リナレイちゃん幸福な日−嬉し恥ずかし残暑の一日−

Written by NK




暦の上では秋。
だが9月1日はまだまだ暑い。
クーラーの効いた自宅で過ごしていた夏休みとの落差に体がついていかない生徒達からすれば、人が多くクーラーも省エネとやらで申し訳程度の教室は拷問のようなものかもしれない。
幸いこの日は特に授業も無くさっさと終わるので、慣らし期間と言う意味では丁度良いのだろう。
HR前、クラブなどで一緒だった者以外は久しぶりに会うクラスメイトもいる。
所々でグループが生まれ話しに興じる姿が見うけられる。
その一つ、海に行ったメンバーで固まっているシンジ達のグループ。
ケンスケが焼き増しして持ってきた海の写真を見ながら盛り上がる一同。
無論、現像代はケンスケの負担となっていた。
「はぁ・・・・。せっかくの水着写真のネガが・・・・・・・。」
溜息をつくケンスケ。
今回に限り、ネガは全てマナ、レイ、マユミ、ヒカリの検閲を受けており、さらに際どいカットのネガは没収という措置を取られている。
彼の望むものは手元には残らないのだ(無論、もう一台の隠しとおしたカメラの分は確保している)。
「相田君、もう焼き増ししたんだから問題無いじゃない。それともやっぱりあのネガを使って商売でも考えているの?」
その呟きを聞いたマナが冷たい声で突っ込む。
「そ、そんなこと考えていないさ!」
慌てて否定するケンスケだが説得力のない事甚だしい。
「まあ今回はそんな変な写真はなかったけどね〜。」
レイもジト眼を向けながら口を開く。
「ケンスケ、あまり露骨な事してっとまた簀巻きにされるで・・・・・。」
学習能力のないケンスケに呆れるトウジ。
口には出さないもののマユミもジト眼を向けている。
『このままでは身が危ない!』
そう考えたケンスケは一番無難そうなシンジに話題を振る。
「な、なぁシンジ。お前はあの後どうしてたんだ?」
話しを振られたシンジは普段と同じにこやかな表情で答える。
「あの後、以前お世話になっていた道場に半月程合宿に行っていたよ。」
「ふーん、シンジって学校の部活には入っていないよな?」
「うん、僕としてはあくまで自分のためだし、あの道場が気に入っているから。」
「何やセンセ、色気のない話しやの〜。あの後、綾波とどっか遊びに行ったりせぇへんかったのか?」
「あ〜ら、ちゃんと行ったわよね〜、レイ?」
シンジが答えるより早くマナがレイにジト眼を向ける。
「ええ、家のお母さんと私、それにシンちゃんのお父さんとお母さんも一緒に、シンちゃん家の別荘に行ったわ。」
そんなマナに微かに優越感の篭った眼差しを送るレイ。
その事にカチンときたマナは攻撃モードに移行する。
「なんや、センセと綾波は二家族でセンセんとこの別荘に行ったんか?」
「そうなのよ〜。レイが珍しく夏休みの宿題を早く終わらせようとしてるって思ったら、碇君と一緒に遊びに行くためだって言うじゃ  ない。それも碇君に教わって。ずるいわよね〜。」
「マ、マナっ!なんでそんな事いきなりばらすのよ!」
あのシンジに教わりながら宿題をした日々を思い出して、駄々をこねていた自分が恥ずかしかったレイ。 しかしマナはそんな事は知らないのだ。
「あ〜ら、月末に遊びに行くからさっさと宿題をやっただけじゃない。それとも何かバラされて困る事でもあったの?」
「そっ!・・・・・・・・そんな事ないわ!」
「あら何よ、今の間は?」
悔しさから完全にからかいモードになっているマナの攻勢に、レイは防戦一方に追い込まれる。
「霧島さん、家族で一緒に行ったんだからみんなが期待するような事なんて何も無いよ。」
これ以上レイに話させるとまた何を言い出すかわからないため、シンジが頃合を見計らって助けを出す。
「そうよ、お母さんも居たんだから何もできなかったわよ!」
シンジの参入を機に反撃しようとしたレイは更なる墓穴を掘った。
「なんだ、もし二人だったら綾波は何かしようとしてたのか?」
ケンスケがニヤリ笑いをしながら再び切りこんでくる。
「ど、どうしてそうなるのよ!?そ、そりゃぁシンちゃんと二人っきりなら・・・・・その・・・・色々・・・。」
最初こそ勢い良く否定しようとしたレイだったが、最後の方は言葉もゴニョゴニョと不明瞭になり頬を赤く して何やら妄想の世界に入ってしまったようである。
エヘヘヘ・・・・・と微笑を浮かべながら両方の人差し指同士を近づけモゾモゾと動かしている。
「あ〜レイったらあっちに逝っちゃったわ・・・・・・・・。こうなると暫く戻ってこないわね。」
ヒカリが掌をレイの目前でヒラヒラと動かしても反応が無い。
「綾波さん、なんだか幸せそうですね・・・・・・。」
「ちっ!相変わらずの妄想癖ねぇ。これじゃからかえないわ。」
マナは何となく悔しそうである。
レイだけがシンジと一緒に遊びに行ったことへの憂さ晴らしをしようとしていたのに、これではこの話題はここでお終いになってしまう。
「別にからかわれるような事なんて何も無かったからねぇ。下手な事したら僕も父さんや母さんにからかわれるから・・・・・・・・。
 それにレイちゃんと一緒に遊びに行ったんだからそれだけで充分だし。」
あの旅行では色々あったのにすっ呆けるとはシンジも面の皮が厚い。
しかし周りの連中が期待するような色っぽい事は無かったと思っているので、シンジが嘘を言っているようには見えないのだ。
ただ抱きしめるだけとかキスくらいはシンジにとって既に特別な事ではないため、あくまでシンジ主観での事ではあるが・・・・・・・・。
