真っ青な空、モクモクと水平線より立ちあがる入道雲、そして浜に打ち寄せる波。
砂浜に何件かある海の家の軒先に立てられた"氷"の文字が、何故か涼しげな感じを与えてくれる。
絶好の海水浴日和なので当然、浜辺には色とりどりの水着を着た若い女性達がその美とセンスを競っている。
無論、浜辺で確認される人々の半分は男であるが、ここで男の水着姿を論じても仕方が無いので断固割愛する。そう、水着姿という観点から見て楽しいのは若い美人の女性だけなのだ!(作者の独断と偏見) しかし年々カットが際どくなっていったかつてと異なり、最近ではやや大人し目のデザインに落ち着いてきている。まあそうは言っても、世の男共からすればやはり美人の水着姿は鑑賞するためにあるのは間違いない。
最も中にはそんな華やかな砂浜に興味を示さず、さっさと岩場に行ってゴソゴソと浅場や潮溜りで何かやっている人もいるが少数派であろう・・・・・・・・・・・。
そんな男達の下心に満ちた視線と、可愛い水着を着て意中の相手に見て誉めてもらうという女達の顕示欲が火花を散らし交錯する海。
そんな戦場にまた新たな戦士達が到着した。
「やあ、やっと着いたよ。」
「う〜、暑いよ〜、喉渇いたよ〜。」
「・・・・お母さん、容赦のないお日様の前にマユミは意識を失いそうです・・・・・・。」
「ほらっ、鈴原! そんな所で遊んでないで早く来なさいよ!」
「そんな事言うたかて腹減ったんや、イインチョ・・・・・・・・・・・。」
「クククク・・・・・・・、そうだ! この花咲き乱れる光景こそ海の醍醐味だ〜! 売れる、売れるぞ〜!」
「相田くん! そんな事ばっかりしていると、その内簀巻きにされて沈められるわよ!」
内部でかなりテンションに差が見られるが、荷物を持ってダルそうに歩いてきたのは市立第1高校1−A組有志のメンバーであった。台詞からお分かりのようにメンバーは、碇シンジ、綾波レイ、山岸マユミ、洞木ヒカリ、鈴原トウジ、相田ケンスケ、霧島マナの7名である。
時は7月、学生であれば待望の夏休みに突入した嬉しい時期。本来ならば8月の方が水温も高くて泳ぐには都合が良いのだが、8月中盤を過ぎると様々なクラゲの出現、土用波等など、都合の悪いものも沢山現れるのである。それに7月中の方が多少はすいている。特に平日はそんなに人もいない。事実、これほどの天気であってもTVで見るような芋洗いというわけではなく、浜辺のパラソルも疎らである。
「さて、海の家で着替えてパラソルを借りなければいけないね。」
シンジは暑さにへばっている面々に振り返るとそう宣言した。
「そうね、着替えれば少しは涼しくなるかしら。」
ヒカリはそう言うとノロノロと荷物を持って海の家へと進み出す。それにつられる様に歩き出す女性陣。
「シンちゃ〜ん、待っててね〜!」
「碇君、期待していてね!」
視線でお互いを牽制しながらにこやかに手を振るレイとマナに手を振り返すと、シンジはよっこらしょっと自分の荷物を持ち上げ肩にかける。
「じゃあ俺達も着替えてくるか。」
ケンスケが何故か浮き浮きしながら海の家へと走っていく。
「なあセンセ、ケンスケの奴えらくはりきっとるな・・・・・・。」
お腹がすいて元気が無いトウジがシンジの傍に寄ってきて不思議そうに呟いた。
「そうだね、ケンスケって海が好きなのかな?」
ケンスケの行動を訝しく思うシンジだったが、まだ付き合いが短いために細かいところはよく知らない。
したがって理由はわからなかった。
こちらは普通に歩きながら向かうシンジとトウジであった。
シンジ、トウジ、ケンスケはさっさと着替え、海パンにパーカーを羽織った姿で女性陣を待っている。海の家のテーブルに座っていると、直射日光が遮られるため心地よい。トウジは我慢できなかったのか、既に焼きトウモロコシを頬張っていた。シンジはペットボトルのお茶を飲みながら暇そうに外したサングラスを弄んでいる。
ふと気がつくとケンスケの姿が見えない。トイレにでも行ったのかな、と考えていると後ろから元気な声がかけられる。
「シ〜ンちゃん、お待たせ〜。」
その声に振り向くと、やはりパーカを羽織りしっかりと前も留めた女性陣が立っていた。
「やあ、お疲れ様。 このままビーチに向かう? それともここで一休みしていく?」
スラリと伸びた健康的な足を見ても特に変わらない表情で問い掛けるシンジ。
「私何か飲みたいな〜。」
「私もです・・・・・・・。」
暑さでバテたレイとマユミがシンジの持っているペットボトルに反応して休む事を主張する。
「だらしないわね〜二人とも。 普段から身体を鍛えとかないとダメよ。」
