外は雪景色。
白く色づいた街。
そこを上から見下ろせるホテルの最上階のレストラン。
そこに、僕と綾波はいた。
もう何年前だろうか、と笑いながら、僕と綾波は初めてであった頃の話をしていた。
プラグスーツを着、包帯を巻いた傷だらけの綾波。
父さんに反発しようとしていた僕。
そこからとりとめもなく、話は広がっていった。
「綾波……」
「なに?碇君。」
当然だけれども14の時より大人びた面持ちになり、大人らしい美しさをも纏った綾波に、僕は意を決して話しかけた。
「今日、クリスマスだよね。」
「ええ、そうね。」
綾波は、僕がこんな高いホテルに君を誘ったことに気づいてくれているんだろうか。
僕の目には、気づいていないようにも、知っていて期待しているようにも見えた。
「その……僕が…今日、ここに綾波を誘ったのは……
その……前から言いたかったことがあったわけで……」
「なに?」
綾波は優しい瞳で僕を見つめている。
それを見て、僕は最後の踏ん切りがついた。
「……
………
…………
結婚、してください。」
時が、止まった。
綾波は、混乱しているののかもしれない。
ややあって、綾波は甘い声で言った。
「喜んでお受けしますわ、あなた。」
あとがき
初めまして、ミレアです。
いただいた投稿作品もそうでしたので(マテ)超短編です。
ちなみにこの作品は「クリスマス記念一人で競作」シリーズです。
お題は「雪」、「クリスマス」。
他についてはあちこちのサイトに投稿させていただいているので、私のサイトあたりからお辿りください。
では。
ミレアさんへの感想はこちら
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