「はぁ〜。彼女持ちの余裕って奴か、シンジ?お前は良いよな、綾波っていう彼女がいて。」
溜息をつきながら羨ましそうに言うケンスケ。
「でも碇君のお母さんって綺麗だったけど、レイにもレイのお母さんにも凄く似ていたわね。」
レイをからかえなくなったマナが、今度はシンジに話しを振ってくる。
「ああ、前にも言ったように離れてはいるけど僕の母さんとレイちゃんのお母さんは親戚なんだ。親戚の間でも似ているって話題  になるぐらいそっくりだよ。髪の色と瞳の色を同じにしたら、遠目では区別つかないんじゃないかな?」
「い、碇君・・・・・・・。もしかしてレイと碇君って近親相姦ってことはないわよね・・・・・・・・。」
こう言う事に非常に敏感なヒカリがオズオズと尋ねる。
ただ使った単語はかなりストレートでデンジャラスだった。
ていうか、一線を超えなければ例え近くても近親相姦にはならないぞ、ヒカリ・・・・・・。
「大丈夫だよ。実際親戚って言ってもかなり離れているから。まあ大学時代にかなり仲が良くて親友だったみたいだけどね。」
「ほんまなんか、センセ〜!ほんまは近親相姦なんやないんか〜!正直にゆうてみぃ。」
ヒカリの言葉の尻馬に乗ったトウジが妙な迫力の笑みを浮かべて顔を近づける。
パシイッ!
ヒカリの持っていたノートが丸められ一閃した。
「な、何するんやイインチョ。」
頭を叩かれたトウジがヒカリのほうに向き直る。
「鈴原・・・・・・・・。き、近親相姦だなんて・・・・・・不潔よ〜!!そんな事妄想するなんて不潔〜!!!」
いきなり身体をくねらせながら絶叫を始めるヒカリ。
さらにゲシゲシとトウジに殴る(武器を使って)蹴るの暴行を加えていく。
最初は自分が言った事なのに都合良く忘れ去っている。
「・・・・ぐわ〜!イ、イインチョ、落ち着くんや〜!」
攻撃を受けるトウジの絶叫が教室に響き渡る。
その声の大きさにレイですらこちらの世界に戻ってきた。
「な、何なんだ?ほ、洞木さんはどうしちゃったんだ?」
すかさず間合いを取り少し離れた場所に退避したシンジだったが、ヒカリのいきなりの絶叫と行動に珍しく(学校関係者の前では)狼狽している。
「あ〜あ、ヒカリの発作が始まっちゃった・・・・・・。」
少し遅れてシンジの所へ逃げてきたレイがやれやれという風に呟く。マユミも一緒だった。
「発作?」
シンジがレイに小声で訊く。
「うん、ヒカリの得意技『不潔よ〜』攻撃。」
「そうですね。洞木さんのトレードマークみたいなものですよね。」
レイの言葉を肯定するマユミ。
「洞木さんってよくああなるの?」
その視線の先には、段階が進んでバシバシと丸めたノートで殴打され殲滅されんとするトウジの姿があった。
「そうねぇ・・・・・・、まあよくなるのかなぁ?」
レイも注意して数えているわけでもないので小首を傾げながら答える。
マユミも同様だった。
「切っ掛けがあればなるわね。」
突然後ろから声をかけられビクッと身体を震わせるレイとマユミ。
シンジもさすがに殲滅されているトウジに気を取られていたため、マナが後ろに来ている事に気がつかなかった。
「っと・・・・・霧島さんか。・・・・・驚かさないでよ。」
ほとんど反射的に(無意識に)振りかえり一撃を加えようとしたシンジだったが、声と振り返る最中に眼に入ってきた茶色がかったショートカットの髪型によってマナだと気が付き、その一撃を寸前で止めた。
マナのほうも反射的に構えを取ろうと動きかけたが、まさかここでシンジから攻撃をかけられるとは思っていなかったため、もしシンジが拳を止めなければまともに食らっていたかもしれない。
「ちょ、ちょっと碇君。何よ〜全く・・・・・・・・・。」
寸止めとまではいかないが顔面間近に迫ったシンジの拳を見て、冷や汗をかきながらも冗談めかして声をかけるマナ。
心の内では
『・・・今の碇君の一撃、恐ろしいほど速くて正確だった・・・・。』
などと冷静に考えていたが・・・・・・・・。
「へっ?・・・・シンちゃん、どうしたの?」
静かなる応酬に気がつかなかったレイが不思議そうな顔でシンジを覗きこむ。
マユミもキョトンとした表情だ。
「い、いや・・・ちょっと後ろから声をかけられて驚いただけだよ。」
「そうそう、御免ね。レイもマユミもびっくりしたみたいだし。」
シンジとマナはとりあえず誤魔化すことにした。
「ふ〜ん・・・・・・なんかちょっと怪しいような気もするけど・・・・まあいいわ。」
こんな時だけ変に鋭いレイ。
「でも周りのみんなが洞木さんのあの姿を見てもそれ程驚かない(黙って影響圏外に退避した)って事は、やっぱり洞木さんって  時々ああなるんだねぇ・・・・・。」
感心したように話すシンジ。
どうやら強引に話しを元に戻そうというのだろう。
「ヒカリのアレは、まぁ発作みたいなものよ。時々なるの。」
マナもそれに乗って答える。
「あの絶叫を耳元でやられると結構応えるのよねぇ・・・・・。」
レイも何を話していたのかを思い出し、殲滅されたトウジと未だ身体をクネクネと捩っているヒカリを見る。
「いやぁ、ビックリしたよ。」
「そういえばシンちゃんはまだ見ていなかったのねぇ・・・・・。」
「でもこれで碇君も漸くクラスの名物を見たわけですね。」
「うん。でもトウジ大丈夫かな?」
「大丈夫よ。鈴原君は慣れてるから。」
マナがクスクスと笑っている事から、大体被害者はトウジなのだという事が察せられた。
尤もシンジはヒカリの動きを見ながら、
『ふーん、いい蹴りをしているなぁ・・・・・。』
等と言う感想を抱いていたが・・・・・・。