「マナ〜、それはちょっと厳しすぎよ〜。」
そう言いながら日陰に入って出ようとしないヒカリ。やはり一休みしたいようだ。
「そう言うと思ったよ、ほらっ!」
そう言ってシンジはビニール袋に入れていた、まだ冷たいペットボトルを4本取り出してテーブルに並べた。
「きゃ〜、シンちゃんありがとう〜。」
そう言って普段からは考えられない素早さでペットボトルを掴むレイ。フタを開けるとゴクゴクと飲み始める。
「ありがとう、碇君。」
「ありがとうございます、優しいんですね碇君は。」
「碇君、ありがとう。」
そう言いながらヒカリ、マユミ、マナもペットボトルに手を伸ばす。
「いいんだよ、トウジがいろいろ食べ始めちゃったからこっちも何か買わないと格好がつかないんでね。」
笑いながら答えるシンジ。
「なんやセンセ、そないな事気にしとったんか?」
トウモロコシ3本を食べ終わり漸くエネルギーの再充填が完了したトウジが満足そうな表情で声をかける。そして何時の間にか戻ってきていたケンスケも横に立っている。
その姿を見て密かに溜息を吐くヒカリ。
せめてもう少しこうやって気を使ってくれればなぁ・・・・・・、と思っているのだった。
水分を補給した一行はようやく動き出すと、すでにケンスケによって貸し出しの手続きが取られ、設置されたパラソルの元へと向かう。そしてパラソルの陰にシートを敷き、荷物を置くとようやく一段落であった。
「ふ〜、やっと泳げるわね〜。」
体を動かす事が好きなマナが待ち兼ねたという表情で日の当たる場所へと移動した。
「碇君、見て見て!」
そう言うとマナはパーカーをすらっと脱いで自分の水着姿を披露した。
細いが引き締まった肢体が現れる。
それは黄色いビキニであった。
マナの平均より発達した胸を強調するかのように身体にフィットしている。
「良く似合ってるね、霧島さん。 引き締まっているね、さすがだよ。」
シンジの感想はあくまで武術をやっているために鍛えられ、引き締まったマナの身体を褒めたものだった・・・・・。
邪心を感じさせない爽やかなシンジの一言に、一部不満を感じながらも嬉しそうに微笑むマナ。
『フフフ・・・、どう頑張ったって胸は私の方が大きいんだから。碇君だって健全な男の子。これでレイに一歩リードしたわね・・・・。』
セックス・アピールという意味ではシンジの関心を買う事はできなかったようだが、自分でも自信を持っている姿を誉められて良い気持ちのマナだった。
しかし意外なところから援軍が来る。
「なんやセンセ、どんなところが"さすが"なんや? 霧島の胸か?それとも霧島の太股か?」
ケケケという笑いがふさわしいトウジの突っ込みが炸裂し、さすがのシンジもちょっと狼狽する。
「な、何を言うんだよトウジ・・・・・。同じ格闘技家として見て良いものは良いし、さすがと思わせるものはさすがなんだよ。」
やや顔を赤らめてわかるようなわからないような事を口にするシンジ。その言葉にマナがちょっとがっかりしているのはお約束である。
そんなマナを見ていてムッとした表情を浮かべたレイだが、シンジの言葉を素直に額面通り受け取り少し機嫌が直る。いつもはやや天然系のレイだが、今回は何故かマナの考えている事が手に取るようにわかったのだ。
『な、何よマナ!わ、私のシンちゃんを誘惑しようって言うのね! でも御生憎様、異性として誉められたんじゃないみたいね。』
だから負けないもん、と内心思いながら自らも攻勢に出るレイ。
「シンちゃん、次は今日の本命である私の水着を見てね!」
マナに対しかなり挑発的な台詞を言うと、レイもパーカーを勢いよく脱いで水着を披露。
それは薄い青色のワンピースだが、背中は大きく露出しておりなかなか大胆なカットという代物であった。
腰にはパレオが巻かれているがそれも勢いよく取り去る。
そこには・・・・・マナに負けず劣らない素晴らしいプロポーションが燦然と輝いていた。
確かに比較して見るとマナより胸は小さいが、全身という意味ではマナを凌駕するバランスのとれた美しいスタイルであることがわかる。特に腰が驚異的に細く見えるため、そのちょっと小振りな胸も、未だ発育途上のお尻もバランスとしてちょうど良く見えるのだ。
お菓子大好きなのに不思議である。
マナはビキニでありパッと見衆目を集めるが、実際にはビキニの方がスタイルが良く見えるそうで、本当にスタイルが良ければワンピースで何も問題ないそうである(昔そんな事を聞いた記憶が・・・・・・)。
「う、うん。・・・・レイちゃんとっても良く似合っているよ。・・・・凄く綺麗だね・・・・・。」
