碇シンジの決断
〜綾波レイの幸せシリーズ '03 X'mas ver.〜
クリスマスイヴの今日、僕は綾波とアスカの二人と一緒に街に買い物に出掛けた
理由は言うまでも無く、クリスマスパーティー用の食材の買出しと、その日に行われるプレゼント交換用のプレゼントを買う為
綾波やアスカには何か特別なものを贈りたいから、二人の分を選ぶ時には何か理由をつけて上手く一人にならないと・・・・・
後の人には同じもので我慢してもらおう
でも、一体二人には何が良いんだろう?
そんな事を考えていたら何時の間にかデパートの入り口に・・・・・
しょうがない
此処で悩んでてもしょうがないからその時になったらまた考えよう
僕はそう思い、食料品売り場に足を運んだ
その考えを後で後悔することになるとも思わずに
「シンジ!コレも」
アスカが沢山の食材をまた持って来た
もう既に2籠目も一杯になりつつある
確かにクリスマスパーティ用の食材だから沢山あっても良いと思うけど・・・・・
これは買いすぎじゃないかな?
そうも思うんだけど、何気に生き生きしているアスカの表情を見てるとそんな事言えない
まあ、良いか
どうせ父さんのお金だし、調理も母さん達が手伝ってくれるからそんなに大変じゃないだろうし
お菓子が沢山入ってるのはまあ、ご愛嬌かな?
綾波はさっきから僕の横に張り付いたまま
「何か買って来たら?」
と言っても、頭を横にプルプルと振って
「シンジ君の横に居るのが良いの・・・・・」
と言って動く気配を見せない
「何か食べたいもの無い?一緒に行くから」
しょうがなくそう言っても
「お肉以外ならシンジ君が作ってくれたものは何でも良い」
と返される
正直、凄く嬉しい
だからまた二人でアスカが戻ってくるのを待つ
やがてアスカも満足したのか
「こんなモンで良いんじゃない?」
と言ってきたので、食材の買出しは終了
そのまま上のフロアに移動してクリスマスプレゼントを買うことに
父さんには赤いサングラスを買うことにした
なんだか、父さんのトレードマークって感じがしたから
母さんにはエプロン
ただ、何となく・・・・・
リツコ母さんにもやっぱりエプロン
意外と料理上手いんだよね・・・・・
ミサトさんには・・・・・
如何しよう?あの人、お酒好きだからその関係の方が良いのかな?
でも、それで飲みすぎになってもらっても困るし
だからと言ってミサトさんにエプロンは後で地獄を見ることになりそうだし
よし!
ミサトさんには「胃薬」!!
なんて贈ると、やっぱり怒るよね?
しょうがない、後で酒屋さんに寄ってえびちゅを一ケース頼もう
ソレが何だかんだ言って一番無難な気がする
さて、後は綾波とアスカか・・・・・
二人には何が良いかな?
僕は再びお店を見て回った
と
「お兄さん、彼女へのプレゼント探してるの?」
女性の店員さんが声を掛けてきた
「べ、べべべ、別に、か、かかか彼女ってワケじゃ・・・・・」
店員さんの言葉を真っ赤になりながら否定してみたけど
説得力ないよね?
だから
「どんな女の子?」
店員さんに微笑まれながら聞かれた
仕方なくアスカの特徴と綾波の特徴を教えると
「あら、二人の女の子に贈るの?隅に置けないわね」
そう言って、店員さんは笑いながら何か探し始める
そして並べられた沢山のプレゼント候補達
どれもこれも良さそうでついつい目移りしてしまう
全部が綾波やアスカに似合いそうで欲しいと思うけど
僕の財布の中にはそんなにお金があるわけじゃなく
二人へのプレゼントは僕自身のお金で買いたいから一つずつしか選べない
だからまず、僕が買える物を選ぶべく
「あの、今これだけしか持ってないんです」
と、店員さんに財布の中身を見せた
すると
「それじゃ、これとこれと・・・・・これかしら」
と幾つかに絞ってくれた
その中で一際目を惹かれたのはペンダント
イミテーションかもしれないけど、宝石のチャームがついたペンダントが沢山ある
どれが良いのかな?
こういう場合、誕生石のついたペンダントが良いのかな?
そう言えば、二人の誕生日って何時だったんだろう?
聞いたことないや
となると、今回は誕生石案は辞めとこうかな・・・・・
すると、何が良いかな?