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン

なぜかバイオレンスが吹き荒れる教室内に、始業を知らせる鐘が鳴り響く。
さすがはクラス委員長と言うべきか、その鐘を聞いたとたん正気に戻るヒカリ。
そして自分が暴走していた事を思い出し恐る恐る足元に目を向ける。
「キャァ〜!す、鈴原〜、しっかりして〜。」
そこには見事にボロボロになりぐったりしているトウジの姿が・・・・・・・。
「あ〜、また私ったら・・・・・・・・・。」
蒼白な顔で慌ててトウジを抱え起こすヒカリ。
「大丈夫だよ委員長、トウジのことだから椅子に座らせておけば自己修復するって。」
ケンスケが心配そうなヒカリにそう言って声をかけ、トウジを抱えて席へと座らせる。
クテッとして白目をむいているが深刻なダメージは無さそうだな、と横目で見ていたシンジは判断した。
『ふーん、トウジもタフと言うか丈夫だね〜。あれならHRが終わるまでには復活するだろう・・・。』
少々トウジのタフさ加減にに呆れていたようだが、視線を教壇のほうに向ける。
『このクラスって結構おもしろい人が集まっているなぁ・・・・。』
それがシンジの結論だった。




化学(と生物の資格も持っている)の教師であり担任の赤木リツコの姿が見えると、思い思いに話していた生徒達が慌てて席につく。
赤木リツコは白衣と金色に染めた髪がトレードマークの美人だが冷たい感じがする上、怒らせると変な薬の実験台にされるという噂が生徒間で囁かれている。
基本的にはいい先生なのだが・・・・・・・・・。
リツコはツカツカと教壇に歩み寄ると、出席簿を机において教室を見渡した。
「みんな、夏休みは楽しかったかしら?一人の欠席者もいないという事は夏休み中に大怪我とかした生徒はいないということでしょうけど・・・・。」
多分冗談なのだろうが、あまり表情を変化させずクールに言い放つリツコの事だ。本気で言っているのかもしれない。
「今日はHRだけで終わりよ。でも明日からは普段通りの授業が始まるから、今日1日で気持ちを切り替えないと駄目よ。」
あくまでクールなリツコだった。
連絡事項も滞り無く済み、HRは終了となった。
リツコが教室を出ていくと生徒たちは再びグループになって話し始める者、クラブ活動へと急ぐ者、さっさと帰り支度をする者など思い思いの行動を取り始める。
そんな中、シンジは鞄を持って立ちあがるとレイに声をかける。
「どうするレイちゃん、何か用事有る?」
「う〜んと・・・・・・・・。」
何か無いか思い出そうとしているのだろう。"む〜"と唸って形の良い眉を八の字にして考え込むレイの姿はなかなか可愛らしい。
「何にも無いわ。シンちゃん帰ろ〜。」
勢い良く鞄を掴むとシンジの横に走り寄る。
人だかりを気にせずさっさと教室を出ていく二人。
そんな姿を見てマナとマユミも鞄を掴んで立ちあがる。
「洞木さん、どうします?」
マユミが声をかける。
「私は週番の鈴原を監督しなくっちゃいけないから。委員長としてもう少し残ったほうがいいみたい。」
苦笑しながら答えるヒカリ。
「あら、洞木さん。じゃあ帰りは二人っきりですね。お邪魔しちゃ悪いので私は帰りますけど・・・・・・。」
クスクスと笑みを浮かべて言うマユミ。
「な、何を言っているのよマユミ!ほ、ほら、早く行かないと碇君達帰っちゃうわよ。」
顔を赤くしてうろたえながらシンジ達のほうに視線を向けるヒカリ。
そこにはそそくさと出ていくマナの姿も・・・・・・。
「あっ、じゃあお先に。」
マユミも後を追うように教室を後にする。
「ふ〜。マユミもやっぱりまだ碇君の事好きなのかしら?」
そんな親友の姿を見てヒカリはポツリと呟いた。