さすがに恋人の水着姿である。褒めるシンジの言葉には僅かな照れと純粋な感嘆がミックスされていた。
「あ、ありがとう・・・・・・・。」
その言葉の裏に込められたシンジの心の内に気が付き、頬を染め俯くレイ。水着だけでなくスタイル全体を誉められた事が嬉しかったのだろう。マナに向けられているのとは別の視点で誉められた事がわかった事も大きい。
明らかに自分の時とは異なるレイに言われた台詞と、目の前で見せられたレイの可愛い仕草に何故かムッとしてしまうマナ。水着に対する評価では大差ないのだが、こちらもレイを褒める言葉に込められたシンジの心の裡を察したのだ。その点でレイの企みは成功したと言って良いだろう。
「あ、あの・・・・・私のも見てくれますか・・・・・・?」
そんな二人を尻目にオズオズとシンジの前に立つマユミ。
「えっ? うん、かまわないけど。」
そう言ってマユミに視線を向ける。
マユミはそれだけで何となく恥ずかしくなって顔を僅かに俯かせる。
しかしスッとパーカーを脱ぐマユミ。
そこに現れたのは、ピンクのワンピースに包まれたマユミの身体。
胸はレイと同じぐらいだが、体つきが柔らかく女性らしい丸みを帯びている。
レイやマナが健康的な肢体と言うのであれば、マユミのそれは未だ発展途上であるが女性らしい肉感さを感じさせる(予想させる)ものと言えるだろう。
「うん、山岸さんもよく似合ってるね。その水着姿可愛いよ。」
マユミのこともしっかりと誉めるシンジ。この辺は加持師範からの教えを守っているのだろう。
ただやはりレイの時とは違い、純粋に褒めているだけなのだがマユミは気付いていない。
マユミは嬉しそうに、しかし恥ずかしそうにシンジからの視線を外して俯く。
マユミが誉められた事で何となくムッとした表情でマユミを見るレイとマナ。
レイは自分以外の女の子をシンジが誉めるのは何となく嫌なのだ。
そしてマナはシンジにとって自分がマユミと同レベルで見られているという事がわかったため。
『な、何よ・・・・、マナだけじゃなくてマユミもシンちゃんを狙っているの〜!』
『ムッ! 何よマユミ、貴方もなの?』
第3勢力の出現に心中あまり穏やかでない二人だった。
まあレイが当然というかダントツなのだが・・・・・・・・。
そして数メートル離れた場所ではヒカリがトウジの前で恥ずかしそうに水着を披露している。
「か、可愛いでイインチョ・・・・・・・・。」
照れながらもシンジに言われたようにしっかりと誉めるトウジ。
「そ、そう・・・・・・・・。」
ヒカリも頬を赤くしながら俯くが、どこか嬉しそうだ。
この状況下、ただ一人目の前で水着を披露してもらえないケンスケはどうしているのだろう? 拗ねて砂の上にのの字を書いているかと思いきや、何故かカメラも構えずニコニコとしている。
「さあさあ、泳ぎに行こうぜ。」
一通りお披露目が終わったと判断してケンスケが声をかける。
「そうだね、一応泳ぎに来たんだからね。」
シンジも同意してパーカーを脱いだ。
「あっとその前に、レイちゃん日焼け止め塗った?」
「あっ、いっけない忘れてた。」
そう言うとレイは荷物の中から日焼け止めを取り出した。
「ダメだよ気をつけないと。レイちゃんは紫外線に弱いんだからね。」
そう、アルビノであるレイは色素細胞が極端に少なく、強烈な直射日光を浴びると日焼けではなく火傷を負ってしまう。そのため日焼け止めは必須なのだ。
『そうだ、シンちゃんに塗ってもらおう・・・・・・・・。えへへへへ・・・・・・・・・。』
そんな事を考えて表情が僅かに緩むレイ。
しかしその事をいち早く察知したマナは、意識を飛ばしつつあるレイの手から日焼け止めを引っ手繰る。
「ほら、レイ。私達が塗ってあげるからそこに寝なさい。」
「あっ、えっ?」
事態の展開に付いて行けないレイはあたあたとしている。
「そうですよ綾波さん。皆さんお待ちかねなんですから。」
マユミまでが有無を言わさぬ雰囲気でレイににじり寄る。
「う、うん・・・・・・。」
二人の圧力に負けて渋々と横になるレイ。その身体にさっさと日焼け止めを塗っていくマナとマユミ。
レイはせっかくシンジに塗ってもらおうと考えていたのに実現しなかったために少し寂しそうに、対して残り二人はレイにそんな良い思いはさせないという共通の目的を達成して嬉しそうに、微妙な対比を見せつつ作業は進行する。
だがその空間は妙な緊張感が漂っていた。
残された方々はと言うと・・・・、ヒカリはトウジとの会話に夢中になっており、そんな事に気がつかない。
シンジは、3人とも仲が良くていいねぇ、等と呑気に考えていた。
