冬の日

 くちゅん!今日は冷えるわ、こんな日はお家のコタツでヌクヌクしていたい、ミカンを食べながら見るテレビは至極のひととき。

 でもコタツをけっても外を出歩く理由は・・・

「綾波、寒くない?」

 碇クンとお散歩、近くの広場にクリスマスツリーを見に行くの。

「大丈夫、くちゅん!」

 私は寒がりだから厚着をして厚着をして更に厚着をしているんだけど・・・

 くちゅん!

「大丈夫じゃないようだね、これを巻きなよ」

「あ・・・うん」

 碇クンがマフラーをかしてくれたわ、そう言えば首が寒かったわ。自分専用のマフラーをしてくるの忘れていたのね。

 碇クンのマフラー、碇クンの匂いがするわ・・・ぽっ

「おや、顔が赤いけど大丈夫かい?」

「うん、平気」

「風邪はこじらせたら大変だからね。気をつけるんだよ」

 これは風邪のせいじゃないの、碇クンのマフラーのせいなの。

「温かいものを飲もうか、綾波は何がいい?」

 歩いていると自販機があったわ、私は・・・

「コーンポタージュ」

「うん」

 お金を入れてボタンを押すと缶が出てきたわ、碇クンありがとう、感謝の言葉。

「僕はコーヒーにしようかな」

「私が出すわ」

「いいよ」

「ダメ」

 碇クンのは私が奢らないとダメなの。

「そうかい、じゃあ甘えちゃおうかな」

 碇クンは微笑んだわ、嬉しい。

「お〜〜温かいね」

 缶の熱さが手を暖めるわ、それじゃあ飲みましょう。

「ゴクゴク・・・美味しい」

「うん、美味しいね。でもコーンは上手に飲まないと出てこないんだよね」

「うん、大変なの」

 コーンポタージュは上手に飲めるかどうかでコーンポタージュ歴がわかるわ。私はコーンポタージュ歴十年、でもコーンを上手に食べれないの。

「ゴクゴク、ゴクゴク」

 あっ今コーンが口に入ったわ、三個入った嬉しい。

「ゴクゴク、ゴクゴク」

 今度は一個、ちょっと残念。

「ゴクゴク、ゴクゴク」

 スープが無くなっちゃった、コーンがまだ残っているわ。今日も全部食べれなかった、悲しい・・・

「綾波、どうしたんだい?」

「何でもないわ、もう少し修行が必要なの」

「修行?何の?」

「スープを飲む修行」

「ふ〜〜ん、何かわかんないけど頑張ってね」

「うん」

 碇クンが応援してくれた、私頑張るわ。



 広場までもう少し、あと少しでクリスマスツリーが見れる。

「碇クン・・・」

「ん、なんだい?」

「手、繋いでいい」

 ポケットに入れて歩くのはつまらないし、さびしい。少しの勇気を出して・・・

「うん、良いよ」

 碇クンはポケットから手を出してくれたわ。

「暖かい」

 碇クンの体温が伝わってくる。碇クンの優しさが溢れているわ。

「ずっとポケットに入れていたからね、綾波の手も暖かいよ」

「うん」

 碇クンに私の体温が伝わっている、でもちょっと熱いかも。ずっとカイロを握っていたから・・・



「綾波、ほら」

「あっ」

 広場の外からクリスマスツリーが見えたわ、ずいぶん大きいのね。

「うわ〜〜凄い」

 広場に入ったらクリスマスツリーの全体が見えたわ、綺麗に飾られていたわ。

「綺麗・・・」

「夜にはライトアップするんだって」

 夜はイルミネーションでもっと綺麗に輝くんだわ、また夜に見に来たいわ。

「ねえ碇クン・・・」

「ん?」

「また夜も見に来ましょう」

 一緒にまた見れるかしら?

「うん、いいよ」

 碇クン微笑んでくれたわ、嬉しい。寒い日も碇クンの笑顔が見れれば風邪なんて引かないわよ


 初めましてjun16です。相互リンク記念SSを書かさせていただきました。

 シンジ君とレイちゃんの冬の日の一コマです。レイちゃんは上手にコーンポタージュを飲めません(笑)


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