制服ということと、天下の往来という事もあってさすがに腕を組んではいないが、ピッタリとシンジに寄り添って歩くレイ。
マユミとマナは二人のやや後ろを歩いている。
後ろの二人に、「シンジは私のもの」という強烈なオーラを放って牽制しているレイ。
シンジとレイが相思相愛だと理解していても、やはり感情はまだまだ認められないしチャンスがあれば振り向かせようと考えているマナ。
親友であるレイとのこともあり、シンジとレイの絆の深さを知った今では積極的なアピールはしないものの、心の中では未だ想い続けているマユミ。
考えて見ればこの4人の関係ってかなり怖い。
平和なのは中心にいるシンジのみなのは何故だろう?
まあ全員がジメジメと陰気な事を考えていない為、周囲から見ると美少女を引き連れた男子高校生というふうにしか見えない・・・・・・。
一人身の男達からすればかなり贅沢というか、腹の立つ光景ではある。
普段はこの4人にケンスケ、トウジ、ヒカリが加わり最寄の駅からターミナル駅まで一緒なのだが、生憎この状況を一番やっかむケンスケは所属している写真部に用があって学校に残留。
トウジはヒカリに週番の仕事をやらされているだろう。
したがって表面上妙に和やかな雰囲気で歩いている一行。
「でもシンちゃん、この前デビューした惣流さんって美人だよね〜。」
レイが最近デビューした高校生アイドルの惣流・アスカの話題を振る。
本名、惣流・アスカ・ツェッペリン。
赤みがかった金髪の髪を長く伸ばし、明らかに外国人との混血とわかる容姿。
スタイルも良く、容貌もかなりの美人に区分される。
何でもドイツで飛び級で高校を卒業しているとか・・・・・・・。
自分たちと同じ16歳で華々しくデビューし、今やグラビアからポスターまで人気を独占している。
帰り道に彼女のポスターを何枚も見かける。
ケンスケやトウジなど、かなりまいっているようだ。
「う〜ん、そうだね。確かに結構美人だね。」
何でも無いかのように普通に答えるシンジ。
彼は昔からこの手の話題に興味が薄い。
実際、TVなどで惣流・アスカを見たことはほとんど無い。
せいぜいポスターや雑誌のグラビア程度だが、それさえ普通の人に比べれば極端に少ないのだった。
何しろシンジの母親の碇ユイは相当な美人であり、彼女のレイもトップクラスの美人なのだ。
さらに転校してきてからは、周囲をヒカリ、マナ、マユミという美人が囲んでいる。
無論プロのメイクが腕によりをかけて綺麗に見せ様としているアスカと比較すれば、見た目は若干落ちるかもしれない。
だがそれは極上の家庭料理と高級レストランの外食、といった違いなのだ。
したがって彼は美人というものに強い耐性を得ていた。
「あら碇君、随分関心の無い口調ね。」
探るようなマナの台詞。
「だって惣流さんが美人だとしても、僕には何の関係も無いしね。それに今のクラスは美人な娘が多いからそんなに珍しくも無いし。」
いつもと変わらぬ口調で話すシンジを見て、レイ、マナ、マユミの3人は心の中で大きくガッツポーズをする。
美人な娘が多いという事は、自分が飛び抜けているわけではないがシンジによって自分が美人と認められており、アイドルであるアスカとも同列に感じられていると解釈したのだ。
アスカはレイやマナ達から見ても羨ましくなるほど美人だったため、シンジの言葉は3人に安堵と喜びを与えていた。
「シンちゃ〜ん。その美人の中には私も入ってるよね?」
自信はあるものの、やはり確認したいのだろう。レイがニコニコしながら尋ねる。
「当たり前じゃないか。」
何を今更、という感じで答えるシンジ。これは惚気だろう・・・・・・・・。
『やっぱりシンちゃんの一番は私よね。』
嬉しそうなレイ。
「「碇君、私は?」」
ユニゾンして尋ねるマナとマユミ。
マユミ、お前性格変わってないか?
「何でそんな事を訊くのかなぁ?美人に決まってるじゃない。」
8割本気、2割は加持から伝授されたリップサービスで構成される返事をする。
『うんうん、やっぱ負けてないよね、私。』
『・・・・碇君に美人と言われました・・・・・・。嬉しいです・・・・・・・。』
その答えに満足したのかやはり嬉しそうな2人。
こんな事を8割方意識せずに言い放つあたり、シンジは女たらしの素質充分かもしれない。
だが当の本人は何故彼女達がそんなに嬉しそうなのかイマイチわかっていない。
シンジからすれば言うまでも無い当然の事、という認識なので理由がわからないのだ。