一方ケンスケだが、何故か普段のように露骨に写真やビデオを撮るでもなくニコニコとしていた。ただパーカーのポケットに入れられた彼の右手はごそごそと動いていたが・・・・・・。
そう、彼は事前に業者に手を廻してパラソルの場所を決めてしまい、そこがよく写せるように数台のカメラを密かに配備し終えていたのだ。
『ククク・・・・・、今回は完璧だ。あれだけ巧妙に隠してセットしておけば全く警戒心を持たない4人の水着姿が撮れるはず。まあ予備にデジカメでも撮っておくか・・・・・。』
先程から手に握ったリモコンを密かに押して撮影を終了したケンスケは、バックからビデオを取り出すと何気ない様子で撮り始める。
その姿はあまりにも邪心が無く(普段に比べ)、女性陣はしばらく気がつかなかった。
「ほらレイ、終わったわよ。」
「綾波さん、これで大丈夫ですよ。」
二人にそう言わせてレイは起き上がると、仕方なく二人に礼を言う。
内心は『邪魔しないでよ!』だったが・・・・・・・・。
しかしレイはまだ諦めていない。
そう、シンジに日焼け止めのローションを塗るというイベントが残っている。
ニコニコしながらシンジの方に顔を向けるレイ。
「シンちゃ〜ん、日焼け止め・・・・。」
そこまで言葉を発した所で眼に映った光景を理解するレイ。
そしてレイの嬉しそうな声に、レイの意図を悟り振り向いたマナとマユミも固まってしまう。
そこにはシンジの背中にローションを塗っているケンスケの姿が・・・・・・・・。
「ありがとう、ケンスケ。おかげで背中に塗る事ができた。」
「いやいや、みんな早く海に行きたいみたいだからな。」
爽やかに交わされる友人同士の会話。
しかし女性3人にとってそれは許す事が出きる出来事ではなかった・・・・・・・。
『『『相田(君)〜。何余計な事してんのよ〜。』』』
そして少し離れたところでは、トウジにローションを塗ってもらいうっとりとしているヒカリの姿が・・・・・。
どうやらヒカリはトウジにも塗ってあげたようだ。
レイの持って行き場のない怒りは当然マナやマユミに向かう。
「マナっ!あんたにも塗ってあげるわ! ほらっ!急ぐんだからマユミも手伝って!次はマユミなんだから。」
何故か(by シンジ)不機嫌そうにマナをうつ伏せにしてローションを塗り始めるレイと従うマナ。
3人とも何故あんなにガックリしているのだろう、等と考えているシンジは鈍感なのかもしれない。
「じゃあ泳ぎに行こうか。」
シンジの言葉でようやくゾロゾロと海に入る一同。海に入ればとりあえず先程までの静かな争いは忘れたようだ(一時的だろうが)。
浅瀬でビーチボールに興じている女性4人。
シンジはやや深いところでぼんやりと浮かび空を見上げていた。バシャバシャという音と共に近づいてくる気配に、スッと立ち泳ぎに変化して音の方に目を向ける。
「やあ、どうしたのケンスケ?」
「女性陣からお呼びだよ。俺は単なる迎え。」
「ん・・・・・わかった。」
そう言うとシンジはゆっくりと手足を動かして泳ぎ始める。横で一緒に泳いでいるケンスケ。
「なあ、シンジ・・・・・。」
「何?」
「お前ってさ、何か落ち着いているよな。 さっきも霧島や山岸の水着姿を見ても普段通りだったし。」
暗にレイの時は違ったなと言っている。
「そんな事は無いよ。 レイちゃんは当然としても他の女性陣も魅力的だからね。これでも一生懸命気持ちを落ち着けているんだよ。」
苦笑しながらもしっかりと惚気て答えるシンジ。
さらっと惚気るシンジにケンスケはそれ以上突っ込めなかった。
「そうなのか? でも大したもんだよ、あの落ち着きようは。」
「まあ武術の練習には精神を落ち着かせるものも含まれているからね。」
そんな会話をしているうちにレイ達の元へと到着する二人。
「あ〜、シンちゃんどこに行っていたの?」
「ちょっと沖の方で浮かんでいた。」
すぐに声をかけてくるレイにやっていた事そのままを答えるシンジだった。
「もう、せっかくなんだから一緒にビーチボールで遊びましょう。」
そう言ってシンジの腕に自分の腕を絡ませるマナ。
「えっ、ダメだよ霧島さん人前でそんな事しては・・・・・・。」
腕に軽く当たるマナの柔らかい胸の感触に、さすがに表情が変わってやや狼狽するシンジ。
「ふーん、人がいなければいいの〜?」
「い、いやっ!そういう事ではなく!」
マナの突っ込みにさらに狼狽するシンジ。
だが当然の事ながらそんな状況をレイが黙って見ているわけがない。
もう片方の腕をがっしりと拘束するレイ。
マナに負けじとシンジの腕を完全に抱き寄せてギュッと抱え込む(マナは軽く腕を絡ませた程度)。
