今日もシンクロテスト。明日も、学校の後はシンクロテスト。
 仕方ないと言われればそれまでだけれども、こうも毎日エヴァのテストばかりでは嫌気も差すもんだ、と独り言。
 ならどうする。逃げ出す?まさか。
 日常には起伏があって然るべきなんだよ。そう思ってやっぱ止め。ロボットに乗って怪獣と戦う、なんて日常を逸脱するぐらいの起伏。
 でも、だからといって、普段は学校、家、ネルフの三つを往復だけの暮らしなんだから、面白くも何ともない。
 たまには何か、と思っても別に大したものはないから、図書館に足が向くのはやむを得ない。
 本が読みたい訳でもないけど、暇を潰す何かは見つかるだろう。
 そう思って、この時代には不釣り合いなぐらいに立派な図書館の門をくぐると、何を探そうか、と目をやる。
 ふと、目がいった。
 第壱中の制服、蒼い色の髪の毛。誰も間違えやしないだろう。他でもなく、綾波レイだった。
 声をかけようか、どうしようかと一瞬迷ううちに、彼女の方から近づいてきた。
「碇くん」
「綾波」
 言った所で、続かない。全く…と自己嫌悪を込めて頭を掻いた所で、話を振ってきたのは彼女だった。
「本、借りにきたの?」
「あ、まあ」
「これ……読む?」
 彼女は脇に抱えた本を差し出した。確か、少し前に話題になった純愛小説だろう。いつも人形のように表情を見せない彼女に純愛か、と一瞬おかしくなるのをこらえて受け取った。
「ありがとう」
 言った所で少し湧いた疑問もついでに。
「綾波って、いつもこんなの読むの?」
「最近は……」
「最近?」
「碇くんに会うまでは、小説なんて読まなかった」
 おいおい。何かな、とちょっと期待を込めて、不安で天を仰いだ。
「最近、こういうの読んでて、おもしろいと思うようになったから」
 言葉が出なかった。どう言葉を返せばいいのだろうか。お話しの中じゃあるまいし。
「あ…その……」
 咽喉が妙に渇いた感じだった。でも、彼女は気にも留めてないようだった。
「ありがとう」
 それだけ言うと、時計を仰いだ。
「そろそろ時間ね」
「あ、うん」
 返事はしたけど何の事だかさっぱりだった。ちょうどそのときの閉館時間を告げるアナウンスがなければ、いつまでも気がつかなかったかもしれない。
「もう遅いよ、送ってく」
「え?」
 さりげなく口をついて出た言葉だけに、彼女に真顔で振り向かれては困った。
「その、もう暗いし、女の子一人では危ないと思ったから…
 迷惑だったかな、ゴメン」
 しばらく沈黙が流れた。
「行きましょう」
「え?」
「送って、くれるんでしょ?」
「あ……」
 少し、彼女の顔に朱がさしていたように思うのは、うぬぼれだろうか。








ミレア:ふぃ〜。
カヲル:どうしたんだい?
ミレア:いや、締め切りに間に合ったのがうれしくて…(現在12月29日21時)
カヲル:いつも自転車操業だからね、君は。
ミレア:光栄です。
カヲル:いや、褒めてないよ。
ミレア:_| ̄|○
カヲル:さて、この作品、短いね。
ミレア:見ての通り。
カヲル:それより、僕の出番がないね(怒
ミレア:必要ないし……

ドカバキグシャガス

カヲル:殺意に値するね。





感想はこちら

戻る