しばらくホンワカとした雰囲気で歩いていた4人であったが、ふと思い出したようにマナが口を開いた。
「そういえば碇君、やっぱり空手部に入ってくれないの?」
首をちょこんと傾げて聞いてくる姿は、なかなか可愛い。
「ちょ、ちょっとマナ。あなたシンちゃんを空手部に引っ張り込もうっていうの?」
二人でいる時間を減らされたくないレイは猛然とマナに噛みつく。
「だって碇君、相当強いみたいだし入ってくれれば県大会で上位を狙えるかもしれないじゃない。」
そんなレイをあっさりとかわして当然のごとく話すマナ。
「そう言えば今日は部活無いの?サボっちゃダメよ、マナ。」
対するレイは普段部活で一緒に帰る事の少ないマナがいる事自体を不思議に思ったようだ。
「今日は部活もお休みよ。だから碇君と一緒に帰れる貴重な日なのよ。」
何でアンタがここにいるのよ!?というレイの問に平然と答えるマナ。
さすがに空手の腕前から"鋼鉄の霧島"と呼ばれているだけはある。
精神もタフで鋼鉄製なのだろう。(あっ、霧島さん暴力はいけないよ!うぎゃ〜!!・・・・・・・・・・・・うぅ・・・)
「確かに霧島さんが一緒に帰るなんて珍しいですね。」
「そうなのよ、碇君が空手部に入ってくれればいつも一緒に帰れるのにな〜。」
マナの挑発するような一言にムッとした表情をするレイ。
何やら雰囲気が剣呑になってきたためシンジが中に入る。
「霧島さん、僕がやっているのは空手じゃないんだよ。どちらかと言うと拳法だからね。空手部に入って空手をやろうとは思ってないんだ。」
苦笑しながらやんわりと断るシンジ。
「でも見のこなしとか見ていると、空手でも相当強くなれるんじゃない?」
「かもしれないけど、僕のやっている格闘技は関節技もあるし顔面への攻撃もOKだから、空手のルールとは全然違うんだよね。」
「そうなんだ〜。ちぇっ、残念だなぁ・・・・・・・・。」
マナは心底残念そうに両手を頭の後ろで組んで拗ねて見せる。
「そう言えばシンちゃん、練習っていつやっているの?」
レイも興味を覚えたのか質問してきた。
「そうだねぇ。・・・・朝早く起きてロードワークと兼ねて1時間半、家に帰って2時間ぐらいかなぁ・・・・。」
シンジも顎に手を当てて考えながら答える。
「それって部活やっている私と同じぐらいじゃない。」
眼を丸くしてシンジを見詰めるマナ。
「道場とは離れていて練習に行けないから、最低限この程度はやらないと腕が落ちちゃうからね。」
何でも無いように答えるシンジ。
「え〜、じゃあいつ勉強とか宿題をやってるの?」
不思議そうに尋ねるレイ。
「えっ?夜9時ぐらいから始めて12時ぐらいまでかな・・・・・。」
「それだけでいつも宿題やってるの?」
「うん、何とか終わるけど勉強はそんなにできないよね。だから授業中に集中していないと付いて行けないんだ。」
『ひょっとしてシンちゃんって本当はかなり頭いいんじゃないの・・・・・?』
その話を聞いてシンジの事を見直すレイ。
1学期の期末試験では、シンジの順位は一応上位1/4に入るぐらい。
一方レイは半分よりちょっと下(さすがに赤点は無い)。
マナは上半分のちょうど中間ぐらいだった。
ちなみにマユミはトップレベルである。
マナは部活が、シンジは独自の鍛錬があるためであるが、本気で勉強すればトップクラスに入るだろう。
自分を省みてちょっと悔しいレイだった。
参考までにヒカリはシンジと同じぐらい、ケンスケはマナと同レベル、トウジはレイより下である。
レイも記憶力はある方だし頭も結構良いのだが、何しろTVを見たり漫画を読んだりで勉強をあまりしない(というよりは集中してやらない)。
したがって夏休みの宿題の時のように缶詰にして勉強させればかなりできるのだ。
「じゃあ入部しなくてもいいから、今度一回組み手に付合ってよ。私、碇君の実力を見てみたいの。」
懇願するように見詰めるマナに根負けしたのか、コクリと頷くシンジ。
「でも一回だけだよ。」
そう釘をさすことも忘れない。
頷きながらも嬉しそうな表情をしているマナ。
この辺は格闘技をやっているものとしての純粋な喜びなのだろう・・・・・・。
「うー、その時は私も付いていくわ、シンちゃん。マナ、いいわよね!」
「あっ、私も見てみたいです・・・・。」
マナだけに機会を与えたくないレイとマユミが即座に見学を表明する。
「えっ・・・・・ええ、いいわよ。」
内心チッと舌打ちをしながらも笑顔で答えるマナだった。





