とあるクリスマスの惨劇(喜劇?)

赤木リツコの幸せシリーズvol.2



「むう、拙いな・・・・・」

ゲンドウは食卓でいつものゲンドウポーズを決めるとそう呟いた

「あら、貴方、何が不味いんですか?」

ユイはオタマをいつでもゲンドウの頭上に振り下ろせるように準備しながらそう聞いた

そう、今は食事の時間であり、ゲンドウ達の目の前にはユイ謹製の食事が並べられていたのだ

「ま、まてユイ
 別にユイの作った料理が不味いと言ったのではないのだ」

ユイの不穏な空気に、ゲンドウは必死に誤解を解こうとする

「あら、では、何が不味いんですか?」

半眼で睨みながらそう聞いてくるユイに

「・・・サンタの衣装を借りてくるのを忘れたのだ」

と素直に答えるゲンドウ

その瞬間

ぱこ〜ん!♪

と良い音が響き

「貴方!何やってるんですか!?聖夜ちゃんもユリもものすごく楽しみにしてたんですよ!」

とオタマを振り下ろした後、そう言うユイ

一瞬気の遠くなったゲンドウであったが何とか現世に復帰すると

「だから拙いと言ったのだ」

と答える

「それなら直ぐに借りに行ってきてくださいな!」

そんなゲンドウを叱るようにユイが言うと

「ちょっと待ってください、ユイさん、司令!」

リツコが二人を止めた

「如何したの?リッちゃん」

ユイがリツコにそう訊ねると

「こんな事もあろうかと〜〜〜〜!!!」

と言って、後手に持っていた物をずずいっとゲンドウ達の目の前に突き出した

科学者としての本懐を遂げる事の出来たリツコは何処か陶酔しているようにも見える

差し出されたもの、それは間違えようも無く

『サンタの衣装』

だった

「こんな事もって・・・・・」

そう言いつつこめかみに伝う汗を拭くユイを無視して

「さあ、どうぞ、司令」

そう言ってゲンドウにサンタの衣装を渡すリツコ

ゲンドウはリツコから衣装を受け取ると

「フ・・・シナリオ通りだ」

そう呟き、衣装の袖に腕を通した

「しかし、よく出来てますね」

そう言って、感心しながら衣装を見るシンジ

が、何か違和感を感じる

何かが違う・・・・・何がだろう?

シンジがそんな事を考えていると、レイが近付いてきて

「なんか、小さい機械みたいなものが沢山ついてるの」

小声でそう呟いた

驚き、もう一度よく見ると、確かに小さい機械のような物が沢山ついている

その事に不安を感じるシンジ

「ちょ、ちょっと距離を取ろうか」

レイにそう耳打ちして、ゲンドウからそっと離れるシンジ

レイもそれに続く

と、後から

「きゃっきゃ、きゃっきゃ」

と楽しそうな聖夜とユリの笑い声が

シンジが振り返ると、ユリが何かコントローラーのような物を持っている

不安が倍増するシンジ

「ユリちゃん、それ、お兄ちゃんに貸してくれない?」

そう言って手を出すが、ユリは「嫌」とでも言うかのように身を捩り、機械を隠す

それでも、不安な気持ちで一杯のシンジは

「ちょっとだけだから」

と更に詰め寄る

その瞬間、後に振り返り、逃げ出すユリ

「あ、ちょ、ちょっと待って、ユリ」

シンジはそう言うや否や、慌ててユリを追いかけだした

逃げるユリに追いかけるシンジ

が、本気のシンジにユリは直ぐに捕まってしまう

「ね、ユリちゃん、ちょっとだけだから」

ユリを抱き上げ、優しくそう言うが、頑として渡そうとしないユリ

なんとなく、危険を感じたレイとユイも参加してユリから機械を取り上げようとするが

子供の力は存外に強く、なかなか手放さない

一同が諦めた、その瞬間

ユリが一つのボタンを押した

何故かそのボタンには髑髏のマークが描かれており・・・・・

どか〜〜〜ん!

爆発するサンタの衣装

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

言葉の出なくなるシンジ達

そこに

「ア、アハ、アハハ、アハハハハ」

リツコの乾いた笑いが響く

その乾いた笑い声は、最初のお客さんが来るまで続いた





後書き

ども、タッチです

赤木リツコの幸せシリーズ、お届けします

何処がリツコの幸せなんだ!?

って思われる方

リツコは、科学者としての本懐を遂げたのですから、十二分に幸せかと(爆

それではまたいつか



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ひっそりコメント:お仕置きだべー、(by ドクロベエ様)