユリも僕達の大切な家族
僕達も精一杯手伝いますから」
と返すシンジ
「リツコ母さんの娘と言う事は、私にとっては妹って事になるのね」
と言うレイの言葉に
「レイ、聖夜と一緒に大切にしてくれるわよね?」
ユイがそう言うと、コクンと頷くレイ
ユイはゲンドウの方に振り向き
「何か問題ありますか?」
と訊ね、ゲンドウはいつも通り
「ふ、問題ない」
と返す
そのゲンドウの顔も嬉しそうに蕩けており
そんな家族達にリツコは
「ありがとう」
嬉しそうにそう呟いた
後書き
書きました(爆
本当はもっとギャグ風味にしたかったんですが、ソレだと何処がリツコの幸せなんだ?って感じになってしまいそうだったのでやめました
まあ、「こんなこともあろうかと!」っていわせれるようなシチュエーションがあれば違ったのかも知れませんが・・・・・
兎にも角にもこんな物が出来上がってしまいましたが如何でしょうか?
それでは
タッチでした
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ひっそりコメント:マヤちゃんイカスー(≧▽≦)