「シンちゃ〜ん、今日は家に寄って行ってよ〜。お母さんからこの前のお返しがしたいって言われてるし。」
マナ達と別れ自分の家近くに帰ってきたシンジとレイ。
レイの家間近になった時、レイがシンジに家に寄って行けと言いはじめたのだ。
無論シンジもレイの家なら何度か来ているので抵抗はない。
「じゃあお邪魔するよ。」
シンジも恋人であるレイと一緒にいる時間が長くなるのは好ましい。
「ただいま〜。お母さん、お茶とお菓子〜。」
家の玄関に入ると大声で奥へと声をかけるレイ。
パタパタと奥から出てくるレイカの足音が聞こえる。
「全くレイったら・・・・・・玄関でそんな事大声で言うもんじゃ・・・、っ!シンジ君!?」
「あっ、突然お邪魔して済みません、レイカ叔母さん。」
ペコリとお辞儀するシンジ。
「あらあら、よく来てくれたわね。さあさあ入って。」
途端に機嫌が良くなりシンジを招き入れるレイカ。
「はい、お邪魔します。」
靴を脱いでリビングへと入るシンジとレイ。
レイカはキッチンでお茶の用意をしているのだろう。
「シンちゃん、何か家に来るの久しぶりじゃない?」
はしゃいだ様子で話しかけてくるレイ。
「そうだね、宿題はずっと僕の家でやったし、その後は別荘に行ったものね。言われて見れば久しぶりだよね。」
少し考えて笑顔で答えるシンジ。
「えへへ〜、シンちゃ〜ん。」
ゴロゴロという声が聞こえそうな雰囲気で隣に座るシンジの肩に顔を擦りつけるレイ。
シンジの顔がちょっと赤い。
「どうしたの、レイちゃん?」
しかし声にまだ動揺が現れないのはさすがである。
「だってだって、シンちゃん私の事美人だって言ってくれたから・・・・・・・・・。」
マナやマユミの前でアイドルに匹敵するとキッパリ言ってくれたことが嬉しかったのだろう。
そんなレイを可愛いと感じて、左手でレイの髪を撫でてあげるシンジ。
レイも嬉しそうにうっとりとした表情でシンジの手の動きを受け入れる。
「あらあら、仲がいいわね〜。」

