「ことばの綾」一周年・「綾波レイの幸せ」三周年

合同記念企画



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――戯言――

 サイト開設何周年を記念して企画をやるということに何の意味があるのかというと、実は意味などないと思います。それは単なるきっかけに過ぎないのです。

 ここのようなFF系サイトの場合、管理人と何人かの投稿作家で固まる傾向があります。これがやむを得ないことなのかどうかは判断が難しいのですが、普通に読んでいるだけで満足している人を表(例えば掲示板とか)に引っ張り出すのは、それで満足しているのであれば、やはり難しいと思います。気軽に感想とかを書き込めるような掲示板を置いてみたりしましたが、その意味では成功しているとは言い難い面もあります(完全に無意味だったとは思いませんが)。

 私は、作家でない人も表に出てきて欲しいと思っています。作家で固まって技術論を闘わせるのも面白いし有意義だとは思うのですが、書かない人(あるいは書けない人)を排除する意味はどこにもないのです。何かを書く(あるいは描く)ということは――それが小説にしろ掲示板にしろメールにしろ――それは伝えたいメッセージであるはずで、その伝えたい相手を書き手に限定することには意味を見いだせないのです。これは綾波属性を持っていない人は読まなくて良い、という気持ちとは別です。

 作家でなくても、表に出て来ていろんな人と話ができれば、きっともっと楽しいと思います。作家の立場としてできることはいい作品を書くこと。つまりサイト全体として見た時、人が少ないというのは、実は作品の吸引力が薄いからなんだと思います。サイト編集者のわがままとしては、宣伝で無理に呼び寄せるのではなくて、作品そのものに惹かれて来て欲しいと思うのです。
 もうひとつはきっかけを作ること。このサイトは、有り難いことに平常時でも一日にユニークユーザ数で300人くらいの訪問者がいらっしゃいます(更新があるともう少し増えます)。リピーター比率は約50%で、仮にその内の10%が表に出てみたいと思っているとすれば15人です。実際にはもっと少ないと思いますが、15人という人数は決して少ない数字ではありません。

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 当初あやきち氏(当時の名前は綾吉)から合同で記念企画をやりませんかというメールが来た時、普通の競作をやるつもりはありませんでした。ごく普通のテーマを決めた競作というのは、潜在的な作者の発掘には意味があります。前回ここでやった競作企画の時は、初投稿という作者の方が複数おられて、これは本当に嬉しく思いました。ですが、今回はそれはやりたくありませんでした。もっと、単に読んでいるだけの人を巻き込み、出てきたい人が出てこれるきっかけにしたかったのです。

 手法として、FFを書く以外に何かないのかというのは考えました。チャット大会を開くというのもその一つです。しかしながら、初めての人がいきなりチャットに入ってこれるかというと、それは難しい面が間違いなくあります。掲示板でもメールでも全くやり取りをしたことのない人が語り合っているチャットに突入する勇気は、私にはありません。

 ではどうするか。我々にできることは文章を書く以外にはないのですから、結局はそうするしかなかったのです。そうすると、単に読んでいる人を広く巻き込むためには複数のリクエストを受けつけるのがいいであろうという結論に達しました。無論、私とあやきち氏で全てのリクエストに応えることは不可能であって、必然的に作家も募集することになりました。

 そうして始まったのがこの企画です。途中、不慮のパソコンクラッシュや私とあやきち氏の意見の相違などにより進行が迷走し、結果として企画がだれてしまったのは事実であり、更には企画そのものの不備によって皆様にはご迷惑をお掛けすることになってしまいました。また、結果として挙げていただいたリクエスト全てに応えることもできませんでした。これは全て私とあやきち氏の力不足と思慮の浅さによるものであり、深くお詫びすると共に、平にご容赦をお願いするしかありません。

 ただ、この企画の目的は、これをきっかけにして作者間、作者読者間、そして読者間の交流を深めたいという部分にあります。作者であっても読者であっても、彼女のことを考えるという意味において、その立場に違いなどないと思っています。だから今の立場が作者であっても読者であっても、掲示板、あるいはメールでも感想を書いて欲しいと思います。もちろん批判的な感想でも構いません。むしろその方が身になる場合も多いのです。ただし、作家といえども生身の人間なので、書き方については常識の範囲でお願いしたいと思います。感想を貰った作者の方は、それが好意的なものであろうと批判的なものであろうと、謙虚に受け止めた反応をお願いしたいと思います。それが交流であると私は信じています。

 表に出る気のない方は、そのまま読者として楽しんで頂ければいいと思います。それもひとつの楽しみ方です。ここのサイトでは比較的少ないですが、人と人とが交流している以上トラブルはあり得ますし、全員が全員いい人間であるとは限りません。相性というのもあります。嫌な思いをすることもあるかもしれません。それでもやっぱり、人同士が交流することは楽しいことなんだと私は思っています。

 この企画が成功なのかどうかは、作者やお題を挙げた方、そして読者の方々がどのくらい楽しめたかで決まると思っています。ただ何かを書いて読んだということ以上に楽しめれば、この企画は成功です。

 そして、この企画が彼女のことをもう一度考えるきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。

 最後に、企画立案にあたり、あいだ氏には大変お世話になりました。記してお礼とさせて頂きます。ありがとうございました。最近はお仕事がお忙しいようですが、お身体には気をつけて。

 長々と戯れ言に付き合っていただき、ありがとうございました(^^;)。
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