ペンダントを前に悩んでる僕に店員さんが
「二人の誕生石なんかどう?」
とアドバイスをくれたけど
「御免なさい、それは考えたんですけど、僕が二人の誕生日を知らないんです」
と苦笑しながら答える
すると
「誰か知ってそうな人に聞いてみたら?」
と、同じく苦笑しながら店員さんが言ってくれた
僕は成る程と思い、早速電話しようと思ったんだけど・・・・・
辞めた・・・・・
一瞬にしてミサトさんのチシャ猫のような笑みが頭の中に浮かんだから・・・・・
僕は再び苦笑すると、首を振る
そんな僕に店員さんも苦笑するだけ
僕は再びペンダントに目を移す
二人の事を思い浮かべながら
と、紅い宝石のついたペンダントが目に入った
まるで綾波の瞳の色のような宝石
そう、ルビーのチャームのついたペンダント
僕はもう一人の瞳の色の宝石のついたペンダントを探す
すると、あった
蒼い色の宝石が
二種類あって、薄いブルーのアクアマリンと少し濃いブルーのサファイア
どちらにしようか悩んだけど、よく聞くサファイアの方を選ぶことにした
うん、ルビーを綾波に、サファイアをアスカにあげよう
そう最初は思ったけど
赤はアスカの好きな色だよね?
そんな事思ったらルビーをアスカにあげたほうが良いような気がしてきて・・・・・
またもや悩み始める僕
すると、また店員さんが
「ルビーとサファイアのついたペンダントにするの?」
と聞いてきた
僕はそれに頷いて答えると
「でも、それぞれにどっちを渡せば良いのか分からなくなって」
苦笑しながら白状する
店員さんも少し悩んだ後
「決める後押しになるか分からないけど・・・ルビーが象徴するのは情熱・仁愛・威厳。サファイアが慈愛・誠実・徳望よ」
と教えてくれた
ルビーが情熱に仁愛に威厳・・・・・
仁愛についてはなんとも言えないけど、アスカにぴったりだ
サファイアの慈愛・誠実・徳望も綾波にぴったり・・・・・
うん、決めた!アスカにルビー、綾波にサファイアにしよう
僕はそう決めると
「有難う御座います。おかげさまで決まりました。この二つ、プレゼント用に包んでもらえますか?」
そう言って店員さんに微笑んだ
店員さんも
「そう、決まった?良かったわ、お役に立てて。じゃあ、包装しますので少々お待ちくださいね」
と微笑んで奥に消えていった
ちょっとして帰って来た店員さんの手には綺麗に包装された二つのプレゼント
「紅いリボンの方にルビー、蒼いリボンの方にサファイアを包んでます」
そう言って微笑みながら渡してくれた
僕はもう一度
「有難う御座いました」
と言いながらその店を出て、待ち合わせ場所に向かった
「おっそ〜い!馬鹿シンジ!!何時までアタシ達を待たせるのよ?」
待ち合わせ場所に着くと、既に来ていたアスカの怒鳴り声が僕を迎えてくれた
僕は苦笑しながら
「御免」
と頭を下げる
「まったく!謝れば全て許されると思って!罰としてシンジ!これを持ちなさい」
と、自分の荷物を突き出してくるアスカ
僕は再び苦笑すると
「分かったよ」
と言ってアスカから荷物を受け取る
「綾波は?」
その後綾波にも聞いてみたけど
「・・・いい」
と言ってそのまま歩き出した
「あ、ま、待ってよ」
慌てて綾波を追いかける僕とアスカ
三人並んで談笑しながら家へ帰った
全ての準備が終わり、始まるパーティー
僕と母さん合同の料理は次々と消えていく
ミサトさん用に買ってきたえびちゅもどんどん無くなっていく
500ml缶三ケース買ってきたのに、後一ケース分も無い・・・・・
盛り上がる中、遂にプレゼント交換が・・・・・
僕はアスカに紅いリボンのプレゼントを
綾波に蒼いリボンのプレゼントを間違えないように渡す
「シ、シンジにしちゃあ、良いプレゼントじゃない」
と嬉しそうに言ってくれるアスカと
驚きの表情で僕を見る綾波
だから綾波に
「綾波の髪の色みたいで綺麗だったから・・・・・綾波に似合うと思って」
と言ってみた
そしたら綾波が
「な・・・何言うのよ?」
と真っ赤になって俯いて
それでも喜んでくれてるのが分かるから
それが可愛くて
今年初めてプレゼントなんてもの買って、選ぶ難しさも知ったけど
喜ばれる事が凄く嬉しくて
来年はもっとちゃんとしたものを選ぼうと思う
後書き
ども、お久しぶりの綾波レイの幸せシリーズです(笑
今回、本当のストーリーとしては「聖夜」の中にあったシンジがレイを選ぶ事になるレイの強い想いを書く予定だったのですが・・・・・
こんなのになってしまいました(爆
しかし、ペンダント・・・・・
よくあるネタですな(T_T)
それでは次は心模様リニューアル22話で
タッチでした
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【「綾波レイの幸せシリーズ」目次】
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