そしてゴロゴロと言う声が聞こえるかのように頬を擦り付けて甘えるレイ。
「うーん、シンちゃん・・・・・私となら"こ・い・び・と"同士なんだから問題無いよねー。」
その声はたっぷりと甘えを含んだものであり、さすがのシンジも固まってしまい顔は真っ赤だ。
シンジの肩から感じられるすべすべしたレイの頬の感触。
そしてしっかりと密着した腕から伝わるレイの柔らかい胸の感触・・・・・・・・・。
両腕から伝えられる柔らかい感触に、シンジの精神防壁は崩壊寸前に追い込まれていた。特にレイの無邪気な攻撃に・・・・・。
ボンヤリとレイを見ている(放心しているとも言う)シンジを確認して内心でにっこりとしたレイは、頬をぴったりと密着させてチラッとその視線をマナへと向けた。
レイの突然の大胆攻撃に呆気に取られていたマナだったが、その視線に気がついて我に帰る。レイの視線は幸福とマナへの優越感に満ち満ちたものであった。
『レイったら大胆!そこまで強く押しつけるなんて! でも今の状態の碇君に同じ事を仕掛けても効果は薄いわね。』
対抗心を燃やしたマナだが、ここは冷静に戦況を見極め分析する。マナの冷静な頭脳は、とりあえず戦術的な撤退を行い、シンジとレイの密着を引き離す事を選択した。マナはシンジの腕を離し、レイの後ろに回りこむ。
一方マナが離れた事で我に帰ったシンジはレイのほうに向き直ると諭し始めた。
「ほら、いつまでもそうしていないでレイちゃんも離れてね。」
「何で?」
きょとんとした顔で答えるレイ。
「レイちゃん、いくら恋人同士だっていっても人前であまりあからさまな事はしない方がいいよ。」
「え〜なんで〜。 私達恋人同士なんだし、ただ腕を組んでいるだけじゃな、うひゃう!」
頬を膨らませて抗議するレイがいきなり身を捩って変な声を上げる。
そしてシンジの腕を離して後ろを振り返った。
「誰よ、私に水なんかかけたのは!」
「ヘヘヘー、あたしよ。」
マナがしてやったりと言う表情で、スイ〜と深い方へと泳いでいく。
「むー、何でそんな事するのよ。」
それを追いかけて行くレイ。
「だって碇君が困ってるじゃない。あんまり聞き分けが無いと嫌われるよー。 あっ、でも私にはその方がいいのか・・・・・・。」
そこまで言ってお臍ぐらいまでの深さの所で足を着け何やら考え始めるマナ。
一方水をかけられたレイはその隙にお返しをしようと、急いで移動して考え込んだマナに向かって水をかけようとした瞬間、砂底の凸凹に足を取られて身体毎ダイブを敢行した。
バッシャ〜ン!!
そのまま顔から水面に突っ込み、周囲に盛大な水飛沫を撒き散らす。
「キャ〜、何するのよレイ! ・・・って・・・・レイ?」
身体を屈めていたせいでうねりと水飛沫をもろに浴びてしまったマナは、まさかレイが自らダイブした等とは思わず、レイに抗議しようと眼を開けて前を向く。
しかしマナの視界に入ってきたのは見なれた蒼銀のレイの髪だった。
海水のため眼を開けられないレイが、反射的に前にいるマナに掴まろうと手を伸ばしてしがみ付いて来たのだ。
「た・・・て、マナ〜。」
これが深いところだったり、溺れそうになったのならシンジがすぐさま助けていたであろう。
だが充分足が着くような場所でレイが溺れることも無い、とシンジが考えてにこやかに見ていた事で悲劇は起こった。
眼が見えない状態で闇雲に伸ばされとにかくマナに掴まろうとしたレイの手は、指先に触れた身体の感触にすかさず反応してしっかりと握ろうとした。だがそれはスカッとしか言いようの無い手応えの無さをレイに感じさせる。
再び顔を海の中に漬ける事となったレイは、ようやく足をしっかりと底に着けて立ちあがり眼を開けるべく手で顔を擦った。その際自分の手の中に何やら布のような物を持っている事に気がつく。
「へっ・・・・、何これ?」
ようやく眼を開けたレイが見たものは・・・・・・・・・・・・・小さな黄色い布切れ(ビキニの上)だった・・・・・・・。
そしてマナもレイを助けようと立ちあがり、レイに近寄ろうとしてその手の中の物に気がつく。
レイの向こうに佇むシンジ、トウジの呆けたような表情。
そしてサッと後ろを向くシンジと、シンジに強引に後ろを向かされるトウジ。
マユミやヒカリの眼を見開いた驚きの表情。
そして何が起きたか理解しておらず、手に持った黄色い布切れを広げようとしているレイ。
マナの視線がゆっくりと自分の胸に向かう。
そして瞳に映ったのは・・・・・・・高校1年生平均より育った形の良い自分の双丘であった・・・・・・。
「っ!・・・・・・キャ〜!!」