そこへ突然降ってくる第3者の声。
お茶とお菓子を持ってきたレイカがチシャネコ笑いをしながら二人を眺めていた。
パッと離れる二人。
二人とも顔が赤い。
「レイ、鞄を部屋においてきたら?」
「そ、そうね・・・・。」
バツが悪かったのだろう、レイカの言葉に従い自分の部屋に行くべく席を立つレイ。
レイカは持っていたお盆をテーブルに置くと、自分はシンジに向かい合うように腰を下ろす。
ニコニコしている表情は変わらない。
「シンジ君、いつも家のレイが迷惑かけてごめんなさいね。」
紅茶が入ったカップをシンジの前に置きながら口を開くレイカ。
「えっ?そんな・・・・・レイちゃんは迷惑なんてかけてませんよ。」
シンジはレイカの言葉を否定する。
多少頓珍漢な事をするが、別に迷惑をかけられたという記憶は無い。
「そう言ってもらえると嬉しいわ。これからもレイを宜しくね。」
「はい、僕にできる限りの事はします。レイちゃんは僕にとって大事な存在ですから。」
キッパリと言いきるシンジにレイカはほっとしたような表情を見せた。
「あの子も幸せね、恋人にそこまで想われているんだから・・・・・・。」
その言葉にシンジはちょっと赤くなったが何も言わずに黙っていた。
どうやらレイカも自分とレイが付合う事を応援してくれているようだ、というふうにこの前の別荘以来シンジは考えている。
いや、レイカだけではない。
自分の母親のユイも相当乗り気のようだし・・・・・・。
ゲンドウも何も言わないが同じだろう。
『僕自身がそう望んでいるから構わないけど、よくよく考えると着々と外堀は埋められているんだなぁ。』
そんな事も考えてはいたが・・・・・・・。
「お待たせ〜シンちゃん。」
そこへレイが勢い良く入ってくる。
そしてシンジの隣にスッと腰を下ろした。
「あら、早かったわね。いつもなら降りて来やしないのに。」
「もう、何でお母さんはいちいち私に突っかかるのよ〜。」
「別に突っかかってなんかいないわ。事実を言っているだけじゃない。」
「まあ別にいいけど、シンちゃんが来ているんだから変な事言わないでよね。」
「はいはい、わかってますよ。」
その後は穏やかにレイカが出してくれた紅茶とお菓子を食べ、それが終わるとレイの部屋へと場所を移す。
最初はケンスケから渡された海の時の写真をネタに当たり障りの無い話をしていたが、フッとレイが表情を改め真剣な顔でシンジに問い掛ける。
「ねえシンちゃん、あの・・・・・あのさ・・・・・・・・・・・・・。」
だが何か言い難い事なのだろう、後の言葉が出てこない。
「どうしたの、レイちゃん?何か言い難い事なの?」
優しく声をかけるシンジ。
「私ずっと気になっていることがあって・・・・・。シンちゃんに訊いてみたかったんだけど、でもこの事で私を変な娘だって思わないでね・・・・・・。」
相変わらず内容については見当がつかないが、レイがこれだけ真剣に話しているのだからそれに応えなければいけない、とシンジは思った。
「大丈夫だよ。何があったって僕のレイちゃんに対する態度は変わらないよ。」
だからなるべく普段と変わらない口調で答える。
その言葉を聞いて安心したような表情をすると、レイは何とか言葉を紡ぎ出そうとする。
「・・・・あ、あのね・・・・・・えぇと・・・・・・男の人ってさ・・・・・・・・。」
だが段々声が小さくなっていき、頬を赤くして俯いてしまう。
どうやら異性の何らかの事を訊きたいのだ、と察したシンジは黙って次の言葉を待つ事にした。
「・・・・・・・男の人ってやっぱりさ・・・・・・・、女の子の・・・・胸が・・・・大きい方がいいの?」
ようやく訊きたかった事を口にしたレイだったが、顔は耳まで真っ赤で眼を瞑って俯いている。
一方質問の内容を聞いたシンジも目を大きくしてポカンとした表情をして固まってしまった。
だが勇気を出して口にしたレイを思い、何とか答えるべく頭を回転させる。
「・・・・えっと・・・・・その・・・・・・・トウジとかケンスケがどうかは知らないけど・・・・・・・。」
ようやく話し始めたシンジはレイの様子を確認した。
自分の胸元に視線をやり、両掌を胸に当てて固まっている。
「レイちゃんはまだまだ成長期だし、現段階で確定している事でもないんだから気にする必要は無いよ。」
「・・・・そうなの?」
僅かに顔を上げか細い声で尋ねる。
「そうだよ、第一胸だって大きければ良いというものでもないと思うよ。な、何て言うか・・・・・その・・・・・身体全体のバランス
 というか・・・・・・スタイル全体というか・・・・・・。とにかくレイちゃんの場合、今現在も別に悩むほど小さくなんか無いと思うし、これから大きくなると思うし・・・・・・・・・・・・・・。」
最初はレイを力付けようとはっきりと話していたシンジだが、段々自分でも何を言っているのかわからなくなり、その内容が内容だけに徐々に不明瞭になっていった。
「でも・・・・・・私平均よりちょっと小さいし、マナのほうが胸大きいし・・・・・・・。」
やはり海でマナに言われた事が気になっているのだろうか?
まあレイとしては中学時代からのコンプレックスなのだから、気にするなといっても無理なのだろう。
「別に単純な大きさだけじゃないと思うけど・・・・・・。この前海に行った時に見た限りでは、
 レイちゃんは腰が細くてスタイル抜群だし、バランスからいけば充分だと僕は思うよ。
 ・・・・・・・・・・・今のままでも充分魅力的だしね・・・・・・・・・・・。」 最後はボソボソと聞き取れないほど小さな声で呟いたシンジだったが、レイはちゃんと聞き取っていた。
でもシンジ君、結構君も見るところはきちんと見ていたんだね・・・・・・・・。
「ほんとう?・・・・本当に私のスタイルが良いって・・・・・この胸でも問題無いって思ってくれるの?」
今や顔をシンジの方に向け、真剣な表情で見詰めるレイ。
「それはそうだよ。僕は別に胸の大きさでレイちゃんを好きになったわけじゃない。
 レイちゃんの胸だからいいなって思うんだからさ。」
随分と恥ずかしいと言うかエッチな事を話しているシンジだったが、顔を赤くもせず真剣にレイに話し続ける。
そのシンジの真剣さにようやくホッとしたように表情を和ませていくレイ。
「ありがとう、シンちゃん・・・・・・・。私、中学生の頃からずっと自分の胸が小さいって悩んでたの・・・・・・・。
 でもこれで吹っ切れたわ。
 大勢の人に見せるわけでも、誉めてもらうわけでもないだもんね。そう、シンちゃんに気に入ってもらえばそれでいいんだもん。」
そう言って微笑むとレイは、肩に手を置こうとして伸ばしてきたシンジの両腕を掻い潜ってボフッと抱きついた。
「レ、レイちゃん!」
ギュッと抱きつかれたシンジはそれまでの冷静さは何処へやら、顔を赤くしてレイの柔かい身体を受け止める。
「・・・・・シンちゃん、責任取ってシンちゃんが大きくしてね、私の胸・・・・・・。」
抱きつきながらとんでもない事を告げるレイ。
「な、何を言っているのさ、レイちゃん。」
「だって私はシンちゃんが好き・・・・・。私の身も心もシンちゃんのものなのよ。だからシンちゃんに立派にしてもらうんだもん・・・・・・。
 シンちゃん以外の人にはやってもらいたくないもの。」
要するに○○で大きくしてくれ、と言っているのだ。
その台詞を聞き、実際の行為を想像してますます赤くなり、何も言えないシンジ。
こういう所だけは変に大人で積極的なレイなのだ。