事態を認識したマナは両腕で胸を隠し、サッと水中に身体を沈める。
「ちょ、ちょっとレイ、そんな所で広げないでよ! 早く返して!」
真っ赤になりながらもそう言って顔だけを上に出してレイに近づく。
「あっ・・・・ご、ごめん・・・・マナ。」
ここにきて漸くレイも事態を悟り、やはり赤くなりながらも広げるのをやめて目的のブツをマナに差し出した。
その間、マナはこの惨劇を他の人間に見られたかどうか確認するためにキョロキョロと周囲を見まわした。
幸い近くに他の人はいない。まだ夏休みが始まって間もなく、平日であることがラッキーだったようだ。
「レイちゃん、霧島さんを隠してあげて。 洞木さんと山岸さんもお願いできるかな?」
後ろを向きながらのシンジの声に慌てて再起動した残りの女性陣もマナに駆け寄る。
「鈴原! まだ後ろ向いてなさいよ!」
ヒカリの一声に向き直ろうとしたものの慌てて後ろを向くトウジ。
女性陣が周囲の視線からガードするように3方を囲む中、マナは恥ずかしさで真っ赤になりながら水着を装着する。
やがて水着をきちんと整えたマナが立ちあがり、レイ、マユミ、ヒカリも囲みを解いてマナに話しかけている。
「ご、ごめんねマナ・・・・・・・。 恥ずかしい思いをさせちゃって・・・・・。」
「・・・い、いいのよレイ・・・・・・・・これは事故だったんだから・・・・・。」
すっかり項垂れてしまったレイを逆に宥めているマナだった。
「あ、あのう・・・・・、もうそっち見ても大丈夫かな?」
シンジの情けなさそうな声でようやく男性陣のことを思い出す4人。
「あ、ああ・・・・もう大丈夫よ。」
マナが努めて明るく返事をしてシンジの方に顔を向けた。
マナやレイの眼にはホッとしながらこちらに向き直るシンジとトウジの姿が映る。
だが、ふと視界に違和感を感じさせる"何か"を感じて視線を動かした。
そこには・・・・・・・デジカメをビデオモードにしてマナ達の方を向き、固まっているケンスケの姿があった。
そう、ケンスケのデジカメは水中使用となっておりここまで持って来ていたのだ。
「・・・・・・・・う・・・・売れる・・・・・・・・。」
さらに事態を決定付ける台詞をポツリと呟くケンスケ。
「・・・・・・・・・あ、相田君・・・・・・・・、まさか・・・・・撮ってたの・・・・・・?」
マナの地の底から湧き上がるような声にシンジ達もケンスケへ顔を向ける。
「えっ・・・・・・・・・、ああ別に気にしないでくれよ・・・・・・わ、わざとじゃないからさ・・・・・。」
冷や汗をかきながらそう言うとケンスケは何やら危険を感じたのだろう。カメラを下ろすと浜辺に向かって踵を返した。
「ちょ、ちょっと相田君・・・・・・、今の撮ってたの・・・・・?」
レイが呆然と口を開くのと同時に、マナと顔を見合わせる。
そそくさと立ち去ろうとしているケンスケだったが、日ごろからは考えられない素早さで追いかけて来たレイ
がガシっとその肩を掴む。さらには前に回りこんだ(こちらはいつも通りの動きで)マナがスッと手を差し出した。
「・・・・・き、き、霧島さん・・・・・・・・何でしょうか・・・・・・? 映像は私が責任を持って消去しますが・・・・・。」
「素直にそのデジカメを渡してくれると助かるんだけどな〜。」
にっこりと、だが眼は全然笑っていないマナに逆らうほどケンスケもバカではない。
『うっ・・・・・、霧島の奴本当に怒っている・・・・・。』
そう察知したケンスケは黙ってデジカメを差し出した。
「聞き分けが良くって助かるわ♪ じゃあ行きましょうか。」
そう言うと片手にデジカメを持ったマナは浜辺へと向きを変える。
「・・・・・へっ・・・・・・?」
一瞬意味がわからずにきょとんとするケンスケ。
「ふーん、売れるねぇ・・・・・・・・相田君、私達の写真売っているんだ・・・・・・・・。」
「あっ・・・・・えっ・・・・・いや・・・・・そんなことは・・・・・。」
「消すにしても後でじっくり一人で見るつもりだったのね・・・・・。」
「いや・・・・・・だって・・・・他の普通の映像も入っているんだから・・・・選んで消さないと・・・・。」
「大丈夫、私達がちゃんと見て消すから。」
「えっ!? 他の映像も見るつもりか?」
「なあに、見られたら困るの?」
「い、いや・・・・・そんな事は・・・・・ないかな?」
次第に青ざめていくケンスケの様子を見て、マナはケンスケのやっている事をほぼ正確に看破していた。
「どうやら、多少のお仕置きが必要なようね。」
「ひっ・・・・・・・霧島・・・・まさか・・・頼む、止めてくれ。 お前に本気でやられたら死んでしまう。」
「まあ今回は事故だったからそこまではしないわ。レイ、お願いね。」
レイに一声かけるとスタスタと歩いていくマナ。
「了〜解。」
そしてガシっと手首を掴んでケンスケを引っ張るレイ。
「ちょ、ちょっと・・・・・・何をするんだよ・・・・・?」
心細そうに問い掛けるケンスケを無視するとレイは自分たちのパラソルまでケンスケを引っ張ってきた。マナはというと、何故か海の家からスコップを借りてきている。
「霧島・・・・・まさかそれで殴るつもりじゃあ・・・・・・・・・。 あ、あれは事故じゃないか! 第一、シンジやトウジだって見てたんだぞ! 何で俺だけなんだ!?」
怯えながら尋ねるケンスケににっこりと笑いながら答えるマナ。
「やだなぁ相田君。 そんなことさすがにするわけ無いじゃない。 大丈夫よ、痛い事なんてしないから。」
冷たい笑みを浮かべながら答えると、マナはスコップで砂を掘り始める。
「相田君、できるまで大人しくしていてね。」
レイも冷たい笑みを浮かべながら(目が笑っていない)ケンスケの横に立っていた。
「な、なあ・・・・・、何で俺だけなんだ?」
「確かに碇君や鈴原君も私の胸を見たわ。 でも二人ともすぐに後ろを向いてくれたもの。 確かにあれは事故。 見られて恥ずかしかったけど、碇君達に文句は言えないわよ。 でも相田君はずっと見ていたんでしょ?」
掘る手を止めずに冷たく言い放つマナ。
無論それだけではない。
ケンスケには言っていないが、先ほどシンジにさっさと日焼け止めを塗ってくれた事も根に持っていたのだ。
ケンスケは悩む。
レイが相手なら逃げられるかもしれない。
しかし今ここで逃げたら、後でもっと怖いお仕置きをされる事は目に見えていた。
ザッ、ザッ、ザッ
本来なら喧騒に包まれている海岸で、マナが砂を掘る音だけが静かに響き渡るように聞こえてくる。
「おーい、霧島。何やってるんや?」
遅れてやって来たシンジ、マユミ、トウジ、ヒカリが少し離れたところから声をかける。
「ちょっとした遊びだから気にしないで〜。」
明るく答えるマナにかえって恐怖を感じるケンスケ。
「霧島さん、ひょっとしてケンスケを埋めるの?」
状況を察したシンジが作業をしているマナに近づいて手元を覗きこむ。
「相田君が砂の中に埋もれたいって言うからね〜。」
「ああ、顔だけ出して身体に砂を被せるアレ?」
「そうそう、ね〜レイ?」
「そうだよシンちゃん。 相田君のたっての希望なんだ〜。」
「そういうことか。まあその程度ならやむを得ないよね。 霧島さん疲れるでしょう?僕が代わるよ。」
「ありがとう、碇君。」
にっこりと笑ってスコップを渡すマナ。
何故か今回はレイもニコニコとして何も言わない。
体力にも腕力にも秀でているシンジはさっさと人一人入るぐらいの穴を掘り上げた。
「できたよ、ケンスケ。」
爽やかな汗と共にケンスケに告げるシンジ(みんなにはそのように見えた)。
『碇・・・・・お前わかっててやってるのか〜。』
心の中で滝のような涙を流しながらケンスケはシンジのほうを見る。
だがそこにあったのはシンジの澄んだ瞳だった。
その光景を見ていた残りの3人は、ケンスケの近未来を思って呟いた。
「「「相田君(ケンスケ)、自業自得ね(やで)。」」」
マナとレイはケンスケをにこやかに見詰めた。その瞳は『さっさと自分から入りなさい!』と冷酷に告げている。
トボトボと掘り返された穴の中に横たわるケンスケ。
「さあ、みんなで相田君に砂をかけてあげましょう。」
「しっかりかけてあげるね、相田君!」
「ケンスケ、観念せい。」
「相田君、後で出してあげるから・・・・・。」
シンジがスコップを返しに行った隙に、ドカドカと砂をかけていくマナとレイ。
申し訳程度にトウジとヒカリも砂をかけていく。
「ほ、本当に最後は出してくれるんだろうな!?」
ケンスケは怯えたような表情でマナとレイの方を見上げた。
「大丈夫、帰るまでには出してあげるわよ。」
「シンちゃんがいるから出す時も大丈夫よ。」
シンジが戻ってきた時には、ケンスケは頭を除いて完全に砂の中へと没していた。しかも山のようにこんもりと乗せられている砂。これでは自力で脱出する事はできないだろう・・・・・・・・。
「ケンスケ、まあ今回は諦めるしかないね・・・・・・。 カメラを持っていたのが運の尽きだったのさ。」
シンジは身を屈めながらそう言うと、再び海に向かって歩いていった。
無論、レイ、マナ、マユミも付いていく。
4人が少し離れたところでケンスケは残ってヤキソバを食べ始めたトウジに懇願した。
「なあトウジ、頼むからここから出してくれ〜。」