さらに力を込めてシンジに抱きついたレイは、ギュッとその柔らかい双丘をシンジの胸に押しつける。
次々と間断なく加えられる攻撃に、遂にフリーズを起こすシンジ。
押しつけられたムニュッとした柔らかい感触とスパイラルアップする想像で埋め尽くされる頭の中。
レイの恐ろしいところはこれら一連の行為を無意識に行っているところだろう。
だがシンジもその強靱な精神力で何とか現実世界への帰還を果たす。
「それとも・・・・・・・私じゃ嫌・・・・・?」
ようやく意識を取り戻したシンジに、上目遣いの表情から発せられるレイのとどめの一言・・・・・・。
「うっ・・・・・・・・そんな事無いよ。僕だってレイちゃんを独占したい。
 でもそれはもっと大きくなってから、だからね。」
結局押し切られ、正直に言わされてしまうシンジ。
何だかんだ言って、結構レイが尻に敷いているのかもしれない。
「ええ、それで問題無いわ。」
シンジが肯定した事でご機嫌なレイ。
こうして二人の絆は深まって(?)いくのであった。




お互いの意思を確かめ合って別れたシンジは、自宅の庭で日課である鍛錬を行っていた。
2時間ほど汗を流して縁側に座ると、タオルで汗をふく。
すると今日やり取りしたレイとの会話と何をしたかが思い出されてくる。
『今日はまいったなぁ・・・・・・。レイちゃんの行動は予想できない事が多いよね・・・・・・。まさかあんな展開になるとは思ってもいな  かったよ。』
記憶が鮮明になってくると、それに伴い顔が再び赤くなってくる。
まあ、何を言おうが結局シンジも高校生の男の子。嬉しいのだ。
『いかん!雑念を払わなければ!』
何やら自分の意思に反して大きくなってきたモノがある事を自覚したシンジは慌てて立ちあがった。
そして再び精神を集中して鍛錬を再開するシンジ。
結局シンジがこの日、いつもより20分ほど長く庭にいた事は余談である。


一方レイはその頃・・・・・・・。
「うふふふ・・・・・・・、シンちゃん、私の胸を大きくしてくれるって・・・・・・・・・・・。」
何やら自室で机に向かい、怪しげな雰囲気を伴って逝ってしまっていた。
シンジに誉められ、肯定された事で自分の胸に対するコンプレックスが低下したのだ。
「えへへへ・・・・・、それにシンちゃんは私の胸だから好きって言ってくれた。これでマナに何を言われても余裕よね!」
訂正、コンプレックスを克服したようだ。
「シンちゃんの彼女はわ・た・し。マナにもしっかりと分からせないとねぇ〜。」
そう呟きクスクスと笑っている姿は何となく怖い・・・・・・・・。
「シンちゃ〜ん、彼女は私なんだから浮気したら許さないわよ〜。」
かなり妄想が膨らんでいるのだろうか?
マナとマユミに向かって、優越感に満ちたお嬢様笑いをしている自分を連想するレイ。
まあ、妄想の中でだけなら誰にも害はないから問題ない・・・・・・・だろう・・・・・・・・・・・。
「レイー!何やってるの?お風呂早く入りなさい!!」
階下から母親の声がするが、今のレイには聞こえない。
今日も幸せ一杯のレイちゃんであった。

それより明日から平常授業なんだぞ。用意はできているのか???
担任のリツコに改造されないといいね、レイちゃん。





(後書き)

最近書くネタが無くなり、かなり内容が怪しくなってきている「リナレイちゃん」。
とりあえずライバル達を大きくリードし、レイちゃん単独トップ状態にしてみました。
でもリナレイって書くの難しいですね。油断すると子供っぽくなっちゃうし・・・・。
ところでようやく赤いお嬢さんの名前が出てきましたが、これ以上キャラを増やすと収拾がつかなくなるのでシンジやレイとの絡みはありません。ご了承下さい。
さて、いつの間にかシリーズ連載のようになってしまったこの作品、残念ながらこれ以上ネタが無いんです。
高校時代はクリスマスとか正月って、特別何かしたっていう記憶がないんですよね〜。
あっ、黙って終わらせれば楽になれるかな?





綾吉 :NKさんの「リナレイちゃん幸福な日−嬉し恥ずかし残暑の一日−」を公開です〜
レイ  :そして次回からは邪魔者のいない正統派LRSが始まるのね
綾吉 :正統派って何?
レイ  :登場人物がわたしと碇君だけのお話よ
綾吉 :登場人物が少なすぎても書くの辛いと思うんですけど・・・
レイ  :知らないわ
綾吉 :そうですか(でも僕が書くわけじゃないからいいか)でも充分LRSじゃないか?
レイ  :ポっ
綾吉 :コンプレックスも解消されてもう完璧じゃないか?
レイ  :・・・・・わたしは胸が小さいの?
綾吉 :えっ!?(しまった)
レイ  :どうなの?
綾吉 :えっとそれは〜小さくもないのではないかと・・・・まだ14歳ですし
レイ  :どうすれば大きくなるの?
綾吉 :ええっ!? それはシンジに聞いて!!
レイ  :そう、わかったわ。サヨナラ
綾吉 :危なかった・・・シンジ許せ。僕は僕の安全が大事なんだ(爆)
次回にご期待の皆さん、うちの投稿規程からいって残念ながら18禁はありません(笑)
NKさんに感想のメールを宜しくです〜



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