しかしその懇願は何かを悟ったような表情のトウジがフルフルと首を横に振る事で却下された。
「諦めろや、ケンスケ。 さすがのワシも霧島、綾波を敵に回すことはできん。 それに下手をしたらイインチョまで敵に廻すかもしれんやないか。」
「トウ〜ジ〜、それでも男か〜。 俺達の友情はどうなったんだ〜。」
恨めしそうに呟くケンスケを無視してトウジは気になっていた事を話し出す。
「なあ、ケンスケ・・・・・・・。 やっぱあの光景をカメラに撮ったんわまずかったな。」
「そんな事言ったって身体が動かなかったんだよ〜。」
「まあ、霧島の鉄拳制裁やなかった事を素直に喜べや。」
そこまで聞いてケンスケは冷や汗をかき始める。
マナが穏便な方法にしたのは、シンジのいる前であまり過激な姿を見せたくなかったからだ。普段なら間違いなくケンスケはボコボコにされているだろう。
青くなっていくケンスケに顔を寄せると、トウジはいきなり小声で話し始める。
「お前、多分カメラを隠して何台かセットして水着写真を撮ったやろ・・・・・・・。 このままじゃ回収できへんな・・・・・・・・・・・・。」
そう言われればその通りである。このまま帰る時間になってカメラを回収していたら確実にばれてしまう。
「ト、トウジ・・・・・・、頼む! 場所を教えるから回収してきてくれ!」
「ええけど、今回の写真に関しての売上は半々やで。」
「なっ!・・・・・・・・・・・・・・・やむを得ないな・・・・・・・・・。」
「じゃあワシはゴミ捨てに行く振りして回収してくるさかい、イインチョのこと頼んだで。」
そう言うとトウジは立ちあがってヒカリに告げた。
「イインチョ、ワシはゴミ捨ててくるさかい先に海にいっててや。 霧島達と合流していればわかるやろうからな。」
「じゃあ先に行ってわね。 それから相田君を出すと鈴原にも矛先が向かうわよ。」
「ワシかてわかってるわ。 こいつの事は自業自得やさかいな。」
そう言うとトウジはゴミを持って歩き始めた。ヒカリもマナ達の位置を確認して海に向かう。
かくして咎人一人が残されたのだった。
「ううううう・・・・・・俺だけ取り残されるのか・・・・。 一体俺が何をしたっていうんだー!!」
本人には全く自覚がなかった。
やはりお仕置きは必要だったみたいである。
遠目に仲良く遊んでいるシンジ達を見ながらウルウルと涙を流すケンスケ。
「ケンスケ、カメラは2台やったな。 ここに置いておくで。」
ゴミを捨てに言ったトウジがケンスケのバッグの中に回収してきたカメラをしまう。
「すまんトウジ! これで何とか水着写真を確保できるぞ!」
手にした獲物に表情が綻ぶ。直前までの哀愁感は嘘のように消し飛んでいた。
やはり反省という言葉はないようだ。
「まあ、あんまりヤバイ事せんようにな。 ほならワシは行ってくるで。」
掌をヒラヒラと振るとトウジはシンジ達の方へと向かう。
「まあいいか、霧島のお宝映像は駄目になるかもしれないけど、最低限の目標は達成できたしな。」
相田ケンスケ、なかなかにタフな精神構造を持っているようだ。
(後書き)
自分でも何故話が続いているのかわからない「リナレイちゃん」。
今回は季節はずれ(書いているのは11月の終わり)ですが夏の海水浴です。
個人的には海の季節は10月半ばまでなので、まあ自分の海のシーズンが終わってから書いたと言うことです。
さてどうやって仲良くなったのかも書かぬうちにトウジ、ケンスケ登場です。
ケンスケのお仕置きはまあお約束と言うことで。
では後編も宜しくお願いします。
NKさんへの感想はこちら
綾吉 :NKさんからの投稿でした〜ありがとうございます〜
レイ :今回は綾波天国60000ヒット記念として投稿して貰ったのよね
綾吉 :うん、そうなんだ。そういう意味では二重の感謝だね
レイ :ありがとう・・・感謝の言葉
綾吉 :僕も今年の夏海へ行ったけど、丁度こんな感じで人が殆どいない海だったよ
レイ :何しに行ったの?
綾吉 :・・・・・・・・ノーコメント(T_T)
レイ :まあいいわ、今回も碇くんが私の魅力にメロメロだから許してあげる
綾吉 :・・・ありがとう
レイ :このままいけば、結婚も近いわね
綾吉 :マナやマユミは?
レイ :問題ないわ
綾吉 :そう? マユミは兎も角マナは?
レイ :ふ、私の碇くんに勝手に逆上せ上がってるだけで、碇くんの眼中には私しかないわ
綾吉 :そうですか。さて、皆さん、読んだら作者さんに感想メール、お願いしますね!
レイ :難しく考えなくていいわ。簡単でもいいの
綾吉 :そのとおりです。お願いしますね〜